中学受験をするのであれば、算数と国語は避けて通れません。
最も多くの受験生を悩ませる科目は算数だと思いますが、大抵は、理解ができなくて悩んでいたり、宿題をしっかりこなしきれていないことが多く、なにを勉強すればいいのかはわかりやすいはずです。
一方で、国語はなにをどう勉強したら成績が伸びるのか、パッとせず、ずっと成績が伸び悩んだまま…といった状況になってしまっている方が多いように感じます。
国語が苦手で成績に波があると、全体の成績も伸び悩んでしまいます。
本記事では、国語の成績が伸び悩むよくある理由や、国語が苦手なお子さんの心理状況などについて解説していきます。
また、そういった状況を打開し、成績を伸ばすために意識すべきことやコツをご紹介します。
国語の成績を伸ばすことは一朝一夕ではかないませんので、本記事を参考に、できるだけ早めに、長期的に取り組むようにしましょう。
以下の記事では中学受験の算数の成績を伸ばすためのコツや勉強方法をご紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。
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国語の成績が伸びない理由と心理状況
内容ではなく、文字を追いかけている
文章を読むときに、目の前の文字を見ているだけになっていたり、気づいたら頭の中で文字を読み上げているだけになってしまっているお子さんがたくさんいらっしゃいます。
大人でも、英語を勉強し始めたころ、英語の長文を読んでいるときに、内容を理解できないまま、文字を目で追い続けていた経験がある方も多いのではないでしょうか。
それと同じような現象が起きており、読んでいるつもりなのに内容を理解できないということが発生してしまいます。
「文章を読む」ということは、文字を目で追いかけることではなく、文字や文によって示され、表されている事象や意味、主張などを、頭で整理し、理解していくことです。
大人であればこのような説明で納得がいくと思いますが、小学生に説明してもなかなか伝わりづらく、この感覚を掴むことができないままのお子さまが多くいらっしゃいます。
前の内容を忘れてしまい、文章の概要を掴めない
文章を理解するためには、1文1文の意味を理解した上で、前後のつながりを適切にとらえていく必要がありますが、この意識が希薄で、文章を理解できない小学生もかなり多くいます。
段落ごとの概要、その位置づけ、文章全体を通して述べられている筆者の主張など、1文1文ではなく、大きなブロックで捉える意識がないと、国語の成績は大幅には伸びません。
大前提として導入、具体例、理由・根拠、主張など、基本的な文章構造や接続詞などを理解する必要があります。
接続詞の意味を理解できていない
「しかし」「つまり」など、接続詞の意味を理解できていないケースも散見されます。
基本中の基本ですので、接続詞はしっかりと理解するようにしましょう。
語彙が足りない
子供は大人が思っているよりも、語彙が十分ではなく、思いもよらないような箇所で理解につまずいていることもあります。
そこまで難しくない語彙でも、少しずれた捉え方をしていることがあり、そういった1つ1つが文章全体を理解できないことに繋がってしまいます。
問題の解き方・感覚がわからない
問題をどう考え、どう解くのかが全くわからないというお子さんも多いです。
選択肢問題、抜き出し問題、記述問題など、様々な種類の問題がありますが、それぞれに原則となる考え方や答え方があります。
選択肢問題においては「不適切なものをえらびなさい」「もっとも適切なものをえらびなさい」、記述問題においては「~のはなぜですか。」「~とはどういうことですか。」など、よくある設問パターンがあります。
こういった設問においては、一般的な考え方や、必ず注意しなければならないポイントがあり、そういったポイントを意識せずに漫然と日々の演習に取り組んでいると、成長はあまり見られません。
また、普段の学習において、問題を解き終わったあとに、正解をしっかり確認しないお子さんも多くいます。
算数、理科、社会においては、〇〇が正解で、▲▲はバツであるというのは、答えを知ればすぐに納得がいくはずです。一方で、国語は解答を知ればすぐに納得できることはあまり多くありません。
どれが正解なのか、なぜそれが正解になるのか、なぜこれは正解ではないのかを考え、正しい解答の出し方やその理由をたくさん知ることで、国語の問題で正解する考え方や、正答の感覚を掴むことができます。
漢字などの知識問題で得点できない
漢字や語彙、慣用句、ことわざ、文法など、国語の知識問題は様々ありますが、こういった問題の配点は以外にも高いです。
また、このような知識問題の受験者正答率は高い水準で安定していることが多く、ここで大きく失点してしまうと、高い偏差値はでません。
国語でいい成績を取るためには、まず初めに知識問題を安定させることがスタートです。
国語の苦手を克服する勉強方法
国語の苦手を克服し、偏差値を上げるための方法をご紹介していきます。
漢字など知識系はしっかり勉強しておく
先ほども述べたように、国語で偏差値を伸ばすには、知識問題で十分に得点することが最も手っ取り早いです。
知識問題で失点しているお子さんの場合、漢字、語彙、接続詞の意味など、そういった知識が全体的に不安定であるため、長文の読解力にも影響しています。
もちろん知識問題だけで十分ではありませんが、まずは毎日の漢字練習など、知識を充実させることからスタートしましょう。
内容を理解できているか確かめながら読み進める
先述した通り、読んでいるつもりでも、ただ文字を眺めるだけになってしまっているお子さんが多くいらっしゃいます。
それを検証するためには、一緒に文章を読み進め、「ここはどういうこと?」「これはだれの気持ち?」「なんで〇〇なんだろう?」というような質問をなげかけてみることが有効です。
これを繰り返すことで、お子さんが一人で文章を読むときにも、頭の中で自分なりに言語化したり、映像的に解釈したりしながら読み進めることができるようになります。
国語の基本動作をしっかり身に着ける
国語の解き方には正解はありませんが、様々な基本動作があります。
例えば、以下のような勉強方法は聞いたことがあるのではないでしょうか。
- 段落、シーンの切り替わりにマークする
- 重要な接続詞にはマークする
- 登場人物にはマークする
- 設問の大切な箇所(なぜですか。適切でないものなど)にはマークする
- 傍線部の前後を確認する
他にも様々あり、すべてを実行する必要もありません。
ただし、少しでも成績・偏差値を伸ばそうとトライするのであれば、お子さんの状況に応じてこのような具体的なアクションに少しずつトライしてみるべきでしょう。
段落ごとの概要を言語化できるようにする
段落ごと、もしくは文章全体の概要を自分なりの言葉で表現できるようにすることも効果があります。
文章を読むことに慣れていないお子さんは、問題を解くため(文章の内容を理解するため)に文章を読むという意識が弱いため、漫然と文章に目を通し、文章をあまり理解できないといった事態に陥ってしまいます。
そこで、段落や文章全体を通して述べられていたことを自分なりの言葉で伝えるという、わかりやすい目的を設けてあげることで、ただ目で文字を追うだけでなく、内容にフォーカスできるようになることがあります。
なぜ正解がそれになるのかをじっくり考える
問題を解いたら必ず丸付けを行い、間違っていた問題や少し不安だった問題については、なぜこれが正解になるのかを考える習慣をつけましょう。
また、間違った選択肢や記述が、なぜ間違いであるのかを考えることも同じくらい重要です。
当然ですが、子供は大人よりも知識や文章読解力、言語化力がないため、大人が、子供が文章をどのようにどこまで理解しているか、なぜ問題に誤答してしまうのを詳細に把握することは非常に難しいです。
加えて、同様の理由から、考え方や意識すべきポイントを言葉で言われても、それらをしっかり咀嚼し、血肉にすることも非常にハードルが高いです。
そのため、国語の成績を伸ばすためには、中学受験の国語で問われている正解はどのようなものであるのかを感覚的につかんでもらうことが必要です。
文章を理解し、設問に対する正解をたくさんインプットすることで、なんとなくこれが正解でこれが不正解という判断ができるようになっていきます。
家庭でも対大人と同じような会話を心がける
お子さんと会話するときに、大人が気を使って簡単な話にしたり、難しい言葉を使わないようにしたり、伝えたいことを推測・解釈したりしないようにしましょう。
できるだけ大人と話すときと同じように接してあげることで、自分の考えを言葉にする力、語彙力を伸ばすことができます。
国語の成績を伸ばすにはかなりの時間が必要。早期から取り組みを
国語の能力は、算数、理科、社会でも求められ、国語の成績を伸ばすことで算数、理科、社会の成績が上がる可能性も大いにあり得ます。
日々の勉強においても、テキストの説明を理解できない、解説も理解できないといった状況から、自分である程度勉強を進めることができるようになると、一気に勉強の効率が上がります。
毎日の漢字練習、読書、新聞など、始めやすいところからで構いませんので、早期から少しでもなにかに着手し、習慣化することが大切です。
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