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【中学受験】計算の工夫まとめ!最難関中に合格する子の計算力とは?

「計算の工夫って、結局なにを覚えればいいの?」
「うちの子は全部筆算でゴリ押ししていて、時間が足りない」
「計算練習はしているのに、テストの計算が遅い」

中学受験の「計算力」というと、いわゆる計算問題集にある複雑な計算や、難しい虫食い算を解ける力を思い浮かべる方が多いと思います。それも計算力の一部ですが、算数ができる子を支えているのは、もっと基本的なところです。
本当に合否を分けるのは、「計算を工夫できる」「できるだけ筆算を避けられる」という、あらゆる問題の途中計算に効いてくる地味な力です。
この記事では、中学受験における計算力とはなんなのか、どのようなことができると計算力が上がるのかを解説していきます。

この記事でわかること
  • 中学受験における「計算力」の正体(複雑な計算問題を解ける力ではない)
  • 超基本の計算の工夫(きりのよい数/かけ算の変形/分配法則/3.14/小数⇄分数)
  • 計算力が高い子の頭の中(最小公倍数の暗算・比を大きな数で一気に割る)
  • 計算の工夫を身につける方法と、無料で反復練習できるツール
  • 計算ミス・暗記事項・問題集選びなど、悩み別の関連記事案内
服部貴哉

この記事を書いた人

服部貴哉

受験アドバイザー

神奈川大学附属中高→慶応義塾大学法学部→総合商社→LEFYにて中学受験および中高一貫校生をサポート。サピックス・グノーブルをはじめ大手塾通塾生の指導経験が豊富。

計算の工夫とは?

計算の工夫とは、式の順番や形を変えて、少ない手数で正確に計算する技術のことです。
たとえば「25×39×4」を左から筆算するのではなく、25×4=100を先に作って100×39=3900と暗算で片づける。これがいわゆる中学受験における計算の工夫です。

他の例も挙げます。「24と36の最小公倍数は?」と聞かれた際、すだれ算(連除法)を書かずに72と暗算できること。「20%が150gなら、全体は?」という計算で、150を0.2で割るのではなく、「100%は20%の5倍だから150×5で750g」と出せること。こういったことです。

これらは塾では数の性質や割合といった「単元の内容」として教わりますが、入試本番ではあらゆる問題の途中式に出てくる「計算」です。ここを筆算や書き出しで処理している子と、見た瞬間に答えが出る子では、1問あたりの速さでも正確さでも、非常に大きな差が付きます。

これらの工夫は、中学受験のテキストで単元として取り上げられることはほぼなく、授業中に先生が「計算をはやく正確にするコツ」として紹介する程度にとどまっているのが実情です。
中学受験算数の計算力でお悩みの場合、こういった工夫を身につけることが重要です。

計算の工夫を一部紹介!

超基本的な計算の工夫を一部紹介します。

きりのよい数を「作る」「寄せる」

たし算とかけ算は、順番を入れ替えても答えが変わりません。この性質を使って、先に「きりのよい数」を作ります。

79 + 57 + 379 +(57 + 3)79 + 60 =139

25 × 39 × 4(25 × 4)× 39100 × 39 =3900

土台として 4×25=100、8×125=1000 のペアは見た瞬間に反応できるように。「25や125を見たら相方の4や8を探す」が合言葉です。

きりのよい数に「寄せる」型もあります。99や98、102のような100に近い数を見たら、100を作ってから1つ分を足し引きします。

99 × 37(100 − 1)× 373700 − 37 =3663

片方を倍にして、もう片方を割る(積は変わらない)

かけ算には、片方を4倍したら、もう片方を4で割っても答えは変わらないという性質があります。これを使うと、式そのものを計算しやすい形に作り替えられます。

25 × 24(25×4)×(24÷4)100 × 6 =600

25を4倍して100に、そのぶん24を4で割って6に。積は変わりません。

この変形が真価を発揮するのは小数です。筆算なら小数点の処理でミスしやすい計算が、暗算で終わります。

2.5 × 6.8(2.5×4)×(6.8÷4)10 × 1.7 =17

1.25 × 3.2(1.25×8)×(3.2÷8)10 × 0.4 =4

25・125・2.5・1.25を見たら、100や10に変えられないか考える。

分配法則でくくる・和と差の積

同じ数がかけ算の形で2回以上出てきたら、まとめるサインです。たし算だけでなく、差でくくる形も頻出です。

3.14×3 + 3.14×73.14 ×(3 + 7)3.14 × 10 =31.4

7.5×13 − 7.5×57.5 ×(13 − 5)7.5 × 8 =60

レベルの高いコツですが「和と差の積」も知っておくとよいでしょう。「真ん中の数から同じだけ離れたかけ算」は、真ん中の数の2乗から差の2乗を引いて一気に出せます。

これは中学以降の数学で公式として学ぶ範囲ですが、正方形を使うことで小学生でも図的に理解することができることから、使っても問題ありません。

65 × 55(60+5)×(60−5)3600 − 25 =3575

3.14の計算は最後に1回だけ

円やおうぎ形の問題で、3.14を途中で何度も掛けるのは典型的な「損する計算」です。3.14は最後にまとめて1回だけ掛けます。たとえば、半径10の円から半径6の円をくり抜いた面積なら次のとおりです。

10×10×3.14 − 6×6×3.14(100 − 36)× 3.1464 × 3.14 =200.96

3.14の筆算が2回から1回に減り、時間もミスの機会も半分になります。3.14×2=6.28 から 3.14×9=28.26 までの「3.14の九九」は暗記してしまうのが有利です。

小数⇄分数の変換と約分先行

0.125=1/8、0.375=3/8、0.75=3/4。この変換が即答できると、小数のかけ算を分数の約分に置き換えられます。

0.125 × 481/8 × 4848 ÷ 8 =6

分数のかけ算では、かける前に約分する(約分先行)も徹底を。大きな数を掛けてから約分するのは、手数もミスも増える損な順番です。

最大公約数・最小公倍数の暗算

例えば24と36の最小公倍数を求める際、中学受験で学ぶ求め方はすだれ算(連除法)です。しかし、これを毎回しっかり書いて計算していると、最難関校の入試では苦戦が予想されます。

計算力が高い子の頭の中はこうです。「36を2倍して72。これは24で割れる。24の倍数は24、48、72だから、72で決まりだな」。すだれ算を書くまでもなく、数秒で答えにたどり着きます。

もちろん、もっと大きな数どうしの場合は、すだれ算(連除法)や素因数分解で共通の因数を見つける必要があります。よく出る組み合わせは暗算で、大きな数は書いて確実に、という使い分けです。あわせて11×11=121から19×19=361までの平方数も、覚えている子は即答します。

問い即答したいレベル
24と36の最大公約数12
24と36の最小公倍数72
13×13169
17×17289

比を簡単にするために大きな数で割る

計算力が高い子は、比を簡単にする際、共通して割れる大きな数を見つけることができます。例えば、こんな比が出てきたときです。

144:504(144÷72):(504÷72)2:7

もちろん、まず2で割れることには誰でも気づきます。しかし計算力が高い子は少し先回りをします。144を2で割ると72。もしかして、72でそのまま割れたりしないか?と疑い、504も72で割れることに気づくのです。

愚直に2で割り続けると、かなりの回数を割り続けることになるうえ、その回数分だけ計算ミスのリスクも上がってしまいます。大きな数で一気に割れれば、速くて安全です。

計算の工夫・計算力を付けるには日々使うしかない

意外にも、こういった計算力/計算の工夫を紹介し、練習するための参考書や教材はあまり存在しません。
そもそもレベルの高い話であり、ほとんどのお子さんには、まずはシンプルに習った手法どおりに計算することが推奨されます。そのため、一部の難関校の算数を解けるレベルのお子さんに需要が限られることも要因かもしれません。

教材で体系的に学べない以上、身につける方法は1つです。日々の宿題やテストのすべての計算で「もっと楽にできないか?」と意識し、工夫を使い続けること。丸付けのときに「工夫できたのに筆算してしまった箇所」を探すのも効果的です。

あわせて、反復には無料の学習ゲームを使うのが手軽でおすすめです。

レフィーが無料公開している「算数マスター」は、この記事で紹介したような計算の工夫を96ジャンル・1,203問収録した4択スピードクイズです。きりのよい数づくりや3.14の計算はもちろん、最小公倍数の暗算や比の変形、単位換算まで、制限時間の中で「どの工夫を使うか」を瞬時に判断する練習ができます。登録不要で、スマホでもすぐに遊べます。

計算の工夫を紙で反復できる「暗算トレーニング」PDF(無料配布)

ゲームとあわせて、紙に書いて反復したいご家庭のために、レフィーが塾内指導用に作成したオリジナル教材「暗算トレーニング」をPDFで無料公開します。1枚40問×全17枚、計680問のミックス構成で、後ろのシートほど難しくなります。

きりのよい数づくりや3.14の計算、分配法則はもちろん、最小公倍数の暗算、百分率、単位換算まで、この記事で紹介した計算の工夫を1問3秒〜最大10秒で即答する練習ができます。各シートに時間と正解数の記録欄があるので、同じシートをくり返してタイムを縮める使い方がおすすめです。比を使う問題には【比】マークを付けているため、比を習う前のお子さんはとばして進められます。

ゲームで「どの工夫を使うか」の判断を速くし、このプリントで「書いて即答する」練習を重ねるのが、計算の工夫を日常の武器にする近道です。A4・モノクロ印刷を想定しています。解答付きなので、丸付けまでご家庭で完結できます。

教材の著作権はレフィーに帰属します。ご家庭や塾・学校での印刷利用はご自由にどうぞ。再配布・販売はご遠慮ください。

計算の悩み別・あわせて読みたい記事

計算まわりの悩みは、工夫の型だけで解決するとは限りません。ミスがなかなか減らない場合は、原因の切り分け方と家庭でのサポートを計算ミスが減らない…親ができることは?で解説しています。3.14の九九や平方数など、覚えてしまえば一生使える数値の一覧は算数の絶対暗記事項13選にまとめています。紙のドリルでしっかり量をこなしたい場合は、算数のオススメ問題集一覧から学年に合う1冊を選んでください。

まとめ

中学受験の計算力とは、複雑な計算問題を解ききる力のことではありません。きりのよい数を作る、かけ算を変形する、3.14は最後に1回だけ。そして最小公倍数を暗算し、比を大きな数で一気に割る。こうした「できるだけ筆算をしない」ための引き出しの量が、最難関中に合格する子の計算力の正体です。

こうした工夫は教材で体系的に学ぶ機会がほとんどないぶん、日々の計算で意識して使い続けた子から順に、速く正確になっていきます。時間が縮まり、ミスが減れば、その分を思考問題に回せます。計算の工夫は、算数の成績全体を底上げする、いちばん費用対効果の高い投資です。

よくある質問

計算の工夫はいつから練習すべきですか?

きりのよい数づくりと4×25=100のようなペアの暗記は、3〜4年生から始められます。分配法則と3.14の計算は4〜5年生、割合・比・単位換算の即答化は単元を習ったタイミングからが目安です。「単元を習い終わったら、その単元の計算を反射になるまで反復する」という流れを習慣にすると、学年が上がるほど効いてきます。

どの型から覚えるのがいいですか?

まず「きりのよい数を作る・寄せる」と「分配法則」。この2つはあらゆる単元の途中式で使うので最優先です。次に3.14の計算と小数⇄分数の変換。そのあとは学習中の単元に合わせて、最小公倍数の暗算や比の変形、単位換算を「即答できる計算」に変えていくのがおすすめです。

工夫を使わず筆算で押し切るのはだめですか?

正確に計算できているなら、悪いことではありません。ただし学年が上がるほど1問あたりの計算量が増えるので、筆算だけでは時間が足りなくなりやすく、筆算の回数だけミスの機会も増えます。「筆算が悪い」のではなく「筆算の回数を減らせると有利」と考えて、少しずつ工夫の型を足していくのが現実的です。

ゲームで本当に計算力がつきますか?

役割分担で考えてください。ゲームが鍛えるのは「式を見てどの型を使うか」を瞬時に判断する反射の部分で、ここは短時間の反復に向いています。一方、途中式を書く力や筆算の精度は紙での練習が必要です。ゲームで型の判断を速くし、紙のドリルで書く練習をする、という組み合わせが効果的です。

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