教育

【中学受験】集団塾と個別指導塾の併用・掛け持ちはあり?

近年、個別指導塾の人気に伴い、中学受験において、集団授業を行う塾に通いつつ、個別指導塾にも併用して通うご家庭がかなり増えてきています。

お友達が集団指導塾と個別指導塾を併用していて、我が家も通うべきかお悩みの方も多いのではないでしょうか

適切に併用することで、今よりも飛躍的に成績を伸ばすことができる可能性が十分ありますが、一歩間違えると成績が全く上がらないばかりか低迷してしまい、お金だけがかかってしまうことにもなりかねません。

今回は、集団指導塾と個別指導塾を併用・掛け持ちするオススメの目的、適切な使い方・メリット、注意点をご紹介していきます

大前提!信頼できる個別指導塾を選ぶこと。

まず、集団指導塾と個別指導塾の併用を語るにあたって、大前提として、中学受験に向けた受験指導をすることができる個別指導塾を選ぶ必要があります

かつては個別指導塾は学校の補習塾というようなイメージが強くありましたが、近年は本格的な受験指導を行う個別指導塾も多く登場してきています。

ただし、本当に中学受験に向けてしっかり受験指導をしてくれるのかどうかは、見極める必要があります

中学受験指導の実績は豊富か、中学受験を目指す生徒が多く通っているか、講師は中学受験指導ができるのか、などなど信頼できる個別指導塾の選び方はこちらの記事で詳しく紹介しています。

【中学受験】個別指導塾だけで合格できる!?集団塾との違い・比較も

個別指導に通っている人は実はかなり多い

近年の実際の状況をみてみましょう。
株式会社インタースペースの調査によると、小学生においては45.2%、中学生においては53.0%が個別指導塾に通っているとのことで、約半数は個別指導塾に通っているようです。

また、お子さんが塾に通いだしたきっかけは、小学生は「受験のため」中学生は「成績が不安なため」が最も多く、中学受験対策として個別指導に通っている方も多いはずです。

出典:株式会社インタースペース「「小学生・中学生の塾通い」に関する実態調査」< https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000202.000013544.html >
(最終アクセス 2023年2月9日)

個別指導塾を併用するオススメの目的と使い方

中学受験はかなり勉強する量が多く、集団指導塾の宿題や復習でもかなり手一杯なご家庭が多いのではないでしょうか。

そのような状況でも、個別指導塾を併用されるご家庭は多く存在します
そういったご家庭がどのような目的で個別指導塾を併用されているのか、また、オススメの併用の仕方・目的をご紹介していきます。

集団指導塾で学習した内容のサポート・クラスアップ

もっとも多いのは、集団指導塾で学習した内容をサポートしてもらうという使い道です。
集団指導塾で受けた授業内容、宿題のうち、わからない問題を個別指導塾で解説してもらったり、類題を出してもらったりします

多くの集団指導塾では、学力レベルごとにクラス編成がされており、定期的なテストで入れ替えが行われます。そして、クラスによって指導内容・レベルが異なります。
そのため、上位クラスを目指すご家庭が多く、クラスアップを直近の目標に、毎週の集団指導塾の授業サポートをご受講されるケースも多いです。

低学年のうちは、保護者様のサポートで十分なケースもありますが、学年が上がるに従い、かなり難しい問題も出てきますので、保護者様でもどのように教えたらいいのか迷ってしまう問題も出てくるかもしれません。

また、お子様によっては、保護者様からのフォローやアドバイスにかなり反発してしまうケースも多く、第三者のフォローが必要だということで個別指導塾をご利用されることも多いです。

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苦手単元・分野だけをフォロー

苦手科目の苦手単元・分野だけを抽出し、そのフォローを行うこともよくある利用目的です。

小5になると、学習内容の難易度が上がり、毎週の宿題で手一杯になってしまい、それ以外の苦手単元・分野のフォローや過去に習った単元の復習などに時間を使うことができなくなってしまうご家庭も多いです。

そのまま小5をすごしてしまうと、苦手単元を放置したまま小6を迎えてしまいますが、小6で学習する内容はより難易度があがり、通塾回数・宿題が増え、負担がさらに大きくなります

そのため、特に小5、小6のお子様において、苦手単元・分野や受験頻出重要単元だけをピックアップしたフォローを行うケースもあります。

過去問のサポート

小6の秋以降、過去問に取り組まれるご家庭が多いと思います。

しかし、過去問の解説はかなりアッサリしていて、お子さんが自分で解説を読んで理解するのはかなり大変です。
中には図や解説が省略されており、答えしかのっていないような問題もあります。

集団塾においては、最難関校に絞って〇〇〇中学コースというなコースの中で、その学校の過去問の解説が行われるケースもありますが、基本的には、生徒によって志望校が異なるため、集団塾で過去問の丁寧な解説を受けることは難しいと考えたほうがよいでしょう。

そこで個別指導塾を利用して、過去問の解説をしてもらうというのもよくある利用目的です。

個別指導塾であれば、受験するすべての志望校の過去問を柔軟に解説してもらうことができるはずです。

個別指導塾を併用する際の注意点!

以上のように、集団指導塾でのクラスアップや苦手科目の克服のため、個別指導塾の併用は有効ですが、利用の仕方を間違えると、かえって成績が下がってしまうなど、本末転倒なことになりかねません。

以下の点に注意するようにしましょう。

集団指導塾の教材と新たな教材、どちらを使うか。

集団指導塾では、毎週の授業で使うテキストやプリントが配布されると思います。

それらを十分にこなせていないにも関わらず、個別指導塾で新たな教材に手を出してしまうと、すべてが中途半端に消化不良となってしまい、むしろ今までより混乱してしまう可能性もあります。

まずは、集団指導塾で指導される内容をしっかり身に着けることを最優先に考え、個別指導塾では、新たな教材を使うのではなく、集団指導塾で使用しているテキストやプリントを使ってサポートしてもらうようにしましょう。

ただし、場合によっては新たな教材を使用することのほうが有効です。
例えば、集団指導塾の毎週の授業に全然ついていけていないようなケース、集団指導塾での宿題にはきっちり取り組むことができているケースなどです。

前者の「集団指導塾の毎週の授業に全然ついていけていないようなケース」では、これまでに学習した内容の定着が不十分であるため、そういった状況にあるはずです。

このような状況を打開するには、基礎に立ち返って学習を進める必要があるため、小6であれば小5の教材など、すでに学習した範囲の教材を使用して学習を進めることが有効です。

このように、どの教材を使ってどのように授業を進めるのかによって効果がかなり変わってきますので、慎重に検討するようにしましょう。

個別指導塾では原則、復習だけ!

小5以下の学年においては、集団指導塾と個別指導塾を併用する際、個別指導塾で新たな単元の学習はしないほうがよいでしょう。

例えば、集団指導塾においてAという単元を習った週に、個別指導塾ではBという単元を学習するというのは、お子さんにかなり負担が重く、効率が悪いはずです。
また、仮に個別指導塾のカリキュラム(進度)を集団指導塾のカリキュラムに揃えた場合にも、個別指導塾で新たな単元を学習し、集団指導塾でその復習をする、という流れはかなり効率が悪いはずです。
基本的に集団指導塾では、新たな単元の丁寧な説明を受けることになりますから、その時間が無駄になってしまう可能性もあります。
カリキュラム(進度)を揃えた場合には、集団指導塾で新出単元を学習し、その週の個別指導塾でその復習をする、という流れにしましょう。

ただし、小6生は例外です。
中学受験においては、小5、もしくは小6の前半頃までに新出単元の学習が完了し、それ以降は単元が複合されたような問題などが扱われます。

そのため、小6の場合は試験本番までの残り時間が少ないこともあり、集団指導塾で学習している単元とは別に、苦手な単元を個別指導塾で進めるということはよくあります。

定期的に面談を組んでもらう

集団指導塾では、年間のカリキュラムやスケジュールが年度頭に公開されており、毎週の授業でどのようなことが行われているのかが明瞭だと思います。

しかし、個別指導塾の場合、生徒一人ひとり異なる内容を学習しているため、実際にどのような授業が行われているのか、進捗はどうなのかというような点が、保護者様から見えづらく、ブラックボックスになりがちです。

そのため、定期的に面談を組んでもらい、進捗はどうなのか、授業中の様子はどうなのか、今後どのようにしていけばいいのかなどをしっかり報告してもらうようにしましょう。

まとめ

様々書いてきましたが、大切なのは、お子さんが楽しく、前向きに、ストレスをできるだけ感じないように勉強に取り組めるようになることです。

集団指導塾の授業を理解できず苦しんでいる様子であれば個別指導塾の併用も有効な手段ですが、一方で毎週の通塾負担が重くなってしまい、お子様が勉強に嫌になってしまっては元も子もありません。

もし併用をご検討されているのであれば、まずは個別指導塾に問い合わせをしてみて、お子様と一緒に話を聞いてみたり、体験授業を受けてみて、お子さまが前向きに勉強に取り組めそうかを判断してみてください。

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