勉強のコツ

勉強は朝と夜どっちにすべき?それぞれのメリットを活かして時間を有効活用しよう

「夜は眠くなっちゃうから朝に勉強したい。でも受験生なのに夜早く寝るのは不安。」
「朝は眠くて起きられない…。夜なら起きてられるけど、夜勉強って効率悪いのかな?」
など、勉強は朝、夜のどちらにすべきなのか悩んだことがある方は多いのではないでしょうか。

早朝に効率よく勉強できるという人もいれば、夜の静かな時間に集中できるという人もいます。
どちらが合っているかは個人差があるため、一概に「朝型が正解」あるいは「夜型が正解」とは言い切れません。ただし、それぞれの時間帯には固有のメリットやデメリットがあり、上手に使い分けると高い学習効果を得られます。

脳科学の観点では、記憶は睡眠中に整理され、長期記憶へと移行しやすくなると示されています。そのため、夜に暗記系の勉強を行うと、翌朝起きるまでにある程度情報が整理され、記憶として定着しやすくなることがわかっています。一方で、朝は頭がリフレッシュされた状態で目覚めるため、深い思考が必要な問題を解くのに向いていると指摘されています。

本記事では、朝勉強と夜勉強のメリットや注意点、そして両方を併用する戦略などを網羅的に解説します。学習を習慣化するテクニックや、時間管理のポイントについても詳しく触れますので、自分に合った学習スタイルを模索する際の参考にしてください。

朝勉強のメリット

脳が冴えやすい

朝は睡眠によって脳がリセットされ、思考力や集中力が高まりやすい時間帯といわれています。起床後の数時間は「脳のゴールデンタイム」と呼ばれ、情報処理のスピードや論理的思考力が高水準になる可能性があります。夜は疲労が蓄積されがちですが、朝は休息を経た直後のため、文章読解や数学の応用問題のように頭を使う作業に向いています。

さらに、太陽光を浴びることで体内時計がリセットされ、やる気や集中力を高める神経伝達物質が分泌されるため、朝ならではのプラス効果が期待できます。日光を浴びる習慣は生活リズムを整えるうえでも重要です。

朝型生活には健康面の利点も多いとされています。睡眠時間をしっかり確保しながら早起きすると、一日の始まりを気持ちよくスタートできるため、学習以外のパフォーマンスも上がりやすくなります。

静かな環境を整えやすい

朝の早い時間帯は、夜よりも人の活動が少ないので、周囲が静かで勉強に集中しやすいと感じる人が多いです。SNSやテレビ番組の情報などが少ない分、気が散る要因が少なくなります。家族と生活している場合でも、早起きすれば自分だけの時間を確保しやすくなり、深い集中状態を保ちやすくなります。

また、朝型の生活が定着すると夜更かしをしなくなるため、勉強だけでなく日々の生活全般に良い影響が及ぶ可能性があります。周囲の誘惑に流されにくいことに加えて「1日の最初に重要な課題を終わらせる」という達成感を得られることも、朝勉強のモチベーションを高める理由のひとつです。

朝に限られた時間で勉強する場合、タイムリミットが近いという心理的な締め切り効果も働きます。登校前や出勤前の限られた時間に学習するため、「絶対にこの時間内に終わらせなければ」という意識が集中力をさらに引き出してくれます。

モチベーションを上げやすい

人間は「やるべきことを済ませている」という感覚があると、他のことに対しても積極的に取り組める傾向があります。朝勉強をしておけば、一日のスタート時点で成果を得られるため、心理的に大きなプラスになります。夜に「今日まだ勉強が終わっていない」という焦りを抱えながら過ごすよりも、気持ちにゆとりをもって日中の活動に向かえます。

さらに、朝型生活を続けると夜の睡眠の質が高まりやすくなるという好循環がうまれます。早めに寝て朝早く起きる生活を続けることで体内リズムが整い、次の朝もスムーズに起きられるようになります。モチベーションが高まる要因として「習慣化のしやすさ」も挙げられますが、朝勉強は一日の流れを規則正しくする助けにもなります。

朝勉強を効果的に進めるコツ

朝に合う学習内容

朝は集中力や思考力が冴えているため、応用問題や長文読解のような複雑なタスクに向いています。
また、前夜に暗記した内容を朝にテストする形でアウトプットすると、知識の定着度を高めやすいです。睡眠中に記憶が整理される過程を経ているため、夜にインプットしたことを朝改めて確認すると、抜けやすい部分を補強できるメリットがあります。

ウォーミングアップする

朝起きてすぐは、身体も脳も完全に目覚めていない場合があります。すぐに勉強を始めようとしてもうまく集中できないと感じるときは、ウォーミングアップを取り入れてみてください。軽い運動をしたり、白湯やコーヒーを飲んだりして体を温めると、脳への血流が良くなり、目覚めが早まるといわれます。

また、朝食を適度に取ることも重要です。エネルギー不足の状態では集中力が続きにくくなります。あまりにも食べすぎると消化にエネルギーを使うため眠くなる可能性もあるので、バランスよく摂取する工夫をしましょう。たとえば、卵や大豆製品などのタンパク質を含む食材を朝食に取り入れることで、脳の働きをサポートできます。

夜勉強のメリット

暗記がしやすい

夜に勉強を行う場合、学んだ内容が睡眠中に脳内で整理され、定着しやすいと考えられています。
英単語や歴史の年号、法律の条文など、丸暗記が中心になる分野は夜の勉強と相性が良いです。

まとまった時間を取りやすい

さらに、夜は仕事や学校などの日中のタスクが終了しているため、まとまった学習時間を確保しやすいというメリットがあります。
静かな深夜帯になるとスマートフォンの通知や家族の話し声が減るので、暗記に没頭したい場合には適した環境といえるでしょう。

そして、どうしても勉強量をこなしたい場合に、夜は活用しやすい時間帯です。特に試験前の追い込みなどは、夜に作業を集中させる人が少なくありません。朝は起床時間が決まっているので学習時間が制限されやすいですが、夜ならば多少の融通が利きます。

ただし、夜更かしを続けると翌日のコンディションに影響が出るため、日中の活動に支障が出ないようバランスを取ることが大切です。

夜勉強で気をつけたい点

睡眠不足を回避する方法

夜勉強の最大のデメリットは、睡眠不足に陥りやすいことです。睡眠不足は日中の集中力を著しく低下させ、学習効果を損なう原因となります。
夜に勉強する場合でも、必ず「就寝時間」を固定する意識を持つと、体内リズムを維持しやすくなります。

例えば、毎日12時半までには眠ると決めたうえで、それまでの1~2時間を暗記学習に集中させるといった方法があります。また、もし夜遅くまでかかってしまった場合は、翌日に昼寝を挟むなどして睡眠不足を補完する工夫が必要です。昼寝は長すぎると夜眠れなくなるため、10~20分程度で目を覚ますように設定するとリフレッシュ効果が高まります。

夜勉強のポイント

夜は脳が疲れていることが多いため、新しい概念の学習や複雑な思考を必要とする問題よりも、暗記や復習に適していると考えられます。単語や年号などを集中的に覚えてメモを作り、翌朝になったらすぐにアウトプットして確認する流れが理想的です。

目標を数値化すると夜の集中力を維持しやすくなります。例えば、「今日は英単語帳20個を完全に覚える」「世界史の年号30個をミスなく書けるようにする」と具体的に区切っておくと、ダラダラ続けることなく効率的に暗記できます。夜に覚えた情報を翌朝にノートやアプリでテストしてみると、自分の理解度や記憶の定着度を客観的にチェックしやすくなります。

朝夜を併用した効果的な学習戦略

インプットとアウトプットの分担

朝と夜それぞれの特徴を活かすために、夜にインプット・暗記を行い、朝にアウトプット・演習のイメージで勉強するとよいでしょう。
夜のうちに暗記中心の学習をしておき、睡眠で記憶を整理させ、起床後に問題演習やテスト形式で確認すると知識が深く定着しやすいです。

この学習サイクルでは、夜と朝の役割が明確になるため、自分の脳の状態に合わせてタスクを振り分けやすくなります。夜は暗記作業なら大きなストレスがないという人が多いですし、朝のすっきりした脳を使って演習を行うとミスや抜けが減ります。

目標設定とスケジュール管理

朝と夜をどのように配分するかは、目標設定とスケジュール管理が鍵になります。
漠然と「朝はちょっと勉強しよう」「夜は暗記しよう」だけでなく、朝の30分で何を終わらせるか、夜の1時間でどれだけ覚えるかなど、具体的な学習内容や目標数値を決めるとモチベーションを維持しやすくなります。

スケジュール管理では、スマートフォンのカレンダーやタスク管理アプリを活用する方法があります。例えば、「夜22:00〜23:00は暗記タイム」「朝6:00〜6:30に演習問題を解く」といった形で固定枠を設けると、生活リズムに馴染ませやすいです。
その上で、当日、翌日分は、具体的にどのテキストの何ページから何ページに取り組む、さらにはどのようなアクションで勉強するかまで決めておくと、勉強に取り掛かる心理的ハードルも下がり、モチベーションを維持しやすいでしょう。

学習効率を高める時間管理テクニック

勉強内容に優先度をつけよう

限られた学習時間を最大限活かすためには、優先順位をつける作業が重要です。得意科目より苦手科目を優先する、直近のテストや試験の配点が高い科目を先に対策するなど、複数の基準を設けて整理します。
「緊急性」と「重要性」を考慮しながらリスト化すると、朝と夜のどちらで学習すべきかも見えてきます。

休憩の仕方に注意!

集中力が落ちたまま勉強を続けると、時間ばかり消費して成果が薄くなるおそれがあります。
一定の時間学習したら休憩を挟む方法を習慣化することで、脳を適度にリフレッシュさせることができます。
ポモドーロ・テクニックなどの実践例では、25分勉強→5分休憩のサイクルが集中力を維持しやすいとされていますが、人によってベストな時間配分は違います。

また、休憩中にストレッチや軽い体操をすると血行が良くなり、勉強再開時のパフォーマンスが回復しやすいです。

勉強を習慣化するコツ

早寝早起きの習慣

早寝早起きは朝勉強を続けるうえで欠かせません。
朝の時間を有効に使うためにも、夜遅くまで起きている習慣からの切り替えが必要になる場合があります。理想としては就寝時間を少しずつ前倒しにし、体が慣れるまで無理をしないことが大切です。

夜にブルーライトを浴びる量を減らす工夫も早寝には有効です。
スマートフォンやパソコンの画面を夜間モードに切り替えたり、照明を少し暗くしたりすると眠りに入りやすくなります。
起床後はカーテンを開けて朝の日光を浴びることを心がけると、体内時計がリセットされ、夜に自然と眠気を感じるサイクルが出来上がります。

三日坊主を防ぐ仕組み

勉強を始めても三日坊主で終わる人は少なくありません。
これを回避するには「短期目標の設定」「学習記録の可視化」「ご褒美の導入」といった仕組みづくりが効果的です。
短期目標は「一週間で問題集を1章終わらせる」など、確実に達成できるレベルでできるだけ具体的に設定すると挫折しにくいです。

また、学習記録を日記やアプリで可視化しておくと、どれだけ勉強を積み重ねたかが一目瞭然になり、モチベーションの維持に役立ちます。さらに、一定の条件をクリアしたら自分にご褒美を与えると、「あともう少し頑張ろう」という意欲を保ちやすくなります。気合や根性より、環境と仕組みで支えるほうが長期的な継続につながるでしょう。

朝勉強と夜勉強の比較(表)

項目朝勉強の特徴夜勉強の特徴
脳の状態睡眠後でリフレッシュ
思考力・集中力が高い
疲れが残る可能性あり
暗記作業や復習に向いている
相性の良い学習内容演習系暗記系
環境早朝は人が少なく静か
日光で覚醒しやすい
深夜帯は一層静か
時間延長もしやすいが睡眠不足に注意
メリット脳が冴えている
生活リズムを整えやすい
まとまった勉強時間を確保しやすい
記憶の定着が促されやすい
デメリット起床が難しい場合がある
時間が限られる
睡眠不足になりやすい
翌日に疲労が残る場合がある
睡眠・健康への影響規則正しいサイクルを作りやすい
朝型習慣で日中のパフォーマンスがアップ
夜型だと睡眠が乱れやすい
健康維持のための工夫が欠かせない

この表で示すように、朝勉強と夜勉強にはそれぞれ特徴があり、どちらにも利点と注意点があります。朝型に向いている人は、朝のゴールデンタイムを活かして応用問題などをこなし、夜は軽めの暗記や準備程度に抑えるのが効果的です。夜型の人は、暗記や復習を夜のうちにこなしておき、最低限の睡眠時間を確保したうえで翌朝のアウトプットを検討するなど、バランスをとってください。

まとめ

朝勉強、夜勉強にはそれぞれメリットがあります。
朝は頭を使うものを、夜には頭を使わず、シンプルに暗記すればよいものを勉強することが効率的です。

ただし、中高生、浪人生どちらも学校や予備校の授業は朝からあるでしょうし、受験本番も朝早くから入試を受けることになります。
そのため、朝型にできるのであれば朝型の生活サイクルにしておき、夜中の勉強は避けましょう。

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