私立最難関の早稲田・慶應を目指している方はかなり多くいると思いますが、ほとんどの方がギリギリの戦いをしているのではないでしょうか。
英語、日本史、世界史、小論文、人によっては数学と、みなさん、いずれかの科目が「受験本番までに間に合うのだろうか?」とかなり不安になっていると思います。
そしてそんな状況においても「そろそろ過去問を解き始めたほうがいいらしい」という噂を耳にし、「まだ過去問なんて全然できるレベルじゃない…」とさらに焦りを感じることもあるでしょう。
今回は、早稲田・慶應を目指す受験生に向けて、いつからどの大学の過去問に何年分取り組むべきなのかを説明していきます。
また、中には東大、一橋など、国立大学を第1志望校とし、早慶を滑り止めとして受験される予定の方もいると思います。
そういった方に向けても、どのような意識でどのタイミングから何年分程度過去問に取り組むべきかもご紹介します。
過去問を解く目的は?
まずは過去問を解く目的をしっかりと認識しましょう。
実際に過去問に取り組む際は以下の点を意識ながら問題を解きましょう。
出題傾向・形式を把握する
大学、学部ごとに出題される範囲や、出題形式に傾向・特徴があります。
実際に問題を見て傾向や特徴を体験しておくため、というのが過去問に取り組む目的の1点目です。数年分解いていくと、同じ範囲の問題が出題されたり、同様の形式の問題を見かけたりと、なんとなく傾向をつかめるはずです。
また、傾向や形式を把握するためには、インターネットや本で調べることも有効です。
自分で分析したものと、調べてわかった傾向を合わせて把握しておきましょう。
問題のレベル・合格最低ラインを知る
最終的にどれほど難しい問題が出題されるのか、そしてその入試問題で何割程度取ることができれば合格することができるのかを感覚的につかんでおくことが大切です。
今後の受験勉強のモチベーションにもなりますし、過去問や実際の本番入試の際に、どのような時間配分をすればいいのかを適切に判断することができます。
ざっくりとした配点(本当の配点や調整はわかりませんが)や問題数、大問ごとの問題の難しさを把握しておくことで、合格最低点の〇割を取るためには、ここで時間を使いすぎてはいけない、というように判断できるようになります。
苦手な問題、範囲を知る
学校の定期テストや、模試などでも、自分の苦手な範囲を知ることができます。
しかし、実際の本番入試のレベルにおける苦手単元を把握しなければ意味がありません。
例えば、▲▲という単元が、模試ではレベル1で出題されており、いつも満点だったにもかかわらず、本番入試では、同じ▲▲という単元がレベル5になって出題され、手も足もでないかもしれません。
つまり、得意だと思っていた単元が苦手だということが判明することがあるわけです。
このように、過去問に取り組むことで、本番入試レベルにおける自分の弱点を知ることができます。
受験本番までの学習計画を立てる
上記3点を把握したら、受験本番までの学習計画を立てることができます。
そもそも計画とは、受験以外のことにおいても、目標と現状を明確にしないと立てることができません。
目標と現状を把握し、その乖離を埋めるために、なにをしなければならないかを洗い出しましょう。
そして、それぞれにどれくらいの時間がかかるのかを考え、受験本番までの期間の計画を作成し、勉強に取り組みましょう。
過去問は何年分取り組む?順番は?
過去問に取り組む量は以下を目安にしましょう。
- 第1志望:10年分以上
- 第2志望:3-5年分
- 第3志望~:3年分前後
もちろん、余裕がある方は、できるだけ多く解いておいた方がよいでしょう。
多くの方はギリギリの戦いになるはずですので、その場合は、過去問以外にも勉強しなければならないことがたくさんあるはずです。
それを踏まえると、上記の量が取り組める限界になるはずです。
東大、一橋など国立大学を第1志望校にする受験生は、併願する早慶の過去問は、受験する学部の過去問を3年分前後を目安にしましょう。
ただし、東大、一橋、東工大の志望校判定が安定してC以上の方に限定されます。
D、E判定の場合は、早慶等、私立専願の受験生とレベルにあまり差がありませんので、本番で落ちてしまうことも十分考えられます。
浪人は絶対にしないという考えの場合は、しっかりと早慶対策も行っておく必要があります。
過去問はいつから取り組む?
以下のペースを目安に過去問に取り組みましょう。
- 7-8月:第1志望校の過去問1年分
- 10月:第1志望校の過去問スタート
- 12月-1月:併願校の過去問
- 1月-2月:過去問の2週目、3周目
- 2月-:入試本番
10月以降は過去問でかなり時間を取られますが、過去問の勉強だけでは不十分な方が大半なはずです。過去問にも取り組みつつ、自分に不足している勉強をこなしましょう。
また、状況によっては、取り組む過去問の量を減らし、合わせて過去問に取り組む時期を遅らせたほうがよいこともあります。
さらに科目によって得意不得意もあると思いますので、自分の現在の状況に応じて計画を検討しましょう。
過去問に取り組む際の注意点・コツ
過去問に取り組む際は以下の点を意識しながら取り組みましょう。
本番の制限時間マイナス5-10分で解く
入試本番は、あまりの緊張で頭が真っ白になってしまったり、普段ならつまずかないようなところで混乱してしまう可能性があります。
そういったことも考慮し、過去問に取り組む際は、本番の制限時間よりも5-10分程度短い時間に設定して解くようにしましょう。
解いたらすぐに採点し、結果を管理
解きっぱなしは絶対にNGです。
過去問を解いたらすぐに採点しましょう。また、点数を管理するようにしましょう。
解いた日付と合わせて、合格者平均点、合格者最低点を記載しておくとよいです。
今後、何年分か過去問を解いていったときに、どれくらい得点が伸びていくかを確認できるようにしておくと、モチベーションアップにもつながります。
合っていた問題も、間違っていた問題も確認・復習する
採点したら、必ず復習もしましょう。
その際、間違えた問題だけでなく、あっていた問題も確認することが大切です。
100%の根拠、自信を持って正答した問題はそのままでも構いませんが、少しでも不安が残るまま回答した問題については、かならず解答・解説を読んだり、もう一度考えるなどして、なぜそれが正解になるのかを確認しましょう。
間違えた問題は当然、解答・解説を確認し、復習するようにしましょう。
暗記系科目は間違いを貯めるノートを作成しよう
過去問を解き、不足していたと感じた知識は、ノートにまとめておくことをおすすめします。英語で言えば、文章中にでてきた知らなかった単語を、ノートにメモしておき、定期的に復習してください。
固有名詞やあまりにもマニアックな単語は省いてもいいですが、早稲田・慶應の英語では、かなりハイレベルな単語・熟語も求められますので、しっかり貯めていきましょう。
過去問の入手方法
赤本と青本
大学受験の過去問本としては、「教学社」出版の赤本と、「駿台文庫」出版の青本が有名です。
どちらでも構いませんが、青本は東大、一橋、東工大、旧帝大、早稲田、慶應と難関大学のみカバーされており、解説が少し丁寧であることが特徴です。
東進 大学入試問題 過去問データベース
早稲田・慶應はもちろん、有名大学の過去問はほとんど閲覧するができ、無料で利用することができます。
早稲田大学は公式に公開
早稲田大学は過去の入試問題を公式に公開しています。
慶應は公開していません。
最後はインプット勝負
以上、過去問への取り組み方をご紹介してきました。
早稲田・慶應の問題は、非常に頭を悩ますような問題も出題されますが、知らなければ悩むような問題がほとんどです。つまり、しっかりとした知識をベースとして、思考力を問われています。
実態として、早稲田・慶應に不合格となってしまう受験生の大半は、単に勉強不足で、知識が足りていないことが原因で、応用力は大差ありません。
過去問に取り組む中で出会った難しい英単語や、日本史世界史の細かい知識なども頑張って覚えて、その上で初めて、素早さ、正確さ、思考力で戦う土俵に上がります。
このことを意識しながら受験勉強を頑張ってみてください。
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