お知らせ

【海城中学校】入試傾向と対策!単元1位は『立体の切断』。算数386問のデータ分析と戦略

海城中学校は、東京・新宿区にある男子校で、東京大学合格者数で毎年全国上位に入る都内屈指の進学校です。2026年は東大46名(うち現役42名)、医学部にも多数の合格者を出しています。「新しい学力・新しい人間力」を掲げた教育改革で人気を大きく伸ばし、一般①(2/1)・一般②(2/3)とも高倍率の入試が続いています。

入試問題は4科目とも完成度の高さで知られますが、算数はどの単元が、どんな形式で出ているのか。「なんとなく図形が多い」以上の解像度で対策するために、LEFYは過去問を1問ずつ集計しました。

本記事では、LEFYが独自に集計した一般①・過去約20年分・全386問の算数出題データを交えながら、海城中学校の入試傾向と対策をご紹介します。

この記事でわかること
  • 海城中学校の基本情報(偏差値・入試日程・校風・進学実績)
  • 一般①・一般②の配点・倍率・合格最低点と、回別の使い分け
  • 【LEFY独自集計】算数・一般①386問の出題分野の内訳と頻出単元
  • 単元1位は「立体の切断」— 図形が全体の4割を占め、比・相似の出題が近年急増している事実
  • 算数の記述はほぼゼロ。「途中点に頼らず答えを出し切る」入試であること
  • 国語・理科・社会(名物の長文論述)の傾向と対策
山本航士

この記事を書いた人

山本航士

受験アドバイザー

聖光学院中高→慶應義塾大学経済学部→コンサルティングファーム→LEFYにて難関中学受験および中高一貫校生をサポート

海城中学校の基本情報(偏差値・日程・進学実績)

海城中学校 基本データ

項目内容
所在地東京都新宿区大久保(JR山手線 新大久保駅から徒歩約5分、西早稲田駅も利用可)
種別男子校・中高一貫
入試日程一般① 2月1日 / 一般② 2月3日(いずれも4科)+帰国生入試(1月)
募集人数一般①145名・一般②145名(+帰国30名)
実質倍率一般① 約2.9倍 / 一般② 約3.0倍(2026年)
偏差値の目安四谷大塚80%偏差値で一般①65・一般②67

※ 偏差値は模試会社によって基準が異なります(SAPIXは四谷大塚より5〜6ポイント低く、首都圏模試は5〜10ポイント高く出る傾向)。出願判断は通っている塾の最新の合格判定でご確認ください。

「新しい学力・新しい人間力」を教育の柱に、プロジェクト型の体験学習や教科横断の自由講座「KSプロジェクト」、2021年完成のScience Center(新理科館)での探究活動など、進学校でありながら探究・体験を重視する校風です。社会科では中3で卒業論文を書き上げる「社会科総合学習」が伝統で、これが入試の社会の独特な出題(後述)にもつながっています。

進学実績は2026年に東京大学46名(現役42名)、医学部医学科55名、早慶にも多数合格と、都内男子校で最上位グループの水準です。

https://www.inter-edu.com/univ/2026/schools/4/jisseki

【全体傾向と対策】①と②の使い分け

各科目の配点と時間は以下のとおりです(一般①・②共通)。

海城中学校 入試の配点と試験時間

科目配点時間
国語120点50分
算数120点50分
理科80点45分
社会80点45分
合計400点190分

回別の入試結果(2026年度・学校公表)

実質倍率合格最低点(400点満点)算数の合格者平均(120点)
一般①(2/1)約2.9倍244点(61%)80.3点(67%)
一般②(2/3)約3.0倍243点(61%)84.4点(70%)

※ 海城中学校公表の2026年度入試結果より。合格最低点は年度により変動します。

合格最低点は①②とも約61%と一見同じですが、一般②には2/1に開成など最難関を受けた層が大量に流れ込みます。偏差値が①65に対し②67と2ポイント高く、算数の合格者平均も②の方が高い。つまり同じ点数勝負でも②は「相手が強い」入試です。海城が本命なら①から出願が基本戦略です。

算数の傾向と対策

【傾向】データで見る海城の算数

試験は50分・120点。大問6題・小問17〜18問前後で、大問1が計算+小問集合、大問2以降が各2〜3問のテーマ型大問という構成です。

LEFYでは、海城(一般①)の算数の過去問約20年分(全386問・小問単位)を、独自の単元分類(10分野・72単元)で1問ずつタグ付けして集計しました。まず出題分野の内訳です。

海城中学校 算数の出題分野の内訳(一般①・全386問)

過去約20年分の入試(小問単位) / LEFY調べ

平面図形95問 (24.6%)
立体図形58問 (15.0%)
速さ43問 (11.1%)
割合と比37問 (9.6%)
場合の数33問 (8.5%)
数の性質32問 (8.3%)
計算31問 (8.0%)
規則性20問 (5.2%)
推理・論理・データ20問 (5.2%)
文章題(和と差)17問 (4.4%)

※ 複合問題は主となる単元で集計。LEFY調べ(2026年7月)

平面図形24.6%+立体図形15.0%で、図形だけで全体の約4割。速さ・割合と比・場合の数が続き、つるかめ算などの典型文章題(特殊算)は4.4%と少なめです。

海城中学校 算数の頻出単元 TOP8

一般①・過去約20年分・全386問のうち、主単元としてタグ付けされた問題数 / LEFY調べ

順位単元問題数
1立体の切断26問
2推理・論理(条件整理・調べ上げ)20問
3辺の比と面積比19問
3水量の変化(水そうとグラフ)19問
5旅人算16問
6食塩水(濃度)15問
7面積(複合図形の求積)14問
8角度12問

※ このほか、合同・相似/図形の移動/道順が各11問、大問1の計算(四則計算21問・計算のくふう8問など)が計31問。LEFY調べ(2026年7月)

単元1位は「立体の切断」の26問。過去約20年のうち半分以上の年度で出題され、直近5年でも4回、2〜3問規模の大問として登場しています。

出題形式の内訳には、海城のもう1つの重要な特徴が表れます。

海城中学校 算数の出題形式の内訳(全386問)

一般①・過去約20年分の算数を小問単位で分類(1問に複数タグあり) / LEFY調べ

出題形式該当する問題の比率
典型・オーソドックス問題63.5%
初見思考力問題36.8%
作業・書き出しを要する問題23.6%
グラフ・図の読み取り9.1%
考え方・求め方の記述説明0.3%

※ 形式の分類はLEFYの判定基準によります(典型・オーソドックス問題=塾の教材で扱う典型解法がそのまま使える問題/初見思考力問題=その場で提示されるルールや見慣れない設定の読み取りが必要な問題)。1問に複数の形式が付く場合があります。LEFY調べ(2026年7月)

注目は最下段。考え方を書かせる記述問題は全386問中わずか1問(0.3%)で、海城の算数は答えのみを解答用紙に書く形式です。つまり途中点は期待できず、「解き筋が見えた問題を、計算ミスなく最後まで出し切る」ことがすべて。4問に1問は書き出し・調べ上げの作業を要するため、作業の正確性も答えの正誤に直結します。

時系列の変化も見てみましょう。全386問を前半・後半で半分に割って比較します。

海城の算数はどう変わってきたか — 以前の11回 vs 直近の11回

全386問を以前の11回分181問・直近の11回分205問に分けて比較 / LEFY調べ

指標以前の11回分直近の11回分
典型・オーソドックス問題の比率59.1%67.3% ↑
初見思考力問題の比率42.0%32.2% ↓
場合の数分野の比率5.0%11.7% ↑
辺の比と面積比の問題数2問17問 ↑

※ LEFY調べ(2026年7月)

多くの難関校が初見思考力問題を増やす中、海城は逆に典型・オーソドックス問題の比率が若干上がっています。辺の比と面積比が2問→17問に激増しているのがその象徴で、対策の的は以前より絞りやすくなっています。
ただし、近年実績・難易度が上がっている学校ですから、典型・オーソドックス系の問題比率が上がっていることで油断せず、御三家レベル相当の対策をしておくことが望ましいです。

対策

データが示す対策の軸は3つです。第一に、「比で図形を切る」系統(立体の切断・辺の比と面積比・合同相似)の集中強化。単元1位の立体の切断は、切り口の作図から体積比まで、大問として2〜3問構成で出る前提で仕上げてください。

第二に、「答えを出し切る」練習。記述・部分点がほぼ無い入試なので、過去問演習では「方針は合っていたのに計算で落とした」問題を最重要の課題として扱い、ミスの原因(式の書き方・数字の写し間違いなど)を特定して潰しましょう。第三に、直近で増えている場合の数(道順・順列)と、定番の水量変化・旅人算・食塩水の大問対応力。合格ライン61%・算数合格者平均67%の入試では、大問の(1)(2)を確実に取り、(3)で上積みする得点設計が現実的です。

時間配分は、大問1(計算+小問集合)を10分前後で抜け、残り5つの大問に約40分。1大問あたり7〜8分の感覚を過去問で体に入れましょう。

国語の傾向と対策

傾向

物語文・説明文の読解を軸にした構成で、文章量はかなり多め。設問は選択肢が中心ですが、80〜100字クラスの説明記述も数問含まれます。選択肢は本文との丁寧な照合を要する作りで、読むスピードと精度の両方が問われます。

対策

長文を時間内に読み切る訓練と、根拠に基づいて選択肢を絞る練習を積みましょう。記述は要素を分解して書き、添削で仕上げるサイクルが有効です。

理科の傾向と対策

傾向

45分・80点。物理・化学・生物・地学の4分野が大問1題ずつ(小問30問強)という構成が標準です。長いリード文と実験・観察データを読み込ませてから考えさせる考察型で、難関校の中でも重量級。生物では数行の記述、化学・物理では計算、地学では近年地図の読み取りが続けて出るなど、分野ごとに違う力を要求してきます。単純な知識の再生だけでは得点しきれない構成です。

対策

知識は理由・仕組みとセットで固め、実験データの読み取りと計算を含む演習で処理力を上げましょう。読み込みに時間を要する考察問題に時間を残せるよう、知識で答えられる設問の即答力を先に仕上げておくことが大切です。

社会の傾向と対策:名物の長文論述

傾向

海城の社会は首都圏でも指折りの個性派です。例年1つのテーマの長いリード文を読み、資料をもとに考えさせる総合問題形式で、100〜250字クラスの長文論述が出題されます。用語の暗記量ではなく、資料と知識を組み合わせて自分の考えを筋道立てて書く力が問われる、大学入試の小論文に近い出題です。中3全員が卒業論文を書く「社会科総合学習」という同校の伝統が、そのまま入試に表れています。

対策

基本知識を固めた上で、海城の過去問の論述を実際に書き、添削を受けることが最も効果的です。「資料から何が読み取れるか→知識とどうつながるか→設問の要求にどう答えるか」の3段構えで書く型を身につけましょう。算数に記述がない分、社会の論述が合否の差別化ポイントになりやすい入試です。

過去問の取り組み方

海城の過去問も、第1志望として受験する場合は10年分を目安に取り組むことをおすすめします。

算数は時間を測り、「取る問題・捨てる問題の判断」と「答えを出し切る精度」を軸に振り返りましょう。社会の論述は書きっぱなしにせず必ず添削を受けましょう。国語の長文と合わせて、4科目とも「読む量・書く量」が多い入試なので、本番と同じ時間割で解く通し練習も有効です。

過去問に取り組む時期や進め方の全般論は、以下の記事でご紹介しています。

【中学受験】過去問はいつから?何年分?取り組むコツや注意点も紹介!

なお、神奈川方面の受験生では「2/1・2/2に聖光や栄光→2/3に海城②または浅野」という併願パターンも定番です。神奈川男子難関校の併願戦略は以下の記事で解説しています。

【中学受験】聖光・栄光・浅野の併願と過去問対策!併願可能?どの学校の対策に力をいれる?

LEFYのマンツーマン指導では、頻出の立体切断・比と相似の集中演習、ミスの原因分析による「出し切る力」の強化、社会の論述添削を組み合わせた海城特化のカリキュラムを個別に設計します。①②の受験設計や併願全体の戦略もあわせてご相談いただけます。

まとめ

  • 海城は一般①(2/1)・一般②(2/3)とも145名募集・400点満点。合格最低点は約61%ですが、②は最難関併願層が流れ込むため偏差値2ポイント分厳しい勝負になります。
  • LEFYの独自集計(一般①・約20年・386問)では、図形が全体の約4割。単元1位は立体の切断26問で、辺の比と面積比が直近11回で2問→17問に激増しています。
  • 算数の記述はほぼゼロ(0.3%)。途中点に頼れないため、「解ける問題を計算ミスなく出し切る」精度が合否を分けます。
  • 直近は初見の変わり種が減り、典型・オーソドックス問題比率が上昇。「洗練された標準」を高精度で解く力が最短の対策です。
  • 社会は100〜250字級の長文論述が名物。算数に記述がない分、社会の論述と国語の記述が差別化ポイントになります。

横浜駅周辺で中学受験の個別指導をお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください。個別指導塾レフィーでは、海城をはじめとする難関中学受験に向けて、お子さまの現状に合わせた学習計画と併願戦略をご提案いたします。