勉強のコツ

【中学受験】食塩水の解き方をわかりやすく解説!面積図・てんびん図の使い方と練習問題

中学受験の算数で、割合をしっかりつかむために重要な単元が食塩水です。
最初は機械的に計算をして答えを求めることができれば十分ですが、最終的には、機械的に計算するだけでなく、しっかりと濃度を理解して学習を進める必要があります。

なお、食塩水をしっかり理解しないと、理科の濃度計算でも苦戦することになってしまいます。
比の学習前は主に面積図、比の学習後は主にてんびんで解くことになりますが、本番入試では、面積図をかかないと解きづらい問題も出題されますので、面積図/てんびんの両方を理解し、使いこなせるようにしておく必要があります。

服部貴哉

この記事を書いた人

服部貴哉

受験アドバイザー

神奈川大学附属中高→慶応義塾大学法学部→総合商社→LEFYにて中学受験および中高一貫校生をサポート。サピックス・グノーブルをはじめ大手塾通塾生の指導経験が豊富。

食塩水の濃さとは

食塩水の問題に出てくる量は、次の3つです。

  • 食塩水全体の重さ(食塩+水)
  • とけている食塩の重さ
  • 濃さ(濃度)=食塩水全体のうち、食塩がどれだけの割合をしめているか

食塩水は「食塩」と「水」を合わせたもの

食塩 食塩水全体 = 食塩 + 水 濃さ = 食塩の重さ 食塩水全体の重さ 「水の重さ」で割るのではない

ここで注意したいのが、濃さは「水」に対する割合ではなく「食塩水全体」に対する割合だということです。ここを取り違えると、以降の計算がすべてずれます。

最初は以下の式だけ覚えておき、2つを当てはめて残りの一つを求めることができれば十分です。

食塩水の基本式

食塩の重さ 食塩水全体の重さ × 濃さ

濃さが8%なら 0.08 をかける。覚える式はこの1本だけで、求めたいものに応じて逆算する。

食塩水の超基本問題

まずは1つの食塩水について、それぞれの量の求め方を確認します。ここが自在にできるようになってから、次のパターンに進んでください。

食塩の重さを求める

 8%の食塩水300gには、食塩が何gとけていますか。

公式そのままです。300×0.08=24g

濃さを求める

 食塩15gを水185gにとかしました。濃さは何%ですか。

ここでよくある間違いが、15÷185 と計算してしまうことです。濃さは食塩水全体に対する割合なので、まず全体を出します。15+185=200g。

15÷200=0.075 なので、7.5%です。

問題文が「水◯gに食塩△gをとかした」となっていたら、必ず足して全体で割りましょう。

食塩水全体の重さを求める

 6%の食塩水に、食塩が18gとけています。食塩水は何gですか。

18÷0.06=300g

全体100のうち、6が18gなら、1は3g、ということは100は300gと比や割合の概念を使って解けると計算が早くなります。

水の重さを求める

 5%の食塩水400gには、水が何g入っていますか。

食塩は 400×0.05=20g。水は全体から食塩を引いて、400-20=380gです。

400gに0.95をかけても構いません。

水や食塩を加える・蒸発させる問題

次のステップは、食塩水に何かを加えたり減らしたりする問題です。ここで大事なのは、何が変わって、何が変わらないかを毎回確認することです。

水を加える

 10%の食塩水200gに、水を50g加えました。濃さは何%になりますか。

水を加えても、とけている食塩の重さは変わりません。食塩は 200×0.10=20g のままです。

変わるのは全体の重さで、200+50=250g。よって 20÷250=0.08 で8%です。

水を蒸発させる

 6%の食塩水400gから、水を100g蒸発させました。濃さは何%になりますか。

蒸発するのは水だけなので、これも食塩の重さは変わりません。食塩は 400×0.06=24g。

全体は 400-100=300g になるので、24÷300=0.08 で8%です。

加水と蒸発は、食塩の量が変わらず全体が増えるか減るかの違いだけで、考え方はまったく同じです。

食塩を加える

 10%の食塩水180gに、食塩を20g加えました。濃さは何%になりますか。

ここが加水との違いです。食塩を加えると、食塩の重さも全体の重さも両方増えます

食塩は 180×0.10=18g に20gを足して38g。全体は 180+20=200g。よって 38÷200=0.19 で19%です。

全体に20gを足し忘れる間違いが非常に多い箇所です。「加えたのは水か、食塩か」を問題文で必ず確認するようにしましょう。

2つの食塩水を混ぜる問題

食塩水の中心となるのが、この混ぜる問題です。

まずは食塩の重さを足すだけ

 3%の食塩水200gと、8%の食塩水300gを混ぜました。濃さは何%になりますか。

それぞれの食塩を出します。200×0.03=6g、300×0.08=24g。合わせて30gです。

全体は 200+300=500g なので、30÷500=0.06 で6%です。

面積図の描き方

面積図は、食塩水を長方形で表したものです。

面積図の約束

  • 横の長さ 食塩水全体の重さ
  • たての長さ 濃さ
  • 面積 とけている食塩の重さ

面積図の見方(横・たて・面積が何を表すか)

面積 = 食塩の重さ 横 = 食塩水全体の重さ たて = 濃さ 横 × たて = 面積 重さ × 濃さ = 食塩

「食塩の重さ=全体の重さ×濃さ」という式が、そのまま「面積=横×たて」に対応しています。だから食塩水は長方形で表せるわけです。

2つの食塩水を混ぜるときは、2つの長方形を横に並べて描きます。混ぜた後は、その全体をならした1つの長方形になります。このとき、混ぜた後の長方形の面積は、混ぜる前の2つの面積の合計と等しくなります。食塩の重さは、混ぜても増えも減りもしないからです。

図の上では、濃い側からはみ出した部分と、うすい側で足りない部分の面積が等しくなります。この「はみ出しと足りない分が同じ」が、面積図で解く際の決め手になります。

面積図で解いてみる

 3%の食塩水300gに、8%の食塩水を何gか混ぜたら、5%になりました。8%の食塩水を何g混ぜましたか。

混ぜる量が分からないので、食塩を足す方法では止まってしまいます。ここで面積図の出番です。

3%の食塩水300gに8%を混ぜて5%にする(面積図)

濃さ 重さ 足りない分 300 × 2 はみ出た分 □ × 3 3% 5% 8% 300g □g 赤くぬった2つの面積は等しい

3%の300gは、5%に上がるために 5-3=2 の分だけ足りません。足りない面積は 300×2=600 です。

一方、8%の食塩水は5%より 8-5=3 だけ濃いので、混ぜる重さを□gとすると、はみ出した面積は □×3 です。

この2つが等しいので、□×3=600 より □=200g

検算すると、(300×0.03+200×0.08)÷500=25÷500=0.05 で、確かに5%になります。

てんびん図の使い方

てんびん図とは

てんびん図は、面積図をもっと速く処理するための図です。面積図の一部を横に倒したもの、と考えると理解しやすくなります。

横一直線の上に、混ぜる2つの濃さと、混ぜた後の濃さを取ります。混ぜた後の濃さが支点です。ここで成り立つのが次の関係です。

てんびん図のきまり

  • 支点からの距離の比 = 混ぜる重さの比の「逆比」

てんびん図の基本(距離の比と重さの比は逆になる)

うすい方 混ぜた後 濃い方 支点 距離 ア 距離 イ 重さ ウ 重さ エ ア : イ = エ : ウ (距離の比と重さの比は逆になる)

てんびんは、重いものを支点の近くに、軽いものを遠くに置くとつり合います。食塩水でも同じで、たくさん混ぜたほうの濃さが、混ぜた後の濃さの近くに来るわけです。感覚とも一致します。

てんびん図で解いてみる

先ほどと同じ問題を、てんびん図で解いてみます。3%の食塩水300gに8%を混ぜて5%にする問題です。

3%の食塩水300gに8%を混ぜて5%にする(てんびん図)

3% 5% 8% 支点(混ぜた後の濃さ) 2 3 300g 比の3 □g 比の2 距離の比 2 : 3 → 重さの比は逆比で 3 : 2 → □ = 200g

支点は5%。3%までの距離は2、8%までの距離は3です。距離の比は 2対3。

重さの比はその逆比なので、3%と8%の重さの比は 3対2 になります。3%が300gで比の3にあたるので、比の1は100g。8%は比の2なので200gです。

面積図では引き算とかけ算が必要でしたが、てんびん図なら比だけで答えが出ます。慣れると数秒で処理できます。

面積図とてんびん図はどちらを使うべきか

結論から言うと、小5で比を学習して以降は、多くの問題はてんびん図で簡単に解くことができます
体感、8-9割程度の食塩水の問題はてんびんで足ります。

しかし、一部の問題はてんびんで解くことが難しく、面積図がベストな選択肢となります。

中学受験のカリキュラムでは、食塩水を始めて学習してから小5で比を学習するまでは面積図、学習後はてんびんで解く流れとなりますので、小4~小5で食塩水を面積図で解くことを十分に身に着けておく必要があります。

なお、水は濃さ0%の食塩水、食塩は濃さ100%の食塩水とみなせます。こう考えると、加水や加塩の問題もすべて「混ぜる問題」としててんびん図で処理できます。

食塩水のやりとり・入れかえ問題

入試でよく出るのが、2つの容器の間で食塩水を移し替える問題です。AからBへ移してからBからAへ戻す、AとBから同じ量を取り出して入れかえる、といった設定です。

操作が続くと途中で分からなくなりがちですが、次の2つを押さえると見通しが立ちます。

1つめ。容器の間で移し替えても、AとBを合わせた食塩の重さは変わりません。外から足したり捨てたりしていないからです。

2つめ。「最後に2つの濃さが等しくなった」という条件がついたら、その濃さは全部を混ぜたときの濃さと必ず一致します。先にその濃さを求めてしまえば、あとは片方の容器だけを見れば済みます。

また、操作が2回以上あるときは、必ず表に書き出してください。縦に容器A・B、横に操作の前後を取り、各マスに「全体の重さ」と「食塩の重さ」を書きます。頭の中だけで追うと、ほぼ確実にどこかで取り違えます。

練習問題

ここまでの内容を、6問で確認します。基本から順に難しくなります。解答は各問の下に折りたたんであるので、式を書いてから開いてください。

問題① 水を加える

6%の食塩水200gに水を100g加えました。できた食塩水の濃さは何%ですか。

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答え 4%

水を加えても食塩の重さは変わりません。食塩は 200×0.06=12g。全体は 200+100=300g になるので、12÷300=0.04 で4%です。

問題② 水を蒸発させる

4%の食塩水300gから水を蒸発させて、6%の食塩水にしたい。水を何g蒸発させればよいですか。

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答え 100g

食塩は 300×0.04=12g で、蒸発させても変わりません。この12gが6%にあたる食塩水の重さは 12÷0.06=200g。もとが300gだったので、蒸発させる水は 300-200=100gです。

「何gにするか」を先に出してから引く、という順番だとミスが減ります。

問題③ 2つを混ぜる

5%の食塩水300gと、12%の食塩水200gを混ぜました。できた食塩水の濃さは何%ですか。

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答え 7.8%

食塩はそれぞれ 300×0.05=15g、200×0.12=24g で、合計39g。全体は 300+200=500g なので、39÷500=0.078 で7.8%です。

重さが両方分かっているので、図を描く必要はありません。

問題④ 混ぜる量がわからない

4%の食塩水300gに、10%の食塩水を何gか混ぜたところ、6%の食塩水になりました。10%の食塩水を何g混ぜましたか。

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答え 150g

4%の食塩水300gに10%を混ぜて6%にする

4% 6% 10% 2 4 300g 比の2 □g 比の1 距離 2 : 4 = 1 : 2 → 重さは逆比で 2 : 1

てんびん図を使います。6%から4%までの距離は2、6%から10%までの距離は4なので、距離の比は 2対4=1対2。重さの比はその逆比で 2対1 です。

4%の食塩水が300gで比の2にあたるので、比の1は150g。よって10%の食塩水は150gです。

検算:(300×0.04+150×0.10)÷450=0.06。確かに6%です。

問題⑤ 同じ量を入れかえる

容器Aには10%の食塩水が200g、容器Bには4%の食塩水が300g入っています。AとBから同時に同じ重さだけ取り出し、それぞれ相手の容器に入れたところ、AとBの濃さが等しくなりました。取り出した重さは何gですか。

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答え 120g

AとBを合わせた食塩は 200×0.10+300×0.04=20+12=32g、全体は500gです。入れかえても食塩の合計は変わりません。

最後に濃さが等しくなったので、その濃さは全部を混ぜたときと同じ 32÷500=0.064、つまり6.4%です。

あとは容器Aだけを見ます。Aは最終的に200gで6.4%なので、食塩は 200×0.064=12.8g。取り出した重さを□gとすると、Aに残った(200-□)gは10%、入ってきた□gは4%なので、(200-□)×0.10+□×0.04=12.8。整理すると 20-0.06×□=12.8 となり、□=7.2÷0.06=120gです。

「等しくなった」を「全部混ぜた濃さと同じ」と読みかえられるかどうかが分かれ目です。

問題⑥ 使う量の範囲を考える

3%、5%、8%の3種類の食塩水があります。このうち2種類以上を混ぜて、6%の食塩水を300g作ります。8%の食塩水を使う量をできるだけ少なくするとき、8%の食塩水は何g必要ですか。

解答・解説を見る

答え 100g

作りたいのは6%の300gなので、必要な食塩は 300×0.06=18gです。

8%を減らすには、残りをできるだけ濃い食塩水でまかなう必要があります。3%と5%のうち濃いのは5%なので、5%と8%の2種類だけを使うときに8%が最も少なくなります。

てんびん図で考えます。5%と8%を混ぜて6%にするので、距離の比は 1対2、重さの比は逆比で 2対1。300gを2対1に分けて、5%が200g、8%が100gです。

ここに3%を少しでも混ぜると、その分をおぎなうために8%を増やすことになります。

食塩水を反復して練習するなら

食塩水は、考え方を理解したあとに「手が勝手に動く」状態まで持っていく必要があります。入試本番で、食塩水だけをゆっくり考えている時間はありません。

LEFYが無料で公開している中学受験 算数ゲーム(算数マスター)には、割合・食塩水を含む全単元から1200問以上を収録しています。4択のスピード形式なので、考え方を確認したあとの反復に向いています。登録不要でスマホからも使えます。

補足:入試ではどんな食塩水の問題が出るのか

参考までに、LEFYが難関9校の過去問を1問ずつ分類したデータを紹介します。算数3620問のうち食塩水は76問でした。その内訳を見ると、混ぜる・やりとりの問題が8割を占め、濃さを聞くだけの基本問題はごくわずかでした。

基本の計算は「できて当たり前」の前提であり、得点を分けるのは混ぜる問題とやりとりの問題です。基本が一通りできるようになったら、早めにこの記事の問題④以降のような型に進んでください。

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まとめ

  • 覚える式は「食塩の重さ=食塩水全体の重さ×濃さ」の1本だけ
  • 濃さは水ではなく食塩水全体に対する割合。「水◯gに食塩△g」は必ず足して全体を作る
  • 加水と蒸発では食塩の重さが変わらない。食塩を加えるときは食塩も全体も増える
  • 混ぜる2つの重さが分かっていれば図は不要。一方が不明ならてんびん図
  • てんびん図は「距離の比=重さの比の逆比」。意味は面積図で理解する
  • やりとりでは全体の食塩が変わらない。「濃さが等しくなった」は「全部混ぜた濃さ」

よくある質問

面積図とてんびん図、どちらを先に覚えるべきですか?

面積図が先です。比を学習する小5まではしっかりと面積図を身につけましょう。
てんびんは簡単に解けますが、面積図のほうがしっかりと意味を理解できます。

濃度を理解できないようです。どうしたらいいですか?

割って飲むカルピスやお味噌汁など、日常生活で触れることができる濃度が関係する液体を題材にイメージをつかんでもらいましょう。

濃度10%、100gの食塩水から30gを取り出したとき、その30gの濃度が薄くなってしまうと勘違いしてしまう子は結構多いです。

「このカルピスを半分にしたら、味は薄くなる?」といったイメージから濃度を正しく捉えることができるようになっていきます。

やりとりの問題で必ず混乱します。どうすればいいですか?

操作ごとに表を書いてください。縦に容器A・B、横に操作の前後を取り、各マスに「全体の重さ」と「食塩の重さ」の2つを書きます。頭の中で追おうとするのが最大の原因です。表にすれば、どの数字が分かっていてどれが未知かも一目で分かります。