中学受験で受かる方法はある?
当然、中学受験において必ず受かる方法はありません。
どんなに優秀な受験生も、全落ちの可能性があります。
ただし、塾講師の感覚では、小3の2月から、効率的で正しいと言えるよう勉強方法や取り組みを実践できているご家庭はかなり限られていると感じます。
そのため、もし実践できるとすれば、かなりリードでき、合格確率を高められるはずだと思います。
本記事では、早期から意識してほしいこと、科目別の効率の良い勉強方法をご紹介していきます。
すでに上学年の受験生も、今からでも遅くありませんので、ぜひ本記事を参考に実践してみてください。
早期(小3の2月~)から必ず意識したほうがいいこと
とにかく算数に注力する
ご存じの方も多いと思いますが、中学受験の合否に最も大きく影響する科目は算数です。
いわゆる中学受験勉強は、小3の2月(中学受験塾としては小4として扱われます)からスタートします。
この時期から、算数に注力する意識を持ちましょう。
イメージとしては自宅学習の8割は算数に充てて問題ありません。
算数のみや、算数と英語、算数と国語だけで受験可能な入試もありますので、算数を強化しておくと受験校の選択肢も広がります。
素早く丁寧に字を書く習慣をつける
非常に初歩的なことですが、素早く丁寧に字を書く習慣はかなり重要です。
そもそも字を書くことを面倒くさがってしまうお子さんも多く、頭の中で考えきろうとして、無理に暗算したり、図や表を書かなかったり、国語で線を引いたりマークすることをさぼうろうとしたりしてしまいます。
小5の中盤ごろまでは、中学受験で勉強する内容の難易度がそこまで高くないため、賢いお子さんは頭の中で処理してしまいがちですが、小5の夏以降になり、急激に成績が下がり始めることがあります。
それは、暗算でミスが多発したり、図表を書かないことでわからなくなってしまったりすることも原因のひとつです。
塾の授業中に先生の板書メモをとる、宿題用のノートに丁寧に解く、計算問題はちゃんと読める字で途中式を書くなど、日々徹底しましょう。
短時間でもいいから集中して勉強する
小4の時期であれば、15分程度の短い時間でも構いませんので、集中して勉強する習慣を維持しましょう。
当たり前のことですが、集中した状態と集中していない状態では、理解力が全然違いますし、暗記面においても定着度合いにかなり差がでます。
集中して勉強し、頭を精一杯使う感覚を掴むことで、その後の勉強の質が変わってきます。
また、ダラダラと勉強してしまうと、お子さんにとってはそれがちゃんと勉強した時間としてカウントされてしまい、成績にその努力が反映されず、勉強に嫌気がさしてしまうかもしれません。
お子さんに「今日は○○を勉強しておいてね!」といったように丸投げしてしまうと、ダラダラと勉強してしまうかもしれませんので、正しい勉強習慣がつくまでは丸投げせず、親がそばで見てあげましょう。
もし共働き家庭など親が忙しい場合は、お子さんと「20分頑張って集中して勉強したら5分休憩しよう」というようなルールを決めておいてもいいかもしれません。
お子さんの集中力に合わせて時間は変えてあげてください。
親がテストの点数・偏差値を気にかける!ただし結果で怒らない
親が塾のテストの点数や偏差値などの結果に無関心というのは、避けたほうがよいでしょう。
お子さんは、お母さん、お父さんの反応をよく見て気にしています。
お子さんが良い点数をとったらしっかりと褒めてあげ、もし芳しくない点数をとってしまったら、一緒に原因や今後の対策を考えてあげましょう。
ただし、思わしくない結果が出た場合に、無闇に叱ってはいけません。
勉強そのものを嫌いになってしまう可能性があります。
もちろん約束を破ったりした場合など、一概に叱ってはいけないというわけではありませんが、中学受験勉強そのものや、それに関連することにマイナスのイメージを持たれないような接し方をするように注意しましょう。
勉強を楽しめるように自信がつく声掛けを!
中学受験の算数や国語は、小学校で学ぶ内容よりもはるかに難しい内容です。
扱う問題のレベルや学年にもよるものの、無理やり解き方を覚えたり、嫌々な気持ちで取り組んで解けるものは多くありません。
つまり、特に算数や国語で良い成績を取るためには、お子さんが積極的に頭を使って考えることが必須であり、お子さんが自信をもって勉強に取り組めるようにしてあげないと、良い成績を取りづらいと言えます。
テストの点数が悪かったとしても、叱ったり、自信をなくさせるような発言はできるだけ控え、前向きに自信をもって勉強に取り組めるような声掛けをしてあげてください。
極端な話、自信がなく嫌々勉強している子よりも、勉強量は不足しているものの、自信だけはあって、時々集中して問題を解くお子さんのほうが、最終的に良い結果につながることもあります。
塾の先生の板書を丁寧に写すようにする
塾の先生が黒板やホワイトボードに書いたものを、しっかりとノートやテキストに写す習慣も大切です。
算数では、図や表を自分で使いこなすことが求められ、まずは先生が書いたものを正しいものとして定着させる必要があります。
また、計算の途中式の変形をどのくらいの計算をして変形させるのかや、どんな計算の工夫をするのか、そして、余白スペースの使い方も身に着けることができます。
国語においては、大人が使うような日本語を写すことで、無意識のうちに一定程度言葉を身に着けることができたり、文章中のどんなところに線を引くのかという感覚を掴むこともできます。
例え授業中の先生の説明を理解できなかったとしても、なんとなく体が解き方を覚えていることもありますので、必ず先生の板書を写す習慣をつけましょう。
各科目の効率の良い勉強法&意識してほしいこと
算数
算数の勉強において最も意識してほしいことは、よく言われることですが、基本問題をおろそかにしないことです。
基本レベルの内容をしっかりと理解し、十分な量を演習してから、徐々に問題のレベルをあげていくことが大切です。
塾によっては、主な対象としている生徒のレベルが高いために、基本的なレベルの問題がお子さんにとって不足するケースがあります。
そういった場合は、決して無理に難問にチャレンジせず、基本問題を繰り返し解くようにしてください。
そして、計算練習はかならず毎日、少なくとも2日に1回は取り組みましょう。
また、解説をお子さんが自分で読んで理解できるようになることも目指したいところですが、お子さんによっては解答を見てやったふりをしてしまったり、理解した状態の基準が甘く、2回目以降にできるようになっていないこともありますので、こちらはお子さんの状況を見て判断しましょう。
国語
漢字、語彙、知識問題は徹底して完璧に覚えましょう。
これだけで十分差をつけることができます。
何度も紙に漢字を書いて練習してください。
近年はタブレット上で勉強するお子さんも見かけますが、タブレットはおすすめしません。
長文読解は、家庭学習が非常に難しいです。
お通いの塾の先生から家庭学習について細かく指示がある場合は、そのとおりに実行しましょう。
お子さんの性格や学力レベルなどを踏まえたアドバイスや指示をくれるはずです。
もしそういった指示がない場合、家での学習の際は以下のポイントを参考にしてみてください。
- 必ず時間制限を設けて問題を解く
- 必ず丸付けをする
- 間違えた問題は、なぜこれが間違った選択肢なのか、なぜこれが正解なのかを考える。(お子さんに質問してみましょう)
- その際、文章中の根拠箇所を探す
- 記述は可能であれば書き直し。難しい場合は解答を丸写しする
汎用的な考え方やポイントを身に着けることが難しい科目ですが、1問1問、正解がどのように導かれ、どのような選択肢が正解になるのかを感覚的に身に着けていくことが大切です。
国語が苦手なお子さんは、丸付けまではするものの、その後の解答との照らし合わせ、吟味を行っていないことが多いです。
理科、社会
理科、社会は計算問題もありますが、言ってしまえば、暗記がメインになります。
入試本番では、シンプルな知識問題ではなく、思考力や情報処理能力を試される問題が多く出題されますが、そのレベルに到達するまでは知識を確実に身に着けることが優先になります。
そのため、理科・社会において大切なのは、短い時間でしっかりと理解し、知識を定着させる勉強方法を確立することです。
先述した通り、勉強時間の7~8割は算数に充てたいため、残り時間で理科、社会をこなさなければなりません。
つまり、その短い時間の中でテストで安定した点数を取れるような効率的な勉強方法を身につけないと、算数に時間をさけなくなってしまいます。
徐々にで構いませんので、理科、社会の勉強方法を改善していきましょう。
少しでも偏差値を伸ばすために!
可能なら、親が勉強のサポートを
可能であれば、お母さん、お父さんが、内容面まで踏み込んで勉強のサポートをしてあげましょう。
宿題の出来不出来や、テストの結果だけを見られて、指摘されてしまうと、お子さんが勉強に嫌気をさしてしまうかもしれません。
一緒に勉強できれば、頑張りを認めてもらいたいと思い、やる気をだすかもしれません。
また、お母さん、お父さんもお子さんの勉強内容を知ると「こんなに難しいことを勉強しているのか!」と驚くはずです。
ただし、中学受験で学習する内容は難しく、特に算数では、数学で取り組むような問題を算数の考え方で解くことがあります。
その上、算数に限定しても様々な解法があるものも多く、塾や先生によって教え方が異なることもあるため、塾の授業で習ったものと違ったことを教えてしまうと、お子さんが混乱してしまう可能性もあります。
こういった点にまで注意を払いながら取り組める方は、ぜひサポートしてあげましょう。
お子さんに合った塾選び
中学受験に限りませんが、成績を伸ばすためには、自分にあった適切なレベルの授業、自学自習が必要です。
中学受験塾の中には、最難関校を目指す生徒を主な対象とした塾、中堅校以上を対象とした塾など、様々あり、授業やテキストのレベル、学習進度週の通塾日数や、授業による拘束時間が異なります。
お子さんに最適な塾を選ぶことが成績を着実に伸ばすことに繋がります。
以下の記事も参考にしてみてください。
【子供に合った個別指導塾の選び方】塾講師・オーナーが本音で解説
【共働き家庭の中学受験】子供が勉強しない、どうする!?塾選びと対策!
【中学受験】個別指導塾だけで合格できる!?集団塾との違い・比較も
小6からは中学受験勉強に専念
習い事をしている小学生も多いと思いますが、どうしても偏差値を上げたいのであれば、習い事は小5まで、小6からは中学受験勉強に専念しましょう。
遊びも我慢して勉強に専念している中学受験生が多いため、どうしても勉強時間で差をつけられてしまいます。
無理やり辞めさせてしまうとお子さんとの関係が悪くなってしまうかもしれませんので、中学校に入ったら再開する約束をするなど、親の独断で決めるのではなく、お子さんと相談して決めましょう。
個別指導塾・家庭教師を併用
近年はかなりの多くのご家庭が、集団塾と個別指導塾・家庭教師を併用しています。
目安として、集団塾で偏差値65を超えている受験生は、無理に個別指導塾や家庭教師を利用せず、効率的な時間の使い方や、よりハイレベルな内容を身に着けることを優先したほうがよいと考えられますが、偏差値が65以下の生徒においては、個別指導塾や家庭教師を適切に利用することで成績UPが見込めます。
さらに、偏差値が50未満の場合は、個別指導塾のみで中学受験を進めたほうが成績が伸びる可能性が十分あります。
ただし、個別指導塾は講師のレベルにばらつきが大きく、また、各科目の講師から状況を把握し、志望校選定やその時々に注力すべき勉強内容を判断できるアドバイザーのような存在が必要となり、塾選びには気をつけなければなりません。
【受かる方法】大切なのは志望(受験)校選び!
中学受験で必ず受かる方法はありません。
ただし、適切な受験校を選べば、全落ちはかなりの高確率で回避することができます。
お子さんの学力レベルからはるかに背伸びした志望校をずっと追い続けているご家庭も多く、入試本番もそういった中学校ばかりを受験してしまうと、全落ちの可能性はもちろんあります。
日々の勉強のモチベーションとなるような志望校をチャレンジ校として掲げることには賛成ですが、本番の受験校選びでは合格可能性の高いおさえの学校を必ず選ぶ、おさえの学校は1回目の試験で受験するなど、工夫が必要です。
中学受験に関して、お気軽にご相談ください
LEFYには、LEFYの個別指導だけで中学受験を目指す受験生から、大手集団塾に通いつつ、そのサポートとして利用されている受験生まで幅広く通塾しています。
「現状の学力からどんな志望校が目指せるのか」
「ちょっと背伸びをしてでも目指すためにはどんな勉強をすればいいのか」
など、お気軽にご相談ください。
LEFY公式ラインでは、中学受験と中高一貫校生の勉強に関する情報を配信しています。
LEFYマガジンの記事を定期的に通知していますので、ぜひご登録ください!