受験

【中学受験】理科「金星」を超わかりやすく解説

「明けの明星と宵の明星、どっちが朝でどっちが夕方だったか分からなくなる」
「金星はなぜ真夜中に見えないの?どうして大きさまで変わるの?」

中学受験の理科で、金星は月の満ち欠けと並ぶ天体分野の頻出テーマです。ところが、用語だけを覚えた子は「明けの明星」と「宵の明星」を逆にしてしまったり、「金星は真夜中に南中する」といった定番のひっかけに引っかかってしまうことがあります。

この主な原因は、太陽・金星・地球の位置関係を立体でイメージできていないことです。
「金星は地球の内側を回っている」という一点をおさえれば、見える時間・方角・満ち欠け・大きさの変化まで、すべて同じ考え方で説明できます。

本記事では、金星が満ち欠けする理由から、明けの明星・宵の明星、なぜ真夜中に見えないのか、見かけの大きさが変わるしくみ、月や外惑星とのちがい、入試の覚え方、確認クイズまでを塾講師の視点で順番に整理します。平面の図でイメージしづらい部分は、無料の3Dツールで金星を公転させながら確認してみましょう。

この記事でわかること
  • 金星が満ち欠けする理由(内惑星で、太陽の光を反射しているから)
  • 明けの明星・宵の明星の、見える時間と方角(明け=東/宵=西)
  • 【頻出】なぜ金星は真夜中に見えないのか(太陽の近くにしか現れないため)
  • 金星の見かけの大きさと形が変わるしくみ(近い=大きく細い/遠い=小さく丸い)
  • 月の満ち欠けとのちがい、外惑星(火星・木星)とのちがい
  • 入試の覚え方・定番のひっかけ対策と、理解度を確かめる確認クイズ
服部貴哉

この記事を書いた人

服部貴哉

受験アドバイザー

神奈川大学附属中高→慶応義塾大学法学部→総合商社→LEFYにて中学受験および中高一貫校生をサポート。サピックス・グノーブルをはじめ大手集団塾生徒のサポート経験が豊富。

金星はどんな星?(地球の内側を回る「内惑星」)

細かい話に入る前に、いちばん大事な事実をおさえましょう。金星は、地球のすぐ内側を太陽のまわりに回っている惑星です。このように地球より内側を回る惑星を内惑星(ないわくせい)といい、金星と水星がこれにあたります。

  • 金星は自分では光っていません太陽の光を反射して光って見えます(これは月と同じ)。
  • だから、太陽・金星・地球の位置関係が変わると、地球から見える「光った部分」が変わり、月のように満ち欠けして見えます。
  • 金星は太陽・月の次に明るく見える星です。だから「明星(みょうじょう)」と呼ばれます。

つまり「金星は内惑星で、太陽の光を反射している」。この2つをおさえれば、見える時間や方角、満ち欠けや大きさの変化も、ここから順に説明できます。

明けの明星・宵の明星(見える時間と方角)

金星は太陽の近い方向にしか見えません(理由は次の章でくわしく説明します)。そのため昼間は太陽がまぶしくて見えず、金星が見えるのは夕方明け方のどちらかになります。※条件がよければ金星は昼間の青空の中でも肉眼で見えることがあります。

  • 宵の明星(よいのみょうじょう)…金星が太陽を追いかけるように沈む位置にあるとき。日の入りのあと、西の空に残って見えます(夕方)。
  • 明けの明星(あけのみょうじょう)…金星が太陽より先に昇る位置にあるとき。日の出の前、東の空に見えます(明け方)。

宵の明星(夕方・西の空)と明けの明星(明け方・東の空)

宵の明星(日の入り後) 西の空 太陽 沈んだあと 金星(宵の明星) 太陽を追って沈む 明けの明星(日の出前) 東の空 太陽 昇る前 金星(明けの明星) 太陽より先に昇る
金星は太陽の近くにしか現れないので、見えるのは夕方か明け方だけ。太陽を追いかけるように沈むのが宵の明星(夕方・西の空)太陽より先に昇るのが明けの明星(明け方・東の空)です。

明け・宵を一発で覚えるコツ

  • 「宵」は夜のはじめ=夕方=西「明け」は夜明け=明け方=東。日本語の意味そのままでセットにすると逆になりません。太陽が沈む方が西、昇る方が東。金星はその太陽のすぐそばにいる、と結びつければ迷いません。

なぜ金星は真夜中に見えないの?

これは入試でよく出るひっかけです。金星は地球の内側を回っているため、地球から見るといつも太陽の近い方向にしかありません。太陽から大きく離れることがなく(最も離れても約47°まで)、太陽の正反対の方向には決して来られないのです。

真夜中とは、自分のいる場所が太陽の正反対を向いている時間帯です。金星は太陽から大きく離れられないので、中学受験で扱う通常の観察では、金星は真夜中の空には見えません。。同じ内惑星の水星も同じ理由で真夜中には見えません。

定番のひっかけに注意

  • ! 「金星が真夜中に南中する」「金星が一晩中見える」はすべて誤り。金星は太陽のそばにしかないので、真夜中に見えることも、真夜中に南中することも、一晩中見えることもありえません。選択肢で見かけたら即座に×にできます。

金星の満ち欠けと「大きさ」が変わるしくみ

金星でとくに間違えやすいのがここです。金星は満ち欠けの形だけでなく、見かけの大きさまで大きく変わります

理由は、金星も地球もそれぞれ太陽のまわりを回っているため、地球と金星の距離が大きく変わるからです。金星が地球と太陽の間に来る側(内合(ないごう)側)では地球に近づき、太陽の向こう側(外合(がいごう)側)では遠ざかります。月は地球のまわりを回るので距離がほぼ一定ですが、金星はちがうのです。

近いほど大きく細い/遠いほど小さく丸い

上から見た位置関係 太陽 地球 内合(近い) 外合(遠い) 最大離角 距離が大きく変わる 地球から見た金星 大きく細い (内合の前後・近い) 半月の形 (最大離角) 小さく丸い (外合の前後・遠い)
金星は地球に近い(内合の前後)ほど大きく見えますが、光った面の裏側を向けるので細い三日月形に。遠い(外合の前後)ほど小さくなりますが丸く見えます。「大きい=細い/小さい=丸い」という逆の関係が最大のポイントです。※内合・外合のちょうどのときは太陽と同じ方向になり、見えません。傾き・大きさは見やすく強調しています。

「大きい=細い」が最頻出のひっかけ

  • ! ふつうは「近い=大きく丸い」と思いがちですが、金星は逆。近いときほど大きく、しかも細い三日月になります(地球と太陽の間に来て、光った面の裏を向けるから)。図やグラフで「大きいのに細い」を選べるかが勝負どころです。

月の満ち欠け・外惑星とのちがい

金星の満ち欠けは月とよく似ていますが、決定的にちがう点があります。表で整理しましょう。

  金星
何の周りを回る 地球の周り 太陽の周り(地球の内側)
満ち欠け する する
見かけの大きさ ほぼ一定 大きく変わる(近い=大/遠い=小)
見える時間 満ち欠けにより、一晩中見えることも 夕方か明け方だけ(真夜中×)

もう一つ、外惑星(がいわくせい)(地球より外側を回る火星・木星・土星など)とのちがいもおさえましょう。

真夜中に見える惑星=外惑星

  • 火星・木星・土星などの外惑星は地球から見ると太陽に照らされた面の大部分が見えるため、金星のような大きな満ち欠けはしません。。逆に、金星や水星(内惑星)は真夜中に見えず、満ち欠けする。「真夜中に見える惑星なら外惑星」と覚えておくと判別問題で迷いません。

3Dツールで金星を公転させて確かめよう

「近いと大きく細い、遠いと小さく丸い」は、止まった図だと大人でもイメージしづらいところ。LEFYの無料3Dツール「金星の満ち欠け」では、操作はシンプルで、「金星の位置」スライダー(公転再生もできます)で金星を動かすだけ。動かしながら、次のことが一目で確認できます。

  • 金星が地球に近づくと大きく・細く遠ざかると小さく・丸くなる変化
  • 金星が夕方の西の空(宵の明星)明け方の東の空(明けの明星)に分かれて見える理由
  • 金星が太陽の近くから離れないこと(=真夜中に見えない理由)

理解度チェック!確認クイズ

ここまでの内容が身についたか、クイズで確認しましょう。答えはタップ(クリック)で開きます。

金星が満ち欠けして見えるのはなぜ?

A. 金星は地球の内側を回る内惑星で、自分では光らず太陽の光を反射しているから。太陽・金星・地球の位置関係が変わると、光って見える部分が変わります。

夕方、西の空に見える金星を何という?

A. 宵の明星。太陽を追いかけるように沈むので、日の入り後の西の空に見えます。明け方・東の空に見えるのは明けの明星です。

金星が真夜中に見えないのはなぜ?

A. 金星は地球の内側にあり、いつも太陽の近い方向にしか見えないから(太陽から最大でも約47°)。真夜中(太陽の正反対)には現れません。

金星が地球に近いとき、見かけの形と大きさはどうなる?

A. 大きく、細い三日月形に見えます。地球と太陽の間に近づき、光った面の裏側を向けるためです。遠いときは小さく丸く見えます。

真夜中に見えることがあるのは、内惑星と外惑星のどちら?

A. 外惑星(火星・木星・土星など)。地球の外側を回り、太陽と反対方向にも来られるためです。内惑星の金星・水星は真夜中には見えません。

金星の覚え方・つまずき対策

  • まず「内惑星+反射」。金星は地球の内側を回り、太陽の光を反射する。ここから見える時間も形も導ける。
  • 明け=東/宵=西。「宵=夕方=西」「明け=明け方=東」と日本語の意味でセットにする。
  • 「真夜中に見える・真夜中に南中・一晩中見える」は×。金星は太陽のそばにしかないので、これらの記述が出たら誤り。
  • 「近い=大きく細い/遠い=小さく丸い」。大きさと形が逆になるのがポイント。図の判別問題でよく問われる。
  • 真夜中に見える=外惑星。内惑星(金星・水星)と外惑星(火星・木星・土星)の対比で覚える。

現役塾講師目線のポイント

  • 1 金星は「用語の暗記」より「太陽との位置関係」。内惑星という一点から、見える時間・方角・形・大きさをすべて説明できる子は崩れません。
  • 2 大きいのに細い」は定番の落とし穴。形と大きさが逆になる理由を、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
  • 3 立体がイメージできない子は、3Dで一度「腑に落とす」のが最短。納得してから用語を覚えると、定着が段違いです。

まとめ

  • 金星は内惑星で、太陽の光を反射するから満ち欠けする。
  • 宵の明星=夕方・西の空明けの明星=明け方・東の空
  • 太陽の近くにしかないので、真夜中・南中・一晩中はありえない
  • 地球との距離が変わるので、近い=大きく細い/遠い=小さく丸い
  • 真夜中に見える=外惑星(火星・木星など)。内惑星の金星・水星は見えない。

金星は「覚える」より「立体で理解する」ほうが、形・大きさ・見える時間が変わる応用問題に強くなります。金星の満ち欠けの3Dツールも使いながら、得点源にしていきましょう。

よくある質問

金星が満ち欠けするのはなぜですか?

金星は地球より内側を回る内惑星で、自分では光らず太陽の光を反射して光っています。太陽・金星・地球の位置関係が変わると、地球から見える光った部分が変わるため、月のように満ち欠けして見えます。

明けの明星と宵の明星のちがいは何ですか?

明けの明星は、明け方に東の空に見える金星(太陽より先に昇る)。宵の明星は、夕方に西の空に見える金星(太陽を追いかけて沈む)です。「宵=夕方=西」「明け=明け方=東」と覚えると逆になりません。

金星が真夜中に見えないのはなぜですか?

金星は地球の内側を回るため、地球から見るといつも太陽の近い方向にしかありません(太陽から最大でも約47°)。真夜中は太陽の正反対を向く時間帯なので、金星はその空に現れず、真夜中には見えません。

金星の見かけの大きさが変わるのはなぜですか?

金星も地球もそれぞれ太陽のまわりを回っているため、地球と金星の距離が大きく変わるからです。地球と太陽の間に近づく(内合側)と大きく見えますが細い三日月形に、太陽の向こう側(外合側)に遠ざかると小さく見えますが丸く見えます。

金星が苦手な子に、家庭でできるサポートはありますか?

まず「金星=内惑星・太陽の光を反射」という出発点を固め、「明け=東/宵=西」「真夜中は見えない」をセットで結びつけましょう。そのうえで、金星の満ち欠けの3Dツールで金星を公転させ、形と大きさの変化を立体で確認するのがおすすめです。立体で納得できると、用語の暗記も楽になります。

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  • 東大、早慶以上の大学生・大学院生講師(かつ難関私立中高一貫校卒)
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