慶應義塾大学は、早稲田大学と並ぶ私立最難関大学です。
他にも私立大学は数多くありますが、早稲田と慶應は群を抜いてレベルが高い大学と言えます。
高3の受験生になり、過去問を解いてみると、その難しさを実感することができますが、受験生でもない限り、なかなかその難しさがパッとしないですよね。
今回は、慶應義塾大学の難しさを、倍率、偏差値、問題の難しさの観点からご紹介します。
また、慶應の学部の中でも、比較的入りやすい学部もご紹介します。
受験生はもちろん、今後、慶應義塾大学を目指す可能性がある中高生も参考にしてみてください。
慶應の入試方式は?
難易度を知る前に、そもそも慶應義塾大学がどのような入試方式を採用しているかを知っておきましょう。推薦、総合型選抜、帰国性入試等もありますが、一般選抜についてご紹介します。
慶應は共通テストや、英語の外部試験(英検、TOEICなど)の結果を利用することができず(2023年度時点)、慶應独自の試験の結果のみで合否判定が行われます。
早稲田大学やMARCH・SMARTの大学では共通テスト、英語の外部試験等を利用できることが多いので、注意してください。
しっかりと慶應の本番入試対策を行う必要があります。
慶應義塾大学の難しさをチェック
倍率は?
河合塾の以下のページを参考に倍率を見てみます。
概ね、どの学部も倍率は3~4倍程度となっています。
慶應の総受験者数と総合合格者数からみた倍率も3.6倍となっています。
つまり、受験者の3~4人に1人が合格となる計算です。
一方で、医学部、総合政策学部、環境情報学部の倍率は6~7倍と、他の学部の倍率と比較してかなり高くなっています。
ただし、倍率の数値だけを見て難易度を判断してはいけません。
その学部を受験する受験生がどういった属性・学力レベルなのかという点も考慮する必要があります。
最も分かりやすい例として、医学部と総合政策学部・環境情報学部を取り上げます。
医学部は倍率6-7倍前後、総合政策学部・環境情報学部も6倍程度ですが、全くレベルが異なります。
科目が異なるという話はおいておいたとしても、医学部を目指す受験生と、総合政策・環境情報学部を目指す受験生では、共通する科目においても学力レベルに非常に大きな差があります。
倍率はあくまでその学部の入試を受験した受験生と、合格者数から算出した数値であることを認識しておきましょう。
偏差値は?
偏差値も、河合塾を参考にしてみます。
慶應義塾大学の学部の偏差値はおおよそ65-70程度となっています。
MARCH・SMARTの大学の学部の偏差値がおおよそ60前後ですから、それと比べてはるかにレベルが高いことが分かります。
GMARCH・SMARTってどこの大学?偏差値や穴場・人気学部を紹介!
医学部の偏差値が72.5と高いのは当然ですが、総合政策学部、環境情報学部も70、72.5となっています。
この現象も、ざっくりと言うと、医学部・総合政策学部・環境情報学部の倍率が近いことと同じようなことが原因です。
本番の受験者層が異なるのはもちろんですが、模試などにおいても志望する受験者層が異なりますよね。そのため、偏差値だけで各学部の合格のしやすさを比較することでは、ざっくりとは把握できるものの、正確ではないと認識しておきましょう。
入試問題の難しさ【英語】
次に、入試問題の難しさから考えてみます。
ただし、学部によって科目が異なりますので、ここでは、基本的に全学部に共通している英語を例にとってみたいと思います。
慶應の英語は、私立大学の中では1番難しいと言われています。
学部によって難易度に差はありますが、全体に共通する難しいポイントは「文の構造が複雑であること」「文章のテーマがわかりづらい・難しい」「設問が難しい」の3点です。
まず、文章はテーマが難しい上に、複雑な構造の文章、文が出てきます。くわえて、かなり難しい単語も登場しますので、易々と読み進めることができません。
慶應の英語の文章を読む際は、現代文を読むとき同様に、内容にフォーカスし、どのようなテーマなのか、どのような主張が展開されているのか、などを的確に判断、推測しながら読む必要があります。
英語を読むというよりは、英語で文章を読むといった感じですね。
また、文章も長く問題数も多い傾向にあるので、内容に集中しながら、素早く長文を読み、問題に正確に答えていく必要があります。
共通テストやMARCHレベルの英語と比べるとかなり難しいものとなっています。
慶應の合格しやすい学部
先ほどから何度も述べている通り、難易度や受験における合格のしやすさは、倍率や偏差値という数値だけで判断するのは危険です。受験者層がどういった属性かということも考慮して判断しなければなりません。
ここでは、0から勉強して合格しやすい学部という意味で、合格しやすい学部をご紹介していきます。
総合政策学部・環境情報学部
こちらの2学部は、以下の4パターンで受験することができます。
- 数学+小論文
- 情報+小論文
- 外国語+小論文
- 数学+外国語+小論文
先程、この2つの学部は英語がかなり難しいということを述べましたが、上記のとおり、2科目、もしくは3科目で受験することができます。
なお、学部入学案内 - 一般選抜:[慶應義塾] (keio.ac.jp)の一般選抜得点状況(2023年度)に記載のとおり、合格最低点は400点満点中260点前後となっており、約65%程度の得点率が合格ラインとなっていました。
小論文は数学や英語、その他の科目ほどの重さではないことを考えれば、メインに勉強する科目を英語、数学に絞ることができます。
また、東大など国立大学を受験する受験生の多くが経済学部や法学部を併願しますので、そういった受験生との競争が比較的少ないという点からも合格しやすいと考えられます。
商学部A方式
商学部A方式の倍率は2.3倍前後と、他の学部と比較するとかなり低めです。
入試科目は英語、数学、地歴1科目(世界史、日本史、地理から選択)の3つですので、文系の受験生で数学と使わないといけないということから、そもそも受験する母数が限られており、この倍率となっていると考えられます。
また、経済学部A方式も同様に数学を使用しますが、東大受験生の併願校は、経済学部に多少寄っている印象があり、この点からも、経済学部A方式よりも入りやすいと推測できます。
ただし、商学部も国立大学受験生の併願先となりますので、倍率は低いものの、少ない努力で合格しやすいかという点では判断が難しいですね。
ただし、国立大学受験生や、私立大学に絞っているものの、数学が得意な受験生にとっては狙いの学部となるでしょう。
文学部
文学部は、直近数年間、受験者数が減少しています。
文学部の人気が下がっていると捉えると、レベルの高い受験生は文学部以外に集中することが想定されますから、受験者層のレベルとしては戦いやすいことが想定されます。
慶應の英語対策とおすすめの参考書
以下の記事で、慶應に合格するための英語の勉強方法を学部別にご紹介しています。
おすすめの参考書もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【慶應に合格】するための英語の勉強法と参考書|慶應合格者が解説
学部、入試方式ごとに出題傾向や出題形式が異なりますが、まずはそもそもの英語力を伸ばすことが優先です。
傾向や形式を意識しすぎて、早期から偏った勉強をしてしまうと、結果的に英語力が伸びませんので注意しましょう。
東大、早慶と比較すると・・・
東大と難易度を比較
「東大よりも難しい問題が出た」というようなことを聞くことがあるかもしれませんが、やはり東大のほうがはるかに難しいでしょう。
英語だけに焦点をあてれば、たしかに慶應のほうがテーマが難しい文章が出たり、単語が難しかったりすることはあり、東大よりも難しい問題と捉えることもできますが、東大とは受験者のレベルが異なり、合格するために求められるレベルは東大のほうが高いでしょう。
また、英語以外の数学、地歴においても同様で、東大よりも難しい問題が出ることもありますが、受験者の平均学力レベルが異なるため、合格するために必要なレベルは慶應の方が低いと考えられます。
早稲田と難易度を比較
学部、入試方式、年度によって差はあるものの、概して言えば、早稲田と慶應の難易度にあまり差はないと考えられます。
早慶を狙っている受験生は、できるだけ多くの学部を受験することをおすすめします。
慶應に合格するために
慶應は難関大学ですが、問題や合格最低点を見ると、多くの受験生にとって努力で届きうるラインだと感じます。
受験する学部、方式などによりますが、いずれにせよ英語がかなりのウエイトを占めます。
できるだけ早い段階から英語だけでも強化しておくようにしましょう。
以下の記事で高校2年生から早慶に逆転合格を目指す場合の勉強時間の目安やコツをご紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
【高2生】早慶に逆転合格するなら勉強時間はどれくらい必要?科目や時間配分のコツは?
以下の記事では英語の勉強方法とおすすめ参考書もご紹介しています。
【慶應に合格】するための英語の勉強法と参考書|慶應合格者が解説
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