- 早稲田大学の「附属校」と「系属校」の違いと、中学受験で比較される4校の全体像
- 各校の2026年度入試結果・倍率推移・偏差値などの最新データ
- 早稲田大学への内部進学率(推薦枠)が学校ごとに大きく異なる実態
- 共学・男子校の違いや入試日程の重なりを踏まえた併願戦略のヒント
- 学費・寮費を含めた4校の比較表と学校選びのポイント
早稲田の附属に入れば大学受験なしで早稲田大学に行けるのでしょうか?中学受験を考えるご家庭ではかなり気になるところだと思います。実際には、早稲田大学への進学確実性は学校によって大きく異なります。
この記事では、中学受験で「早稲田附属」として比較される4校を取り上げ、入試データ・偏差値・内部進学率・学費まで網羅的に整理します。お子さまに最適な学校を選ぶための判断材料として、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人
山本航士
受験アドバイザー
聖光学院中高→慶応義塾大学経済学部→コンサルティングファーム→LEFYにて難関中学受験および中高一貫校生をサポート
早稲田の「附属校」と「系属校」はどう違う?
附属校と系属校の定義
附属校とは、早稲田大学と同一の学校法人が運営する学校のことです。卒業生は原則全員が早稲田大学へ推薦進学できます。一方、系属校は早稲田大学とは別法人が運営しており、推薦枠の人数は学校ごとに個別に定められています。
つまり、「附属校=ほぼ全員が早大に進学」「系属校=推薦枠の範囲内で早大に進学できる」という違いがあります。この区分を知らないまま学校選びをすると、入学後に「思っていたのと違う」ということになりかねません。
中学受験で比較対象になる4校の全体像
早稲田大学には附属校2校・系属校5校がありますが、中学段階から入学できて中学受験の比較対象になりやすいのは次の4校です。
- 早稲田大学高等学院中学部(男子校/東京都練馬区)──大学公式の附属校、推薦枠100%
- 早稲田実業学校中等部(共学校/東京都国分寺市)──系属校だが推薦枠約100%
- 早稲田中学校(男子校/東京都新宿区)──系属校、推薦枠約50%
- 早稲田佐賀中学校(共学校/佐賀県唐津市)──系属校、推薦枠約50%
厳密に「早稲田大学の附属中学」と呼べるのは高等学院中学部のみです。早稲田実業・早稲田中・早稲田佐賀は大学公式上は系属校ですが、受験業界では「早稲田附属系」と一括りにされることが多いです。
早大進学の確実性で見た4校の位置づけ
早大への進学確実性が最も高いのは、推薦枠100%の高等学院中学部です。次いで、系属校ながら実質約96%が早大推薦で進学する早稲田実業が続きます。
一方、早稲田中と早稲田佐賀は推薦枠が約50%で、早大に進学する生徒と他大学を受験する生徒がほぼ半々です。同じ「早稲田」の名がつく学校でも、進路設計がまったく違うことを理解しておくことが重要です。
早稲田大学高等学院中学部の特徴と入試データ
唯一の公式附属中学として推薦枠100%の男子校
早稲田大学高等学院中学部は、早稲田大学が直接設置する唯一の附属中学校です。高等学院の中学部として位置づけられ、高大一貫教育を掲げています。
推薦枠は100%。卒業後は原則として全員が早稲田大学の各学部へ進学します。2026年3月卒業生の学部別進学実績を見ると、政治経済110名、法76名、商50名、基幹理工59名、創造理工47名、先進理工39名、国際教養8名など、幅広い学部への進学が実現しています。
大学受験を経ずに早稲田大学に進める安心感は、4校の中で最も大きいといえるでしょう。
2026年度入試結果と近年の倍率推移
2026年度入試(2月1日実施)は、募集120名に対して志願402名、受験371名、合格124名で、実質倍率は2.99倍でした。
近年の推移を見ると、2025年度が実質倍率2.90倍(受験366名・合格126名)、2024年度が2.95倍(受験380名・合格129名)、2023年度が3.31倍(受験433名・合格131名)です。ここ数年は実質倍率3倍前後で安定しており、極端な変動はありません。
偏差値と大学進学実績の詳細
四谷大塚の学校別データによる偏差値は、A80偏差値65・C50偏差値61です。首都圏男子校の中でも上位帯に位置しています。
先述の通り、卒業生は原則全員が早稲田大学へ推薦進学します。学部選択は高校在学中の成績や希望に基づいて行われるため、中学入学後の学習姿勢がそのまま大学での進路に直結する点が特徴です。
早稲田実業学校中等部の特徴と入試データ
早大系唯一の首都圏共学校として人気を集める
早稲田実業学校中等部は、首都圏にある早大系校の中で唯一の共学校です。校是は「去華就実」、校訓は「三敬主義」を掲げ、探究・協働・体験学習を重視した教育を展開しています。
大学公式上は系属校ですが、推薦枠は約100%とされています。実際に2024年度卒業生345人の進路を見ると、早稲田大学推薦が332人で約96.2%を占めています。推薦先の学部も政治経済65名、法29名、教育50名、商53名、国際教養11名と多岐にわたります。事実上、「ほぼ全員が早大に進学する学校」と理解して差し支えありません。
「早稲田ブランド×共学」という組み合わせは首都圏ではここだけのため、男女問わず根強い人気を誇ります。
2026年度入試結果と男女別の倍率
2026年度入試(2月1日実施)は、募集約110名(男子約70名・女子約40名)です。結果は以下の通りです。
- 男子:出願348名・受験316名・合格81名 → 実質倍率約3.90倍
- 女子:出願274名・受験247名・合格58名 → 実質倍率約4.26倍
- 合計:出願622名・受験563名・合格139名 → 実質倍率約4.05倍
女子は募集枠が少ないぶん倍率が高くなりやすい傾向があり、4倍を超える厳しい入試となっています。
偏差値・学費・大学進学実績まとめ
四谷大塚の学校別データによる偏差値は、男子がA80偏差値65・C50偏差値61、女子がA80偏差値68・C50偏差値65です。女子の偏差値は首都圏でもトップクラスの水準です。
学費は2026年度の中等部1年時納入金として年額合計1,352,600円と公表されています。4校の中では比較的高めですが、大学受験塾が不要になる点を加味すると、6年間トータルのコストは大きく変わらないという見方もあります。
早稲田中学校の特徴と入試データ
早大推薦と他大受験を両立できるハイブリッド型の男子校
早稲田中学校は、卒業生の約50%が早大推薦で進学し、残る約50%が他大学を受験する「ハイブリッド型」の男子校です。学校公式でもこの進路構成を明示しています。
推薦制度は1981年度高校卒業生から始まった歴史あるもので、6カ年一貫教育のもと、高学年で文系・理系に分かれるカリキュラムが組まれています。東大、東京科学大、一橋大などの国公立大学にも合格者を輩出しており、早大推薦を持ちながら上位大学にチャレンジできる環境が大きな魅力です。
第1回・第2回それぞれの入試結果と難度の違い
早稲田中学校は2月1日(第1回:200名募集)と2月3日(第2回:100名募集)の2回入試を実施しています。2026年度の結果は以下の通りです。
- 第1回(2/1):出願855名・受験749名・合格242名・合格最低点135点 → 実質倍率約3.10倍
- 第2回(2/3):出願1,436名・受験1,003名・合格249名・合格最低点138点 → 実質倍率約4.03倍
前年(2025年度)と比較すると、第1回の合格最低点は前年比+7点、第2回は+15点と、特に第2回の得点水準が大きく上昇しています。2月3日入試は他校との併願受験者が多いため、年度によって難易度が変動しやすい点に注意が必要です。
偏差値・学費と進路選択の実態
四谷大塚の学校別データによる偏差値は、第1回がA80偏差値65・C50偏差値61、第2回がA80偏差値68・C50偏差値65です。第2回は数値上もより高い難度を示しています。
学費は2025年度参考値で、入学金30万円、学費・諸経費年額80万9,000円です。高校進学時には別途入学金20万円がかかります。早大系4校の中では比較的抑えめの水準で、他大受験に向けた塾費用を上乗せしても家計に大きな負担がかかりにくい設計といえます。
進路の実態としては、成績上位層が東大などの最難関国立を目指し、推薦枠は「安全網」として機能するケースもあります。入学時点で早大進学を確定させるのではなく、6年間かけて進路を考えたいご家庭に向いている学校です。
早稲田佐賀中学校の特徴と入試データ
寮完備のグローバル教育校として首都圏でも注目される理由
早稲田佐賀中学校は、佐賀県唐津市に位置する共学の系属校で、附設寮「八太郎館」を完備しています。中1〜高1は4人部屋での寮生活となり、6年間でグローバルリーダーを育成する教育方針が特色です。
早稲田大学への推薦枠は現在は140名、今後は148名へ拡充で、卒業生の約50%が早大へ進学可能です。さらに2025年5月には推薦枠拡充のお知らせも公表されており、今後の枠数拡大にも注目が集まっています。
首都圏の受験生にとっての最大の魅力は、首都圏会場入試が実施される点です。試験会場として早稲田大学が使われる回もあり、前受け校や併願先として組み込みやすいのが特徴です。
複数回実施される入試日程と2026年度の倍率変動
入試は全入試合計で120名募集(九州約80名・首都圏約40名)。12月の新思考入試、1月の一般入試、2月の一般入試と、複数回にわたって受験機会が設けられています。2026年度の主な入試結果は以下の通りです。
- 12月九州:志願192名・受験191名・合格91名 → 実質倍率約2.10倍
- 12月首都圏:志願126名・受験125名・合格58名 → 実質倍率約2.16倍
- 1月九州:志願612名・受験600名・合格321名 → 実質倍率約1.87倍
- 1月首都圏:志願725名・受験692名・合格234名 → 実質倍率約2.96倍
特に注目すべきは1月首都圏入試の倍率変動です。2025年度は受験565名・合格402名で実質倍率約1.41倍でしたが、2026年度は受験692名・合格234名で約2.96倍と大幅に上昇しました。首都圏での注目度が急速に高まっていることがうかがえます。
偏差値・学費と寮費の実費イメージ
四谷大塚の学校別データによる偏差値は、1月首都圏がA80偏差値56・C50偏差値51、一般1月がA80偏差値52・C50偏差値49です。首都圏の早大系3校と比べると偏差値帯は一段下ですが、倍率の急変動があるため油断は禁物です。
費用面では、学費計88万5,400円、入学金11万円(2025年度予定)です。首都圏から進学して寮を利用する場合は、さらに寮費年額50万4,000円、食費55万5,000円、入寮費15万円が加わります。学費と寮費・食費を合わせると年間約200万円前後が目安となるため、家計シミュレーションは必須です。
4校を比較して見えてくる学校選びのポイント
早大への進学確実性で選ぶか、他大挑戦の余地を残すか
学校選びの最大の分かれ目は、「早稲田大学への進学をどこまで確定させたいか」です。
入学時点で早大進学をほぼ確定させたい場合は、推薦枠100%の高等学院中学部か、実質約96%の早稲田実業が最適です。一方、早大推薦を保険として持ちつつ東大や医学部などにも挑戦したい場合は、推薦枠約50%の早稲田中が有力な選択肢になります。
早稲田佐賀は推薦枠約50%に加えて寮生活という独自要素があり、「地元を離れて自立心を育てたい」「首都圏入試の前受けとして早稲田系を確保したい」といったニーズに応える学校です。
共学か男子校か、入試日程の重なりはどうか
共学は早稲田実業と早稲田佐賀、男子校は高等学院中学部と早稲田中です。「早稲田ブランド×共学」を希望する首都圏のご家庭にとって、早稲田実業は事実上の唯一の選択肢となります。
入試日程では、高等学院中学部・早稲田実業・早稲田中第1回がいずれも2月1日に集中しています。そのため、この3校を同日に受験することはできません
早稲田佐賀は12月・1月に首都圏会場で受験でき、2月入試とは日程が重ならないため、前受け・併願先として非常に組み込みやすい存在です。
偏差値帯・学費から見た4校の全体比較表
| 学校名 | 種別 | 男女 | A80偏差値 | 早大進学率 | 初年度学費目安 | 主な入試日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 高等学院中学部 | 附属校 | 男子校 | 65 | 100% | 約142万円 | 2/1 |
| 早稲田実業中等部 | 系属校 | 共学 | 男65・女68 | 約100% | 約135万円 | 2/1 |
| 早稲田中学校 | 系属校 | 男子校 | 1回65・2回68 | 約50% | 約111万円 | 2/1・2/3 |
| 早稲田佐賀中学校 | 系属校 | 共学 | 首都圏56・一般52 | 約50% | 約100万円 ※寮費別 | 12月・1月・2月 |
上の比較表を見ると、同じ「早稲田」の名を冠する学校でも、早大進学率・偏差値帯・学費・入試日程にはっきりとした違いがあることがわかります。
ご家庭の優先順位が「大学受験を回避したい」であれば高等学院中学部か早稲田実業、「選択肢を広く持ちたい」であれば早稲田中、「早稲田系の環境で自立も促したい」であれば早稲田佐賀が候補になるでしょう。偏差値や学費だけでなく、6年後・10年後のお子さまの姿をイメージして選ぶことが大切です。
よくある質問
早稲田の附属中学校は全部で何校ありますか?
大学公式上の「附属中学」は、早稲田大学高等学院中学部の1校のみです。早稲田実業・早稲田中・早稲田佐賀は系属校という位置づけです。ただし、中学受験の世界では4校をまとめて「早稲田附属系」と呼ぶことが一般的です。
早稲田中学校に入れば全員が早稲田大学に進学できますか?
いいえ。早稲田中学校の早大推薦枠は約50%です。学校公式でも、現役卒業生の約半数が早大推薦で進学し、残り約半数は他大学受験に向かうと明示しています。東大や医学部を志望する生徒も多く、「早大推薦+進学校」のハイブリッド型です。
早稲田佐賀中学校は首都圏からでも受験できますか?
はい。12月と1月に首都圏会場入試が実施されており、会場に早稲田大学が使われる回もあります。2月の本番前に「早稲田系の合格」を確保できる前受け校・併願先として、首都圏のご家庭からの人気が高まっています。2026年度の1月首都圏入試は実質倍率約2.96倍と、前年の約1.41倍から大きく上昇しました。
早稲田系4校の中で女子が受験できるのはどこですか?
共学校は早稲田実業学校中等部と早稲田佐賀中学校の2校です。高等学院中学部と早稲田中学校は男子校のため、女子は受験できません。首都圏で「早稲田ブランド×共学」を求める場合、実質的に早稲田実業が最有力の選択肢になります。
まとめ
「早稲田の附属」と一口に言っても、厳密な附属校は高等学院中学部のみで、早稲田実業・早稲田中・早稲田佐賀は系属校です。そして最も重要なのは、早稲田大学への進学確実性が学校ごとに大きく異なるということです。
推薦枠100%で大学受験不要の高等学院中学部、実質約96%が早大に進む早稲田実業、約50%が早大推薦・約50%が他大受験の早稲田中、そして寮生活と首都圏会場入試が特徴の早稲田佐賀。それぞれの学校が持つ個性は明確に異なります。
偏差値や倍率だけでなく、共学か男子校か、入試日程の重なり、学費や寮費まで含めたトータルの視点で比較することが大切です。お子さまの性格や将来の目標に合った学校を見つけるために、この記事の情報をぜひ学校選びの参考にしてください。
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