勉強のコツ

脳の仕組みに基づいた暗記のコツ!勉強ができる人が実践してること

暗記勉強が上手くいかずに悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

効率的に暗記できるようになれば、日々の勉強がはかどり、テストでも良い点数を取れるようになり、勉強のモチベーションが上がります。

本記事では、暗記のコツをご紹介していきます。

暗記方法に正解はありませんが、脳の仕組みやそれを踏まえたおすすめの暗記勉強をベースとして、自分なりの勉強方法を磨いていきましょう。

暗記が苦手な人が陥りがちなポイント

暗記が苦手だと感じる人の中には、「とりあえず全部覚えよう」という気持ちになり、テキストを漫然と読み続けるだけになってしまっている人がいます。

しかし、ただテキストを眺めるだけではあまり記憶に定着しません。
暗記の苦手意識が強まってしまうと、効果的な学習法を模索するよりも先に「自分には無理だ」と半ばあきらめながらダラダラと勉強することになってしまいます。

ダラダラと暗記勉強をすると、勉強時間はある程度確保されるため頑張った気になってしまい、「なんで頑張ったのに良い点数が取れないの…」と、負のスパイラルに陥ってしまう可能性があります。

暗記に対する苦手意識はどこから来るのか

暗記に対する苦手意識は、過去の学習体験で「努力しても結果が出なかった」という思い込みから生まれることがあります。

先ほど述べた通り、非効率的な暗記勉強で時間を使ってしまい、「勉強を頑張った!」という気持ちに反して内容はあまり定着していない上でテストを受けた結果、良くない得点を取ってしまうケースでしょう。

このように「覚えようとしても忘れてしまう」「頑張っても良い点数に繋がらない」という経験が積み重なると、暗記に対して苦手意識を持つようになります。
つまり、暗記への苦手意識を克服するためには、成功体験を作るしかないのです。

短期記憶と長期記憶の違い

暗記の苦手を克服するにあたって、短期記憶と長期記憶の違いを理解しておきましょう。
短期記憶は数分から数時間程度で消えてしまう一時的な記憶を指し、長期記憶は日常生活や勉強で繰り返し使うことで定着した記憶のことです。
試験直前に集中的に詰め込んだ情報は、主に短期記憶に残りやすい傾向があります。

しかし、長期的に使える知識へと昇華させたいなら、短期記憶に入れた情報を何度も思い出しながら復習する手間が欠かせません。
いったん短期記憶に留めても、その後に復習を怠ると脳から消え去りやすくなります。暗記を効率化するには、いかに長期記憶に情報を移しやすくするかが鍵だといえます。

この違いを意識しないまま、「一度覚えようとして忘れたから自分はダメだ」と思ってしまうと、さらに苦手意識が強くなります。適切なタイミングで情報を再度インプットしたり、問題演習でアウトプットしたりする方法を取り入れると、短期記憶から長期記憶へと移行しやすくなるのです。

脳の仕組みを踏まえた暗記の基本戦略

暗記を効果的に行うためには、脳がどのように情報を扱うのかを理解することが重要です。

脳には、本当に必要だと判断した情報を長く保持し、必要がないと感じると素早く忘れる性質があります。

暗記に苦手意識を持つ人は、脳に「これは重要だ」と認識させるステップを飛ばしている場合が多いです。学習内容を必要性や興味と関連づけることで、脳はその情報に対して注意を向けて記憶しようとします。

エビングハウスの忘却曲線を活用する

ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスの研究によると、人間は新しく得た情報の大半を20分〜1時間後の間に急速に忘れ始めるといわれます。何もしなければ数日後にはかなりの部分が思い出せなくなるため、最初の復習を早めに行うことが効果的です。ここで重要なのは、時間を空けてから思い出そうとする行為です。

学習してからの時間節約率
20分58%
60分44%
90分35%
1日34%
6日25%
31日21%

※エビングハウスの忘却曲線は「節約率」を示しており、一度学習した知識を復習して覚えなおす際に、どの程度の時間を節約できるかを表しています。つまり、各学習後のタイミングにおいて、一度覚えた内容をざっくりどの程度覚えているのかとも捉えることができます。

例えば、新しく英単語を覚えた直後の20分後にもう一度チェックしてみると、最初にかかった時間の半分以下の労力で覚え直せる場合が多いです。さらに1日後、1週間後、1か月後など、段階的に復習することで長期記憶に定着しやすくなります。このプロセスを意識的に取り入れるだけで、暗記効率は劇的に上がります。

テスト直前に一夜漬けで詰め込む場合でも、なるべく復習の間隔を工夫すると成果が高まることがあります。
昼に覚えたことを夜、もしくはテスト当日の朝に再確認するだけでも、忘却曲線に抗う一定の効果が得られるため、時間がない中でもなるべく意識したいポイントです。

忘れかけたら思い出すことで定着する

脳科学の観点では、情報を「思い出す」行為自体が記憶を強化すると考えられています。

わずかに忘れかけた段階で思い出すことで、「その情報は大切だ」と脳が判断し、定着率が高まります。これを「検索練習」と呼ぶこともあり、覚えた内容をテキストやノートを見る前に、まず自力で思い出そうとすることがポイントです。

例えば、単語帳を眺めるだけの学習よりも、自分で単語を書き出す、問題を解くなどのアウトプットを取り入れると、記憶の定着が促されます。そこで完全に忘れ切ってしまうと復習のハードルが上がるため、「少し怪しいかもしれない」という段階で思い出す習慣を作ると効率的です。

この「忘れかけ」を逃さないためには、学習スケジュールを細かく区切ったり、チェックテストを活用したりする工夫が必要になります。定期的な確認とアウトプットのタイミングを計画に入れておくことで、暗記が苦手だと感じる人でも成果を上げやすくなります。

今日から始める!効率的に暗記する具体的な方法

暗記はひとつの方法だけで完結させる必要はなく、複数を組み合わせることによってより高い効果を狙うことができます。ここでは代表的な方法をいくつか紹介していきます。

「書く+声に出す」で五感を使う

文字を単に目で読むだけで暗記しようとすると、視覚しか使わない学習になりがちです。

そこで手を動かして書きながら声に出す方法を組み合わせると、脳への刺激が増して記憶に残りやすくなります。英単語や漢字などでは特に有効です。

例えば、ノートに単語や用語を書きつつ、同時に発音していくと、視覚と聴覚と触覚が同時に刺激されます。

また、声に出すときはメリハリをつけて「どこが大事か」を認識しながら読むことも大切です。そうすることで感情や注目度が伴い、脳内に印象づけられる率が高まります。

語呂合わせ・イメージ・図解化などの工夫

数字や年号、化学記号などを覚えるときに活躍するのが語呂合わせです。「いい国(1192)つくろう鎌倉幕府」という有名なものだけでなく、理科や英単語など、覚えづらい情報をリズムや言葉の連想で定着させる方法は数多くあります。自分で作った語呂合わせは、とくに記憶に残りやすいです。

図やイラストを使ったり、マインドマップのような手法で情報を関連づけて整理することもおすすめです。
頭の中で連想しやすいように、「これはAに関係する」「BとCは似ている」など、ビジュアルを伴わせると覚えやすくなります。文字のみの学習に比べて「見やすさ」と「情報のまとまり」が増すので、それらをまるごと覚えることができ、復習する際にもまとめて思い出すことができます。

イメージを使った暗記は、言葉の羅列だけでは曖昧になりがちな情報を、脳に「映像」として焼き付ける効果があります。図解化しながら少しずつ追加情報を書き込む方法も、長期的な暗記には向いています。

暗記シートやアプリを活用する

赤シートや緑シートを使った暗記は、教科書やノートに重要な部分だけをマーカーで塗り隠し、隠れた内容を思い出そうとする方法です。
すでに取り組んでいる方も多いのではないでしょうか。

実態としては、赤シートや緑シートで隠して覚える勉強はしているものの、それらを手を動かして文字を書かない人が多く、漢字や英語のスペルを正確に覚えきれない人が多いでしょう。
赤シートや緑シートで隠し、それを何度も書くような勉強が理想的です。

また、さらに最近では、スマホやタブレットでフラッシュカードを作成できるアプリが多数登場しています。ちょっとした空き時間に確認できるだけでなく、間違えた問題だけを繰り返して学習する機能を備えたものもあります。移動時間などのスキマを有効に使えます。

ただし、スマホアプリを使う場合はSNSやゲームの通知が気になって学習に集中できない可能性があるので、自分の使い方をしっかりコントロールする姿勢が大切になります。デジタルツールが学習の妨げにならないように設定を見直しておくと安心です。

体を動かしながら覚える

椅子に座ってばかりでは体が固まり、頭も疲れやすくなります。

ウォーキングをしたり、軽い筋トレをしながら英単語や年号を声に出すと、脳への刺激が高まって暗記効率が上がるといわれています。適度な運動にはストレス解消効果もあるので、勉強の気分転換にも最適です。

立ち上がって部屋の中を歩き回りながら音読するだけでも、座りっぱなしのときと比べて血流が良くなる利点があります。結果的に疲労を感じにくくなるため、長時間の学習でも集中力を保ちやすくなります。あまり激しい運動をすると息が上がってしまうので、ほどほどに体を動かす程度を意識すると続けやすいです。

「机から離れると勉強が進まない」と思うかもしれませんが、暗記作業に関しては移動や軽い運動を組み合わせるほうが脳が活性化することが多いです。

また、「これは〇〇しながら思い出そうとしたやつだ…!」といったように、シチュエーションと関連づけて覚えることもできます。

場所や時間、軽い運動の組み合わせなど、様々な工夫をすることで、それらと記憶が関連付けられます。

アウトプットで記憶を定着させる

暗記した内容を本当に身につけるためには、情報を頭に入れるだけではなく、活用してみるステップが必要です。覚えた知識を使って演習問題を解いたり、誰かに説明したりする行為が脳を刺激し、記憶を強固にします。アウトプットを積極的に組み合わせることで、何度も繰り返し見直すだけでは得られない学習効果が期待できます。

人に説明する

友人や家族、に教えてみると、自分が曖昧に理解している部分がはっきり浮き彫りになります。

説明しようとして言葉に詰まったり、途中で矛盾を感じたりする部分は、すでに暗記が十分ではない合図といえます。
このように、他人に話すことで記憶の再確認と補強を同時に行えるので、暗記の精度が向上します。

教えているうちに相手から質問が出ると、それに答えるために知識を思い出そうとする場面が増えます。こうした質疑応答によって、一度覚えた情報を脳から引き出し、整理し直すプロセスが記憶の定着に貢献します。

1人で勉強する際も、他人に説明するイメージで言葉にしてみると効率的に覚えることができます。

問題演習や要約で「思い出す」回数を増やす

アウトプットの代表例は、やはり問題演習です。

問題集を解いたり、過去問を解いたりする行為は、覚えた内容を実際の問題形式で思い出す作業といえます。ここでつまずいた箇所は再度覚え直すチャンスです。
演習量を確保できれば、その分だけ暗記した知識を確かめる機会が増えるため、定着に繋がります。

もうひとつ有効なのが、学んだ内容を要約する方法です。たとえば教科書1ページ分を読んだ後に、その内容を自分の言葉や図でまとめてみてください。
重要なポイントを取捨選択しながら再構築するこの過程で、頭の中が整理され、記憶が鮮明になります。

いずれの方法も、忘れかけたころに何度も繰り返すことで効果が高まります。ただし、一気にまとめて大量の問題を解いたり、要約だけで満足して復習をしないまま放置したりすると、徐々に忘却が進んでしまいます。必ず継続的にアウトプットの場を設ける工夫をすることが大切です。

科目別・暗記攻略のポイント

暗記はすべての科目に共通する要素ですが、科目によって有効な学習法には微妙な違いがあります。ここでは英語・国語、社会、数学・理科に分けて、それぞれの暗記ポイントを簡単に整理します。

英語・国語:単語や文法はセットで覚える

英語では単語と文法を切り離さずに覚えると、実際の英文で使われるイメージがわきやすくなります。単語帳だけを眺めるのではなく、例文の中で単語がどのように使われているかをチェックすると、長期的に忘れにくくなるはずです。発音とスペルを合わせて確認することで、頭の中での結びつきが強化されます。

国語の漢字や語句も、用例と一緒に覚えると定着率が向上します。意味だけを知っていても実際に文章を書くときに使えないことが多いため、短い文章に組み込んで書いてみると効果的です。古文や漢文であれば、助動詞の活用や重要単語を声に出して覚え、同時に例文を何度も確認するのがおすすめです。

また、英文法や古典文法の暗記は、一度に詰め込み過ぎると混乱しやすいです。1日に覚える範囲を絞り、何度も繰り返しアウトプットをするやり方が向いています。文法書や参考書に掲載されている例題を解き、間違いをすぐに潰していくと、記憶が鮮明になります。

社会:流れと関連づけで覚える

社会科目は膨大な出来事や用語を扱うため、一つひとつを点で覚えるのではなく、流れや因果関係と合わせて捉えることが必要です。

歴史であれば、「いつ、どこで、誰が、何をしたのか」をまず押さえ、その出来事が次に起きる別の事件にどう影響したかを見ると理解が進みます。
年号だけを暗記するより、時代背景や世界の流れを把握したほうが忘れにくいです。

地理に関しては、地図や統計資料とセットで覚えるとビジュアル的に脳に残りやすくなります。

経済や政治の仕組みを学ぶ公民の分野でも、ニュースや身近な例に引き寄せながら勉強すると、単なる用語暗記では終わりません。周辺知識と合わせて学ぶことで「この出来事はこうつながるのか」と腑に落ちやすくなり、暗記しやすくなる傾向があります。

資料集や図録を眺める時間を定期的に設けることも有効です。文章だけでは理解しづらい国同士の位置関係や都市名などを地図で確かめながらインプットすると、テキストの説明だけでは掴みにくい全体像が脳内にイメージとして組み立てられます。

数学・理科:アウトプットしながら身に着ける

数学や理科(物理・化学など)は、当然ですが、「公式を覚えて終わり」にすると実際の問題が解けないままになってしまいます。公式は必要最小限をしっかり暗記し、問題を実際に解きながら公式を理解し、身に着けていきましょう。

例えば、二次関数の公式を覚えるだけでなく、簡単な例題を何度も解き、どのタイミングでその公式を使うかを体得していくことが大切です。

理科の計算問題でも、定義や重要な数値を暗記しておいて、典型的な問題を繰り返すことで自然と身につきます。わからなかった問題は解法をしっかり確認し、再度解き直すことで定着させる努力が重要です。

また、生物や地学など暗記要素が比較的多い分野でも、用語を丸暗記するだけでなく、実験や観察の内容、結果の因果関係を理解すると忘れにくくなります。図表や写真と合わせると印象に残るため、暗記が苦手な人ほどビジュアルやストーリーを意識しながら学習を進めてみてください。

忙しい人向け!一夜漬けのコツと注意点

試験直前に学習を始めて、もう時間がないという状況になったときでも、できる限り暗記効率を高める方法を意識することで点数を伸ばせる場合があります。一夜漬けは基本的に短期記憶に頼る学習となるため、テスト後に忘れやすいというデメリットもありますが、要所を押さえて行えば一定の成果が期待できます。

時間の使い方とヤマの張り方

一夜漬けをする場合は、漠然と長時間勉強し続けるよりも、まずは試験範囲全体を俯瞰して「どこが最も点数につながりやすいか」を判断することが大事です。過去問や先生の授業で強調されたところに注目し、自分が苦手な分野を中心にヤマを張って絞り込みます。

教科書やノートに書いてあることを上から下まで網羅しようとすると、時間だけが過ぎて大切な部分を掴み損ねるリスクが大きいです。まずは試験範囲を大きく見渡し、優先順位をつけたうえで短時間ごとに学習と休憩を切り替えることで、集中力を維持しやすくなります。

ただし、多くのものごとは体系的に、積み重なるような内容になっているため、学ぶ順番も大切です。
応用的な内容が強調されていたからといって、基本をおろそかにして難しい内容をいくら勉強しても理解は深まらず、記憶にも定着しません。
正しい順序で勉強することには注意してください。

また、苦手分野だけでなく、「基礎問題を確実に取る」方針も忘れないようにしてください。いくら難易度の高い問題を学習しても、基礎部分を落としてしまうと得点効率が下がります。どの科目でも最低限抑えるべき公式や用語はあらかじめ押さえ、確実に点を積み上げる作戦を取りましょう。

短時間でも効果を上げるポイント

短時間で集中するためには、スマホの通知を切ったり、タイマーを使って25分勉強+5分休憩を繰り返す「ポモドーロテクニック」のような時間管理術を取り入れるとスムーズです。一夜漬けはどうしても疲労が溜まりやすいので、1〜2時間おきにストレッチなどを行い、脳と体のリフレッシュを図りましょう。

暗記科目の場合、寝る直前に集中的にインプットして、そのまま睡眠をとると朝までに記憶が定着しやすいという研究結果もあります。夜更かしし過ぎて眠気で頭が回らない状態では逆効果なので、最低でも3〜4時間程度の睡眠時間を確保するようにしましょう。

睡眠時に脳は情報を整理するため、まったく寝ないよりは短い時間でも寝たほうが暗記の効率が上がります。

翌朝は、もう一度前夜に学習した内容をざっとおさらいすると効果的です。直前に再度復習することで、脳が「これが大事な情報だ」と再認識し、テスト本番まで短期記憶を維持しやすくなります。

徹夜しない方が実は効率が良い理由

徹夜をすると学習時間は増えたように感じますが、体力と集中力が大きく消耗するため、結果的には効率が下がりやすいです。翌日眠気が強いままテストを受けると本来の力を発揮できず、大事な問題でミスをしてしまうリスクが高まります。特に長時間のテストや複数科目が続く試験日には、ある程度体力が必要です。

また、前述のとおり睡眠中に記憶は整理・定着されるため、まったく寝ないで朝を迎えてしまうと、せっかく覚えた内容の多くが断片的に散らばりやすくなります。たとえ2〜3時間の短い睡眠でも、きちんと目を閉じて休むことで脳はある程度の整理を行います。無理をして徹夜すると、獲得したはずの記憶がテスト中に思い出せない可能性が高まるため注意が必要です。

暗記を習慣化してライバルに差をつけよう

暗記力の差は、ちょっとした習慣の有無で生まれることがあります。試験のときだけ焦って暗記を始めるのではなく、日頃の学習スタイルの中に「こまめに覚え直す」「必要な情報を整理しておく」といった仕組みを取り入れると、周囲と大きな差がつきやすくなります。

ポモドーロテクニックなど時間管理術の導入

先ほど少し触れたポモドーロテクニックは、集中力を持続させながら効率よく学習する方法として注目されています。25分の勉強と5分の休憩を1セットにし、数セット続けたら15〜30分の長めの休憩を取るというシンプルなやり方です。休憩時間にはスマホを見るより、目を閉じたり軽いストレッチをしたりして脳と体をリセットすると良いです。

このテクニックは暗記にも応用できます。25分間は集中して暗記に取り組み、5分間に一度、脳に情報を整理させるイメージでテキストを閉じたり、思い出そうとしたりすると定着が高まります。強制的に区切りを作ることでダラダラと勉強してしまうことを防ぎ、短い時間で集中力をピークに持っていきやすくなります。

ほかにも「タイマーを使う」「勉強した内容を記録する」といった方法があり、いずれも自分の進捗状況を客観視しながらコントロールする点にメリットがあります。暗記を習慣化するうえでは、時間管理とモチベーション管理を上手に組み合わせていくと効率的です。

寝る前30分・朝起きてすぐは暗記のゴールデンタイム

脳科学の分野では、眠る直前と朝起きた直後は記憶の定着に適したタイミングだといわれることがあります。寝る前に覚えたい内容をまとめて見直してから就寝すると、睡眠中の記憶整理がうまく機能して翌朝までに暗記しやすくなります。同様に、起きたばかりで情報が頭に入っていない朝は、新たな知識を取り込みやすい状態です。

忙しい学生や社会人ほど、この「寝る前30分」と「朝起きてすぐ」の時間を意識して活用すると、短期間でも暗記効果が高まります。特に英単語や専門用語など、一度読んだだけで終わらせず、翌朝もう一度簡単に読み返すだけで定着率が変わります。夜と朝の2回見る習慣を作ると、学習サイクルが安定して「暗記が苦手」という感覚が薄れていくでしょう。

ただし、寝る前にスマホやテレビを長時間見てしまうと、余計な情報が入り込みやすくなり、暗記の妨げになる場合があります。暗記のゴールデンタイムを最大限に活用したい場合は、就寝前の過ごし方や朝のルーティンを見直してみることもおすすめです。

まとめ

暗記は単純に「詰め込む」ことだけを指すのではなく、脳の仕組みや効果的な学習法を理解して活用することで、誰でも上達します。

日頃から細やかな工夫を積み重ねることで、少しずつ暗記に強い体質を作っていきましょう。そうした習慣が身につくと、テストや受験だけでなく、将来のあらゆる学習シーンで大きなアドバンテージになります。ライバルに差をつけるためにも、ぜひ今回ご紹介したポイントを活かしてみてください。

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