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サピックス コアプラスの使い方|理科・社会の○×周回のコツと市販・いつから始めるか

サピックスのコアプラスは、理科・社会の入試頻出知識を一問一答形式にまとめた教材です。効果を分けるポイントはシンプルで、×だった問題だけを、すべて○になるまで周回できるかどうかです。毎週の小テストの直前に範囲をひととおり眺めるだけの使い方だと、テストは乗り切れても入試の得点にはつながりません。

この記事では、サピックス生を日常的に教えている個別指導塾の立場から、コアプラスの基本情報、小テストとの付き合い方、○×管理の具体的な回し方、そして暗記が苦手な子のための工夫まで整理します。

この記事でわかること
  • 理科・社会2冊それぞれの構成と分量、市販版の入手方法
  • 小テスト前の暗記が残らない理由と、空回りする4つのパターン
  • ○×管理の具体的な回し方(間隔の空け方・印の付け方)
  • 赤シートと「書く・口に出す」の使い分け
  • 社会と理科で回し方を変える理由(計算理科は周回では埋まらない)
  • 小5から直前期までの時期別の目安と、他の総まとめ教材との関係
山本航士

この記事を書いた人

山本航士

受験アドバイザー

聖光学院中高→慶応義塾大学経済学部→コンサルティングファーム→LEFYにて難関中学受験および中高一貫校生をサポート

Contents

コアプラスとは:理科・社会の一問一答教材

コアプラスは「理科コアプラス」「社会コアプラス」の2冊があり、入試に必要な知識が一問一答形式で整理されています。サピックスでは小5から使い始めるのが一般的で、毎週の授業内小テスト(コアプラス確認テスト)の範囲としても使われます。

役割は「知識の核(コア)を固めること」です。理科なら生物・物理・化学・地学、社会なら地理・歴史・公民の頻出知識が凝縮されており、ここに載っていることが確実に出てくるのが入試の知識問題です。逆に、コアプラスの知識が抜けたまま過去問期に入ると、知識で落とした分を思考問題で取り返すという苦しい戦いになります。

2冊の中身と分量

2冊は分量も構成も違います。まず全体像を把握しておくと、計画が立てやすくなります。

理科コアプラス社会コアプラス
構成身のまわりの理科/中学入試の重要知識(化学・地学・物理・生物)/計算理科地理編/歴史編/公民と国際社会編/各分野の発展知識
分量230ページ前後180ページ前後
判型・価格B5判・1,500円程度B5判・1,500円程度
対象小5・小6小5・小6

ここで見ておきたいのは、理科コアプラスには知識のパートとは別に「計算理科」のパートがあることです。教材自体が、知識で答えるところと計算で解くところを分けています。この構造を知らないまま全部を同じやり方で周回すると、計算のパートだけがいつまでも×のまま残ります。後述しますが、ここは一問一答の周回では埋まりません。

塾生でなくても使える(市販されている)

サピックスの教材には塾生限定の非売品が多いなかで、コアプラスは書店やオンラインで市販されています。そのため、サピックス生以外の受験生が知識の総整理に使うことも多い教材です。他塾に通っていて、理科・社会の知識だけを短期間で固めたいという場合の選択肢になります。

ただし、サピックスのカリキュラムに沿って作られているため、他塾生が使う場合は「授業の進度に合わせる」のではなく、「自分が弱い分野から潰す」使い方になります。1冊を頭から順にやろうとすると挫折しやすいので、先に模試の結果などで弱い分野を特定してから、取り組むのがおすすめです。

「小テストのための暗記」で終わってしまう典型パターン

コアプラスの学習が空回りしている場合、ほとんどが次のパターンです。

テスト前日に範囲を「眺めて」いるだけ

読んで「知ってる」と感じることと、問われて答えられることは別物です。前日に赤シートで隠しながら眺める方法は、翌日の小テストには効いても、1ヶ月後にはほぼ残りません。問題を見て、答えを口に出すか書く。○×をつける。能動的な形にしないと、時間のわりに定着しません。

この差は、6年生の秋にはっきり出ます。眺める暗記で小テストを乗り切ってきた子は、過去問で同じ知識を問われても答えられません。毎週の小テストは点が取れていたのに、模試の知識問題で落とすという場合、ほぼこのパターンです。

答えの位置で覚えてしまっている

同じ順番で何周もすると、問題文ではなくページの並びで答えを思い出すようになります。「3問目だから答えは○○」という状態です。本人にも自覚がないまま○が増えていくので、いちばん気づきにくいパターンでもあります。

見分け方は簡単で、順番を変えて出題してみることです。ページの下から上に解く、範囲をまたいでランダムに問う、といったやり方で急に答えられなくなるなら、位置で覚えています。対策も同じで、周回のたびに順番を変える、小テストの過去分から抜き出して問う、といった形にすれば防げます。

○だった問題を何度も解き、×が放置されている

周回するとき、最初から最後まで全問を解き直すのは時間の無駄です。2周目以降は×の問題だけでかまいません。逆に、×に印をつけていないと「どこが穴か」が分からなくなり、毎回全問をなぞる非効率な周回になります。

この状態のつらいところは、時間をかけているのに×が減らないことです。本人は毎日やっているつもりなので、成果が出ないと「自分は暗記が苦手だ」と思い込みます。実際には、覚える力ではなく回し方の問題であることがほとんどです。

丸暗記で乗り切ろうとして、理科の計算・理由で崩れる

特に理科は、用語の暗記だけでは対応できない項目(てこ・電気などの計算、実験の理由説明)があります。コアプラスで×が続く項目が計算系・理由系なら、それは暗記不足ではなく単元の理解の穴です。テキストに戻るか、人に教わって、仕組みから理解し直す必要があります。

効果が出る回し方:○×管理で「×をゼロにする」

①1周目:全問に○×をつける(時間をかけない)

まず範囲の全問を解き、問題番号の横に○×をつけます。ここでの目的は仕分けであって暗記ではないので、考え込まずテンポよく進めてください。5秒考えて出てこなければ×で構いません。×が多くても気にする必要はありません。×は「これから点になる問題」のリストです。

印は教材に直接つけます。ノートに転記すると手間が増えて続きません。鉛筆でつけて、○になったら書き換える形が扱いやすいです。

②2周目以降:×だけを回し、○になったら印を更新する

2周目は×の問題だけを解き、正解できたら○に更新します。「×がすべて○に変わったら、その範囲は完成」という明確なゴールがあるので、子ども自身にも進み具合が見え、やる気が続きやすい方式です。

ポイントは、2周目をすぐにやらないことです。数日空けてから回すと、短期記憶で○になっただけの問題があぶり出されます。当日の夜に回して全問○になっても、それは覚えたことになりません。3日後、1週間後と間隔を広げながら3周すると、残った×が本当の弱点です。

③覚える段階は「書く・口に出す」、確認は赤シート

やり方の使い分けを整理しておきます。赤シートで隠して読む方法は、1周目の仕分けと、直前の最終確認には向いています。速いからです。一方で、覚える段階の主役にはなりません。読めるだけでは書けないからです。

覚える段階では、答えを口に出すか、書きます。特に社会の地名・人名、理科の用語は、漢字で書けないと入試で失点します。すべてを書くと時間が足りないので、×のうち「漢字であやしいもの」だけ書いて確認するのが現実的です。それ以外は口に出すだけで十分回せます。

④毎週の小テストを「1周目」として使う

小テストは合否ではなく仕分けの機会と捉えてください。テストで間違えた問題こそ、本番までに潰すべき×リストです。テスト後に間違えた問題へ印をつけて周回に組み込む。この習慣があるかどうかで、小5・小6の2年間の積み上げがまったく変わります。

逆に言うと、小テストの点数そのものに一喜一憂する必要はありません。満点だった週より、間違いを拾って印をつけた週のほうが価値があります。ご家庭で見るときも、点数ではなく「間違えた問題に印がついているか」を確認してあげてください。

⑤すきま時間に取り組む(1回10分で十分)

一問一答形式は、まとまった勉強時間より、朝食後や塾の行き帰りなどの10分に向いています。机に向かう学習時間をコアプラスで消費するのはもったいないので、すきま時間の定番メニューにしてしまうのがおすすめです。

続けるコツは、範囲を細かく区切ることです。「今日は地理編を進める」ではなく「今日はこの見開き2ページの×だけ」と決めると、10分で終わって達成感が残ります。一方で、区切りが大きいと、始めるまでのハードルが上がって手が伸びなくなります。

理科と社会で回し方を変える

社会:分野が独立しているので、進度に合わせて回せる

社会は地理・歴史・公民と分野が独立しているため、授業で進んでいる分野を中心に回せます。地理を習っている時期に歴史まで手を広げる必要はありません。ただし、一度○になった分野も時間が経つと抜けるので、月に1回は前の分野の×だった問題だけを見直す時間を取ってください。

社会でつまずきやすいのは、用語だけを覚えて、地図やつながりと結びついていないケースです。県名は言えるのに白地図で位置を指せない、年号は言えるのに出来事の順番が並べられない、という状態です。一問一答で答えられるようになったら、地図や年表の上で確認する作業をひとつ足すと、入試問題での取りこぼしが減ります。

理科:知識のパートと「計算理科」を分けて扱う

理科コアプラスは、知識のパートと計算のパートに分かれています。この2つは同じ教材に入っていますが、身につけ方がまったく違います。知識のパートは○×管理の周回がそのまま効きます。計算のパートは、周回しても解けるようになりません。

てこ、電気、溶解度、天体の動きといった項目で×が減らない場合、覚えていないのではなく、仕組みを理解していないということです。ここは一問一答の答えを覚えても、数値が変わった瞬間に解けなくなります。テキストに戻って単元として学び直すか、人に説明してもらって理解し直す必要があります。コアプラスの周回時間を増やしても、この穴は埋まりません

暗記が苦手な子のための工夫

○×管理を回しても×が減らない場合は、覚え方そのものを工夫します。丸暗記より、意味やイメージと結びつけるほうが記憶は残ります。たとえば植物の分類は、名前の羅列として覚えるより、実物の写真と一緒に見たほうが定着します。歴史の人物は、何をした人かを一言で言えるようにしてから名前を覚えるほうが早いです。

語呂合わせや写真・図と一緒に覚える方法は植物の語呂合わせ一覧生物の覚え方|植物・昆虫を写真クイズで学ぶで紹介しています。記憶の仕組みから覚え方を見直したい場合は脳の仕組みに基づいた暗記のコツも参考にしてみてください。

もうひとつ有効なのが、答えを言わせるのではなく説明させることです。「光合成に必要なものは?」と問うだけでなく、「なぜ日光が必要なの?」と質問しましょう。答えられなければ、知識の応用がきかないため、説明できるように解説やサポートをするようにしましょう。

また、理科の計算系・理由系の×が減らないのは暗記の問題ではありません。単元の理解からやり直す必要があるサインです。理科全体の立て直しは理科の苦手克服法にまとめています。

いつから始めて、いつまでに仕上げるか

サピックスのカリキュラムでは小5からコアプラスを使い始めます。目安として、小6の夏までに1冊を「×ゼロ」の状態に近づけ、秋以降は過去問で出てきた抜けを戻って潰す使い方に移るのが理想的な流れです。過去問期に入ってから最初の1周を始めると、知識の穴埋めと過去問演習が両方中途半端になりがちです。

時期ごとの目安を整理すると、次のようになります。

  • 小5:毎週の小テストの範囲を○×で仕分けるところまで。全範囲を仕上げる必要はありません。この時期の目的は、○×管理のやり方を身につけることです
  • 小6の春:分野ごとに×を潰し始めます。習い終わった分野から順に、×ゼロを目指します
  • 小6の夏:全範囲を通して回し、×ゼロに近づけます。ここが山場です
  • 小6の秋以降:過去問で間違えた知識をコアプラスに戻って探し、印をつけて潰します。新しく1周する時期ではありません
  • 直前期:×だった問題と、志望校が頻出の分野だけを赤シートで確認します

サピックス生以外でも、知識の総整理用として小6の春から夏に始める使い方で十分間に合います。ただしその場合は、頭から順に進めるのではなく、模試で落としている分野から入ってください。全範囲を1周する時間が取れないまま秋を迎えるのが、いちばん避けたい形です。

他の総まとめ教材と併用すべきか

理科・社会の知識をまとめた教材は他にもあり、どれを使えばいいかと聞かれることがよくあります。結論としては、1冊に絞ってください。知識のまとめ教材は収録内容が大きく重なるため、2冊持っても覚える量が増えるわけではなく、どちらも中途半端になります。

コアプラスの特徴は、一問一答に振り切っていることです。解説やまとめのページが少ないぶん、問われて答えるという動作を高速で回せます。逆に、単元の内容を読んで理解し直したい場合には向いていません。そこはテキストの役割です。サピックス生であれば、小テストの範囲として毎週使うことになるので、迷わずコアプラスを主軸にしてください。

まとめ

  • コアプラスは理科・社会の一問一答教材。小5から使い、毎週の小テストの範囲になる。市販もされている
  • 理科は知識のパートと計算理科のパートに分かれている。計算部分は周回では身につかない
  • 「眺める暗記」は残らない。問題を見て答える→○×をつける、の能動的な形にする
  • 2周目以降は×だけを回し、「×がすべて○になったら完成」をゴールにする。数日空けて回すのがコツ
  • 覚える段階は書く・口に出す、確認は赤シート。漢字があやしいものだけ書く
  • 同じ順番で回すと答えの位置で覚えてしまう。順番を変えて確認する
  • 小テストは仕分けの機会。間違えた問題を周回に組み込む
  • 小6の夏までに×ゼロへ。秋以降は過去問で見つかった抜けを戻って潰す
  • 計算系・理由系の×は暗記不足ではなく理解の穴。テキストに戻るか人に教わる

よくある質問

コアプラスはいつから始めるべきですか?

サピックスのカリキュラムでは小5から使い始めます。小6の夏までに「×ゼロ」に近づけ、秋以降は過去問で見つかった抜けを戻って潰す使い方に移るのが理想です。サピックス生以外が知識の総整理に使う場合も、小6の春から夏に始めれば間に合います。

コアプラスは市販されていますか?

されています。サピックスの教材には塾生限定の非売品が多いですが、理科コアプラス・社会コアプラスは書店やオンラインで購入できます。どちらもB5判で1,500円台、理科が230ページ前後、社会が180ページ前後です。サピックス生以外の受験生が知識の総整理用に使うことも多い教材です。

何周すれば覚えられますか?

周回数より「×がすべて○になったか」で判断してください。1周目で全問に○×をつけ、2周目以降は×だけを回します。数日空けて回すと、短期記憶で○になっただけの問題が見つかります。全問を毎回なぞる周回は時間の無駄なので避けてください。

赤シートで隠して読むだけでは足りませんか?

1周目の仕分けと、最後の確認には向いていますが、覚える段階の主役にはなりません。読んで「知っている」と感じることと、問われて答えられることは別物だからです。覚える段階では、答えを口に出すか書くところまでやってください。特に社会の地名・人名や理科の用語は、書けないと入試で失点します。

理科と社会で回し方を変えたほうがいいですか?

変えたほうが効率的です。社会は地理・歴史・公民と分野が独立しているため、授業の進度に合わせて分野ごとに回せます。理科は知識で答えられる部分と、てこ・電気などの計算部分が分かれており、計算部分は一問一答の周回では身につきません。理科は知識部分をコアプラスで固め、計算部分は単元学習として別に扱ってください。

コアプラスを完璧にすれば理科・社会は大丈夫ですか?

知識問題の土台としては十分ですが、理科の計算問題(てこ・電気など)や、資料の読み取り・記述問題は一問一答では対応できません。コアプラスで核を固めたうえで、計算系は単元の理解、記述系は過去問演習で補う形になります。

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