ひと

服部貴哉

略歴

神奈川大学附属高校を卒業し、慶應義塾大学法学部に入学。
慶應義塾大学在学時に山本と出会い、共に学生団体を立ち上げ、法人化。
大学卒業後は、総合商社に入社し、その後LEFYを創業。

LEFYの塾生、保護者の皆様にお伝えしたいこと

私がLEFYの塾生、保護者の皆様にお伝えしたいことは、計画的に勉強することの大切さです。

大学受験までに必要な勉強量は、おおよそ決まっていると思います。英語で考えれば、単語は多くても5000~6000語程度、熟語は2000~2500語程度と、大学受験で問われるものは決まっています。大学受験を意識し始めると、科目ごとに「どこまでやればいいか」といった、入試合格に必要な学習の総量が見え始めると思います。多くの場合、やるべき学習の総量に対して入試本番までの時間が足りないと感じ、まず移動時間で勉強し、その後、友達と遊ぶ時間を減らしたり、睡眠時間を削ったりするのではないしょうか。しかし、それでもなお、時間が足りないと感じた時、とても大きな心理的ストレスを抱えて受験勉強と向き合わなければなりません。やり切れば、目指すものが手に入ると分かっているのに、そのための時間がないことに気付きながら、不安を抱えて勉強するのは、とっても苦しいです。また、その様な状態では勉強が手につかなくなったり、受験勉強を辞めてしまうこともあるでしょう。

そういった状況に陥らないためにも、早くから大学入試に向けたの計画を立て、着実に勉強を進めていくべきです。

偉そうなことを言いましたが、私自身、実は中高4年間を無計画に過ごしています。受験を意識し始めた高校2年から、焦りを強く感じ、勉強時間を作るため、沢山の大切なものを自分の生活から切り離しました。そんな苦しい高校生活を送って欲しくないと思い、LEFYの塾生、保護者の皆様に計画的に勉強することの大切さを自分の経験談を踏まえて以下、お話します。

高校時代の昔話

思い返すと、あれほど必死に部活や勉強に向き合えたのは、周囲で友人や家族、恩師が私を支えてくれていたからだと思います。

成績下位からのスタート

私は高校2年生になるまで、正直全然勉強していませんでした。高校1年生の時は、下手なバスケの練習に毎日励んでおり、ほとんど友人と遊ばず、毎日バスケが上手くなることを考えて過ごしていました。高校1年生の11月の校内順位は220人中170位で、1日の勉強時間は平均10分程度でした。

高校2年生になったタイミングで、兄のアドバイスを受けて塾に通い始めました。その塾では私より遥かに偏差値の高い学生が沢山おり、次第に受験を意識し始めました。塾では、宿題の答え合わせを生徒全員で行うのですが、全く勉強をしてこなかった私は皆の前で間違いを連発し、周りの子達に笑われていました。とても恥ずかしく嫌な気持ちになると同時に、『バスケも下手で勉強もできない、そんな自分でいいわけがない』と心の中で思い、携帯電話をすぐに解約し、受験勉強を本格的に始めました。友人と共通の目標に向かって頑張る部活の時間は大好きだったので、部活以外の時間を勉強するように心がけました。歩きながら単語帳をやっていた時間を含めると、高校2年生の5月から毎日5時間は勉強していたと思います。

満身創痍で過ごした高校生活

夏休みに受けた模試の結果が悪かったことから、「今まで勉強せずに遊んでいた自分が周囲の人より少し多く努力しても、周囲の人と同じ様な大学に行けるはずがない」と思い、夏期講習や模試のために、時々後ろめたい気持ちで部活を休み始めました。部活を休む時はいつも、「部活を休んで勉強しているのに、学校行事や友達との時間を楽しむなんて、部活を休んだことに失礼だ」と心の中で思い、夏休みが明けた後の昼休みは毎日図書室で勉強し、高校最後の文化祭にも参加せず、部活以外のありとあらゆる時間を勉強に費やしました。また、今まで勉強してこなかったことから、志望校は科目数の少ない私立の文系学部に絞りました。

そんな甲斐もあってか、高校2年生の終わりには模試の校内順位は上位に入るようになりました。高校三年生になり、部活を引退してからは、毎日朝から自習室にこもり、自習室の閉館後は最寄り駅のファーストフード店で11頃まで勉強していました。受験本番の日は凄く緊張しましたが、高校2年間は、自分ができる努力はすべてしたという確信があったため、「これで駄目だったらもう1年勉強すればいい」と思って試験に臨みました。試験が終わり、携帯を解約していたので、公衆電話で親から受験の合否結果を聞きました。受験した学部を合格しており、テレフォンボックスの中、安堵のあまり1人で座り込んで泣いたのを覚えています。私が安心したのは、「入試に落ちたなら、いったい何のために部活を休んだのか分からなくなる」と思っていたからです。

大成功と引き換えに失ったモノ

結果だけ見れば、大学受験は成功に終わったのですが、大学入学後に私は、高校時代に部活を休んだこと、学校行事に参加しなかったこと、友達とも遊ばなかったことを後悔しました。
高校時代の部活や学園祭、友人との時間は、人生を豊かにするとても貴重な時間だと思います。部活での経験はその後の人格形成に大きな役割を果たし、学園祭の時間は大切な思い出となり、友人は一生の付き合いになると思っています。そんな大切なものを、無計画に過ごした中高4年間の末、大学入試に必要な勉強への焦りから手放してしまいました。そんなことにならない様、LEFYの塾生には計画的に勉強をすることを伝えていきたいです。

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今の自分にとって大切だった時間

計画的に勉強することのメリット

今までお話してきた通り、後で自分の大切な時間を受験勉強のために手放すことが無いよう、計画的に勉強をして欲しいのですが、私が自身の経験を通じて学んだ、計画的に勉強することのメリットについても少し触れておきます。

学習内容の順序が整理される

私が高校2年生から勉強を始めた時、とても困ったのは、何から手を付ければよいか分からなかったことです。『どこまではできていて、どこからできていないのか』が分からなかったため、教科書の1p目の内容から勉強に取り掛かりました。復習も兼ねて1p目からやればよいと思って始めたのですが、とんでもない量になるので、多くの時間が必要になりました。また、勉強を積み重ねていないと、ある一科目だけを伸ばそうとした際、他の科目の基礎的な知識や考え方が必要となる場合があり、これもまた時間が多くかかることに繋がります。例えば、英単語を理解するために日本語の語彙が必要になるといったことです。
この経験から、受験勉強に取り掛かる時になるべく少ない時間で勉強が済むように、学ぶことの順序を意識し、計画的に勉強を進めることが大切だと考えています。

勉強方法の確立に時間が割ける

もう一つ、高校2年生から勉強を始めた時、困ったのは、どうやって勉強したらいいのか分からなかったことです。塾で出された宿題の答えを探すような宿題のやり方では不十分と感じていました。そのため、塾の宿題のやり方や自習時間の使い方を半年近く、模索しました。高校2年生の終わりに、私立文系に絞り、ほぼすべての勉強が暗記になったため、勉強は『覚えて、何もない紙に書き出すこと』に落ち着きました。私立文系に進路を絞ったため、無事に勉強できましたが、数学の勉強方法の模索に時間を割いていたら、現役での合格は難しかったと思います。その様な経験から、科目ごとにどうやって勉強すれば良いかを探す時間を受験までの計画に盛り込む必要があると思っています。

受験を振り返ってみると、学習計画の内容(何をいつまでやるか)については指導される機会もあったのですが、勉強方法(どの様に勉強するか)までを計画に織り込む様な指導は、受けてなかったなと感じます。例えば、英単語の勉強方法は、単語を読み上げて三回何も見ずに白紙に書くといったものです。その様な科目や単元ごとの勉強法もまた、計画を立てて勉強することで、自分にあった効率の良い勉強方法を探すことができます。

さらに、勉強方法を計画に落とし込んでいれば、決まった量を、決まった方法で、決まった時間軸に沿って実行していくだけで良いため、心理的な不安も軽減できると思います。また、無計画な方法で勉強するよりも、学習量に対して成果が出やすくなるため、「成果につながらない勉強をしているのではないか」といった不安を感じることも少なくなると思います。

最後に

ここまで長々とお話しましたが、最後に、計画を立てることに加えて、お伝えしたいことがあります。それは、自分の決めたことを最後までやり遂げる意志の大切さです。世間でもよく言われていることなので、私が言うのもおこがましいですが、それでも私はLEFYの塾生、保護者の皆様にきちんとお伝えしたいと思っています。受験期の私は、学習計画もなければ、勉強方法もわからない状況でした。それでも、受験を無事に終えることができたのは、膨大な量のやるべきことを、持っている残りの全ての時間を使ってやり切ったからだと思っています。決して、スマートな受験生ではありませんでしたが、誰よりもひたむきに、自分にできることをやっていたと思います。そういった精神は、大学受験ではもちろん、その後の人生においても大切なことだと考えていますので、LEFYの塾生には是非、自分の決心したことをやり遂げる人になって欲しいと思っています。