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【攻玉社中学校】入試傾向と対策!算数の約8割が『典型・オーソドックス問題』。334問のデータ分析と回別戦略

攻玉社中学校は、東京・品川区にある男子校です。1863年(文久3年)に蘭学者・近藤真琴が開いた蘭学塾を起源とする都内有数の伝統校で、校名は中国の古典『詩経』の「他山の石以て玉を攻(みが)くべし」に由来します。高校からの募集を行わない完全中高一貫校で、2026年は東京大学15名(うち現役14名)、医学部医学科48名という進学実績を挙げています。

入試は第1回(2/1)・第2回(2/2)に加え、算数を軸にした特別選抜(2/5)があります。
では肝心の算数は、どの単元が、どんな形式で出ているのか。「計算と小問集合が多め」といった通説を、LEFYは過去問を1問ずつ集計して数字で確かめました。

本記事では、LEFYが独自に集計した第1回・過去約18年分・全334問の算数出題データを交えながら、攻玉社中学校の入試傾向と対策をご紹介します。

この記事でわかること
  • 攻玉社中学校の基本情報(偏差値・入試日程・校風・進学実績)
  • 第1回・第2回・特別選抜の配点・倍率・合格最低点と、回別の使い分け
  • 【LEFY独自集計】算数・第1回334問の出題分野の内訳と頻出単元
  • 典型・オーソドックス問題が77.8%と、LEFYが集計してきた学校の中で最も高いこと
  • 「約束記号(その場で定義される計算ルール)」が単元3位という攻玉社名物の実態
  • 記述はゼロ・答えのみの高得点勝負で、合格者の算数平均は約78%であること
  • 国語・理科・社会の傾向と対策
山本航士

この記事を書いた人

山本航士

受験アドバイザー

聖光学院中高→慶應義塾大学経済学部→コンサルティングファーム→LEFYにて難関中学受験および中高一貫校生をサポート

攻玉社中学校の基本情報(偏差値・日程・進学実績)

攻玉社中学校 基本データ

項目内容
所在地東京都品川区西五反田(東急目黒線 不動前駅から徒歩約2分)
種別男子校・完全中高一貫(高校からの募集なし)
入試日程第1回 2月1日 / 第2回 2月2日(いずれも4科)/ 特別選抜 2月5日 + 国際学級(1月)
募集人数第1回90名・第2回70名・特別選抜40名(+国際学級40名)
実質倍率第1回 約2.4倍 / 第2回 約2.5倍(2026年)
偏差値の目安四谷大塚80%偏差値で第1回57・第2回63・特別選抜63

※ 偏差値は模試会社によって基準が異なります(SAPIXは四谷大塚より5〜6ポイント低く、首都圏模試は5〜10ポイント高く出る傾向)。出願判断は通っている塾の最新の合格判定でご確認ください。

校訓「誠意・礼譲・質実剛健」を掲げる160年超の男子伝統校で、目黒線・不動前駅から徒歩約2分という通いやすさも魅力です。目黒線は都営三田線・東京メトロ南北線と直通運転しているほか、東急新横浜線経由で相鉄線方面ともつながっており、都内はもちろん神奈川方面からも通学圏が広い立地です。

進学実績は2026年に東京大学15名(現役14名)、医学部医学科48名(国公立12名・私立36名)、早慶あわせて延べ162名の合格(卒業生228名)。第1回の偏差値帯(四谷大塚57)から考えると、入口に対して出口が強い学校として知られています。

https://www.inter-edu.com/univ/2026/schools/8/jisseki/

【全体傾向と対策】第1回・第2回・特別選抜の使い分け

各科目の配点と時間は以下のとおりです(第1回・第2回共通)。

攻玉社中学校 入試の配点と試験時間(第1回・第2回)

科目配点時間
国語100点50分
算数100点50分
社会50点40分
理科50点40分
合計300点180分

※ 特別選抜(2/5)は別体系:A方式=算数(共通)100点+算数(発展)150点の250点満点、B方式=算数(共通)100点+国語100点の200点満点。

理科・社会が国語・算数の半分の配点(各50点)で、国算の出来が合否に直結する配点設計です。さらに特別選抜A方式は算数2本立て(共通+発展)の実質「算数1科入試」。学校全体として「算数を武器にする受験生」を歓迎するメッセージが一貫しています。

回別の入試結果(2026年度・学校公表)

実質倍率合格最低点算数の合格者平均(100点)
第1回(2/1)約2.4倍192点/300点(64%)78.1点
第2回(2/2)約2.5倍192点/300点(64%)71.5点
特別選抜A(2/5)約5.0倍203点/250点(81%)共通92.8点
特別選抜B(2/5)約5.1倍139点/200点(70%)共通87.8点

※ 攻玉社中学校公表の2026年度入試結果より。合格最低点は年度により変動します(第1回は2024年182点→2025年187点→2026年192点)。

第2回には2/1に他の難関校を受けた層が流れ込むため、同じ問題レベルでも勝負の相手が大きく変わります。
特別選抜は約5倍の狭き門です。攻玉社が本命なら、最も入りやすい第1回に照準を合わせて仕上げるのが大原則です。国算の合格者平均を比べると国語57.8点に対し算数78.1点と、算数で稼ぐ受験生が受かっていることも数字に表れています。

算数の傾向と対策

【傾向】データで見る攻玉社の算数

試験は50分・100点。近年は大問4題・小問20問前後の構成が安定して続いています。大問1が計算(近年は、その場でルールが定義される「約束記号」の計算を含む年が多い)、大問2が小問集合、大問3・4が速さ・図形などのテーマ型大問という組み立てです。

LEFYでは、攻玉社(第1回)の算数の過去問約18年分(全334問・小問単位)を、独自の単元分類(10分野・72単元)で1問ずつタグ付けして集計しました。まず出題分野の内訳です。

攻玉社中学校 算数の出題分野の内訳(第1回・全334問)

過去約18年分の入試(小問単位) / LEFY調べ

平面図形74問 (22.2%)
立体図形70問 (21.0%)
規則性46問 (13.8%)
計算39問 (11.7%)
速さ36問 (10.8%)
数の性質31問 (9.3%)
割合と比15問 (4.5%)
場合の数8問 (2.4%)
推理・論理・データ8問 (2.4%)
文章題(和と差)7問 (2.1%)

※ 複合問題は主となる単元で集計。LEFY調べ(2026年7月)

平面図形22.2%+立体図形21.0%で、図形だけで全体の43%。ここに規則性・計算・速さが続きます。一方で、つるかめ算などの典型文章題(特殊算)は2.1%、場合の数も2.4%とかなり少なめ。

攻玉社中学校 算数の頻出単元 TOP8

第1回・過去約18年分・全334問のうち、主単元としてタグ付けされた問題数 / LEFY調べ

順位単元問題数
1合同・相似32問
2体積・表面積26問
3約束記号(その場で定義される計算ルール)25問
4立体の切断15問
5周期算14問
5ダイヤグラム(速さとグラフ)14問
7水量の変化(水そうとグラフ)13問
8辺の比と面積比12問

※ このほか図形上の点の移動12問/図形の移動11問/数列・群数列11問/回転体10問。大問1の計算(四則計算15問・逆算15問など)は計39問。LEFY調べ(2026年7月)

単元1位は合同・相似の32問。8位の辺の比と面積比とあわせ、「比で図形を解く」平面図形が最大の得点源です。
そして3位に入った約束記号25問が大きな特徴です
その場で定義される見慣れない計算ルールを処理させる問題で、直近は大問1でほぼ毎年のように登場しています。
ルール自体は難しくないので、初見の記号にひるまず手を動かせるかの「度胸試し」です。

出題形式の内訳を見てみましょう。

攻玉社中学校 算数の出題形式の内訳(全334問)

第1回・過去約18年分の算数を小問単位で分類(1問に複数タグあり) / LEFY調べ

出題形式該当する問題の比率
典型・オーソドックス問題77.8%
初見思考力問題24.6%
グラフ・図の読み取り15.6%
作業・書き出しを要する問題9.9%
考え方・求め方の記述説明0%

※ 形式の分類はLEFYの判定基準によります(典型・オーソドックス問題=塾の教材で扱う典型解法がそのまま使える問題/初見思考力問題=その場で提示されるルールや見慣れない設定の読み取りが必要な問題)。1問に複数の形式が付く場合があります。LEFY調べ(2026年7月)

典型・オーソドックス問題が77.8%。これはLEFYが同じ基準で集計してきた難関校の中で最も高い数値です。つまり攻玉社の算数は、塾のテキストで身につけた単元学習が最も素直に報われる入試。そして考え方を書かせる記述は全334問中ゼロで、答えのみを書く形式です。合格者の算数平均は78.1点(2026年・第1回)。「典型問題を、速く、ミスなく、8割解き切る」勝負だと数字が示しています。

時系列の変化も見てみましょう。全334問を前半と後半に分けて比較します。

攻玉社の算数はどう変わってきたか(以前の8回分 vs 直近の9回分)

全334問を以前の8回分157問・直近の9回分177問に分けて比較 / LEFY調べ

指標以前の8回分直近の9回分
大問数5題4題
平面図形の比率28.7%16.4% ↓
割合と比の問題数0問15問 ↑
場合の数・文章題・推理論理の合計3問20問 ↑
典型・オーソドックス問題の比率76.4%79.1%

※ LEFY調べ(2026年7月)

直近の9回はすべて大問4題構成で、以前の図形偏重がやわらぎ、割合と比・場合の数・文章題・論理といった分野が小問集合に加わって出題範囲が広がりました。以前の8回分には割合と比が1問も出ていなかったのに対し、直近は食塩水・売買損益・仕事算なども普通に登場します。一方で典型・オーソドックス問題の比率は8割弱のまま動いていません。「広く・標準的に・穴なく」が近年の攻玉社です。

対策

全単元の基礎〜標準を穴なく仕上げましょう。典型問題が8割・出題分野が年々広がる入試では、得意単元の深掘りより「苦手単元を作らない」ことが合格に直結します。その上で、最大の得点源である合同・相似、体積・表面積、立体の切断など図形の標準問題を確実に正答してください。

また、約束記号などの問題で慌てないよう、初見のルールを落ち着いて読み、素早く正確に処理する練習をしておきましょう。

時間配分は、大問1・2(計算+小問集合の計10問)を20分以内で抜け、後半のテーマ型大問2題に残り30分を充てるのが目安です。後半の大問は(1)から順に誘導に乗る作りが多いので、(1)(2)を確実に取り、最後の小問は深追いしない判断も大切です。

国語の傾向と対策

傾向

50分・100点。読解2題(物語文・説明文)に加えて、漢字やことわざ・俳句などの国語知識が独立した大問として出題されることが多いのが攻玉社の特徴です。設問は選択式が中心で、記述も数十字程度で問われます。2026年第1回の合格者平均は57.8点と、4科の中で最も得点率が低く、難度の高い科目になっています。

対策

漢字・語彙・ことわざや俳句などの知識分野を確実な得点源にするのが攻玉社の国語戦略です。知識は毎日の積み上げがそのまま点になります。読解は選択肢を本文の根拠と照合する基本動作を過去問で徹底しましょう。

理科の傾向と対策

傾向

40分・50点。4分野から偏りなく出題され、記号選択が中心の構成です。その中で物理・化学分野では本格的な計算問題が交じり、ここが得点差の出どころになります。2026年第1回の合格者平均は38.1点(得点率76%)と高く、理科も「取るべき問題を落とさない」高得点勝負です。

対策

知識問題を素早く処理し、てこ・電気・水溶液などの計算問題に時間を残す配分が基本です。40分と短めの試験なので、過去問演習では「知識で即答できる問題から解く」順序判断も練習しておきましょう。

社会の傾向と対策

傾向

40分・50点。地理・歴史・公民からバランスよく出題され、難度は基本〜標準が中心です。特徴的なのは「誤っているものを選ぶ」タイプの正誤問題が多いこと。あいまいな知識では選択肢が絞り切れない作りになっています。短い記述も少数出題されます。2026年第1回の合格者平均は30.8点(得点率62%)でした。

対策

用語を「書ける」だけでなく、正誤の判断まで含めて正確に説明できるレベルで覚えることが対策の中心です。正誤問題は過去問で「どこが誤りか」を言語化する練習を重ねると精度が上がります。

過去問の取り組み方

攻玉社の過去問も、第1志望の場合は10年分を目安に取り組むことをおすすめします。併願校として臨む場合は少なくとも2,3年分は取り組んでおきましょう。本記事で見たとおり近年は出題分野が広がっているため、古い年度で「図形と規則性ばかり」という印象を持ちすぎないよう、直近の年度から優先して演習するのが効率的です。

算数は時間を測り、「大問1・2で失点ゼロ」「解けるはずの問題を確実に得点にする精度」を軸に振り返りましょう。

過去問に取り組む時期や進め方の全般論は、以下の記事でご紹介しています。

【中学受験】過去問はいつから?何年分?取り組むコツや注意点も紹介!

攻玉社は目黒線沿線という立地から、神奈川方面の受験生が併願に組み込むケースも多い学校です。神奈川男子難関校の併願戦略は以下の記事で解説しています。

【中学受験】聖光・栄光・浅野の併願と過去問対策!併願可能?どの学校の対策に力をいれる?

LEFYの攻玉社対策

ここまで見てきたとおり、攻玉社の入試は「典型問題を広く・速く・正確に」解き切る力を問う、輪郭のはっきりした入試です。裏を返せば、応用問題への背伸びよりも基礎の仕上げ精度がそのまま合否になるため、正しい優先順位で勉強したかどうかの差が大きく出ます

LEFYのマンツーマン指導では、単元別データに基づく苦手分野の穴埋め、ミスの原因分析による精度強化、約束記号・図形など攻玉社頻出形式の集中演習を組み合わせたカリキュラムを個別に設計します。第1回・第2回・特別選抜の受験設計や併願全体の戦略もあわせてご相談いただけます。

まとめ

  • 攻玉社は第1回(2/1・90名)・第2回(2/2・70名)・特別選抜(2/5・40名)。第1回・第2回は300点満点で理社が国算の半分の配点、特別選抜は算数を軸にした別体系という、国算重視の入試です。
  • 第1回(偏差値57)と第2回(同63)の差は6ポイント。攻玉社が本命なら第1回に照準を合わせるのが大原則です。
  • LEFYの独自集計(第1回・約18年・334問)では、図形が全体の43%。単元1位は合同・相似32問、3位に攻玉社名物の約束記号25問が入ります。
  • 典型・オーソドックス問題が77.8%とLEFY集計校で最高。記述はゼロで、合格者の算数平均は約78%。「典型問題を速くミスなく8割解き切る」勝負です。
  • 近年は大問4題構成に固定され、割合と比・場合の数など出題分野が拡大。「広く・標準的に・穴なく」の仕上げが最短の対策です。

横浜駅周辺で中学受験の個別指導をお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください。個別指導塾レフィーでは、攻玉社をはじめとする難関中学受験に向けて、お子さまの現状に合わせた学習計画と併願戦略をご提案いたします。