受験制度が多様化したり少子化が進行している現代では、かつてのように3人に1人が浪人するといった時代とは大きく異なっています。とはいえ、難関大学を中心に一定の浪人率が残っていることは事実です。
最新の浪人率と学部別の特徴を正しく知っておきましょう!
本記事では全国平均から学部別傾向、さらに学習計画を効果的に組み立てるポイントまで解説します。

全国平均から見る大学浪人率の最新事情

年代別の浪人率推移と少子化が与える影響
浪人率は、1960年代から1990年代初頭にかけて大きく増加しました。
当時は大学進学率が徐々に上昇していた一方で、大学の定員数が限られていたため、競争が激化して多くの受験生が一度の失敗で志望校を諦めきれずに浪人を選択していました。
1990年代後半以降は大学の定員増加や少子化の進展などが相まって、浪人率は緩やかに下がる傾向を示すようになりました。現在は大学進学率がさらに上昇しており、定員割れを起こす大学も少なくありません。
その結果として、難関大学にこだわらなければ現役合格がしやすくなったため、浪人率は平均すると20%前後に落ち着いています。
ただし、今も難関大学では30%以上の浪人率が見られる場合があり、学部によっては半数近くが浪人生というケースも散見されます。特に医学部や難関国立大学などでは依然として浪人率が高い傾向にあります。
また、少子化の影響で受験生の絶対数が減り、大学側も定員を確保する必要に迫られているため、入試制度の多様化が進んでいます。AO入試や推薦入試など、現役生を積極的に取り込む入試方式が増えたことは現役合格率を高める要因にもなっています。
国公立と私立の浪人率の違い
国公立大学
国公立大学は学費が比較的安く、大学全体として研究機関や教育体制が整備されていることが多いです。そのため、優秀な受験生が集中しやすい傾向があります。
さらに、国公立大学には共通テストと二次試験の両方に対応した学力が求められます。現役生の中には対策が不十分なまま本番を迎え、その結果、「もう一年勉強すれば合格可能」という見通しが立つ受験生が浪人を選ぶことにつながり、浪人率を押し上げる要因になります。
また、国公立大学の試験は科目数が多いことが一般的で、万全な受験対策には時間と計画が不可欠です。部活動や学校行事と両立しながら現役合格を目指すのは難易度が高いため、現役時に基礎を固めきれなかった受験生が浪人するケースも少なくありません。
私立大学
私立大学は国公立大学に比べて入試方式や学部選択の幅が広いため、浪人率も学部によって大きく異なります。一般的には文系学部の合格難易度は国公立に比べると低い場合もありますが、有名私大の文系学部は受験者数が非常に多く、競争が激しいケースも珍しくありません。
早稲田大学や慶應義塾大学などの難関私大では浪人率が高く、30%前後にのぼる学部もあります。
私立大学では、複数回の入試日程や複数方式(一般入試、共通テスト利用、総合型選抜など)が用意されることが多いです。現役時に不合格となった受験生が「併願対策が不足していた」「学習時間が足りなかった」と感じて浪人を選ぶケースは少なくありません。
浪人率が高い学部
医学部や芸術系学部に浪人が多い背景
医学部は言うまでもなく、高い学力と幅広い科目への対応が求められます。
国公立医学部であれば共通テストに加え、大学ごとの難易度の高い二次試験を突破する必要があります。合格枠が限られていることもあり、倍率が非常に高いため現役合格が難しくなります。
私立医学部も学費が高いにもかかわらず、高い人気を誇るため浪人率が高いです。
芸術系学部では、デッサンや楽器演奏などの実技試験が課される場合が多くあります。
作品作りや演奏技術など、地道な練習を積み重ねる必要があり、短期間の対策だけでは十分な成果を得られないことは少なくありません。
芸大や音大などの専門性が高い大学は定員が少なく、志望者にとって「どうしても入りたい大学」であるケースが多いため、浪人のリスクを承知で挑む人が集まり、結果として浪人率が高くなります。
これらの学部は専門性を求めるだけでなく、合格後の学習や将来のキャリアにも大きな影響を与えます。医師免許や芸術家としての活動など、専門知識や技術が必須な分野では、目標大学以外に妥協しにくいため、浪人率が高くなる傾向にあるのでしょう。
浪人生活で伸びる人と失敗する人の違い

浪人生活で伸びる人
浪人生活の最大の利点は、勉強に専念できる時間が大幅に増えることです。現役時代は学校行事や部活動、定期テストに追われがちですが、浪人中はそうした制約が少なく、受験勉強にリソースを投下できます。この時間的余裕を活かし、自分の弱点を重点的に補強したり、得意科目をさらに伸ばす学習を実践できる人は、浪人で成績を伸ばせるタイプです。
また、模試の結果や本番でのミスを分析し、自分が苦手とする単元や問題形式を把握できる人も成績が伸びやすいでしょう。「本番でのミス」を具体的に思い出し、対策に落とし込むことができれば、着実に成績は向上していきます。
浪人生活で失敗する人
一方で浪人生活に失敗するケースとしては、学習計画が曖昧なまま過ごしてしまう事例が挙げられます。
現役時の反省を生かさずに同じやり方を踏襲し、苦手分野の克服を後回しにすると、結果的に現役時と同様の失敗を繰り返しやすいです。合格のためには、具体的な目標と計画が欠かせません。
浪人生活は自由な時間が多い反面、自分自身を律することができないと上手く活かせません。
朝起きる時間や1日の学習スケジュールをあいまいにすると、モチベーションが下がったときに大幅にペースを崩してしまうことがあります。計画倒れや体調管理の失敗が重なると、せっかくの浪人期間を十分に生かせず終わる結果になりかねません。
また、焦りや不安から必要以上に参考書や教材を買い集めるのもおススメしません。
多くの教材に手を広げすぎると、結局どれも中途半端に終わりやすいため実力は伸びません。過去問演習など、合格に直結する学習を優先しないまま浪人期間を過ごすのはリスクが大きいです。
浪人でも合格率を高める学習計画とモチベーション管理
目標設定と模試の活用
浪人生活を有意義にする第一歩は、明確な目標設定です。
まずは志望大学と学部を決め、具体的な合格点や必要な偏差値を把握します。そのうえで、年間・月間・週間単位の学習計画を立てましょう。
漠然と「今年こそ合格したい」と考えるだけではモチベーションの維持が難しいでしょう。模試を軸に短期目標を設定し、一歩ずつ成果を感じながら進むと、気力を保ちやすくなります。
模試ごとに目標点を設定し、達成できなかった場合にはその原因を具体的に検討しましょう。「計算ミスが多い」「時間配分を誤った」「苦手単元が解けない」など問題点を明らかにして軌道修正する習慣が合格率を引き上げます。
また、模試の判定結果に一喜一憂しないようにしましょう。模試の成績が悪くても、その理由を改善できれば次の模試や本番で巻き返しが可能です。目標と実際の学力のギャップを具体化し、着実に修正を加えていく機会として模試を活用しましょう。
効率的な学習習慣と苦手克服のコツ
浪人生活を効率的に進めるためには、学習習慣の定着が不可欠です。
決まった時間に起きて学習を始め、休憩や食事の時間を計画的に挟むことで、生活リズムを乱さずに勉強を継続することができます。
人間の集中力には限界があるため、適度なインターバルを取りながら勉強するようにしましょう。
また、苦手分野の克服には、基礎から丁寧に取り組むことが重要です。知識が曖昧なまま演習を繰り返しても同じ間違いを繰り返すため、まずは教科書や入門レベルの参考書を用いて理解を深めることが大切です。ある程度理解できたら、必ず定期的な過去問演習の時間を取るようにしましょう。
大学ごとの出題傾向をつかみやすくなり、苦手箇所をピンポイントで洗い出すことができます。添削や解説講義など、第三者の視点を取り入れられる予備校や通信教育の活用も検討すると、自習だけでは見えにくい盲点を補う効果が期待できます。
まとめ
少子化の影響で全体的な浪人率は下がっているものの、いまだ難関大学や専門的な学部では浪人生が多く見られます。浪人を決断するかどうかは簡単ではありませんが、決断したからには実りある時間にすることが大事です。
現役時の自分の失敗経験を強みに変え、勉強習慣を継続し、模試や過去問で自分の課題に向き合うことで、浪人で大きな成果を得られる可能性が高まります。
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