学校によって異なると思いますが、多くの場合、高校2年生になるタイミングで文系・理系を選択することになると思います。加えて、選択科目というものがあり、これも選ばなければなりません。
文系・理系の選択でさえ、かなり多くの方が悩むところだと思います。その上科目まで選ばなければならず、非常に頭を悩ませる方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、選択科目の選び方を、特に文系の社会科目に焦点をあててご紹介していきます。
各科目の特徴などについても解説していますので、文系の方はもちろん、理系で国立大学を志望する方も共通テストで使用することになると思いますので、ぜひ本記事を参考にしてみてください!
最大2科目を勉強すればいい!
まず、一般選抜方式で文系の学部への進学を希望する場合には、基本的には社会はほぼ必ず勉強することになります。2023年度の入学試験では、大学受験の社会科目は以下の6科目があります。
2023年度の共通テストでは「日本史(A/B)」、「世界史(A/B)」、「地理(A/B)」、「現代社会」、「倫理」、「政治・経済」、「倫理、政治・経済」の6科目10形式の受験方式があり、最大2科目までを選択し、解答します。
なお、日本史・世界史・地理のA/Bというのは、AよりもBのほうが内容が深く、主に理系の方はAまで、文系の方はBまで学習することになります。
また、多くの方は共通テストと本番の入試で同じ2科目を使うと思いますので、他の4科目は受験で使わないことになります。
1科目じゃダメなの?
社会は最大2科目を選択すると書きましたが、大学の学部や受験方式によっては1科目で十分な場合があります。
共通テスト利用、大学ごとの試験(共通テストの結果は関係ない)、共通テストと大学ごとの試験の調整合算、など大学・学部によって評価の仕方が異なります。
そしてその中には、1科目しか社会科目が求められない学部もあります。そのため、そのような特定の学部だけの合格を目指すのであれば社会は1科目だけで問題ありません。ただし、併願校では2科目求められる可能性もありますので、自分の志望校・志望学部の入試要項を調べて判断しましょう。
なお、私立大学独自の試験や国立の2次試験など、大学ごとの試験では日本史、世界史、地理、公民(現代社会、倫理、政治・経済の複合など)の4科目から選択することが多いので注意してください。
それぞれの科目の特徴は?
どんな人におすすめ?
では、それぞれの科目にはどのような特徴があるのでしょうか?ここでは受験科目として選択されることの多い日本史、世界史、地理、倫理・政治経済に関して暗記量や求められる知識の細かさ、共通テストでの傾向を解説し、どのような人に向いているかを紹介していこうと思います!
世界史
世界史の暗記量は社会科目の中ではかなり多い方だと思います。世界の各地域の出来事を時系列順に覚えた上で、同時期に起こっている出来事の関連性を意識すること(いわゆる「タテとヨコの理解」)も必要となりますので、大量の暗記をしたうえで、それらを整理していかなければなりません。
一方で、細かい知識を問うものは少なく(一部難関私大では出題されることもありますが)、教科書レベルの内容を完璧に暗記・整理することができれば高得点を取ることができます。
暗記が得意な人にはかなりおススメです。共通テストでは他の社会科目に比べ、その場で論理的に考える必要のある問題が少なく、満点が狙いやすい傾向にあると思います。また、世界史はカタカナ名が多く登場し、日本史は漢字が多く登場しますので、どちらが覚えやすいかという観点で選んでもよいかもしれません。
日本史
実は日本史は世界史と同じくらい覚えることがあります。日本の歴史を学ぶので暗記量は世界史ほど多くないと想像する方も多いと思いますが、細かい知識をインプットする必要があり、暗記量の面では世界史とあまり大きな差はありません。
史実と史実の間の因果関係を問うような問題も出題されることがあり、細かい点も踏まえながら、歴史の流れを丁寧に把握していくことが必要です。
共通テストについては、資料読み取りなど、知識を前提にその場で考える問題がしばしば出題されるため、世界史と比べると満点を取りづらいかもしれません。
一方で、小学生・中学生の時に勉強して知っていたり、大河ドラマなどを見てなんとなく名前を聞いたことがあったりと、そもそも日本の歴史ですから、世界史よりも馴染みがある可能性もあるので、これらの点から判断してみましょう。
地理
地理は、暗記量の面では日本史や世界史と比べると負担が軽いと言えます。世界史・日本史と比べ、知識の面ではなんとなく知っていることが多く、暗記することが少なく感じるはずです。
また、2次試験ではグラフや表などを読んで答える問題、教科書や参考書に記載されていないトピックを前提となる知識を用いて考える問題など、学習した知識を踏まえながら、その場で論理的に考えて解く問題が多い傾向にあるため、細かい知識を覚えていなくても対応できることが多いです。
したがって、細かな知識を覚えるのが苦手・身についている知識をベースに柔軟な思考をすることが得意な人におすすめです。
ただし、共通テストにおいても2次試験同様、その場で考える問題が多く、6-7割はすぐに取ることができるようになるものの、9割以上を取る難易度は世界史・日本史と比べると高いでしょう。
倫理政経
最後に倫理政経についてご紹介します。倫理は哲学史のような内容で、政経は政治経済と、文字のごとく、政治・経済に関することを学びます。政治経済については時事問題も多いです。
受験で使うもない、といった感じでしょうか。また、論理的思考も求められますので、この点では地理に似ており、満点を狙う難易度は高いかもしれません。
そもそも倫理や政治経済は中学・高校でも勉強することが少なく、馴染みがあまりない方も多いと思いますので、新たな勉強に意欲的であり、倫理・政治経済に興味をもつことができる方にはオススメです。
どの科目を組み合わせればいい?
特に国立大学など、受ける大学によって社会が2科目必要である人も多いと思います。得意不得意・興味の有無も大切ですが、各科目の関連性も知っておいたほうがいいでしょう。
ここではおすすめの組み合わせをご紹介します!
世界史&地理
世界史では、事件が起こった場所や都市の場所などを把握したり、歴史の流れを地理的なイメージを伴いながら暗記・理解する必要があり、地図を頻繁に参照します。
また、地名の絡んだ単語も頻繁に登場し、地理を勉強していると素早い理解につながります。さらに、地理を学ぶ際も世界史で学んだ出来事と関連付けることができるなど、関連性が高く、かなりおススメの組み合わせです。
世界史&倫政
倫理で学ぶ思想や哲学、政治で学ぶ政治史などは世界史と関連することが多く、関連した範囲については効率的に学習することができます。
また、以下で紹介する日本史と世界史の組み合わせは高得点を狙うことができる組み合わせではありますが、負担がかなり大きくなるため、世界史と地理でなければ世界史と倫政、といった考えで選ぶ方も多いかもしれません。
日本史&世界史
もちろん歴史なので、一部関連するところはありますが、比率で言えば関連する範囲は多くありません。また、どちらも非常に暗記量が多い科目ですので、他の組み合わせと比べるとかなり大きな負担になると思います。
ただし、どちらも地理・倫理政経と比べるとテストで高得点を狙いやすい科目であるため、高得点を狙いたい人にはオススメです。勉強が不十分だと地理・倫政よりも低い点数となってしまう可能性があることには注意してください。
最後に
各科目の特徴をざっくり説明してきましたが、志望校に応じて科目を選択することも重要です。大きな傾向として、私立大学では細かい知識を求められることが多い一方で、国立大学においては記述がメインです。例えば、東京大学を目指すのであれば、細かい知識よりも、因果等を踏まえた歴史の大きな流れを把握し、それを記述できるようにすることが大切です。
そのため、細かい知識ばかりを覚えようとしていても、国立の2次試験で太刀打ちできなくなってしまいますし、大きな流ればかりを意識して細かい知識をおろそかにしてしまうと、併願校の私立大学の合格が危うくなってしまう可能性があります。
これらの点を総合的に考慮しながら、効率的に最短ルートで勉強していくことが大切です。志望校、選択科目、そして国立・私立どちらも意識した勉強の仕方などでお悩みがあればぜひLEFYにご相談ください。
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