本記事では、慶應の日本史の特徴と対策を学部別に解説していきます。
また、慶應の日本史で十分な点数を取るためにおすすめの参考書もご紹介します。
慶応義塾大学を志望する受験生の方は、ぜひ参考にしてみてください!
慶應義塾大学の一般入試における日本史では、基本問題から高難易度の記述問題まで幅広く出題されますが、記述問題をメインに出題する学部もあれば、すべてマーク式の選択問題だけを出題する学部もあるため、各学部に特化した対策が必須となります。
以下では、日本史で受験できる、慶應の法・商・経済・文学部それぞれの日本史の特徴と対策、勉強方法についてお伝えしていきます。
慶應の日本史の特徴と対策・勉強法
法学部
特徴
試験時間 | 60分 |
配点 | 100/400 |
大問数 | 4題 |
形式 | マークシート |
問題構成 | 史料問題・空欄補充問題・4~5択の正誤問題 |
法学部の日本史は、難易度がきわめて高いことが特徴です。
難問が多く、慶應法学部の日本史は私立大学の日本史試験の中でも最難関レベルです。
問題の形式にも特徴があり、慶應の学部で唯一、すべてマーク形式で出題されます。
選択肢となる語群も非常に多く、1文字違いなどの引っ掛けの選択肢も存在するため、形式に慣れておかなければかなり時間がかかってしまいます。
文化史・政治史・外交史からの出題が多く見られ、空欄補充や史料問題、正誤問題、年代整序等の問題が出題されます。時代はまんべんなく出題されますが、近年では近・現代史の出題割合が高くなっています。
対策
法学部の問題では、非常に細かい知識が求められます。
そのため、普段の勉強においては、教科書にわからない用語があれば用語集で都度確認して覚えるなどして、細かい知識まで定着させることを心がけましょう。
ただし、難しいものばかりに目を向けて基礎を疎かにすることのないよう注意してください!
入試に向けて意識して欲しいこととして、選択肢の多いマーク形式に慣れておくことが挙げられます。選択肢が多いうえ、難しい問題が多いため、わかるものから解いて選択肢を絞り込んでいくなどして、素早く正確に解き進められるよう過去問演習を繰り返しましょう。
また、特に江戸・明治時代と戦後史が頻出なため、受験まで時間がない場合は近・現代史の対策を優先させましょう。
商学部
特徴
試験時間 | 60分 |
配点 | 100/400 |
大問数 | 3題 |
形式 | マーク式・記述式 |
問題構成 | 空欄補充問題・論述問題・一問一答問題・説明問題 |
商学部は他学部に比べると、難問は全体の約1割程度と少なく、比較的高得点での争いになります。
問題にもあまり大きな特徴がないため点数が取りやすい学部であると言えます。
法学部と同じくマーク式で語群数の多い空欄補充問題や一問一答で語句を問われる記述問題、10~60字程度の説明問題と幅広く出題されます。
一方で史料問題はあまり出題されません。
出題範囲には経済史・外交史・社会史からの出題が多く見られます。
時代としては近・現代史が頻出で、2020年度、2021年度では大問3問のうち2題が近・現代史から出題されました。
対策
商学部では、他の学部と比較すると基本的な問題が多く出題されます。
そのため、普段の勉強では基礎をしっかり固めておくことを意識しましょう。
入試に向けては、法学部と同じく問題の形式に慣れるために過去問演習を繰り返しましょう。
マークの仕方にやや特徴があるため、事前に問題形式に慣れておくことでケアレスミスを無くし、かける時間を短縮しましょう。
また、戦後の経済史や外交史が頻出であるため、各テーマでの時代の流れを押さえておき、説明問題に対処できるようにしておくと良いと思います。
経済学部
特徴
試験時間 | 80分 |
配点 | 150/420 |
大問数 | 3題 |
形式 | 選択式・記述式 |
問題構成 | 空欄補充問題・論述問題・年代整序・正誤判定 |
経済学部の特徴は、「1600年以降を中心」に出題するされる と大学が発表していることにあります。
室町時代から出題されることも稀にありますが、基本的には江戸時代以降の問題が出題されます。
出題範囲が狭いため、ほぼ毎年出題される年代整序問題では、出来事の起きた月まで覚えていないと解けないものもあります。
また、特に論述問題では過去問と非常に類似した内容が出題されることがあります。
問題形式としては、30~130字の論述問題が約7~8題出題されます。
出題範囲としては、経済史・政治史・外交史からの出題が多いです。
特に戦後の外交史においては、世界史と繋がるような問題も多く出題されます。
対策
経済学部の対策については、年代整序問題と論述問題のそれぞれに分けてお伝えします。
■年代整序問題:
経済学部の年代整序問題では月まで問われ、流れを理解していなければ解けない問題が多く出題されます。
そのため、事件のきっかけやどう発展していったか、その事件の結果何が起きたかなど必ず流れを押さえておきましょう。
戦後史に関しては流れが関係ない年代整序問題もありますので、重要な出来事に関しては年号と月まで覚えておいても良いと思います。
■論述問題:
論述問題では過去に出題された問題と非常に類似した問題が出題されることもあるため、過去問演習を徹底し、過去に出題されたものは完璧に書けるようにしておくことで点数を伸ばすことが出来ます。
また、年代整序問題と同じく出来事の流れを押さえ、それを自分の言葉で説明できるようにしましょう。
論述問題に字数制限は無く、解答欄に合わせてどの程度詳細に記述するかを自分で考える必要があります。
入試本番までにあらかじめ解答用紙を実際に使用して、どの程度の枠内にどの程度の文章量を書けるのかを確かめておくことも大切です。
文学部
特徴
試験時間 | 60分 |
配点 | 100/350 |
大問数 | 5題 |
形式 | 選択式・記述式・論述式 |
問題構成 | 空欄補充問題・一問一答問題・論述問題 |
文学部の特徴としては、100字程度の論述問題が2題出題されることと、問題数が全部で50~60題と比較的多いことの2点が挙げられます。
論述問題に関しては、基本問題から経済の仕組みや出来事の流れを問う問題まで、様々出題されます。マーク式の問題が約30題、記述問題が約20~30題出題されますが、論述問題以外の難易度は比較的易しいため論述問題の出来が鍵となります。
大問5題のうち、大問1・2が選択式の空欄補充問題、大問3が記述式の空欄補充問題、大問4・5が史料をベースとした記述問題・論述問題です。
空欄補充問題では語群に解答がなく、0を選択する問題もあります。
政治史・外交史・文化史が頻出で、時代は幅広く出題されますが、特に前近代の出題割合が高くなっています。
対策
文学部の日本史の攻略ポイントは、難問に時間をかけることなく、わからない問題は飛ばして、論述問題を優先して解いて得点を稼ぐことです。
そのため、日々の勉強や過去問演習においては、論述問題以外を素早く正確に解くことを意識しましょう。
論述問題に関しては経済学部と同じく、出来事の因果関係に注意するなど、歴史の流れを押さえて説明できるようにしておきましょう。
史料問題が必ず出題されるため、対策は必須です。
教科書に乗っているような基本的な史料に関してはその史料の説明まで必ず目を通し、出題されたときに解けるよう、史料の意味を覚えておきましょう。
慶應対策にオススメの参考書・問題集
慶應の各学部の日本史の特徴と、対策・勉強方法を見てきました。
どういう勉強が必要かはわかったけど、
「でも、なにを使って勉強すればいいの・・・?」
となっている方もいると思います。
LEFYがオススメする、慶應に合格するために参考書・問題集をご紹介します。
『日本史B一問一答 【完全版】』(東進ブックス)
日本史B一問一答は圧倒的な問題数が掲載された問題集です。
問題の難易度によってレベル分けがされており、星3~2は共通テストレベルの基礎問題、星1~0は難関私立大にも対応した細かい知識問題が出題されています。
この問題集を完璧にすることで早慶レベルの問題にも対応できる力を身に着けることが出来ます。
まずは星3~2の問題を完璧に覚え、星1~0にも挑戦していきましょう。
『石川晶康 日本史B講義の実況中継』(語学春秋社)
実況中継は、河合塾の講師石川先生による授業を書き起こした形式で書かれている参考書です。
教科書よりもかみ砕いた表現でわかりやすく日本史の流れが記載されています。
史料や細かい知識まで掲載されており、本誌をしっかりと身に着けることでMARCH~早慶レベルの知識を得ることが出来ます。
特に、出来事の流れを理解しやすく、記述問題が出題される文学部や経済学部を志望する方におすすめです。
『日本史用語集』(山川出版)
日本史用語集は、多くの方が学校で使っている日本史の教科書『詳説日本史B』に対応した日本史の用語集です。
約9800語の用語を収録しています。
教科書だけでは理解できないときや、過去問演習の中で知らない用語に合った時にこの用語集を引くことで、知識を定着させることができます。
法学部や商学部で選択肢の多い問題が出題されたときに、この用語集を使って知らない用語を調べることをおすすめします。
まとめ
以上、慶應の日本史の特徴と対策、参考書について見てきました。
合格のためには、志望学部の出題傾向を掴み、特化した対策を行うことが不可欠です。
日本史で得点を取れるように試験問題を分析し、しっかり対策しましょう!
慶應を目指す受験生は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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