サピックスオープンは、サピックスに通っていない子でも受けられる公開模試です。
難関校を志望しているなら、外部生にも受験をおすすめします。
ただし、誰にでも勧められる模試ではありません。
難関校を受験するわけではない場合、点数の低さだけが記憶に残って自信を失ってしまうケースもあります。
サピックスオープンの種類、外部生の申し込み方、偏差値と判定の見方までを順番に整理します。
この記事でわかること
- サピックスオープン5種類の違い(対象学年・時期・受験料)
- 「志望校判定サピックスオープン」という名前を見かけたときの注意点
- 外部生の申し込み手順(マイページ作成から受験まで)
- 学年別に見た、受けるべき子と見送ってよい子(判断表つき)
- サピックスの偏差値が低く出る理由と、合格可能性判定の読み方
- 学校別サピックスオープンの対象21校と、回ごとの使い分け
- 外部生の受け方の実例(どの回を、いくつ受けるか)
この記事を書いた人
山本航士
受験アドバイザー
聖光学院中高→慶應義塾大学経済学部→IT・コンサル会社→LEFYにて難関中学受験および中高一貫校生をサポート
サピックスオープンとは?種類は5つ
サピックスオープンは、サピックス小学部が実施する公開模試の総称です。1つのテストの名前ではなく、学年と目的の違う5種類があります。ここを押さえておくと、日程やブログの情報がどの模試の話なのかを整理できます。
| 名称 | 対象 | 時期(2026年度) | 受験料(税込) |
|---|---|---|---|
| 実力診断サピックスオープン(3年生) | 3年生 | 10月12日。入室テストを兼ねる | 3,300円 |
| 実力診断サピックスオープン(4年生) | 4年生 | 10月12日。入室テストを兼ねる | 3,300円 |
| 志望校診断サピックスオープン | 5年生 | 6月・8月・11月の年3回。第3回は11月3日 | 4,400円 |
| 合格力判定サピックスオープン | 6年生 | 前期2回+後期4回の全6回(9月〜12月に4回) | 1回 6,600円 |
| 学校別サピックスオープン | 6年生 | 9月〜12月 | 1校 6,600円 |
実力診断サピックスオープンは3年生用と4年生用が別のテストなので、公式の公開模試一覧でも別々に掲載されています。上の表の5つが、その内訳です。
このほか関西圏には、学校別の問題と算数の解説授業を組み合わせた「入試対策演習講座」(6年生)があります。2026年度の対象は灘・甲陽学院・神戸女学院の3校で、受験料は1校につき6,600円です。灘は9月23日、甲陽学院と神戸女学院は11月23日に実施されます。日程と申込開始日は模試ごとに違うので、正確な日付はサピックス小学部の公式サイトにある公開模試のページで確認してください。
「志望校判定サピックスオープン」は現在の名前ではない
検索すると「志望校判定サピックスオープン(6年生の前期2回)」を解説した記事が多く出てきますが、公式の現行ラインナップにこの名前はありません。合格力判定サピックスオープンが前期2回と後期4回の全6回に拡大され、6年生の前期の模試も、いまは「合格力判定」の名前で実施されています。2026年度の日程は4月12日・7月5日・9月27日・10月18日・11月8日・12月6日です。
中学部の「サピックスオープン」は別の模試
サピックスには高校受験を扱う中学部もあり、そちらも同じ名前の公開模試を実施しています。この記事で扱うのは小学部、つまり中学受験のサピックスオープンです。検索結果には両方が混ざって出てくるので、対象学年の表記で見分けがつきます。
外部生の申し込み方は?マイページを作れば受けられる
サピックスオープンは公開模試なので、サピックス生でなくてもマイページを登録すれば申し込めます。実際、日能研や四谷大塚、早稲田アカデミーなど他塾に通う子も毎回受けています。
申し込みから受験までの流れ
- サピックス小学部の公式サイトでマイページを登録する
- 模試ごとに決まっている申込開始日時に、マイページから申し込む
- 個人申込の場合は振込用紙が郵送されるので、期日までに受験料を払う
- 受験票と持ち物を確認して、当日受験する
会場は模試によって違います。6年生の合格力判定と学校別は、サピックスの校舎に加えて中学校の会場を選べる回があります。3・4年生の実力診断と5年生の志望校診断は、サピックスの校舎だけです。
申し込みには締切があります。2026年度は、10月12日の実力診断が一般生11日の15時まで、11月3日の志望校診断が一般生2日の15時までです。実施の1か月ほど前から受け付ける回もあれば、前日が締切の回もあります。会場の一覧は各回の詳細ページに出るので、希望がある場合は受付開始の時点で見ておくと動きやすくなります。
合格力判定サピックスオープンは、テストの翌日までに採点前の答案がマイページで公開され、採点が終わると得点・平均点・偏差値・順位・志望校判定を確認できます。
答案をすぐに見ることができるため、記憶が新しいうちに解き直しに着手することができます。
費用の目安
6年生の合格力判定と学校別は1回(1校)につき6,600円、5年生の志望校診断は4,400円、3・4年生の実力診断は3,300円です。学校別を複数校ぶん、合格力判定を全回受けると数万円になります。後で述べるとおり全部を受ける必要はないので、目的のある回に絞って構いません。
学年別に見る「受けるべきか」
判断基準は主に以下の2点です。
・サピックスへの入室を考えているか
・志望校がサピックス生の多い難関校か
| 学年 | 受験してもよい | 受験する必要なし |
|---|---|---|
| 3・4年生(実力診断) | サピックスへの入室を検討している | 他塾に通っていて転塾の予定がない |
| 5年生(志望校診断) | 志望校のタイプを知りたい。転塾も視野にある | 基礎固めを優先したい時期の子 |
| 6年生(合格力判定・学校別) | 難関校志望。 | 志望校にサピックス生が少ない。基礎が未完成 |
3・4年生(実力診断)は、入室を考えているなら
実力診断サピックスオープンは入室テストを兼ねていて、基準に達すればサピックスに入室できます。2026年度は3年生・4年生とも10月12日の実施で、受験料は3,300円です。入室テストの仕組みや基準はサピックスの入室・入塾テスト対策にまとめています。
すでに他塾に通っていて転塾の予定がないなら、この学年で無理に受ける必要はありません。
5年生(志望校診断)は、志望校のタイプを知る道具
志望校診断サピックスオープンでは、Aタイプ(基礎力・処理能力を見る問題)とBタイプ(思考力・記述力を見る問題)の両方への対応力が測られます。
科目は算数・国語が各50分、理科・社会が各35分(関西圏は3科目でも受けられます)です。
特に難関校には、Aタイプのような問題を多く出題する学校や、Bタイプのような問題を多く出題する学校があるため、5年生時点でお子さんがどちらの力が高いのかを知ることができます。
A・B両タイプの得点状況を踏まえた判定が返ってくるのは、この模試です。6年生の合格力判定サピックスオープンにはタイプ別の成績がありません。
この模試も入室テストを兼ねていて、基準に達すればサピックスに入室できます。志望校は第一志望から第四志望までの4校に加え、自由選択校を6校まで、合わせて10校を登録できます。
6年生(合格力判定・学校別)は、難関校志望なら受験の価値あり
御三家をはじめとする難関校を志望しているなら、サピックス以外の塾に通っていても、6年生の合格力判定と学校別は受験する価値があります。
サピックスには難関中学を受験するレベルの高い生徒が集まっているため、難関中学の合格判定は精度の高いものになるからです。
9月から12月の合格力判定は、サピックスの難関校SS特訓(サンデー・サピックス)のカリキュラムに組み込まれており、受験料もSS特訓の授業料に含まれています。
ただし、難関中学を受験するわけではないお子さんや、難関中学は受験するが、あくまでチャレンジ校とする場合は受験しなくても構いません。サピックスのテストは非常に難しい問題も多く含まれているため、難関中学を志望するレベルでないと、全然問題を解けずに自信を失ってしまってしまうこともあります。
また、自分の志望校を受験するであろう他のお子さんが、サピックスの模試を受験しないと考えられる場合、サピックスの模試の結果はその学校の合格判定においてはあまりあてにならなくなります。
偏差値と判定の見方
サピックスの偏差値は他の模試よりも低く出る
サピックスオープンの偏差値は、四谷大塚・日能研・首都圏模試の偏差値よりも低い数字になる傾向にあります。
偏差値50は「模試を受けた集団のちょうど真ん中」になるため、模試を受験している集団の学力水準が高い場合、同じ子でも偏差値の数字は低く出ます。
初めて受けて普段より偏差値が大きく下がっても、学力が下がったわけではありません。模試や受験している集団が変われば、偏差値は変わります。
サピックスが出している学校別の偏差値一覧も、この(高い水準の)母集団を前提にした数字であるため、同じ学校を四谷大塚や日能研の偏差値一覧と比較すると、サピックスが出している偏差値のほうが低くなっています。
合格可能性判定の捉え方
合格力判定サピックスオープンでは、登録した10校の合格可能性がわかります。個人成績票に載るのは第一志望から第四志望までの判定と、自由選択校の判定、受験アドバイスです。また、登録していない学校も、マイページで簡易判定を出すことができます。
サピックスが、1回の結果では出題単元や体調に左右されるので全6回を通して判断してほしい、と書いているとおり、1回の模試の結果で志望校を一気に変えるなどの判断は避けましょう。
サピックスの模試だけに限りませんが、模試の結果は同一の模試を複数回受験し、それら複数回の結果をもとに判断するべきです。
高い合格判定が出ても、以降の模試ではかなり低い結果がでてしまうこともありますし、その逆もあります。
特に中学受験はお子さんの調子によって大きく左右されますので、この点は注意が必要です。
入試結果情報は、一般生だけ閲覧が1か月で終わる
マイページには入試結果情報も公開されます。サピックスが蓄積した入試データで、テスト結果と実際の合格率、男女別の併願パターンを見ることができます。
一般生が閲覧できるのは、テスト実施の翌月の約1か月間だけです。
併願パターンは、その学校を受けた子がどの学校と組み合わせて出願したかの実例です。合格可能性の数字からは出てこない情報で、1月校と2月の日程を組むときの材料になります。受験したら、その月のうちに目を通しておきましょう。
学校別サピックスオープンの使い方
学校別サピックスオープンは、9月から12月に、対象校ごとに作られた問題で実施される模試です。2026年度の対象は次の21校です。
- 男子校: 開成・麻布・武蔵・駒場東邦・聖光学院・栄光学園・筑波大学附属駒場・灘・早稲田・早大学院・慶應普通部
- 女子校: 桜蔭・女子学院・雙葉・豊島岡・フェリス女学院
- 共学校: 渋谷教育学園渋谷・渋谷教育学園幕張・慶應中等部・慶應湘南藤沢・早稲田実業
この21校のどれかを第一志望にしているなら、塾を問わず受けておきたい模試です。
これらの学校の受験生の多くが受験するため、かなり実態に近い相対評価となります。
2026年度は駒場東邦・渋谷教育学園渋谷・渋谷教育学園幕張・聖光学院・豊島岡で、実際の中学校を会場にする回もあります。会場の下見を兼ねられるのもメリットです。
2回実施される学校もある
2026年度に2回実施されるのは、9月23日と11月23日の組み合わせが中心です。駒場東邦は9月23日と11月8日、筑波大学附属駒場は9月21日と12月6日で、日程が違います。渋谷教育学園渋谷・渋谷教育学園幕張・聖光学院・豊島岡・灘・慶應湘南藤沢・早稲田実業は1回だけの実施です。
対象21校に第一志望が無いとき
学校別が実施されない学校が第一志望なら、学校別を無理に受験せず、合格力判定サピックスオープンを受験しましょう。
会場の面でも合格力判定サピックスオープンは使えます。学校別より多くの中学校が会場になり、2025年度は海城・巣鴨・栄東・攻玉社・城北・鷗友学園・吉祥女子・浅野・芝などがありました。学校別の対象ではない学校が第一志望でも、その学校が会場になる回があれば、校舎に足を運ぶ機会を兼ねられます。会場は年度によって変わるので、各回の詳細ページで確かめてください。
聖光学院・栄光学園・フェリス女学院については、過去問の出題傾向を分析したものがありますので、ぜひ参考にしてみてください。
よくある質問
サピックスに通っていなくても受けられますか?
受けられます。公式サイトでマイページを登録すれば、外部生でも申し込めます。個人申込の場合は、申し込み後に郵送される振込用紙で受験料を払う流れです。申込には模試ごとに締切があるので、受付開始の時点で日付を確かめておくと安心です。
外部生は不利になりませんか?
出題で不利になることは基本的にありません。範囲の決まった塾内テストと違い、既習範囲全体から出題される総合形式だからです。ただし偏差値は普段の模試より低く出ます。あらかじめ本人に「数字は低く出るものだ」と伝えてから受験しましょう。
偏差値は四谷大塚や日能研の模試とどう違いますか?
母集団が異なります。サピックスオープンは受験層の学力水準が高いぶん、他の模試より低い数字が出る傾向にあります。
合格力判定サピックスオープンは全6回受けるべきですか?
サピックス生は基本的に全ての回を受験します。外部生は全回でなくても構いません。
単発でしか受験できないのであれば、お通いの塾から推奨される同一の模試を複数回受験することをお勧めします。
学校別サピックスオープンは外部生も受けられますか?
受けられます。対象21校のどれかを第一志望にしているなら、塾を問わず受ける価値があります。本番に近い母集団の中での順位が分かるのは、今のところ他にありません。
サピックスオープンの過去問は手に入りますか?
市販はされていません。フリマサイトなどで過去の問題が売買されていることはありますが、模試は受けたその回の集団の中で位置を測るものなので、古い回を解いても判定の代わりにはなりません。学校別の対策をしたいなら、模試の過去問より志望校の過去問に取り組むほうが確実です。
受験料はいくらですか?
2026年度の公式案内では、6年生の合格力判定と学校別が1回(1校)につき6,600円、5年生の志望校診断が4,400円です(いずれも税込)。3・4年生の実力診断は3,300円です。
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