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【フェリス女学院中学校】入試傾向と対策!算数の4割で『求め方』を書かせる記述型入試。データで解説

フェリス女学院中学校は、1870年創立・日本最古の女子校として知られる、横浜市中区山手の伝統校です。神奈川女子御三家の筆頭格として、県内はもちろん東京方面からも受験生が集まります。

入試は2月1日の1回のみ、実質倍率は近年2.0〜2.2倍前後。入試問題は4科目とも「書かせる」色が濃く、とくに算数は多くの問題で「求め方」の記述が要求されるという、他校にはない明確な個性があります。

本記事では、LEFYが独自に集計した過去約20年分・全334問の算数出題データを交えながら、フェリス女学院の入試傾向と対策をご紹介します。

この記事でわかること
  • フェリス女学院の基本情報(偏差値・入試日程・校風・進学実績)
  • フェリスの入試の配点・試験時間(320点満点・合格最低点は非公表)
  • 【LEFY独自集計】算数・過去約20年分334問の出題分野の内訳と頻出単元
  • 算数の約4割で「求め方」の記述が要求される、記述中心の独特な出題形式
  • 問題数は50分で15問前後と少なく、1問の重みが大きい入試であること
  • 国語・理科・社会に共通する「書いて表現する」傾向と対策
山本航士

この記事を書いた人

山本航士

受験アドバイザー

聖光学院中高→慶應義塾大学経済学部→コンサルティングファーム→LEFYにて難関中学受験および中高一貫校生をサポート

フェリス女学院の基本情報(偏差値・日程・進学実績)

フェリス女学院中学校 基本データ

項目内容
所在地神奈川県横浜市中区山手町(JR石川町駅から徒歩約7分、みなとみらい線 元町・中華街駅から徒歩約10分)
種別女子校・中高一貫(キリスト教プロテスタント系)
入試日程2月1日(1回のみ)。筆記試験4科目・人物考査なし
募集人数180名
実質倍率近年2.0〜2.2倍前後
偏差値の目安四谷大塚80%偏差値で63

※ 偏差値は模試会社によって基準が異なります(SAPIXは四谷大塚より5〜6ポイント低く、首都圏模試は5〜10ポイント高く出る傾向)。出願判断は通っている塾の最新の合格判定でご確認ください。

キリスト教プロテスタント系の女子校で、教育理念は「For Others(他者のために)」。毎朝の礼拝などキリスト教を柱とした教育が行われる一方、「まことの自由の追求」を掲げる自由な校風でも知られます。制服や細かい規則で縛るのではなく、生徒の自主性を尊重する6年間です。

進学実績は、2026年の東京大学合格者数が9名。1学年約180名の女子校としては高水準で、早稲田・慶應への合格者数が厚いのも特徴です。医学部志向の生徒も多く、進路は理系・文系にバランスよく分かれます。

https://www.inter-edu.com/univ/2026/schools/67/jisseki

入試日程は2月1日の1回のみ。神奈川女子最上位層の第一志望が集中する入試日であり、東京の女子最難関(桜蔭・女子学院・雙葉など)と同日のため、「2/1にフェリスを選ぶ」こと自体が受験戦略上の大きな決断になります。

全体傾向と対策

各科目の配点と時間は以下のとおりです。

フェリス女学院 入試の配点と試験時間

科目配点時間
国語100点50分
算数100点50分
社会60点30分
理科60点30分
合計320点160分

※ 合格最低点・合格者平均点は非公表です。

国算にやや傾斜した320点満点です。合格最低点が非公表のため「何割取れば受かるか」を断定はできませんが、倍率2倍前後の入試で受験者層のレベルが高いことを考えると、取れる問題を確実に積み上げる姿勢が前提になります。

フェリスの入試を一言で表すなら、「4科目を通して『考えたことを書いて伝える力』を測る入試」です。算数は多くの問題で求め方の記述が必須、国語も記述中心、理科・社会にも記述が含まれます。答えが合っているだけでは満点にならず、途中の思考を答案に表現できるかが全科目共通の勝負どころです。

算数の傾向と対策

【傾向】データで見るフェリスの算数

LEFYでは、フェリスの算数の過去問約20年分(全334問・小問単位)を、独自の単元分類(10分野・72単元)で1問ずつタグ付けして集計しました。まず出題分野の内訳です。

フェリス女学院 算数の出題分野の内訳(全334問)

過去約20年分の入試(小問単位) / LEFY調べ

平面図形89問 (26.6%)
割合と比43問 (12.9%)
数の性質40問 (12.0%)
立体図形37問 (11.1%)
速さ33問 (9.9%)
計算24問 (7.2%)
文章題(和と差)24問 (7.2%)
場合の数19問 (5.7%)
推理・論理・データ18問 (5.4%)
規則性7問 (2.1%)

※ 複合問題は主となる単元で集計。LEFY調べ(2026年7月)

平面図形が26.6%と単独で最大勢力です。割合と比・数の性質・立体図形が続き、規則性は2.1%とほとんど出題されません。年間の問題数は平均15問前後(少ない年は12問)と絞られており、その分1問の配点が重いのがフェリスの構造的な特徴です。

単元レベルまで下りると、対策の優先順位が見えてきます。

フェリス女学院 算数の頻出単元 TOP10

過去約20年分・全334問のうち、主単元としてタグ付けされた問題数 / LEFY調べ

順位単元問題数
1面積(複合図形・くふうを要する求積)24問
2推理・論理(条件整理・調べ上げ)18問
3約数と倍数14問
4辺の比と面積比13問
4約束記号(その場で定義される記号・操作)13問
4図形上の点の移動13問
7速さと比12問
7円とおうぎ形12問
9場合の数の応用11問
9角度11問

※ このほか、大問1で出題される計算分野の小問(四則計算・逆算など)が計24問。LEFY調べ(2026年7月)

面積・辺の比と面積比・円とおうぎ形・角度と、平面図形の求積系がランキングを埋め尽くしています。フェリスの平面図形は「公式に当てはめて終わり」ではなく、補助線や等積変形などのくふうを1〜2段挟んで初めて解ける構成が定番です。また、その場でルールが定義される「約束記号」が13問と多いのも、思考力を重視するフェリスらしい特徴です。

そして、フェリスの算数を最も特徴づけるのが「出題形式」です。全334問を形式別に分類した結果がこちらです。

フェリス女学院 算数の出題形式の内訳(全334問)

過去約20年分の算数を小問単位で分類(1問に複数タグあり) / LEFY調べ

出題形式該当する問題の比率
典型・オーソドックス問題(塾で習う典型解法で解ける)53.0%
初見思考力問題(その場で設定を読み解く)43.7%
考え方・求め方の記述説明39.2%
作業・書き出しを要する問題17.7%
グラフ・図の読み取り13.2%

※ 形式の分類はLEFYの判定基準によります(典型・オーソドックス問題=塾の教材で扱う典型解法がそのまま使える問題/初見思考力問題=その場で提示されるルールや見慣れない設定の読み取りが必要な問題)。1問に複数の形式が付く場合があります。

※ LEFY調べ(2026年7月)

「求め方」の記述が要求される問題は全334問のうち39.2%。約5問に2問にのぼります。フェリスは大問の多く(年度によってはほぼすべての大問)に「求め方」欄が設けられ、答えに至る筋道そのものが採点対象になります。「答えは出せるのに書けない」子が最も差をつけられる入試と言えます。

形式面のもう1つのポイントは、典型・オーソドックス問題(53.0%)と初見思考力問題(43.7%)がほぼ拮抗していることです。典型解法で解ける問題と、初見の設定をその場で読み解く問題が半々で混ざる、「典型解法を土台に、ひとひねり加えて記述させる」出題です。

時系列の変化も見ておきましょう。全334問を前半・後半で半分に割って比較します。

フェリスの算数はどう変わってきたか — 以前の11年 vs 直近11年

全334問を前半167問・後半167問に分けて比較 / LEFY調べ

指標以前の11年直近11年
初見思考力問題の比率41.3%46.1% ↑
作業・書き出しを要する問題13.2%22.2% ↑
「動く図形」系の問題数(点・図形の移動)1問20問 ↑
考え方・求め方の記述説明45.5%32.9% ↓

※ LEFY調べ(2026年7月)

注目は「動く図形」系(図形上の点の移動・図形の移動)の激増です。以前の11年でわずか1問だったのに対し、直近11年では20問。点が図形の辺上を動いて面積が変化する、図形が平行移動して重なるといった「図形×動き」の大問が近年のフェリスの定番になっています。記述の比率はピーク時よりやや下がったものの、依然3問に1問の水準で、書かせる入試であることに変わりはありません。

対策

データが示す対策の軸は3つです。第一に、「求め方」を日常的に書く訓練。普段の演習から「式だけ」「答えだけ」で済ませず、他人が読んで再現できる答案を書く習慣をつけましょう。書いた答案は添削を受け、要素の抜けや論理の飛びを直すサイクルが不可欠です。

第二に、平面図形の求積(面積・辺の比と面積比・円とおうぎ形・角度)を最優先で鍛えること。全体の4分の1以上が平面図形であり、くふうを要する求積は配点の重いフェリスで最も「稼げる」領域です。第三に、近年激増している「図形×動き」系(点の移動・図形の移動)の大問演習。この3つで出題の大半をカバーできます。

時間配分の面では、50分で15問前後と問題数が少ないため、1問あたりにかけられる時間は比較的長めです。ただし記述に時間を取られるので、大問1の計算・小問を素早く処理し、記述問題に時間を残す組み立てを過去問で体に入れましょう。規則性など過去データからは頻度が低い問題も今後出題される可能性はあるものの、まずは頻出分野の完成度を上げましょう。

国語の傾向と対策

傾向

読解2題(物語文・随筆または論説文)+漢字・語句という構成が基本で、年度によっては詩(韻文)が出題されるのもフェリス国語の伝統的な特徴です。設問は記述が中心で、自分の言葉で心情や理由を説明させる問題が多く出ます。

文学的な文章の繊細な心情や表現の意図を汲み取り、それを自分の言葉で表現する力が問われます。選択肢のテクニックでは対応できない、正面から「読む力・書く力」を測る出題です。

対策

記述は「書いた量」ではなく「添削を受けて書き直した回数」で伸びます。過去問や記述教材で書いた答案を必ず指導者に見てもらい、要素の過不足・言葉の選び方のフィードバックを受けるサイクルを回しましょう。詩や随筆など、普段の塾教材で扱いが薄いジャンルの文章に触れておくことも有効です。

理科の傾向と対策

傾向

4分野からバランスよく出題されます。実験・観察を軸にした出題が中心で、理由や考察を文章で説明させる記述問題が含まれるのが特徴です。30分・60点とコンパクトな試験ながら、単純な知識の再生だけでは得点しきれません。

対策

知識は「なぜそうなるのか」の理由とセットで理解し、実験の目的・手順・結果を自分の言葉で説明する練習を重ねましょう。30分という短い試験時間に慣れるため、過去問演習では時間を測って取捨選択の感覚も養ってください。

社会の傾向と対策

傾向

地理・歴史・公民から幅広く出題され、資料の読み取りや、社会の仕組み・背景を説明させる記述問題が含まれます。単答の知識問題だけでなく、知識を関連づけて考えさせる設問が混ざるのが特徴です。

対策

基本知識を固めた上で、「なぜ」「どのように」を問う記述への対応力をつけましょう。ニュースや身近な社会の話題について家庭で話し、教科書知識と現実の社会を結びつける習慣が、フェリスの出題スタイルへの良い備えになります。

【過去問の取り組み方】「記述を書き切る」演習として使う

フェリスの過去問も、10年分を目安に取り組むことをおすすめします。記述の出題スタイルが確立している学校なので、過去問がそのまま最良の記述教材になります。

重要なのは、「求め方」欄を省略せずに毎回書き切ることです。答え合わせだけして記述を飛ばすと、フェリス対策としての価値が半減します。書いた記述は添削を受け、「この式が何を求めているのか」が伝わる答案に磨いていきましょう。

過去問に取り組む時期や進め方の全般論は、以下の記事でご紹介しています。

【中学受験】過去問はいつから?何年分?取り組むコツや注意点も紹介!

神奈川の女子御三家(フェリス・横浜雙葉・横浜共立)の比較や併願の考え方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

【中学受験】神奈川の男子・女子御三家は?入試傾向や進学実績を紹介

LEFYのフェリス対策

ここまで見てきたとおり、フェリスの入試は「考えたことを書いて伝える力」の勝負です。そしてこの力は、解きっぱなしの演習では伸びません。書く→添削を受ける→書き直す、のサイクルをどれだけ回せたかで決まります。

LEFYのマンツーマン指導では、算数の「求め方」答案と国語の記述の添削を軸に、頻出の平面図形・「図形×動き」系の演習を組み合わせたフェリス特化のカリキュラムを個別に設計します。記述の添削指導こそ、集団塾では手が回りにくく、マンツーマンの効果が最も出る領域です。

まとめ

  • フェリス女学院は2月1日・1回のみの入試で、320点満点(国算各100点・理社各60点)。人物考査は現在なく、筆記試験のみで合否が決まります。
  • LEFYの独自集計(過去約20年・334問)では、算数の39.2%(約5問に2問)で「求め方」の記述が要求される、記述中心の入試です。
  • 分野は平面図形が26.6%と最大。面積・辺の比と面積比・円とおうぎ形など「くふうを要する求積」がランキング上位を占めます。
  • 直近11年で「図形×動き」系(点・図形の移動)が1問→20問に激増。初見思考力問題・作業型も増加傾向で、典型解法の暗記だけでは足りません。
  • 過去問は10年分を目安に、「求め方」欄を省略せず書き切る演習として使い、答案は必ず添削を受けましょう。

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