サピックスの入室テスト(入塾テスト)は、「入るための試験」であると同時に、「入ったあと授業についていけるか」の確認でもあります。対策の軸は、計算と漢字・語彙の基礎を固めたうえで、初見の問題から逃げずに手を動かせるようにすること。専用の過去問は市販されていないため、付け焼き刃の対策ではなく、普段の学習の質がそのまま出ます。
この記事では、サピックス生を日常的に教えている個別指導塾の立場から、入室テストの基本情報、受ける時期の考え方、科目別の対策、落ちたときの立て直し、そして見落とされがちな「入室後についていくための準備」まで整理します。
- 学年別の科目・試験時間(4年生以上は理科・社会も入る)と受験料・実施頻度
- 申し込みから答案・成績が公開されるまでの流れ
- 受ける時期の目安(新4年の山場は3年生の秋から/低学年入室の意味)
- 算数・国語・理社の科目別対策と、過去問がない試験への備え方
- 基準点の考え方と、届かない子に共通する3つの状態
- 落ちたときの立て直しの手順(再受験までの1〜2ヶ月の使い方)
- 入室後に授業と宿題のサイクルへ乗るための準備

この記事を書いた人
山本航士
受験アドバイザー
聖光学院中高→慶応義塾大学経済学部→コンサルティングファーム→LEFYにて難関中学受験および中高一貫校生をサポート
サピックス入室テストの基本情報
まず全体像です。日程・会場・実施形式は変わることがあるため、申し込み前に必ずSAPIX小学部の公式サイトで最新情報を確認してください。
| 対象 | 小1〜小6(学年により内容・科目が異なる) |
| 科目 | 1〜3年生は国語・算数の2科目。4年生以上は理科・社会が加わる |
| 受験料 | 3,300円(税込) |
| 実施頻度 | ほぼ毎月。5年生以上は公開模試(サピックスオープン等)が入室テストを兼ねる回もある |
| 申し込み | マイページを登録したうえでオンラインから。校舎と回を選んで申し込む |
| 結果 | 受験の翌日に採点前の答案、翌々日に採点後の答案・成績・個人成績票が公開されるのが基本の流れ |
| 基準点 | 非公開。回・校舎によって変わるが、平均点よりかなり低く設定されるのが通例 |
学年で科目も試験時間も変わる
見落とされやすいのが、学年によってテストの中身がまったく違うことです。目安として、直近の実施回の要項を整理すると次のようになります。
| 学年 | 科目 | 試験時間 |
| 1・2年生 | 算数・国語 | 各25分 |
| 3年生 | 算数・国語 | 各30分 |
| 4年生 | 算数・国語+理科・社会 | 算国は各50分、理社は各30分(合計3時間規模) |
| 5年生 | 公開模試(志望校診断サピックスオープン等)が入室テストを兼ねる回がある | 模試の実施時間に準じる |
| 6年生 | 算数・国語+理科・社会 | 算国は各50分、理社は各30分(合計3時間規模) |
回や時期によって時間・科目は変わるため、上の表はあくまで目安として見てください。押さえておきたいのは、3年生までは算数・国語の2科目だが、4年生以上は理科・社会も試験科目に入るという点です。「入室テストは算国2科」というイメージのまま4年生以降の途中入室を考えると、理社の準備がまったく抜けたまま当日を迎えることになります。
また、3年生までのテストは1科目25〜30分と短く、集中力が続く長さです。一方で4年生以上は休憩を挟みながら3時間座り続けることになります。学力以前に「長時間のテストを受けた経験があるか」で結果が変わる子は実際にいます。4年生以上で初めて受けるなら、家庭で通しの模試形式を一度経験させておくだけでも違います。
申し込みから結果が出るまでの流れ
- マイページを登録する(きょうだいで受ける場合もお子さんごとに登録が必要です)
- 受ける回と校舎を選んで申し込む(受験料3,300円。人気校舎は締め切りが早いことがあります)
- 受験する
- 翌日、採点前の答案が公開される(自分がどう書いたかがそのまま見られます)
- 翌々日、採点後の答案・成績・個人成績票が公開される
- 基準に達していれば、校舎から入室手続きの案内がある
この流れで大事なのは、答案そのものが返ってくることです。合否の連絡だけを見て終わりにしてしまうご家庭が多いのですが、答案は入室テストで得られるいちばん価値のある情報です。落ちた場合はどこを埋めればいいかがそのまま書いてあり、通った場合も、入室後につまずく単元がここに表れています。
また、注意したいのは、基準点を超えても、希望する校舎が満席なら入れないことがある点です。都心部や人気校舎では、学年の途中からだと空きを待つケースがあります。校舎の空き状況はテストの合否とは別の話なので、通わせたい校舎が決まっているご家庭は、テストを受ける前の段階で空き状況を問い合わせておくと安心です。第2希望の校舎まで考えておくと、席が理由で立ち止まらずに済みます。
いつ受けるのがいいか
テストは毎月あるが、人が動く山は秋から冬
入室テストはほぼ毎月実施されているので、いつでも受けられます。ただし、募集の動き方には季節があります。新学年のカリキュラムが2月に始まるため、新学年に向けた入室希望者は秋から冬に集中します。つまり、同じ「入室テストを受ける」でも、時期によって席の埋まり方がまったく違います。
裏を返せば、夏や春の空いている時期に受けておくほうが、校舎の選択肢は広く残っているということです。すぐに通い始めるつもりがなくても、早めに1回受けて現在地を測っておくのは有効です。答案が返ってくるので、その時点で何が足りないかがわかり、入室を決めるときの判断材料になります。
本格的なスタートは「新4年生」。テストは3年生の秋から動き出す
サピックスの受験カリキュラムが本格化するのは新4年生(3年生の2月)からです。そのため、3年生の秋から冬にかけての入室テストが、いちばん人が動く山場になります。新学年に向けた入室テストは秋以降に集中し、席も埋まっていくため、新4年からの入室を考えているご家庭は、3年生の秋の回から受け始めるのが現実的です。
ここで、気持ちの面でポイントがあります。入室テストは1回で決めなければいけない試験ではありません。秋から冬にかけて複数回あるので、10月に受けて届かなければ1月に挑戦できます。逆に言えば、1回目を「本番」と思い込ませて追い込むと、うまくいかなかったときのダメージだけが残ります。最初の1回は現在地を測る回、2回目以降で仕上げる、というつもりで臨むほうが、結果的に通りやすくなります。
低学年からの入室は「席の確保」の意味合いが強い
小1〜小3のうちから入室する家庭も増えていますが、この時期の通塾が中学受験の合否を左右するわけではありません。低学年入室の実質的な意味は、人気校舎の席を確保しておくことと、学習習慣を早めに作ることの2つです。低学年のカリキュラムは受験勉強そのものではなく、思考力や学ぶ姿勢を育てる内容が中心になります。
裏を返せば、家庭で学習習慣が作れていて、通わせたい校舎に空きがありそうなら、慌てて低学年から入る必要はありません。実際、4年生から入って上位クラスに入る子は毎年います。判断の目安は「席」と「習慣」の2点で、それ以外の理由(周りが行っているから、早いほうが有利そうだから)で低学年から通わせても、3年間分の通塾負担と費用が先に増えるだけになりがちです。
5年生以降の途中入室は、テスト対策より「追いつく計画」が本体
5年生以降の途中入室では、入室テストそのものより、入ったあとに既習範囲の差をどう埋めるかが本当の課題になります。サピックスは復習主義で授業が進むため、途中から入ると「みんなが習い終えた単元」を自力で埋める期間が必ず発生します。5年生は比と割合、速さ、平面図形の応用など、入試に直結する重い単元が並ぶ学年です。ここを飛ばしたまま授業に乗ると、毎週の授業も宿題も理解しきれないままの状態が続きます。
この時期の入室を考えているご家庭には、テスト対策と並行して、入室後3ヶ月ぶんの追いつき計画まで立ててから動くことをおすすめしています。具体的には、既習単元のうちどれを自力で埋め、どれを人の手を借りて埋めるかを先に決めておくことです。入ってから考え始めると、毎週の宿題に押されて過去の穴に手が回らなくなります。
科目別の対策
算数:計算の速さと正確さが土台。文章題は「図や式を書く」
算数は、学年相応の計算が速く正確にできることが大前提です。そのうえで、文章題や規則性など「その場で考える問題」が出ます。学校のテストで満点でも入室テストで点が取れない子の多くは、習った形の問題しか解いたことがない、というところでつまずきます。
対策として効果的なのは、毎日の計算練習に加えて、初見の文章題で式や図を書く習慣をつけることです。答えが合っているかより、手が止まらずに何か書けるかどうかが、この段階では大事です。問題を読んで、線分図でも表でも、とにかく紙に書き出せる子は、初めて見る問題でも部分点まではたどり着きます。逆に、頭の中だけで考えて手が止まる子は、難しい問題で0点になります。
家庭でできる練習はシンプルです。文章題を1問渡して、解けなくてもいいので「わかっていること」と「聞かれていること」を紙に書き出させる。これを1日1問、2週間続けるだけで、白紙で出す答案は目に見えて減ります。計算のほうは、毎日20問程度を時間を計って続けるのが基本です。ミスが多い子は、量を増やすのではなく、間違えた問題の原因(写し間違い、繰り上がり、約分忘れなど)を種類ごとに記録すると早く直ります。
国語:漢字・語彙と、長めの文章に慣れているか
国語は、漢字・語彙の知識問題と、学校の教科書より長い文章の読解が中心です。記述を書かせる問題も出ますが、完璧な答えである必要はありません。文章量にひるまず最後まで読み切れること、記述欄を空欄にしないことが第一歩です。
点が伸びない子で多いのは、読解力の問題ではなく、単純に「長い文章を最後まで読んだ経験が少ない」ケースです。学校の教科書とテストだけで過ごしてきた子にとって、入室テストの文章量はかなりの負担になります。普段から本や新聞などまとまった文章を読む習慣がある子は、特別な対策なしでも通ることが多い科目です。
テストまでに時間が限られているなら、優先順位は漢字・語彙が先です。ここは覚えた分だけ点になります。読解は、市販の問題集を1日1題、時間を計って解く形にして、答え合わせのときに「どこに書いてあったか」を本文から指で示させてください。正解・不正解より、根拠を本文から探す動作が身についているかを見るほうが、この時期は効果があります。
理科・社会:4年生以上の回で必要になる
4年生以上の回では理科・社会も試験科目に入ります。塾のカリキュラムを前提にした出題になるため、通塾経験のない子が高得点を取るのは簡単ではありません。
現実的な対策は、満点を狙わないことです。理科なら生き物・植物・季節、天体の基本、てこや電気の入り口。社会なら日本の地形と都道府県、産業の基本、歴史の大きな流れ。この範囲を市販の基礎的な参考書で一通り触れておくだけで、白紙の問題はかなり減ります。算国と違い、理社は短期間の詰め込みでも点になりやすい科目です。
そのうえで、配点と時間を見れば優先順位ははっきりします。算国が各50分、理社が各30分という構成である以上、限られた準備期間を理社に大きく割くのは得策ではありません。理社は「知らない用語だらけで手も足も出ない」状態を避けるところまで、と割り切って、残りの時間を算数と国語に回してください。
過去問がない試験にどう備えるか
サピックスの入室テストは過去問が市販されておらず、塾専用の対策教材もありません。ここが多くのご家庭を不安にさせるところですが、実は対策の設計はむしろシンプルになります。傾向を読む材料がない以上、やることは基礎の積み上げと初見対応の2つに絞られるからです。
- 計算・漢字を毎日短時間続ける(1日15分程度は必ず確保する。日数を空けないことが大事です)
- 市販の標準的な問題集で、初見の問題に自分の頭で向かう練習をする(塾のテキストのような難問は不要です)
テストの1〜2週間前に詰め込むより、1ヶ月でも毎日の学習リズムを作ってから受けるほうが、結果は安定します。入室テストは付け焼き刃が効きにくい試験で、普段の学習の質がそのまま出ます。逆に言えば、ここで測れるのは中学受験を始める体力そのものなので、テストのために作った短期の対策で通しても、入室後に苦しくなるだけです。
テスト前後にやっておきたいこと
学力とは別のところで結果を落としている子が、毎年一定数います。ここは準備でほぼ防げる部分です。
直前1〜2週間は、新しい教材を増やさない
テストが近づくと、不安から新しい問題集を買い足したくなります。しかしこの時期に教材を増やすと、どれも中途半端になり、「解けない問題」ばかりを見て自信を失った状態で当日を迎えます。直前に増やすのは教材ではなく、今できることを確認する時間です。毎日の計算と漢字を切らさず、あとは早く寝る。これで十分です。
時間配分と「飛ばす」練習をしておく
初めて受ける子がいちばん落としやすいのは、難しい1問で止まって後半に手をつけられないパターンです。答案を見ると、後半に易しい問題が残ったまま白紙、ということが本当によくあります。家庭で問題集を解くときに、必ず時間を計り、詰まったら飛ばして最後まで行き、余った時間で戻る、という順番を練習させておいてください。これは1回教えれば身につきます。
結果は「合否」ではなく「答案」を見る
結果が出たら、点数と合否だけで会話を終わらせないでください。採点済みの答案を一緒に開いて、間違いを次の3つに分けます。計算や写し間違いなどのミス、知識が抜けていたもの、そもそも解き方がわからなかったもの。この仕分けをするだけで、次に何をすればいいかが決まります。通っていた場合でも、3つ目に該当する単元は入室後につまずく候補なので、入室までの期間に手を入れておく価値があります。
合格基準と「落ちる」の実際
基準点は非公開ですが、平均点よりかなり低く設定されるのが通例で、「上位の子を選抜する試験」ではなく「授業についていける最低ラインを確認する試験」と捉えるのが正確です。受験者の多くが通るとも言われますが、公式発表はなく、回や校舎の空き状況によっても変わります。
この位置づけを理解しておくことは、お子さんへの声のかけ方にも関わります。入室テストは「選ばれる試験」ではないので、届かなかったとしても、それは能力の判定ではなく、今の準備が足りていないという情報にすぎません。ここを取り違えて「不合格」として重く受け止めさせてしまうと、中学受験のスタート地点で自信を削ることになります。
届かない子に共通する3つの状態
それでも基準に届かない場合、原因はほぼ例外なく基礎の穴です。実際に見ていると、次の3つのどれかに当てはまります。
- 学年相応の計算が身についていない(スピードが足りず、後半の問題に届かない。あるいはミスで点が積み上がらない)
- 漢字・語彙が学年の水準に達していない(知識問題で確実に取れるはずの点を落としている)
- 文章を読み切る体力がない(長文の途中で集中が切れ、後半が白紙になる)
どれも、対策すべきことがはっきりしている状態です。逆に言えば、この3つに当てはまらないのに届かなかったケースはほとんど見たことがありません。答案を見れば、3つのうちどれなのかはすぐに判別できます。
上位クラスで入りたい場合にできること
入室テストの点数で最初のクラスが決まるため、できるだけ上のクラスから始めたい、というご相談はよくあります。結論から言うと、短期間でできることは限られています。
現実的にやれるのは2つです。ひとつは、算数の処理速度を上げること。計算を毎日、時間を計って続けるだけでも、テストで手が回る問題数が変わります。もうひとつは、初見の問題に取り組む経験を増やすことです。市販の標準的な問題集で構わないので、解いたことのない形の問題を毎日1問ずつ触れておくと、当日に固まりにくくなります。
ただし、上のクラスに入ること自体を目的にしないでください。無理をして上位クラスに入っても、授業の速度に合わなければ最初の数ヶ月で苦しくなります。クラスは毎月のテストで動くので、理解できる位置から始めて上げていくほうが、結果的に伸びます。
入室後のクラスもこのテストで決まる
もうひとつ知っておきたいのは、入室テストの点数が、入ったあとの最初のクラスを決めるということです。サピックスは成績順のクラス編成で、テストのたびにクラスが上下します。入室テストの結果は、その出発点になります。
ただし、最初のクラスがその後を決めるわけではありません。毎月のテストで動くので、入ってから上げていくことは十分できます。むしろ気をつけたいのは逆で、ぎりぎりで通って上位クラスの席に入るより、無理のない位置から始めて授業を理解できているほうが、その後の伸びは安定します。クラスの位置に一喜一憂するより、授業と宿題のサイクルに乗れているかを見てください。
落ちたときの立て直し方
入室テストはほぼ毎月あるので、落ちても再挑戦できます。立て直しの手順は次のとおりです。
- どの科目の、どの種類の問題で点を落としたかを答案で確認する(計算か、文章題か、漢字か、読解か。前述の3分類で仕分けます)
- 穴になっている基礎を1〜2ヶ月かけて埋める(計算と漢字は毎日、短時間で。範囲を広げず、学年相応のところまで戻ります)
- 埋まったタイミングで再受験する(次の回にすぐ申し込むより、準備してから受けるほうが本人の自信につながります)
1〜2ヶ月の中身を具体的にすると、次のようなイメージです。平日は毎日、計算10問と漢字10問を合計15分。これは何があっても切らしません。加えて、算数の文章題を1日1問、国語の読解を2日に1題。土日はどちらか1日を予備日にして、平日にできなかった分を回収します。新しい教材は増やさず、1冊を最後までやり切ってください。
この期間に見るべきは、点数ではなく「毎日続いているか」です。中学受験は3年間、毎日の学習を積み上げ続ける競技なので、ここで日々のリズムが作れるかどうかが、入室後の伸びをそのまま決めます。再受験までの1〜2ヶ月は、テスト対策の期間であると同時に、そのリズムを作る練習期間だと考えてください。
基礎の穴が広い場合や、家庭学習だけで埋めるのが難しい場合は、入室前の期間だけ個別指導でテコ入れする方法もあります。また、サピックスの入室にこだわらず、お子さんの現状に合う塾から始める選択肢も含めて考えたいご家庭は、横浜の中学受験塾ガイド(SAPIX・四谷大塚・日能研ほか主要10塾の比較)も参考にしてみてください。サピックスは復習主義で進度が速く、家庭でのフォローが前提の塾です。合う子には非常に強い環境ですが、すべての子に最適とは限りません。
入室はゴールではない:入ってからついていくための準備
入室テストの対策記事はここで終わるものがほとんどですが、私たちが日々サピックス生を教えている実感では、本当の勝負は入室テストではなく、入室した月から始まる授業と宿題のサイクルに乗れるかどうかです。
サピックスは授業で新しい単元を学び、家庭学習で定着させる復習主義です。宿題の量は多く、毎月のテストでクラスが上下します。入室テストにぎりぎりで通って入った場合、最初の数ヶ月でこのサイクルに乗れず、「ついていけない」状態が固定してしまうケースを何度も見てきました。
入室が決まってから通い始めるまでの期間にやっておくと効くのは、次の3つです。ひとつ目は、机に向かう時間を毎日同じ時刻に固定すること。塾がある日もない日も、同じ時間に始められる形にしておきます。ふたつ目は、計算と漢字を毎日続ける習慣。入室後はサピックスの教材に置き換わりますが、続ける枠そのものを先に作っておくと移行が楽です。3つ目は、丸つけを自分でやらせること。答え合わせを親がやっている状態のまま入室すると、宿題の量に押されて丸つけが追いつかなくなります。
宿題との付き合い方やクラスが落ちたときの対処はサピックスの宿題が終わらない!αの子はどうしてる?に、ついていけなくなったときの立て直しはサピックスについていけないときに見直すポイントにまとめています。入室前に一度目を通しておくと、入ってからの数ヶ月で慌てずに済みます。
また、入室前の時点で、費用の全体像も見ておいてください。月謝に加えて季節講習や教材費がかかり、学年が上がるごとに増えていきます。特に6年生は月謝以外の負担が大きくなるので、3年間の総額で見ておくと判断を誤りません。詳しくは中学受験の塾費用|3年間の総額と大手4塾の比較で整理しています。
まとめ
- 入室テストは1〜3年生が算国2科、4年生以上は理社も加わって3時間規模。受験料3,300円、ほぼ毎月実施
- 基準点は非公開だが平均よりかなり低く、「選抜」ではなく「授業についていける最低ラインの確認」
- 新4年入室が本格スタート。テストと席の動きは3年生の秋から。空いている時期に受けるほど校舎の選択肢は広い
- 過去問はないので、計算・漢字の毎日の積み上げと、初見の問題で手を動かす練習が対策の本体
- 結果は合否ではなく答案を見る。間違いを「ミス/知識の抜け/解き方がわからない」に仕分けると次にやることが決まる
- 落ちても原因はほぼ基礎の穴。1〜2ヶ月で埋めてから再受験すればよい
- 本当の勝負は入室後。授業と宿題のサイクルに乗る準備までがテスト対策
よくある質問
サピックスの入室テストは何年生で受けるのがいいですか?
受験カリキュラムが本格化する新4年生(3年生の2月)からの入室がいちばん多く、そのための入室テストは3年生の秋から冬に集中します。低学年からの入室は席の確保と学習習慣づくりの意味合いが強く、必須ではありません。5年生以降の途中入室は、テスト対策よりも入室後に既習範囲の差を埋める計画のほうが重要になります。
入室テストは何科目ですか?
学年によって変わります。1〜3年生は算数・国語の2科目、4年生以上は算数・国語に加えて理科・社会が入り、合計3時間規模になります。5年生以上は公開模試が入室テストを兼ねる回があります。「入室テストは算国2科」というイメージのまま4年生以降の途中入室を考えると準備が足りなくなるので、受ける回の要項を必ず確認してください。
入室テストに落ちたら、もう入れませんか?
入室テストはほぼ毎月実施されているので、再挑戦できます。届かなかった原因はほとんどの場合、計算・漢字・語彙・文章を読み切る力のどれかの基礎の穴です。1〜2ヶ月かけて穴を埋めてから再受験するほうが、すぐ次の回を受けるより結果が安定し、本人の自信にもつながります。
合格基準点は何点くらいですか?
基準点は公表されておらず、回や校舎によっても変わります。ただし平均点よりかなり低く設定されるのが通例で、上位者を選抜する試験ではなく、授業についていける最低ラインを確認する試験です。なお基準点を超えても、希望校舎が満席の場合は入室を待つことがあります。
テストの結果はいつ、どうやってわかりますか?
受験の翌日に採点前の答案、翌々日に採点後の答案と成績、個人成績票がマイページで公開されるのが基本の流れです(回によって前後します)。答案そのものが見られるので、合否だけで終わらせず、どの問題をどう間違えたかまで必ず確認してください。入室後につまずく単元がここに表れています。
入室テスト用の過去問や対策教材はありますか?
過去問は市販されておらず、公式の対策教材もありません。対策は、毎日の計算・漢字の積み上げと、市販の標準的な問題集で初見の問題に取り組む練習の2つに絞るのが現実的です。直前の詰め込みより、テストまでの期間で毎日の学習リズムを作ることのほうが効きます。
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