受験

【共通テスト 数学】誘導ってなに?乗るためにはどうしたらいい?

「数学は苦手意識が強く、試験で高得点を取れる気がしない…」
「数学ってどうやって対策すればいいの?」
「共通テストの数学は問題が少し特殊で苦手…」

受験生の方の中には、共通テスト数学に対してこのような悩みや不安を持っている方も多いと思います。

共通テストは、奇問や難問は少ないものの、共通テスト独特の形式であり、時間制限が厳しいため、苦戦する方も多いです。

実は共通テストの数学には、誘導がある問題が多く、誘導に気づき、乗ることができればかなり解きやすく、高得点を取りやすくなります。
そこで今回は、「誘導とはなにか」「誘導に気づき、乗るためにはどうすればいいか」を解説していきます。

共通テスト数学の概要

実施日、解答時間、配点

共通テスト数学は、2025年度から数学ⅠA、Ⅰ、ⅡBCに分かれます。

科目解答時間配点
数学ⅠA70分100点
数学ⅡBC70分100点
※2024年度以前はⅡBは試験時間60分

構成

2025年度の共通テストから構成に変更があります。

数学ⅠAでは、数学A範囲の問題がこれまでは選択問題でしたが、選択はなくなり、すべて必答問題となります。

数学ⅡBCはこれまでの制限時間60分から10分長くなり、70分になりましたが、これまでよりも2問、問題数が増えました。
数学Ⅱは必答で、数学B「数列」、「統計的な推測」、数学C「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」の4分野から3分野を選択解答することになります。

共通テスト数学の特徴

共通テストの数学では、日常生活での出来事をテーマとした問題が出題される点が特徴的です。
過去には、短距離走のタイムとストライド、ピッチとの関係を求める問題やバスケットボールの軌道を求める問題などが出題されました。

このような問題では、状況説明や条件設定が記載されており、問題文が長くなる傾向にあります。
問題文を十分に理解できないと、そもそも問題で聞かれていることを理解できなかったり、大きなミスをしてしまう可能性が高くなります。
つまり、共通テストの数学で高得点を取るためには、数学的思考能力や計算力だけでなく読解力や素早く正確に情報を処理する力も鍛える必要があります。

くわえて、問題数が多く、各大問ごとに(1)(2)(3)…と進むごとに問題が難しくなっていく傾向にあります。
そのため、素早く正確に題意や条件を把握し、テンポよく問題を解いていく必要もあります。

こういった共通テストの数学を攻略するためには、誘導」を意識することが大切です!
誘導に気づき、活かすことができれば、共通テスト数学の問題はこれまでよりもスムーズに解くことができるでしょう。

【2025年度】共通テスト 数学の問題作成方針

また、大学入試センターより、以下のとおり、数学の問題の作成方針が発表されています。

素早く正確な情報処理に加えて、深い理解や柔軟な思考力が求められそうです。

日常生活や社会の事象など、初見の題材であったとしても、学んだことを活かして対応する必要があるため、日々の勉強においても、単にそれぞれの問題の解き方を覚えるだけでなく、なぜそのような解き方になるのかを考え、理解していかなければなりません。

しっかりと共通テストに向けた対策をする必要もありそうです。

数学の問題発⾒・解決の過程を重視する。

事象を数理的に捉え,数学の問題を⾒いだすこと

解決の⾒通しをもつこと

⽬的に応じて数,式,図,表,グラフなどの数学的な表現を⽤いて処理すること
及び解決過程を振り返り,得られた結果を意味づけたり,活⽤したり,統合的・発展的に考察したりすること

などを求める。
問題の作成に当たっては,数学における概念や原理を基に考察したり,数学のよ
さを認識できたりするような題材等を含め検討する。

例えば,⽇常⽣活や社会の事象など様々な事象を数理的に捉え,数学的に処理できる題材,教科書等では扱われていない数学の定理等を既習の知識等を活⽤しながら導くことのできるような題材が考えられる。

令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針(347.3 KB)
令和7年度試験の問題作成の方向性、試作問題等

誘導とは何か

誘導とは、ある問題の前の問題がその問題を解くためのヒントになることを言います。

例えば、ある3つの小問(1)〜(3)で構成された一つの大問があるとします。
この大問の(3)が(1)や(2)の答えや考え方をヒントに解きやすくなるとすれば、それは(1)と(2)が(3)の誘導となっていると言えます。

この場合、仮に(1)(2)が存在しないとしても、(3)単体で解くこともできることがほとんですが、もし(3)だけで出題されると、どこから着手してよいか迷ってしまうような難しい問題となっています。

そのため、(1)(2)が、(3)をどこから着手すべきかの切り口のヒントとなっていたり、(1)(2)と同じような作業を進めることで(3)も難易度が高いものの、答えにたどり着けるようになっています。

誘導にのるためには・・・?

誘導を意識する

当たり前のことですが、誘導にのるためには、誘導の存在を意識することが大切です。
目の前の計算などに没頭してしまい、誘導に気づけないこともあるでしょうから、もし迷った時は、
誘導があるかもしれない。前の問題がヒントになってる・・・?」と意識し、前の問題がヒントにならないか考えてみましょう。

問題文をしっかり読む

問題文をしっかりと読み、大問の全容を意識しましょう。

小問ひとつひとつに集中することも大切ですが、一旦、俯瞰的に捉え、大問の意図や流れを意識すると、誘導に気づくことができるかもしれません。

丁寧にしっかりと問題文を読み、どのような状況が描かれているのかどのような条件が設定されているかを丁寧に把握しましょう。

単元を見抜く

どの単元の問題なのか見抜くことも、数学で高得点を取るためには重要です。

先述した通り、共通テストの数学では、日常生活の出来事などをテーマとした問題が出題され、そういった問題は今までに見たことがないため、抵抗感を感じたり、どこからどう考えて良いのかわからず焦ってしまう方も多いと思います。

しかし、単元を見抜くことができれば、過去に解いた問題と同じような手順で考えることで解けることもあります。

単元を見抜くためには経験が大切です。

日々の勉強で意識してほしいこと

次に、試験本番で誘導に乗るために日々の勉強で意識してほしいことを二つ説明します。

普段から誘導を意識する

一つ目は、先ほど説明した「誘導に乗るために意識して欲しいこと」を普段の勉強から意識するという事です。
試験本番は、かなりの緊張感がありますので、日々の勉強から意識しておかなければ、本番で急に実践することは難しいでしょう。

普段の勉強においても、小問が複数ある大問を解くときは誘導を意識し、問題文を丁寧に読み込みましょう。

多くの参考書や問題集は、単元や分野が明示されており、自分で単元を意識することはあまりないかもしれませんので、単元を見抜く練習は、模試や共通テスト、2次試験の過去問でしっかりと対策しておきましょう。

解き方を覚えるだけでなく、よく考え、完璧に理解する

二つ目は、よく考えるということです。

誘導とは、「これは誘導である」と明確に示されているものでなく、自分で気づくものです。そして、誘導の中には、とても気づきづらいものや典型的な誘導とは異なるパターンの誘導も存在します。

そのような誘導の存在に気づき、誘導に乗るためには、各単元、公式、定理などをしっかりと理解し、普段からよく考えて柔軟に対応できるようにすることが大切です。

数学においては解き方や手順を血肉にできるよう、多くの演習をこなすことも必要ですが、解き方を覚えるだけで、十分な理解が伴わないと、誘導に気づくことができないこともありますので注意しましょう。

まとめ

共通テストは時間制限が厳しく、素早く解き進める必要がありますので、誘導にのれるようになった方がよいでしょう。

ただし、誘導に気づき、それを活かすには、十分な基礎学力があることが前提となります。
誘導をはじめ、共通テストをうまく乗り切るためのテクニックのようなものは多く紹介されていますが、そういったものに振り回されることなく、まずはしっかりと満遍なく学習することが大切です。

センター試験から共通テストになった際、リード文、問題文が長くなり、情報を素早く正確に処理する能力が求められたこともあり、今後も、小手先のテクニックや力技でなんとかなる問題よりも、思考力や情報処理能力が求められる問題が出題されていくと想定されます。

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