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【2023年版】現役東大生が東大文系数学の難易度や勉強法を解説!おすすめの参考書も紹介!

東大を受験するにあたって、文系の皆さんが特に苦労するのが「数学」だと思います。

「どのように勉強したらいいのかがわからない」
「参考書がたくさんあって何を使えばいいのかがわからない」

そんな不安を抱えている方も多いでしょう。

今回は、皆さんのそんな不安を払拭するべく、東大文系数学の勉強法やおすすめの参考書などを紹介していきます!

配点・試験時間・合格者平均点は?

まずは、東大文系数学の基本情報を見て見ましょう!

文系数学は4つの大問で構成されていて、80点満点です。各大問の配点は公式には発表されていませんが、各予備校の模試などでは、1問20点だと考えられています。

試験時間は文一・二・三共通で100分となっているので、大問1つあたりに25分程度かけることができ、比較的じっくり考えることができます。

では、実際に合格した人々は何点程度とっているのでしょうか。下の表に過去数年の数学の合格者平均点をまとめて見ました。

これを見ると、4~5割取れれば、十分合格ラインにいることがわかりますね。
(上の表では文科三類のものを載せていますが、文一、二についても1~3点高くなる程度でほとんど変わりはありません。)

  東大文系数学の難易度

上で合格者平均点を見ましたが、「東大文系数学は難しいし、合格者平均点になんて届かない」そう思っている受験生は多いと思います。

しかし、正しい勉強法で練習量を積んだ後に、実際に問題を見てみると「思っているほど難しくはない」という感想を抱くと思います。もちろん、日本最高峰の大学の入試なので、決して簡単ではありません。しかし、京大や一橋、早慶などの他の大学に比べると東大の問題は癖がない問題が多いのです。

数学の地頭力が求められる、いわゆるひらめきはあまり重視されず、教科書レベルの数学をどこまで使いこなせるかが重視されています。後述するような勉強法をしっかりとこなせば、決して点が取れないような難易度ではないのです!

東大文系合格には数学は何点必要?

そもそも、数学は捨てていいのか?

東大文系受験生の多くが一度は「文系なら数学を捨ててもいいのでは?」と思ったことがあるのではないでしょうか。たしかに、これまで見てきたように合格者でさえ5割程度しか取れていません。加えて、1問あたりの配点が高く、自分の苦手な問題ばかりが出題された場合には、壊滅してしまう・・・といったように運要素があることも否めません。そのため「数学を捨ててもいいのではないか」といった考えに陥ってしまうことも理解できなくはありません。

しかし、東大文系の確実な合格を目指すのであれば、そのような考え方は改めるべきです!

目標点数は?

勉強法などの前に、まずは何点取ればいいのかを確認していきます。先ほど、合格者平均点を見ましたが、あれはあくまで平均点なので必ずそれ以上の点数を取らなければならないというわけではありません。二次試験は合計点勝負です。数学の得意不得意や他の科目の出来などを吟味して総合的に目標点数を決める必要があります。本来であれば、より細かく要素を吟味して決めるべきですが、この記事では、実際に東大に合格した人たちの意見なども鑑みて、ざっくりとした目標点数と完答問題数の目安を以下に示すので参考にして見てください!

東大の文系数学では例年2〜3つの大問は(1)(2)のように小問に分かれています。その小問の(1)などは教科書の基本レベルの問題であることが多いです。

上の表中の「半」というのは、点をそうした簡単な小問で取ること、もしくは、後述するように大問全体として正解までたどり着けなくとも、途中過程で部分点を取ることで、ある大問で20点中10点前後の点数を取ることを指します。

毎年の難易度も違うので一概には言えませんが、数学が苦手な人に関しては、合格者平均からの差が10~15点は取れるようにしましょうそれ以上の差がついてしまうと取り返す労力が大きくなってしまいます。そして、後述の採点基準を理解し、正しい勉強法をきちんとこなせば、数学が苦手な人でもそれ以上の点数を取れる可能性が高いです!

採点基準は?部分点が重要!

「東大文系数学」は難しくない!と言ってきましたが、実際に東大文系数学の過去問などを見てみると、「受験者平均点すら取れる気がしない」ということが往々にして起こります。

それは、東大の採点で、あなたが思っているよりも「部分点」多くくれることが一つの原因となっています。

東大の採点では途中の過程が非常に重視されます。答えが間違っていたり、出せなかったりしても途中の方針さえあってれば大きく部分点をくれます。実際に東大に受かった人でも、一問も完答できていないにもかかわらず40点近くとっている人も何人も見てきました。重要なのは、正しい指針を立てて、それを論理的に日本語を交えて説明することです。数学が苦手な人でも、これに気をつけて勉強することで、実際の入試で確実に得点を伸ばせるでしょう!

東大文系数学の頻出分野

これまで、色々と『「東大文系数学」は怖くない!』という話をしてきましたが、そうはいっても、「IA/IIBで数多の単元があり、その全てを東大で部分点を狙えるレベルまで持っていくのはしんどい」「どの単元から手をつけたらいいかわからない」などという疑問もあると思います。そんなみなさんに朗報です!東大の文系数学は頻出分野が非常に明確に決まっているのです!

下の表にまとめたので、ご覧ください!

毎年、この5つのうちからほとんどの大問が作られます。
例えば、2022年では以下のような構成になっていました。

これら分野を重点的に勉強することが、東大文系数学突破への大きな一歩となるでしょう!以下で、詳しく東大文系数学突破のための勉強法を見ていきましょう!

東大文系数学で目標点数を取るための勉強法

「東大では部分点が重要」「頻出分野を対策しよう」などと述べてきましたが、ここではいよいよ「どのようにしたら部分点がとれるのか」「頻出分野の対策はどうするのか」という疑問に答えるべく、具体的な勉強法を説明していきます!

結論から言うと、東大の文系数学は主に三つのステップを踏んで勉強していくことが重要になってきます。「解法暗記」「実践力向上」「過去問演習」の3ステップです!

一つ一つ詳しく見ていきましょう!

解法暗記

数学の勉強の根幹であり、最も重要な要素は「解法の暗記」です。

入試で出題される問題のほとんどは、受験数学で「基本問題」とされる問題の組みあわせです。東大の入試にしても例外ではなく、教科書の例題レベルの解法を組み合わせることで解ける問題が多いです。

問題文に「問題文にこの文言・この情報があればあの解き方が使える」というように、解法の引き出しを作っておくことで、実際の入試でも正しい指針を立てやすくなり、部分点の獲得にも大きく関わってくるため、「解法暗記」が東大文系数学攻略の第1のステップとなります!目安としては、基本例題・重要例題をパッとみて頭の中で解答の道筋が浮かぶ程度まで演習を重ねましょう!

ここでは、頻出分野のみに集中して演習するのではなく、全分野に同じくらいの力量を持って演習をすることが望ましいです!

実践力向上

第1のステップでは解法の「インプット」を行いましたが、続く第2のステップでは「アウトプット」を行なっていきます。インプットした解法を、少しレベルの高い問題の中で実際に「アウトプット」して自分自身で組み合わせて使ってみることで、解法の引き出しを開けてその中の道具を組み合わせて問題を解く感覚が掴めていくと思います。

また、解法暗記の際の問題とは異なりある程度の長さの記述も必要になってくるので、解説を参考に、解答する際の記述の仕方も練習できます!解く際には式だけでなく日本語も一緒にきちんと記述していきましょう!そうすることによって本番の入試で確実に部分点を狙えるようになります!このステップ2では、先述の頻出分野には特に力を入れ、参考書の問題の解法を見ただけで、解法の道筋が立てられる程度の練度まで持っていきましょう!

高校2年生の終わりまでに数学IAはこの第2ステップまで確実にこなし、数学IIBに関しても、習い終わった単元からどんどんステップ1・2をこなしていき、遅くとも高3の夏前までにはステップ2まで終わらせられるといいですね!

過去問演習

最後のステップが過去問演習です。時期としては、高3に入ってから、遅くとも夏ぐらいからはこのステップに移っていきましょう。先ほども述べた通り、東大には頻出分野がありますが、さらに、その頻出分野の中でも「確率の問題では漸化式が使われがち」「解と係数の関係を利用しがち」「整数では具体的な数を用いて実験することが重要」など、東大独自の癖のようなものがあり、その癖を把握することに非常に重要になってきます。組み合わせる基本解法も多くなってくるので、そうした際の頭の使い方もきたえられます。過去問演習でも、ステップ2同様しっかりと記述をしましょう。そして、学校や塾の先生に記述を見てもらいましょう!自分自身では気づけないような論理の欠陥や記述の癖などを指摘してもらえ、それを改善することで解答技術が洗練されていきます。ここで指針を立てられなかった問題は、ステップ1や2に立ち返ってもう一度復習してみましょう!

上述の勉強法と下で紹介する参考書を組み合わせることで、確実に入試本番での得点力は上がり、先ほど述べた目標点数に到達できる可能性が高くなります!

おすすめの参考書

解法暗記のためのおすすめ参考書

①青チャートI+A、II+B(数研出版)

解答指針を立てる際のベースとなる、解法の定石がわかりやすくまとめられている参考書です。まずは、この参考書をやり込み解法を頭に叩き込みましょう。解法暗記に関してはこの参考書が最もいいでしょう!

実践力をつけるための参考書

①『文系数学の良問プラチカ―数学I・A・II・B』 (河合塾SERIES―入試精選問題集)

問題数は150問近くあり、実際の入試問題からの抜粋が多いため、実践力向上にはもってこいの一冊全分野の良問が揃っているのはもちろん、特に東大文系数学でよく出題される確率、微積分、数列に重点が置かれているのもおすすめポイント。解説が詳しく、別解も豊富に掲載しているので、力がつきやすい良参考書です!

②『1対1対応の演習―大学への数学(数学I、A、II、B)』(東京出版)

入試対策に重きを置いた参考書。入試問題を解くための道具と、その使い方、そしてそれを使いこなすための良問が揃えられています!

解法暗記ができているかの確認にも、それを自分で使いこなす練習にも使えます。問題数は少ないながら、非常に効率よく定石を活用できるように設計されていて、コスパの高いシリーズと言えます!

③『数学Ⅰ+A+Ⅱ+B 上級問題精講』(旺文社)

難関大学の過去問の中から良問を抜き出した一冊

解説編では、最初に問題を解くための考え方を示してくれていて、それを参考に、

分で問題を解く際の解答の指針を立てる助けになると思います!

過去問

①『東大数学で一点でも多く取る方法』(東京出版)

どうやったら部分点を取れるのか、記述する際に何を気をつけなければならないかなどを丁寧に解説してくれる一冊。過去5年分の東大の問題をできるだけ部分点を取れるような記述で解説してくれます。部分点の重要視するにあたって非常に有用な一冊になっています!

②『東大文系数学25ヶ年』(教学社)

東大の過去25年分の過去問題集。東大が聞きがちな解き方などを演習するのにちょうどいい一冊。また、東大は15年や20年前に出した過去の問題を少しアレンジしたような問題を出すこともあるので、その対策にもなる問題集です!

まとめ

本記事の要点をまとめると、以下の4点になります!

この記事の勉強法やおすすめ参考書を参考に、きちんと3ステップの勉強をこなしていけば、東大文系数学は決して怖くはありません!

この記事が受験生の皆さんの参考になると幸いです!

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