中高一貫校は、基本的には公立中高よりも学習進度が早い傾向にあり、「学校の勉強をしっかりこなしていれば安心」と思っていらっしゃる方は多いかもしれません。
我々も、中高一貫校の勉強をしっかり吸収することができていれば、原則、塾は不要だと考えています。
しかし、実態としては、学校の授業内容を完璧に習得できている中高一貫校生はかなり少なく、塾に通っている中高一貫校生はかなり多くいます。
本記事では、どういった目的で塾を利用される中高一貫校生が多いのか、事例をご紹介していきます。
また、公立中高の生徒と比較して、中高一貫校生が陥りやすい危機的な状況や、「こういった状況においては、あえて塾に通わないほうがいいかもしれない」という注意点もご紹介していきます。
【事例】中高一貫校生が塾に通う目的やきっかけ
まずは中高一貫校生が塾に通うよくある目的やきっかけをご紹介します。
学校よりも先取り&難しい内容を勉強するため
中高一貫校の授業は確かに進みが早いですが、それよりも先取りをしたり、難しい内容にチャレンジしたいという目的で塾に通うことがあります。
中学受験終了後、すぐに中高一貫校生を対象とした塾に通うケースが多く、中学1年生の4月ごろから、学校よりも先取り学習を行います。
最終的に東大などの国公立や医学部など、最難関大学を目指すようなレベルの中高一貫校に通っている中高生がこういった動きをしていることが多いです。
学校の定期テストの成績が悪いから
中学に入学後、何度か定期テストを受け、その結果が芳しくなかった場合に塾に通う方が多くいます。
学校の定期テストの成績が思わしくない場合、学校の授業をしっかりと吸収できていませんので、学校よりも先取り学習をする塾などに通っても効果は薄いでしょう。
先取り学習や難しい内容を扱う塾は、基本的には集団指導塾ですから、定期テストの成績UPを目的とする場合、基本的には個別指導塾に通うことになります。
学校の授業を理解できないから
中高一貫校は進学実績を重視している学校もかなり多く、授業のレベルも高い傾向にあります。
そのため、授業の内容が難しすぎたり、進みが速すぎたりするために、学校の授業を理解できないことがあります。
また、中には学校の先生と相性が合わず、理解しきれないということもあるでしょう。
学校の授業をしっかりと理解するため、そのサポートをしてもらう目的で塾に通うこともよくあります。
塾の自習室を利用するため
学校には勉強に集中できる居場所がなく、家だと誘惑が多くて勉強に集中できないなどの理由により、自習室を利用したいという要望はかなり多いです。
自習室を利用するため、塾に通い始める方も多いです。
ただし、中には自習室がない塾もありますので、塾選びの際は注意しましょう。
難関大学を受験するため
学校の進学実績や、校風(塾に通う人が多いか少ないか)、志望校のレベルにもよりますが、難関大学を受験するために塾に早期から通塾することも多いです。
基本的には学校よりも難しい内容に取り組むことになります。
学校の先輩の様子を見て、難関大学に合格している先輩が塾に通っているのか、どのような塾に通っているのかなど、情報をつかんでおきましょう。
中高一貫校生が陥りやすい危機的状況
中高一貫校は授業進度が早く、難しい内容を扱う傾向にあり、一見、大学受験に向けては十分なアドバンテージがあるように思えます。
しかし、実際にはそう上手くいかないケースもあります。
中高一貫校生が陥りやすい危機的状況をご紹介していきます。
中学生の内容をほとんど理解できていない
中高一貫校生は高校受験がないため、中学生の間に受験を意識して本気で勉強するきっかけがありません。そのため、一部の生徒は中学入学後、全く勉強しなくなることがあります。
そして、それがおおよそ高校1、2年生まで続くことが多く、いざ受験期にとりかえしがつかないような状況になってしまいます。
中学受験における偏差値が高く、進学実績のレベルが高い中高一貫校における浪人生の大半はこういったケースに該当しているようです。
勉強する習慣が全くついていない
中学生の内容を理解できていないことにくわえ、そもそも勉強をする習慣が全くついていない生徒も多くいます。
校風によっては、定期テストで悪い点数を取ってしまっても、あまり指摘されない学校もありますので、数年間ほとんど勉強せずに過ごしてしまうことになります。
英語・数学の勉強方法が全然わからない
あまりに勉強をさぼりすぎてしまったために、自分なりの勉強方法が確立していない状態で受験期を迎えてしまうケースも多々あります。
特に英語と数学は、ただでさえ成績を伸ばすのに時間がかかりますので、せめて勉強方法は確立しておきたいところです。
おおむね、高校2年生の夏ごろに受験モードに入っていきますが、そのタイミングで自分なりの勉強方法が確立していないと、現役での合格可能性がかなり低くなってしまうかもしれません。
悪い成績を取ることに慣れてしまっている
中高6年間、ほぼ同じメンバーで過ごすため、定期テストの成績が悪くても、徐々にあまりに気にならなくなってしまうことがあります。
高校受験もありませんので、高校2年生になり、いざ大学受験を意識し始めたころに、挽回しようと頑張る方もちらほら現れますが、かなり厳しい戦いになってしまいます。
外部と比較した自分の位置づけが全然わからない
定期テストにおける校内順位はみなさんわかると思います。
しかし、大学受験においては、他の学校の生徒、浪人生と競うことになりますので、本来はそれを母集団としたときの位置づけを意識しておくべきです。
学校の進学実績と、校内順位でもある程度判断できますが以下の2点には注意してください。
・学年によって学力レベルが違うこと
・おおよそ学年順位下位30%未満は進学実績があまりあてにならない
例え、かなりレベルの高い進学校であったとしても、下位10%未満は学力レベルが恐ろしいほど乖離しています。
「この学校に通っているし、なんだかんだこれくらいの大学には入れるんだろうな」という思いを抱く生徒も多くいますが、現実はそう甘くありません。
しっかり模試を受けて判断しましょう。
おそらく学校でも河合塾や駿台の模試の受験を推奨されるはずですので、それらを受験し、学外も含めた同学年内における自分の位置づけを掴んでおきましょう。
・河合塾
・駿台
中高一貫校生が塾に通うべき状況
「これにあてはまったら通うべき!」というような明確な条件はありません。しかし、最終的には大学受験がゴールになるはずですから、そういった視点で塾に通うことを検討することをおススメします。以下では塾に通うきっかけや兆候をご紹介していきます。
英語か数学の成績が悪い
一般受験をする場合、英語は、理系・文系に関わらずほとんどの大学で必要な科目であり、配点も高く設定されています。
また、できるようになるために一定の時間を要するため、できるだけ早めに苦手克服に着手すべきです。
一方数学は、文系では使わないこともありますが、多くの中高一貫校では高校2年生になるタイミングで文系・理系を選択することになるはずです。
そのため、高校1年生までは理系を選択する可能性を考慮し、数学の成績にも気を配っておきましょう。
勉強時間のわりに成績が伸びない
勉強時間を十分にとっているのに成績が伸びないといった状況の場合、以下のいずれかのケースに該当します。
・自分は十分な時間を確保していると思っているが、実は不十分
・勉強方法がよくない
例え成績が良くない場合でも、「勉強してないしな」と思えることが大切です。
そのためには、「どのような方法でどれくらい勉強すると、どれくらい成績が伸びるのか」という感覚をつかむことが必要です。
その感覚をつかむことができないまま受験期を迎えてしまうと、かなり苦戦することになってしまいます。
こういった場合は、個別指導塾や家庭教師をつけ、なぜ成績が上がらないのか、どうすれば成績が上がるのかを分析、アドバイスしてもらいましょう。
学校の進学実績と比べてハイレベルな大学を目指している
学校や集団指導塾など、集団を対象とした授業では、その集団の真ん中から上位層のレベルに合わせた授業を行っています。
そのため、自分の通っている学校の進学実績の中でもかなりハイレベルな大学に行こうとしている、もしくは前例があまりないような大学を目指している場合、学校の授業だけでは不足している可能性がかなり高いです。
そういった場合は、自分の志望校に合格させてくれるような指導を行っている塾に通うことをオススメします。
学校の授業を理解できてない
「学校の授業を全然理解できない…」という状況は、早々に打開する必要があります。
中高一貫校の授業進度は早いことにくわえ、先生との相性が悪いなどにより、特定科目の授業を理解できない生徒はいます。
特にそれが英語や数学の場合は、後から追いつくことがかなり大変になってしまいますので、個別指導塾や家庭教師を利用して、学校の授業をしっかり理解できるようサポートしてもらいましょう。
わからない問題を放置してしまっている
解説を読んでもわからない問題は一定存在すると思います。
そういった問題を放置してしまうと、のちのちかなり大きな差となってしまいます。
まずは学校の先生や友達に聞いたりすることをオススメしますが、質問しづらかったり、単元ごと理解できずに気軽に質問できる量ではなかったりする場合は、塾を利用するのも手です。
子供が勉強をかなりサボっている
これは保護者目線です。
中高一貫校生の中には、かなり勉強をさぼる生徒が一定数発生します。
高校受験がないため、そのさぼり具合は、公立中高に通っている生徒と比較しても、かなり度が過ぎてしまうことも多々あります。
また、中学受験を経て入学しているため、詰め込み勉強が上手な生徒も多く、中には、学校の定期テストの成績はそこまで悪くなくても、恐ろしいほどに勉強していない生徒もいます。
こういった状況は、学校が勉強をあまり強制しない緩めの校風の学校に発生しがちです。
普段の勉強量を一定確保する目的で塾に通わせることを検討すると良いかもしれません。
大学受験について疎い
学校の成績上位者であれば、ある程度どの科目もいい成績が取れているはずですので心配ありませんが、多くの方はそうではないと思います。
そういった場合、最終的な志望大学を考慮しながら、普段はどの科目にどれほど注力していくかという舵取りが必要になります。
学校の定期テストは科目が多いため、本来は数学と英語に注力すべきですが、数学と英語よりも、その他の点数に繋がりやすい暗記科目に注力してしまう生徒がかなり多くいます。
そうすると、一見総合成績は悪くないように見えますが、数学と英語がおろそかになってしまっており、受験ではいい結果を残せません。
中高一貫校生が塾を選ぶときの注意点
進学実績がハイレベル&学校の授業が余裕なら集団指導
通っている学校の進学実績に、東大をはじめとした国公立や医学部が多く、加えて学校の中でも上位の成績を取ることができている場合、集団指導塾を検討するとよいでしょう。
集団指導塾はそういった進学校よりも早く、難しい内容を扱い、着実に東大や医学部に合格することができるようなカリキュラムで進めていることが多いので、そこについていくことができれば、学校のテストではそこまで勉強しなくても十分な成績をとることができるようになります。
ただし、進学実績はそこまでハイレベルではないとしても、しっかり実力があれば集団指導塾で十分学ぶことができるはずですので、自分の実力次第だと捉えておきましょう。
学校についていけてないなら個別指導
一方で、学校のテストで十分な成績を取ることができていない場合、まずは学校の授業をしっかりを理解し、定着させる必要があります。
そもそも学校の授業についていけていないわけですから、ハイレベルな集団授業を受けても効果はあまり望めません。
自分のわからない箇所だけを教えてもらったり、もう少し丁寧に自分がわかるまで教えてくれるような個別指導塾がベストです。
LEFYでは中高一貫校出身の難関大生、もしくはプロ講師がマンツーマン指導
LEFYの講師は、東大、東工大、早慶など、難関大出身者がほとんどです。
また、彼らの多くが中高一貫校を卒業しており、中高一貫校の定期テストに向けた勉強の仕方や、大学受験とのバランスのとり方を理解しています。
お悩みの中高一貫校生はぜひお問い合わせください。
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