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【中学受験】神奈川の男子・女子御三家は?入試傾向や進学実績を紹介

中学受験を目指す方であれば、「御三家」というワードを耳にしたことがあるのでないでしょうか。

「難関校であることは知っているけれど、どの学校のことかわからない」
「御三家っていうけど、3校以上聞いたことある…。どういうこと?」

と思っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、神奈川の御三家に焦点を当てて、その学校の立地、合格実績、入試傾向などをご紹介していきます。

塾の説明会や、保護者様間での会話などでも出てくることが多いと思いますので、ぜひ知っておいてくださいね。

そもそも、御三家とは

そもそも、 御三家とは、徳川家康の男子の内、義直、頼宣、頼房の家系が将軍家に次ぐ家格として格別に扱われたことに由来し、ある分野で有力な3つの存在を示します。 

中学受験における御三家とは、東大・京大や医学部などへの進学実績、およびそれに伴う受験生からの人気などを基準に受験界ではずいぶん前から共通の呼称で使われてきました。 

いわゆる中学受験における「御三家」とは、男子では「開成」「麻布」「武蔵」の3校を指します。 

その後、新たに台頭してきた「駒場東邦」「海城」「巣鴨」の3校をまとめて新御三家と呼ぶ時期もありました。 

しかし、その後、各学校の評価が変わり、新たに共学校から渋幕、渋々などの最難関校が台頭する中で、近年では御三家も含んで、まとめて最難関私立と括られることも目立ってきました。 

またこれらとは別に神奈川県の御三家、また関西の御三家と呼ばれる学校が存在します。 

今回は神奈川県で男子・女子の御三家と呼ばれる学校について詳しくご紹介していきます。 

神奈川の男子御三家

神奈川県の男子御三家は「浅野」「栄光」「聖光」の3校です。

 浅野栄光聖光
アクセスJR新子安 京急新子安JR大船駅JR山手駅
偏差値636669
募集人数270名180名第1回 175名 第2回 50名 帰国生 若干名
入試日程2/32/2第1回 2/2 第2回 2/4 帰国生 1/13
合格発表日2/42/3第1回 2/3 第2回 2/5
帰国生 1/14
公式HPhttps://www.asano.ed.jp/https://ekh.jp/https://www.seiko.ac.jp/

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いずれも偏差値が高く、かなりの難関校です。

以下では、それぞれの学校について詳しく見ていきます。

浅野中学校

アクセス

最寄り駅はJR新子安駅、京急新子安駅で、いずれからも徒歩8分に位置しています。

校風・特徴

「学業×部活動×学校行事」の三本柱の教育で、バランスを重視した教育が実践されています。大学進学実績のレベルが高いですが、部活動への加入率が非常に高く、勉強と部活動を両立する文武両道な点が浅野中高の特徴です。

特に学業面においては、理系大学・学部への進学希望者が多く、学校のオリジナルのテキストを使用したり、補修や追試、夏期講習など、しっかりと学校が学力レベルを引き上げてくれるような体制が整っています。

また、通常の授業の枠に縛られない内容を扱う「教養講座」という講座があり、大学のゼミのように参加者で討論をしたり、外部講師を招いて実習形式で学ぶことができます。

浅野の特色ある学び

合格実績

東大が43名と素晴らしい実績ですね。大半の生徒が早慶には合格しているようなイメージでしょうか。

2023年度実績

東京大学43名
京都大学7名
一橋大学10名
東京工業大学9名
早稲田大学116名
慶應義塾大学132名

2024年度実績

東京大学45名
京都大学7名
一橋大学13名
東京工業大学13名
早稲田大学129名
慶應義塾大学149名

入試傾向

まず、算数は、例年6~7題で構成されており、120点満点/50分のテストです。

他の神奈川御三家と比較するとそこまで難しい問題が出題されるわけではありませんが、制限時間を考えるとやはり難易度が高いと言えるでしょう。

国語も同じく120点満点/50分のテストです。2022年度は3つの大問で構成されており、大問1は漢字、大問2は物語、大問3は説明文でした。全体的に文章のボリュームが多く、設問内容も選択肢、抜き出し、空所補充、記述など様々な形式が満遍なく出題されます。意見論述の問題も出題されるので、しっかり記述対策もしておきましょう。

理科、社会は、算・国と比べると難易度は低めですが、いずれも満遍なくあらゆる範囲から出題されます。ただし、難易度は低めと言っても、理科であれば実験や観察をベースとした問題であったり、社会では、長めのリード文を読んでから回答する必要があったりと、ただ単に知識を入れておけばよいというわけではありませんので、しっかり対策する必要があります。

栄光学園中学校

アクセス

最寄り駅はJR大船駅で、徒歩15分に位置しています。

校風・特徴

栄光学園はカトリックの男子校で、以下の6つがキーワードとなっています。

  • MEN FOR OTHERS, WITH OTHERS 他者のために、他者とともに生きる
  • AGERE CONTRA 逃げたい気持ちとたたかい、なすべきことに専念する
  • MAGIS 自分の能力を可能な限り成長させる
  • AGE QUOD AGIS やるべきことを、やるべきときに、やる
  • NOBLESSE OBLIGE いまここで私に与えられた能力や立場を最大限にいかす
  • AD MAIOREM DEI GLORIAM より大いなる神の栄光のために

教育理念・方針 | 学校紹介 | 栄光学園 (ekh.jp)

1学年の人数は約180名と、聖光学院、浅野と比較しても少なく、1人1人にしっかりと向き合った指導、教育に力を入れている印象を受けます。

一方で、大学進学だけを目的とした教育ではなく、生徒が知識をもとに、自分の将来を考え、適切な判断、選択、実行ができるよう、一定の自由さを保ちながら、こういった力をつけていくことのできる教育がなされるようです。

合格実績

1学年180人の中で、46名が東京大学に合格しており、そのうち現役生は38名ですので、東京大学への現役合格率は約20%です。

2023年度実績

東京大学46名
京都大学6名
一橋大学9名
東京工業大学14名
早稲田大学93名
慶應義塾大学77名

2024年度実績

東京大学47名
京都大学7名
一橋大学10名
東京工業大学6名

入試傾向

算数は、大問4-6題と、問題数は比較的少なめですが、かなり手ごたえのある問題ばかりです。これまでに塾の授業や問題集で触れたことのないテーマ、条件の問題が出題され、題意や出題者の意図を理解することが難しい印象を受けます。算数の基礎知識や計算力をベースとして、その問題に応じて、柔軟に考えることができる思考力の高い受験生向きです。

70点満点/60分の試験ですが、受験者平均点は35点程度、合格者平均点は45点程度ですので、合格するためには最低でも6割を取ることを目指しましょう。

国語は、際立って難しいわけではありませんが、選択肢問題はほとんどなく、大半の問題が記述式であることが特徴です。また、字数指定なしの記述が大半であるため、受験生は事前に十分に対策しておく必要があります。

理科は大問1~3題で50点満点/50分。大問のうち少なくとも1題は、非常にボリュームのある実験や観察をベースとした問題が出題されます。そういった問題での対応力を身に着けるためには、実験や観察を踏まえ、なぜそうなるのか、と普段から考えるような習慣が必要です。また、他科目と同様、記述式の問題が多いです。

社会も理科と同様、大問1~3題で50点満点/50分。1つの大きなテーマをベースとした総合問題が出題されます。歴史・地理・公民の範囲は決まっておらず、確実な知識とそれをベースとした十分な理解が求められます。他科目と同じく、記述形式が大半で、1文程度の短い記述だけでなく、しっかりとした説明が必要な記述問題が出題されます。

聖光学院中学校

アクセス

JR山手駅徒歩8分に位置しています。

校風・特徴

聖光学院ではカトリックの精神を基盤に、「紳士たれ」というモットーを強く伝えられます。大学受験に向けた勉強の観点においては、塾に通う必要がないほど面倒見がよく、東京大学をはじめとした最難関大学に合格している生徒のほとんどが塾に通っていません。

また、大学受験に向けた教育だけでなく、教育方針のひとつとして「生徒を学校に縛り付けない」ことがあり、学外のイベントへの参加にも学校が積極的に協力しています。

生徒が自分の興味のある講座に参加できる「聖光塾」では、先生の趣味の講座や、学外の専門家の授業を受けることができ、豊かな教育機会が提供されています。

合格実績

東京大学への現役合格率は約30%です。

2023年度実績

東京大学91名
京都大学6名
一橋大学2名
東京工業大学6名
早稲田大学165名
慶應義塾大学130名

2024年度実績

東京大学100名
京都大学6名
一橋大学5名
東京工業大学3名
早稲田大学182名
慶應義塾大学149名

入試傾向

算数は150点満点/60分。大問5問で構成されており、全体的に問題の難易度は高いですが、栄光学園と比べると、特殊な設定の問題はなく、標準的な考え方で解き進めることができます
ただし、多くの作業量を求められる問題が多く、60分の制限時間を考えると非常に難しいと言えるでしょう。

国語も150点満点/60分。大問4問構成で、大問1は漢字、大問2は語句・知識、大問3は物語、大問4は論説文となっています。
設問形式は、栄光と大きく異なり、選択肢問題が大半です。
60分の制限時間との勝負になります。

理科は100点満点/40分。やや難しい問題も出題されますが、算数と同様に、奇抜な問題は少なく、基本的な知識をベースに素早く考えて解き進めるような問題ばかりです。
知識・計算ともに基礎をしっかり固め、難しい問題にもチャレンジしておきましょう。

社会も100点満点/40分。他の科目同様、奇抜な問題はほとんどありませんが、長いリード文を素早く読んで設問に回答していかなければなりません

全ての科目において、素早く正確に情報を処理することを求めれています。

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神奈川の女子御三家のレベルは

神奈川県の女子御三家は「フェリス」「横浜雙葉」「横浜共立」の3校です。

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フェリス女学院中学校

アクセス

石川町駅 徒歩7分、元町・中華街駅 徒歩10分に位置しています。

校風・特徴

キリスト教プロテスタント系の女子校です。「For Others(他者のために)」を教育理念として掲げ、キリスト教を柱とした教育が行われており、毎朝の礼拝をはじめ、キリスト教の教えや教育理念にしっかりと触れる機会があります。

また、「まことの自由の追求」という教育理念からも、自由な校風の学校だと言われています。

書いてある事柄をただ暗記する、教えられて覚えるのではなく、主体的に学ぶ姿勢を大切にしており、実験・観察・研究レポート・小論文・プレゼンテーション・ディスカッションが多く取り入れられています

合格実績

2023年度実績

東京大学9名
京都大学4名
一橋大学1名
東京工業大学4名
早稲田大学77名
慶應義塾大学49名

https://www.ferris.ed.jp/course/guidance.html

2024年度実績

東京大学6名
京都大学4名
一橋大学4名
東京工業大学5名
早稲田大学72名
慶應義塾大学53名

入試傾向

国語は100点満点/50分。大問4問構成で、長文が2題、知識・文法系問題が1題、漢字が1題です。特徴としては、長文が非常に難しいです。文章が難解で内容を読みとることが難しく、苦戦する受験生が多いはずです。
また、設問においても、自分の考えを200字程度で述べるような記述問題が出題され、高い表現力が求められます。

理科と社会は、60点満点/30分。いずれも広範囲から出題され、スピーディーな処理が求められます。理科はシンプルな知識問題だけでなく、深い理解が求められる問題もあります。

横浜雙葉中学校

アクセス

石川町駅 徒歩13分、元町・中華街駅 徒歩6分に位置しています。

校風・特徴

キリスト教を精神の土台とし、「徳においては純真に 義務においては堅実に」という教育指針を掲げています。

中高一貫校らしく、中高のトータル6年間の計画的なカリキュラムが設計されており、中学校の段階から、高校での学習内容を視野に入れた授業が展開され、多くの教科で高校内容の先取りが行われています。

英語の授業では、1クラスを2分割する少人数授業が中1・中2に導入されたり、英数国は放課後や夏期に指名制で実施されたりと、面倒見の良い体制が整っています。

合格実績

2023年度実績

東京大学2名
一橋大学2名
早稲田大学38名
慶應義塾大学29名

2024年度実績

東京大学2名
一橋大学2名
早稲田大学21名
慶應義塾大学27名

入試傾向

算数は100点満点/50分、大問3題の構成です。
大問1は小問集合で、幅広い範囲から出題されます。
大問2,3では、点の移動や、グラフを絡めた問題がよく出題されます。
また、考え方の記述を求められる問題もありますので、日ごろから考え方を書く練習をしておきましょう。

国語も100点満点/50分。知識問題と文章題2題の構成。
選択問題、記述、書き抜きなどがバランスよく出題され、かなりオーソドックスな試験です。
ただし、問題数が多く、スピーディーな判断が求められることに加え、100字程度の記述もあるため、油断は禁物です。

理科、社会は80点満点/40分です。いずれも難問は出題されませんが、制限時間に対して問題数が多いため、素早く的確な判断をする必要があります

横浜共立中学校

アクセス

石川町駅 徒歩10分に位置しています。

校風・特徴

キリスト教の精神に基づく教育が行われており、週1時間、6年間聖書科の授業があります。

また、毎朝の礼拝や「国際理解週間」「ハンセン病を正しく理解する週間」などの宗教行事もあり、キリスト教の価値観を基盤とした人格教育が行われています。

学業面においては、中高一貫校の6か年教育がなされます。

中学1,2年では基礎の充実として、授業の受け方、ノートの取り方、家庭学習の習慣を身に着け、中学3年、高校1年生では、それらを土台として、より深く学力を身に着けます。高校2,3年生では、選択授業を大きく取り入れ、生徒個々の目標にそった科目を取ることができます。

合格実績

2023年度実績

東京大学2名
一橋大学1名
早稲田大学51名
慶應義塾大学35名

2024年度実績

東京大学1名
一橋大学1名
早稲田大学41名
慶應義塾大学27名

入試傾向

A方式の傾向について述べます。

算数は100点満点/45分。大問1は計算問題と小問集合で、4題の応用問題の計5題の構成です。問題のレベルは標準的ですが、幅広い分野から出題されますので、学習してきた単元を満遍なくしっかりと理解し、基礎~応用レベルまでを身に着けておく必要があります。

国語は100点満点/45分。長文2題と知識問題1題のオーソドックスな構成です。
比較的読みやすい文章が出され、設問の難易度は標準的ですが、記述問題においては、コンパクトに要点をまとめて記述することが求められるので、対策が必要です。

理科と社会は100点満点/40分。いずれも難問は出題されず、基礎的な知識で対応可能です。

基本的な知識をしっかりと習得し、問題集や過去問で十分に演習しておきましょう。

難関校に向けたサポートはLEFYにお任せください

中学受験の受験者数が増加し、また、かつてと比べて入試問題が難しくなったことに伴い、塾での指導内容の難易度が上がり、宿題も増えた結果、お子さまひとりで学習を完結することは非常に難しくなっています。

そして、そういった事情もあり、中学受験に向けて個別指導を併用することは一般的になっています。

LEFYでは、お通いの集団塾の宿題をきっちり理解する指導や、苦手科目の克服、受験生においては過去問対策など、塾生個別の事情に合わせてカリキュラムを作成し、授業を進めていますので、お気軽にご相談ください。

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