四谷大塚をはじめ、早稲田アカデミー、四谷大塚準拠塾など多くの中学受験塾で使われている予習シリーズですが、難易度の高い問題も含まれているため、適切な順序で、お子さんの学力に合わせた使い方をしないと、消化不良に陥ってしまいます。
基本的には、量の問題ではなく順番の問題です。
この記事では、集団塾に通うお子さんを日常的に教えている個別指導塾の立場から、予習シリーズの構成、1週間の進め方、週テストと組分けの使い方、科目別・学年別の付き合い方、そして塾に通わずに使う場合の選択肢まで整理します。
この記事でわかること
- 予習シリーズと呼ばれている教材が実際には何冊あり、どれをやるものなのか
- 予習は必須ではないという前提(塾によって家庭学習の位置づけが違う)
- 1週間の進め方と、週テストの点数をどう読むか(点の絶対値で判断しない理由)
- 教材の中にある難易度の階段と、いまのコースでどこまでやるか
- 算数の例題を「閉じて再現できるか」で確認する方法
- 4年・5年・6年の学年別の付き合い方と、6年下巻で教材が二手に分かれること
- 塾に通わずに予習シリーズを使うときの正規のルート(進学くらぶ)

この記事を書いた人
山本航士
受験アドバイザー
聖光学院中高→慶応義塾大学経済学部→IT・コンサル会社→LEFYにて難関中学受験および中高一貫校生をサポート
予習シリーズとは?四谷大塚のメイン教材
予習シリーズは四谷大塚が作っている中学受験のテキストです。四谷大塚の直営校だけでなく、早稲田アカデミーをはじめとする提携塾でも使われているため、通っている塾が四谷大塚そのものでなくても、この教材で学習しているご家庭は多くあります。
教材は1冊ではない
予習シリーズという言葉は、実際には教材群の総称です。四谷大塚の教材一覧では、メインのテキストのほかに必修副教材と選択副教材が分けて並んでいます。役割が違うものが同じ名前でまとめられているので、まずここを分けて考えてください。次の表は4年生の場合です。
| 区分 | 教材 | 役割 |
|---|---|---|
| メイン | 予習シリーズ(本体)上・下 | その週に学ぶ内容の説明と、例題から練習問題まで |
| 必修副教材 | 計算 | 算数の計算練習。1日1ページの構成 |
| 必修副教材 | 漢字とことば | 国語の漢字・語句。こちらも1日1ページ |
| 必修副教材 | 演習問題集 | 本体で学んだ単元の演習。トレーニングから発展問題まで難度の幅が広い |
| 選択副教材 | 基礎トレーニング(算数) | 算数の基礎の反復 |
| 選択副教材 | 最難関問題集 | 難関校の入試問題に近い難度 |
| 選択副教材 | 週テスト問題集 | 過去の週テストをまとめたもの |
価格は4年生の場合、本体が4教科セットで上下各7,920円(単体は1教科1,980円)、計算が上下各880円、漢字とことばが上下各1,980円、演習問題集が上下各1,540円です。選択副教材は基礎トレーニングと週テスト問題集が上下各1,760円、最難関問題集が上下各1,540円となっています。いずれも税込で、学年によって金額も構成も変わります。
どの家庭でも使うのが本体と計算、漢字とことばです。演習問題集も必修副教材ですが、後述するとおり中身の難度の幅が広く、どこまで手をつけるかはコースで変わります。最難関問題集は上位のコースで初めて出番があります。塾から配られたものが全部「やるべきもの」だと考えると、破綻する可能性があります。
つまずいているご家庭の話を聞くと、この全部をやろうとしている、もしくは、取り組む順序やかける時間配分が適切でないことが少なくありません。お子さんに合った問題を、合った順序で用意してあげることが大切です。
映像授業(予習ナビ・復習ナビ)もある
紙の教材のほかに、四谷大塚には映像授業もあります。予習シリーズを使った授業を自宅で見られる予習ナビと、週テストで間違えた問題の解説と類題演習を受けられる復習ナビの2つです。四谷大塚は「予習・授業・テスト・復習」の4段階で1週間を組み立てていて、その予習と復習にあたる部分を映像で埋める作りになっています。
通信教育の進学くらぶでは、予習ナビの時間は週あたり算数120分、国語120分、理科60分、社会60分が目安とされていて、しかも週テストのコースに応じて授業のレベルが分かれます。校舎に通っている場合でも、休んだ回の穴埋めや、授業でよく分からなかった単元の見直しに使えます。
同じ単元が学年をまたいで繰り返し出てくる
予習シリーズは、同じ単元を学年をまたいで繰り返し扱う構成になっています。(多くの集団塾のカリキュラムも同様の構成)
4年生で一度出てきた内容が5年生でより深く扱われ、6年生では4年・5年で学習した内容が入試レベルの問題として出てきます。5年生で学習する単元のほとんどは6年生で再度扱われるため、5年時点で苦手だった単元は6年生で克服する機会があります。
ただし、6年時では5年生で学習した内容がある程度身についていることを前提とした応用問題がメインとなりますので、4,5年時に苦手単元を放置してよいわけではありません。
2021年からの改訂で、単元が下の学年に降りた
予習シリーズは2021年の4年生を皮切りに、2022年に5年生、2023年に6年生と順番に改訂されました。このとき、割合や速さのように以前は5年生で扱っていた内容が4年生に降りてきています。4年生の教材が昔より重く感じるのは、お子さんのせいでも塾のせいでもなく、そもそも扱う内容が変わったからです。
ここで気をつけたいのが、きょうだいで同じテキストを使うときです。上のお子さんが使ったものをそのまま下のお子さんに渡すと、単元の順番や扱う学年が違っていることがあります。単元がひとつずれるだけで、週テストの範囲と手元の内容が噛み合いません。塾に通いながら使う場合は、必ずいま配られている版に合わせてください。
もうひとつ、見落とされやすいのが夏期講習用の教材です。四谷大塚は算数について、4年生の下巻に進む前に夏期講習教材(別売)をやってから進むように案内しています。上巻と下巻をそのままつなげると、間に入るはずの内容が抜けます。塾に通っていれば講習で扱いますが、教材だけを買って家庭で進める場合は自分で手当てする必要があります。
「予習シリーズ」という名前に引きずられない
予習は必須ではない。まず塾の指示に合わせる
予習シリーズという名前ですが、必ず予習をしなければいけないわけではありません。予習はできていればベター、と捉えてください。テキストは一般的なテキスト、参考書の構成と変わりませんので、授業で理解し、その後に復習する形式でも使用可能です。当塾では予習は課していません。
事前に読んでくることを前提に授業を組む教室もあれば、授業で初めて考えることを大事にする教室もあります。前者の教室で予習を飛ばすと授業についていけませんし、後者の教室で先に答えを見てしまうと、その日の授業で考える機会がなくなります。どちらが正しいという話ではなく、通っている塾次第ですので、確認が必要です。
一人でやる予習は、時間対効果が悪くなりやすい
実際のところ、予習をしたうえで授業に臨んでいるお子さんはそれほど多くないはずです。理由は本人の意欲ではありません。中学受験の年齢では、テキストを自分で読んで内容を理解する力が、中高生に比べてまだ育っていないからです。
予習をきちんと機能させようとすると、結局は保護者が横につく必要が出てきます。共働きのご家庭で毎週それを続けるのは現実的ではありません。予習ナビのような映像授業を使えば負担は減りますが、それでも見る時間はかかります。予習に手を出す前に、授業後の復習と間違い直しが終わっているかを先に確かめてください。
1週間の進め方
授業のあと、その週のうちに演習問題集まで
基本の流れは、授業を受ける、その週のうちに本体の問題と演習問題集で手を動かす、週テストを受ける、間違えた問題を直す、の4つです。ここで詰まりやすいのが最後の直しで、次の単元が始まると手をつける時間がなくなります。
1週間ぶんの量を、週のはじめに日割りにしてください。この作業はお子さんにはできません。1週間で扱うものは、大きく分けると次の7つです。
- 本体の例題/類題
- 本体の基本問題
- 本体の練習問題
- 演習問題集のトレーニング
- 演習問題集の基本問題
- 演習問題集の練習問題
- 演習問題集の発展問題
このうち7番目の発展問題は、コースによっては取り組む必要がありません。まず例題と類題、トレーニング、基本問題までを完璧にして、その後に余裕があれば練習問題へ進む。この順序がいちばん無理なく進みます。
1週間をどう割り振るか
言葉だけだと動かしにくいので、割り振り方の一例を挙げます。週テストが土曜にある想定です。塾の曜日も宿題の量も家庭ごとに違うので、そのまま真似るのではなく、形の見本として見てください。
| タイミング | やること |
|---|---|
| 毎日(朝) | 計算1ページ、漢字とことば1ページ |
| 授業当日〜翌日 | 本体の例題・類題を、解説を閉じて解き直す |
| 授業の2〜3日後 | 本体の基本問題、演習問題集のトレーニングと基本問題 |
| 週テストの前日 | 今週間違えた問題だけをもう一度解く。新しい問題には手を出さない |
| 週テストの後 | 間違えた問題の直し。ここを翌週に持ち越さない |
大事なのは、直しの時間をあらかじめ予定に入れておくことです。空いた時間にやろうと考えていると、たいてい空きません。理科と社会の暗記も同じで、決めた曜日に置いてしまうほうが続きます。
週テストの点数は、絶対値で見ない
四谷大塚の週テストは4年生から6年生まであり、S・C・B・Aの4つのコースに分かれています。コースごとに問題そのものが違い、いまの学力に合った難度で出題されます。
ここで先に知っておいてほしいのは、週テストは、その週に習ったことだけで満点が取れるようには作られていないということです。前の週までに扱った内容からも出題されます。つまり、その週の分を完璧に仕上げても、点数としては6〜7割あたりで頭打ちになります。平均点は回によって動きますが、おおむね6割前後、幅を持たせても55点から70点のあたりに収まります。
この設計を知らないと、「今週はあれだけやったのに7割しか取れなかった」という受け止め方になります。実際にはその週の勉強は足りていて、足りないのは前に習った内容のほうだった、という場合が少なくありません。点数の高い低いではなく、落とした問題が今週の範囲なのか、前に習ったところなのかを分けてください。今週の範囲で落としているならその週のやり方を、前の範囲で落としているなら直しの積み残しを見直すことになります。
もうひとつ、週テストは出題の範囲そのものがコースで違います。下のコースは予習シリーズ本体と演習問題集のトレーニングあたりまで、上のコースは最難関問題集の水準まで含まれます。家庭でやる範囲を決めるときは、この線を目安にすると外しません。
5週に1度の組分けテストでコースが決まる
5週に1度、それまでの範囲をまとめた組分けテストがあり、この結果で次のコースが決まります。上からS、C、B、Aの順です。範囲が広いので、直前の数日で取り戻すのは難しく、毎週の直しが積み上がっているかがそのまま出ます。
コースが上がると週テストの問題が難しくなり、下がるとやさしくなります。つまり、同じ70点でも中身がまるで違います。コースが動いたときは、その週から家庭でやる範囲も引き直してください。上がったのに前の範囲のままだと物足りず、下がったのに前の範囲のままだと手が回りません。
全部はやらない。どこまでやるかを先に決める
予習シリーズで消化不良を起こすご家庭のほとんどが、量ではなく順番でつまずいています。教材の中には難易度の階段があるので、まずその構造を把握してください。
教材の中にある難易度の階段
| 教材 | やさしい → 難しい |
|---|---|
| 予習シリーズ(4・5年) | 例題・類題 → 基本問題 → 練習問題 |
| 演習問題集(4・5年) | トレーニング → 基本問題 → 練習問題 → 発展問題 |
| 予習シリーズ(6年) | 重要問題チェック → 重要問題プラス → 発展学習 |
| 演習問題集(6年) | ステップ① → ステップ② → ステップ③ |
| 最難関問題集 | 応用問題A → 応用問題B(難関校の入試問題相当) |
注意したいのは、演習問題集の練習問題から後ろには、最難関問題集と変わらない難度の問題が混ざっていることです。同じ問題集の中でも難易度の幅が大きいので、「演習問題集はやるもの」と一括りにすると危険です。
いまのコースで線を引く
どこまでやるかは、志望校ではなく、いまのコースで決めてください。目安は次のとおりです。コースの分かれ目は回によって動くので、あくまで考え方として使ってください。
| いまの位置 | やる範囲の目安 |
|---|---|
| 上位コース(S相当) | 本体は全部。演習問題集はトレーニングと基本問題まで必須、練習問題と発展問題も可能な範囲で。最難関問題集にも手を伸ばす |
| 中位コース(C相当) | 本体は基本問題まで確実に。練習問題は7〜8割程度の正答が目安。演習問題集はトレーニングまで。発展問題の難問は飛ばしてよい |
| それ以下(B・A相当) | 例題/類題と基本問題、演習問題集のトレーニングと基本問題に絞る。それ以外は手をつけない |
特に下のコースでは、難しい問題に時間と気力を奪われているお子さんをよく目にします。例題・類題・基本問題・トレーニングを完璧にし、それでも余裕があれば練習問題に取り組むようにしたほうが、長期的に見て成績が伸びてきます。
科目別の使い方
算数:例題は「閉じて再現できるか」で判定する
算数でいちばん多い失敗は、解説を見ながら解いて、できたつもりになることです。解説を読んだ直後は誰でも分かった気になります。テストでは解説を見られません。
そこで、解説を読んだら本を閉じ、何も見ずに最初から解き直すところまでを1セットにしてください。途中で止まるなら、それは理解したのではなく、見れば分かる状態だったということです。まずはこのやり方で例題と類題を仕上げ、そのあとでトレーニングと基本問題に進んでください。
算数の進め方は動画でも説明しています。文字より動きで見たい方はこちらもどうぞ。
【中学受験】偏差値を伸ばせる予習シリーズ【算数】の使い方!(LEFY公式YouTube)
国語:知識は毎日、読解は週1〜2題
漢字とことばは1日1ページを朝に固定するのが続きます。特に国語が苦手なお子さんには、読解は量をこなすより、1題を丁寧に読み直すほうが結果につながります。解き直すのではなく、本文に線を引き直して、答えの根拠がどこにあったかを確かめる読み方です。
記述は自分で採点するのが難しいため、塾か第三者に見てもらうようにしましょう。近年は文章量も記述量も増えています。読むのが遅いお子さんは、内容の理解より先に、時間内に最後まで読み切る練習が必要です。
理科:分野によって手の入れ方を変える
理科は、覚えれば得点になる分野と、考え方を使えないと解けない分野が混ざっています。ここを同じやり方で進めると必ずどこかで詰まります。
生物や地学は、用語の確認を短い間隔で繰り返せば安定します。一方で力学、水溶液、電気の計算は算数と同じ扱いが必要で、覚えるのではなく解き方を再現できるかで確認してください。ここを暗記で乗り切ろうとして5年生の後半で崩れるケースが多いです。理由を説明させる問題も増えているため、答えが合っていたかだけでなく、なぜそうなるのかを説明できるまで学習する必要があります。
社会:白地図と年表の上で確認する
社会はテキストを読むだけだと頭に残りません。地理は白地図の上に、歴史は年表の上に置き直すと定着します。地名も年号も、単独で覚えるより位置関係の中に置いたほうが思い出せるからです。
近年は資料やグラフを読み取らせる問題も増えています。テキストに載っている図表を飛ばして本文だけを読んでいると、こうした問題で点が取れません。図表を指さして、そこから何が言えるかを口に出させるだけでも変わります。
計算と漢字は朝に固定する
計算と漢字とことばは、それぞれ1日1ページを朝に置いてください。10分程度で終わりますし、朝に置いておけば忙しい日でも後回しになりません。
計算は正確さだけでなく、時間を計り、速度もあげましょう。特に難関校の算数では正確で速い計算力が必須です。計算の工夫ができないお子さんも、毎日の計算で時間を意識するうちに、工夫せざるを得なくなります(計算の工夫のまとめはこちら)。
予習シリーズ以外の教材と迷ったときは、中学受験算数のおすすめ問題集も参考にしてください。市販の問題集を足すかどうかは、いまの教材が終わっているかどうかで決まります。
学年別の付き合い方
4年生:型を作る学年
4年生の内容は5年生・6年生の内容と比べると非常に簡単です。この時期は難問といえども、思考力や作業量が求められる問題ではなく、知識が求められるような問題が出されます。
そのため、4年生の時期に最も大切なのは、日々の学習をサクサクとこなす感覚を親子でつかみ、なににどれくらいの時間がかかり、どのくらいの労力をかけるとどのくらいの点数が取れるのかを把握し、ルーティーンを作ることです。具体的には、算数はどう身につけるのか、国語は何を勉強するのか、理科と社会の暗記はどう進めるのかを、4年生のうちに決めてしまうということです。
これができていると、「5年生以降で習い事を続けるか辞めるか」「毎週の宿題を消化するためにどのくらいの勉強時間を確保しないといけないのか」を適切に判断できるようになります。逆に4年生のうちに作れていないと、内容が難しくなったときに何をすればいいのか分からず、いまのやり方の何がまずいのかも見えません。
なお、先ほど触れた改訂で割合や速さが4年生に降りてきているので、上のお子さんのときと同じ感覚で「4年生はまだ軽い」と構えていると、途中で慌てることになります。
5年生:捨てる判断が必要になる学年
5年生は内容が一気に重くなります。算数の抽象度が上がり、理科と社会の量も増えて、家庭で扱う作業量が膨らみます。多くのご家庭が、出されたものを全部は終えられない状態になるのがこの時期です。
ここで必要なのは、頑張ることではなく、やる範囲を先に決めることです。お子さんは目の前にあるものから順に手をつけるので、捨てる判断は自分ではできません。上のコース別の目安を使って、保護者の側で線を引いてください。しっかりと志望校のレベルも踏まえれば、削ってよい問題はあるはずです。
6年生:過去問と並行させる。下巻で教材が二手に分かれる
6年生になると、塾の課題に加えて過去問演習が入ります。予習シリーズを全部やり切ることが目的ではなくなるので、志望校で問われる分野に寄せて取捨選択します(過去問をいつから何年分やるか)。
6年生の下巻からは、教材そのものが難関校対策と有名校対策の2種類に分かれます。四谷大塚が示している目安は合不合判定テストの偏差値55で、55以上なら難関校対策、55までなら有名校対策です。進学くらぶの案内では、S・Cコースが難関校対策、B・Aコースが有名校対策とされています。
ここで背伸びをすると、演習が全部難しすぎて手が止まります。科目によって選び分けても構いません。算数だけ有名校対策にして、社会は難関校対策にする、といった組み合わせは実際にあります。
提携塾で使っている場合の注意
同じ予習シリーズを使っていても、塾によって進度も、授業の進め方も、家庭に求める作業も違います。宿題の量が多く、そもそも教材を消化しきれない設計になっている塾もあります。
ネットで見かける「予習シリーズの正しい使い方」がそのまま自分の家に当てはまるとは限りません。四谷大塚の直営校、早稲田アカデミーなどの提携塾、予習シリーズを採用している準拠塾では、同じ教材でも家庭に求められる作業が違います。まず塾の指示を軸にして、足りないところを家庭で補う順番にしてください(塾ごとの違いは横浜の主要10塾の選び方ガイドでも整理しています)。この場合に家庭でやるべきなのは、追加で何かをやることではなく、出されたものの中で優先順位をつけることです。塾の先生に「うちの子はどこまでやるべきか」を聞いてしまうのがいちばん早い解決になります。
塾に通わず、家庭学習で使う場合
進学くらぶという正規のルートがある
テキストだけを買って自力で進める前に、四谷大塚の通信教育である進学くらぶを知っておいてください。小学4年生から6年生が対象で、校舎と同じ教材・テスト・カリキュラムを家庭で進められる仕組みです。
- 予習ナビ(自宅で受ける映像授業)は週あたり算数120分、国語120分、理科60分、社会60分が目安で、学力レベル別に分かれる
- 週テストは自宅受験。問題をダウンロードして印刷し、解答をスキャンして提出する
- 復習ナビで、週テストの間違えた問題の解説と類題演習を受けられる
- 組分けテストは5週に1回。ここでS・C・B・Aのレベルが決まるのは校舎と同じ
- 月額の目安は4年生12,980円から、5年生15,180円から、6年生16,280円から(税込)
金額も内容も変わることがあるので、申し込む前に四谷大塚の公式サイトで最新の案内を確認してください。テキストだけを買う場合と比べると、授業とテストと直しがひと続きになるぶん、家庭で組み立てる負担がかなり減ります。
それでも家庭に残る仕事がある
予習シリーズは解説が詳しく、家庭学習の軸にしやすい教材です。ただし、お子さん一人だけで進めるのは難しいのが実際のところです。我々が現場で見ていても、予習シリーズを一人で学び、自分で身に着けることができるお子さんは、最難関校に合格できるようなお子さんに限られる印象です。
塾に通わずに使う場合は、保護者が伴走する前提で計画を立ててください。テキストの内容そのものより、1週間の量を割り振ることと、間違い直しが終わったかを見ることが家庭の仕事になります。ここだけは映像授業では埋まりません。
まとめ
- 予習シリーズという名前だが、予習は必須ではない。教材や科目を問わず、あればベターという程度のもの
- 小学生が一人でやる予習は時間対効果が悪い。やるなら保護者が横について、範囲と用語を一緒に見るところまで
- 家庭学習の位置づけは塾で違う。まず塾の指示に合わせる
- 1週間の型は「授業 → その週のうちに演習 → 週テスト → 直し」。直しの時間を先に予定へ入れる
- 教材には難易度の階段がある。いまのコースで線を引き、全部はやらない
- 算数の例題は、閉じて何も見ずに再現できるかで判定する
- 週テストの点数は絶対値で見ない。前の週までの内容も出るので、今週分を完璧にしても6〜7割あたりが上限
- 6年下巻は難関校対策と有名校対策に分かれる。合不合の偏差値55が目安
- 塾に通わずに使うなら、テキストだけ買うより進学くらぶを先に検討する
よくある質問
予習シリーズは、予習してから授業に行くべきですか?
まず通っている塾の指示に合わせてください。塾によって家庭学習の位置づけが違い、事前に読んでくることを前提に進める教室もあれば、授業で初めて考えることを大事にする教室もあります。当塾では予習を必須にしていません。授業で説明して、そのあとの復習で定着させる形で進めています。教材の名前が「予習シリーズ」だから予習が必須になる、という関係ではありません。
予習をさせたほうが伸びますか?
できるなら意味はありますが、お子さん一人でやらせると時間対効果が悪くなりやすいです。中学受験の年齢では、テキストを自分で読んで内容を理解する力がまだ育ちきっていません。読めたつもりで先に進み、誤解したまま授業に入ることもあります。やるとしたら、保護者が横で範囲を開いて、その週に出てくる用語を一緒に拾うところまでで十分です。そこに時間をかけるくらいなら、授業後の復習と間違い直しにあてるほうが結果につながります。
演習問題集はどこまでやるべきですか?
いまのコースによって線を引いてください。上のコースでなければ、基本問題とトレーニングまでを確実に仕上げれば十分です。練習問題や発展問題には本番の入試と同じくらいの難度の問題が混ざっており、そこに時間と気力を奪われないよう注意してください。全部に手をつけて全部が中途半端になるのが、いちばん伸びない状態です。
週テストの点数が悪いときはどうすればいいですか?
点数ではなく、どこで落としたかを見てください。見るところは2つで、ひとつは今週の範囲か前に習った範囲か、もうひとつは前半の基本問題か後半の難問かです。週テストは前の週までの内容からも出るので、今週の分を完璧にしても6〜7割あたりで頭打ちになります。平均点はおおむね6割前後です。前半の基本で落としているならその週のやり方から見直しが必要ですが、後半の難問だけならいまのコースでは想定内で、手を広げるより前半の精度を上げるほうが総合点は伸びます。点数だけを見て量を増やすと、たいてい逆効果になります。
予習ナビは見たほうがいいですか?
校舎に通っていて授業を理解できているなら、毎週すべてを見る必要はありません。時間のわりに得るものが少なくなります。使いどころは、授業を休んだ回、単元ごと分からなくなっている回、それに保護者が内容を把握したいときです。塾に通わずに進めている場合は事情が違い、授業そのものにあたるので、こちらは軸として使ってください。
上の子が使った予習シリーズを、下の子にも使えますか?
塾に通いながら使うなら、いま配られている版に合わせてください。予習シリーズは2021年の4年生から順に改訂されていて、単元の順番や扱う学年が変わっています。手元の内容と週テストの範囲がずれると、勉強したのに点が取れないという事態になります。家庭学習の補助として使う、あるいは復習用に読み直す、といった使い方なら問題ありません。
6年下巻は難関校対策と有名校対策のどちらを選べばいいですか?
四谷大塚が示している目安は合不合判定テストの偏差値55で、55以上なら難関校対策、55までなら有名校対策です。進学くらぶの案内ではS・Cコースが難関校対策、B・Aコースが有名校対策とされています。迷ったら、志望校の入試問題の難度と、いまの正答率のどちらも見て決めてください。科目ごとに選び分けても構いません。
この記事で参照した四谷大塚の情報はどこで確認できますか?
教材の構成、予習ナビと復習ナビ、進学くらぶの内容と料金、週テストと組分けテストの仕組みは、いずれも四谷大塚の公式サイトに掲載されています。日程や金額、教材の構成は年度によって変わるので、申し込む前に必ず公式の最新情報をご確認ください。
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