お知らせ

大学受験では何校受けるのが正解?考え方を紹介!

大学受験では、受験しようと思えばかなりの数の大学を受験することができます。

たしかに、受験校数を増やせば、どこかしらに合格することができる確率は高まりますが、それは、どの入試においても十分なパフォーマンスを出せた場合です。

受験校を増やすと、その分対策しなければいけない範囲が広くなってしまいますし、連日の受験による疲れも出てきます。

今回は、大学受験では何校受けるべきなのか、その考え方について解説していきます。

大学受験で「何校受けるべきか」を考える前に押さえておきたいポイント

大学受験においては、あらかじめ「国公立大学」と「私立大学」の受験制度を理解したうえで、適切な受験校数を決める必要があります。

国公立大学の一般選抜では、共通テストと二次試験を受験する必要があり、前期・中期(公立のみ)・後期の日程ごとに受験できる回数が限られています。

私立大学は一般入試や共通テスト利用方式などを複数組み合わせられる場合が多く、日程が重ならない範囲でいくつでも併願が可能です。

まずは合格したい大学の優先度を見極める

自分が最も合格したい大学がどこなのか、あるいはどの学部・学科を最優先に考えるのかをはっきりさせることが大切です。

その大学・学部の受験に必要な科目を軸に、併願校を決めていく必要があります。
受験勉強が本格化する前に、将来の希望や興味のある分野を整理しておくと、優先度が決めやすくなります。

高校2年生の段階では第1志望の大学・学部をある程度決め、必要な科目をしっかり把握しておきましょう。

各大学・学部で必要な科目と形式/傾向を把握する

受験校を増やせばどこからしらに合格できる可能性は高まります。

しかし、大学・学部によって受験で求められる科目、難易度、問題の傾向が異なります。

なんとなく興味のある学部を複数受けようと思っても、それらの学部で求められる科目が異なる場合、対策がかなり大変になります。

志望大学・学部の優先順位をある程度明確にするのと同時に、受験で必要な科目も把握することが大切です。

受験校が多い場合のメリットとデメリット

メリット:合格チャンスが増える/精神面の安定

受験校が少ないと、たまたまその1回で極度に緊張してしまい、ケアレスミスが頻発してしまった場合、不合格となってしまうようなリスクがあります。
一方、受験校を増やせば、相性が合う問題に巡り合い高得点を出せたりと、偶然も重なりやすくなります。

また、併願校でどこか一つでも合格通知を得られれば安心感が生まれ、第一志望校の本番でも極度の緊張にとらわれにくくなります。
複数の「合格可能性」が手元にあることが、心の支えになる場合もあるのです。

心身の体力にある程度自身がある受験生は、連日であっても複数校受験を検討してみてもよいでしょう。

デメリット:費用・スケジュール負担/対策の分散

私立大学を中心に多くの受験校に出願すると、受験料だけでも相当な額になり、遠方での試験が重なれば旅費や滞在費の負担はかなり大きなものになります。

試験日が連日になると移動もハードになり、疲労や睡眠不足からくる集中力低下が懸念されます。
体力面に自信がない受験生は、自分の体力を考慮して、一定のパフォーマンスを出せる程度の受験数で調整しましょう。

また、大学ごとに問題の傾向が異なるため、対策する範囲が増えて学習計画が煩雑になるリスクも高まります。
そして、対策する範囲が広がると、各校、各科目の対策は手薄になってしまいます。
勉強する科目や範囲を広げても、十分合格を狙うことができるのか、現状と目標を照らし合わせて考えてみましょう。

国公立大学を志望するときの考え方

国公立大学を目指す場合は、共通テストである程度の得点が必要になり、さらに二次試験での学力を問われます。
前期試験、後期試験、そして公立大学特有の中期試験をどう組み合わせるかが合格への鍵です。
ただし、前期で合格が出ると後期や中期を受験しないケースもあるため、事前に想定できるパターンを考えておくことが重要です。

前期・後期・中期の枠組みとスケジュール調整

国公立大学は定員の多い前期日程と、前期不合格者を対象にした後期日程、公立大学の一部で中期日程が設定されています。
中期日程では募集人数が少なく、合格ラインが思った以上に高くなることもありますが、チャンスが増えるのは確かです。それぞれの出願期間と試験日程が重ならないよう、手続きに不備がないように管理することが合否以前の大切なポイントです。

私立大学との併願をどう組み合わせるか

国公立大学が第一志望の場合でも、私立大学を併願することが一般的です。

共通テスト利用方式を採用する私立大学を併願すれば、個別の入試対策をすることなく、私立大学の合格を得られる可能性があります。
ただし、共通テスト利用方式における合格ラインはある程度高くなっていますので、相応の学力が求められます。

また、受験する国公立大学の二次試験対策がそのまま活きてくるような私立大学・学部を併願することもポイントです。

私立大学を志望するときの考え方

私立大学は日程が被らない限り複数受験が可能で、私立大学専願の方の中には、かなりの大学・学部を受験する方もいます。
しかし、過剰に数を増やすとスケジュール管理に苦しみ、かえって効率が下がる恐れがあるため、計画的な選定が求められます。

自分の学力レベルに合わせて「チャレンジ校」「実力相応校」「安全校」をバランスよく組み入れると安心です。

「ダイヤモンド型」の受験パターンを意識する

受験パターンとしてよく言われるのが「ダイヤモンド型」で、学力より上位の大学を1〜2校、同程度の大学を数校、確実に合格できる安全圏を1〜2校選ぶ構成です。

こうした配置を取ると、失敗したときのリスクヘッジができると同時に、チャレンジ校での合格を狙うモチベーションも保ちやすくなります。
安全校を複数キープしておけば、メンタルの安定を保ちやすいというメリットもあります。

共通テスト利用の活用と日程の分散

私立大学には、一般入試のほかに共通テストのスコアを用いる入試方式もあり、同じ得点で複数の大学を受験できるため、効率的な受験が可能です。
ただし、共通テストの点数結果を見てから出願先を決められない大学もあるため、事前に目標点を定めて出願する必要があります。

一般入試と共通テスト利用をバランスよく併用し、試験日が集中しないように計画することが、メンタル面と学習面の両方を安定させるコツです。

受験校数を決めるうえで重要な“費用とスケジュール管理”

受験校を増やしたいと思っていても、家計事情や日程上の制約で思うようにいかないことがあります。ひとつの大学でも学部や方式を変えて複数回受けられる場合もあるため、すべてに申し込むと受験料だけで数十万円に達することも珍しくありません。

受験日が連日になると宿泊費や交通費もかかるうえ、体力面での負担が増してしまう点に注意が必要です。

出願費用や合格後の手続き費用を把握する

私立大学では1学部あたり3万円以上の受験料が必要なケースが多く、複数学部を併願すればそれだけ出費はかなりかさみます。

さらに複数の大学に合格した際、第一志望以外の大学に「とりあえず入学金を納付しておく」必要が生じる場合もあるため、短期間に多額の現金が出ていく可能性があります。
ご家族で経済状況や納付スケジュールを共有し、支障の出ない範囲で出願校を選ぶことが大切です。

連日受験による疲労と精神的ストレス

受験日程を詰め込みすぎると、連日外出する疲れや早朝移動の負担によって体調を崩しやすくなります。メンタル面が弱っていると勉強の効率だけでなく、試験当日の集中力やモチベーションも維持しにくいです。
連続で入試が続く場合は、少なくとも一日空けられるように調整し、試験後の疲労回復や心身のリフレッシュ時間を確保しておくことが大切です。

実際に何校受ける?タイプ別のおすすめ受験パターン

受験生それぞれのタイプによって、最適な受験校数は異なります。

浪人を絶対に避けたい人は安全校を多めに、第一志望以外にあまり興味がない人は極端に数を減らすといったように、個人の事情を反映させるのが重要です。
合格だけでなく、合格後の進路に納得できるかどうかを視野に入れて受験校を決めると、後悔が少なくなります。

「浪人絶対回避」型:安全校を多めに確保する

絶対に浪人したくない場合は、合格可能性の高い私立大学や公立大学を複数校受けておくのがおすすめです。

たとえば、実力相応校を2〜3校、安全校を2校程度置けば、一校は合格できるだろうという精神的な安心が得られます。合格校が出れば、残りの試験をよりリラックスして受けられるメリットも大きいです。

「第一志望一本勝負」型:最小限の併願で負担を軽減

志望先への熱意が強く、ほかの大学には通う気がない人は、併願校を0校、もしくは1,2校にしてもよいでしょう。

気持ちとしては第1志望一本だが、とはいえいざ受験が終わった後に浪人するかは少し悩む…というような場合は、1,2校は併願校を受験しておきましょう。

進学するかしないかは別にして、先に併願校の合格をもらっていれば、第1志望校の入試に自信を持って臨むことができます。

まとめ

大学受験で何校を受けるかは、学力・費用・試験日程・精神的な面など多角的な視点から決定する必要があります。

国公立大学を狙うなら前期・後期・中期の日程を見極め、私立大学でも共通テスト利用や一般入試などの方式を効率的に組み合わせることが大切です。過剰な数の出願や連日受験は体調面に悪影響が及びやすいので、家族や学校の先生とも相談しながら、無理のない計画を立てて本番に備えてください。

自分に合った戦略的な受験校数は、合否だけでなく合格後の進路満足度にもつながります。たとえ安全校や併願校であっても、実際に合格を得ると新たな視野が開けるケースもあります。

最終的には、第一志望校への想いと心身の調子をバランスよく両立する計画を考え、自分が納得できる未来を選び取っていくことが大切です。

■関連記事
慶應は難しすぎ!?偏差値や難易度、難しい理由を合格者が解説
【大学受験】早稲田・慶應の過去問はいつから何年分取り組む?
東大・早慶・上智の4年間の学費!免除・補助を受ける方法も解説!