中学受験は「親の受験」と言われるほど親のサポートが重要で、共働き家庭は不利だと言われることがあります。
たしかに、親が仕事で忙しいと、平日は勉強を見てあげることができないなど、不利な点があるのも確かです。
しかし、内閣府の「男女共同参画白書 令和4年版」(2022年)によれば、共働き世帯は夫婦のいる世帯全体の約7割にも達しています。
そして、近年は中学受験の受験者数はかなりの数に達しており、共働き家庭でも中学受験を目指す方はかなり多くいます。
そして、中学受験を上手く乗り切られている共働きご家庭も多数存在します。
本記事では、共働き家庭はどういった基準で塾を選ぶべきか、また、どんなに忙しくても取り組んでほしいことをご紹介していきます。
共働き家庭の塾選びの基準は?
宿題をチェックしてくれる塾を選ぶ
塾によって、取り組める人は取り組みましょうという程度で明確に宿題がでなかったり、宿題が出たとしても翌週にチェックしない場合もあります。
ほとんどの場合、中学受験において、塾の授業時間だけでは不十分で、宿題に取り組まなければ成績は伸びません。
共働き家庭の場合、平日にどこまで課題に取り組むか決めたり、そのサポートをしたり、また、勉強の進捗を細かく把握することは難しいかもしれません。
そのため、しっかりと提出が求められる宿題が出る塾を選んだ方が良いでしょう。
大手塾それぞれの特徴はネット調べるとよく見かけますが、中小規模塾や個別指導塾の場合はあまりネット上にも情報がありませんので、入塾前に必ず確認しておきましょう。
少人数制or個別指導/面倒見の良い塾を選ぶ
共働きのご家庭の場合、上で述べた宿題のチェックをはじめ、成績や普段の様子に応じた具体的なアドバイスや、質問対応など、お子さんに合わせた対応をしてくれる塾が心強いはずです。
少人数制の塾や個別指導塾、小規模塾など、面倒見の良い塾がよいかもしれません。
ただし、どうしても最難関校を絶対に目指したいという場合は、模試や出願傾向など情報量の面、また同じレベルの学校を目指すライバルが多い競争環境の面から、大手の集団塾のほうが安心なのもたしかです。
大手塾と個別指導塾を併用されるご家庭もかなり多いので、そういった進め方も含めて、どこまで親がサポートできるのかを考慮して判断しましょう。
大手であれば滞在時間(授業・拘束時間)の長い塾を選ぶ
塾によって、週の通塾回数や、1日の授業時間に違いがあります。
通塾回数が少なく、授業時間が短いほど、通塾の負担は軽くなりますが、その分、家でしっかりと勉強に取り組む必要があります。
共働き家庭の場合は、通塾回数が多く、授業時間が長く、できるだけ塾内で完結し、家でのサポートが軽くなる塾を選ぶと良いでしょう。
塾によってスタイルが様々ですので、入塾後の毎週の過ごし方を具体的にイメージしてから塾を選びましょう。
サポートが全くできないとなると、想定した以上に大変な状況になる可能性があります。
塾までの送迎の要不要/距離の近さ・アクセス
塾と家の立地によっては、塾まで送迎する必要があります。
多くの塾は学年によって異なりますが、17時頃から授業がスタートし、20時~21時前後に授業が終わるはずですので、送迎が必要な場合は、お母さん、お父さんのどちらかがお仕事を調整して担当しなければなりません。
もし、お子さんがひとりで通塾できるアクセスであれば、かなり負担は軽くなりますよね。
塾までのアクセスは重要な検討ポイントです。
自習室があるか・質問対応をしてくれるか
平日は夫婦ともに仕事で忙しく、お子さんの勉強のサポートができないご家庭が多いと思います。
さらに、5年生、6年生になってくると、問題も難しくなってきて、特に算数や理科を教えることは難しくなってくるはずです。
わからない問題を週末まで持ち越してしまうと、なんだかんだでうやむやになってしまうことも多いはずです。
できればわからない問題はその日中に質問して解決したほうが効果的です。
そのため、質問対応をしてくれる自習室があるかという点も塾選びのポイントです。
塾も、もはや授業になってしまうような長い時間を質問対応にかけることは難しい場合が多いですが、しっかりと質問対応をしてくれる塾は存在します。
忙しくても絶対に諦めてはいけないポイント
普段、お仕事でどんなに忙しくても、絶対に諦めてほしくないポイントをご紹介します。
宿題の実施状況チェック
毎週の宿題に取り組んでいるかのチェックは、どんなに忙しくても欠かさないようにしたほうがよいでしょう。
宿題をチェックしてくれる塾は、やっていない場合はちゃんと指摘してくれるはずですが、お子さんにとっては、毎回毎回注意されてしまうと、塾を嫌いになってしまう可能性があります。
じゃあ宿題をやればいいのではないか…と思いますが、小学生はなかなか自己管理することが難しいものですし、どんなに真面目に取り組めると思われるお子さんでも面倒くさく感じてつい手抜きをしてしまうことがあるものです。
ちゃんと毎週の宿題をこなし、週テストや毎月のテストでいい点数をとれるようになることで、モチベーションが上がり、徐々に自主的に勉強取り組めるようになっていきます。
毎日の勉強計画と実施チェック
一般的には、〇曜日は算数、■曜日は国語、▲曜日は理科・社会、というように授業があり、授業の度に翌週までの宿題が課され、前週分の宿題に取り組むはずです。
大人からすれば、1週間分なので、細かな計画を立てなくても、いい感じにこなせるだろう…と思ってしまいますが、小学生にとってはかなりハードルが高いことで、宿題が終わらないことも多々あるはずです。
毎日の勉強計画を立てましょう。
水曜日は算数の宿題、木曜日は理科・社会の宿題、土日はわからなかった問題をお母さんとお父さんと一緒にこなす、というように決めておけば、お子さんにもわかりやすく、自分で勉強をすすめやすいでしょう。
毎週各曜日に取り組む内容が変わってしまうような流動的な計画は立てないようにしましょう。
ルーティーンのように取り組めることが理想です。
そして、計画を立てたら、その計画どおり進めることができているか、毎日チェックしましょう。
理解できているか等はさておき、その日に予定していた勉強をこなせているかを確認しましょう。
チェックされないとサボってしまうものです。
塾でしっかりと学んできているか確認
塾でしっかりと学んできているか、つまり授業をちゃんと聞いているかは確認すべきポイントです。
少人数制の塾や個別指導であれば、完全に寝てしまっていたり、さぼりすぎてしまっていることは考えづらいですが、大人数の授業の場合、授業中に寝ていたり、お絵描きをしていて授業を全く聞いていないこともあります。
もちろんバレないように最低限のメモは取ったりしていることもありますが、いざ理解度を確認してみると、ちんぷんかんぷん…ということも多々あります。
もし本当に授業をちゃんと聞いているのにも関わらず全く理解ができないのであれば、転塾を含めて検討したほうがよいでしょう。
共働き家庭の取り組み事例・ヒント
忙しい共働き家庭でも中学受験を成功させるための事例やヒントをご紹介します。
毎日の勉強リストの作成とチェック
毎日なにを勉強するのか、リストとして作成しましょう。
そして、それにちゃんと取り組めたか、一日の終わりにチェックしましょう。
お仕事が終わる時間が遅くなってしまう場合は、提出ボックスのようなものを作っておき、そこにその日に取り組んだものを提出しておいてもらうとよいでしょう。
そうすれば夜遅く、もしくは朝にチェックできるはずです。
当日は難しくても、翌週の授業までには絶対にチェックするようにしましょう。
もちろん、お子さんが確実に宿題に取り組めていて、成績も順調であれば不要です。
週末は徹底して子供の勉強フォロー
週末には、わからなかった問題など、徹底して勉強をフォローしてあげましょう。
よほど自立していて勉強に慣れているお子さんでないと、小学生の場合、解きっぱなしで丸付けもせず解説を読まなかったり、解きなおしもしていないことがほとんどです。
また、理解できなかった問題もわかったことにしてしまうことがあります。
こういった可能性があることを念頭に置きつつ、週末に勉強のフォローをする中で、状況を把握することが大切です。
カンニングしていないか確認
宿題の答えを写してしまったり、解くのが面倒くさいからとわざと適当に書いて間違えたフリをしたり、ということは、親が思っている以上にお子さんはやっています。
もちろんよくないことですが、かなりの小学生がカンニング、もしくは適当にこなしてしまうものです。
まだ小学生ですし、中学受験で扱う内容はかなり難しいものですから、しょうがない思いもあります。
そういうものだと認識して、注意しておきましょう。
解けたと言っている問題でも、抜き打ち的に「解き方を教えて!」と言ってみると、詰まってしまうことがあります。
ランダムな抜き打ち検査を定期的に行うことで、普段の勉強で適当にやるとばれるからマズい…と思うようになってくれます。
夫婦で役割分担
お母さんは送迎と毎日の宿題チェック担当、お父さんは週末の勉強フォローなど、夫婦の役割分担を明確にしておくことも大切です。
中学受験は、親が全くサポートしなければ、ほぼ上手くいきません。
勉強を見てあげることはできなくても、最低限、宿題の実施状況のチェックなどはしてあげるようにしましょう。
受験直前期~本番期間はなんとか休みを調整
受験直前期は、1日を通して過去問演習をしたり、受験本番期間は早朝に受験会場に送り、その迎え、そして午後受験の場合は、そこからさらに次の受験会場へと送らなければなりません。
さらに、合否によって翌日の受験校が変わったり、入学金の振込みがあったりと、かなり大変な期間になります。
少なくとも、本番期間は親がなんとか休みをとったほうが安全です。
できるだけ早くから、休みを確実に取れるように仕事を調整しておきましょう。
大手塾のフォローとして個別指導や家庭教師を活用
宿題の実施状況のチェック、宿題でわからなかった箇所のフォローなど、親がカバーしきれない場合は、個別指導塾や家庭教師を利用しましょう。
近年は大手集団塾のフォローを行っている個別指導塾も多く、ノウハウが充実しています。
ただし、個別指導塾を選ぶ場合は注意が必要です。
以下の記事を参考にしてみてください。
【子供に合った個別指導塾の選び方】塾講師・オーナーが本音で解説
【中学受験】個別指導塾だけで合格できる!?集団塾との違い・比較も
メインで通塾されている塾に自習室がない場合は、自習室のある個別指導塾を選びましょう。
子どもの自立に頼るだけではダメ
共働き家庭向けのみならず、お子さまの自立を促し、できるだけ自走させるようにしたほうがよいということは良く言われますし、我々もそう思います。
しかし実態として、どんなに成績がよいお子さんであったとしても、完璧に自走できるお子さんは本当にごく少数です。
中学生、高校生でさえ、自立して自主的に勉強に取り組めるお子さんは少ないです。
「学年が上がって精神的に成長すれば自分から勉強してくれるだろう」
と思い、サポートをしないことには大きなリスクが伴います。
中学受験を通じて自立を促しつつ、それだけに望みをかけるのではなく、親もできるだけのサポートをしていくことが、中学受験で成功するためには必要です。
LEFYの中学受験個別指導
当塾LEFYでは、
- 集団塾の宿題がスムーズに進まない
- その結果、毎月のテストで思うような結果が出ない
- もっと勉強するように言うが、喧嘩になってしまう
- 今のレベルで第1志望は狙えるの?他にいい学校は?
- 計算ミスが減らない。図や式を書かない
などなど、中学受験を目指すご家庭の多くが抱えるお悩みに対して、お子さんの性格、タイプ、現在の学力に応じて、随時アドバイスしています。
一気に偏差値を10、20上げるような魔法はありません。
ご家庭、塾が協力しつつ、現状から少しずつでも改善し、勉強習慣を含めて基礎力をつけていくことで、最終的に6年生になったときに偏差値に結果が表れてきます。
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