勉強のコツ

【中学受験】算数が苦手な子でも着実に伸びる勉強法を塾講師が解説

中学受験の合否は「算数で決まる」といっても過言でないほど、算数は重要な科目です。お通いの塾の先生からも、「とにかく今は算数に注力しましょう」ということを言われたご経験があるのではないでしょうか。
今回は、算数を苦手とするお子さんを対象に、偏差値を伸ばすために意識して欲しいこと・おすすめの勉強法をご紹介していきます。

中学受験は算数が最も重要な理由

まずは、そもそもなぜ算数が合否を分けるというほど重要だと考えられているのかを再確認しましょう。

配点が高い

難関校に顕著ですが、算・国・理・社の4科目中で、算数の配点が最も高い傾向にあります。
以下に難関校の配点をまとめてみました。

女子学院・横浜共立(A)は4科目とも均一に100点が配点されていますが、他の学校においては、算数・国語の配点が理科・社会よりも高く設定されています。

合否は4科目の合計得点で判断されますから、配点の高い算数が重視されることになります。

配点だけを見ると、国語も同等に重要だと考えられますが、次に説明する「得点差」の理由から、算数のほうが国語よりも注力するべき科目として捉えられます。

得点差がつきやすい

算数は、他の科目と比較して、受験生間で大きな得点差がつく傾向にあります。
実際に、入試本番の合格者平均点と受験者平均点を比較しても、算数が最も大きな得点差があります。

得点差が開きやすい理由としては、主に次の3点が考えられます。

①難しい問題が多い

②小問が少ない

③小問が前の小問と関連している

1点目はシンプルで、算数ではかなり難しい問題が出題されるからです。

もちろん、学校の難易度によって、国語・理科・社会でも難しい問題が出題されますが、ほとんどみんな解けないほど難しかったり、部分点がもらえたりと、比較的差がつきづらいと考えられます。
一方で算数は、できるお子さんは難しい問題でも解けてしまうことが多く、それに手も足もでないお子さんと大きな得点差がついてしまいます。

2点目ですが、算数は大問が5-6問前後、それぞれに1~4問程度の小問がある形式が一般的です。国語・理科・社会は選択式の問題が多くあり、算数と比べると設問数が多いはずです。そのため、小問1問あたりの配点が高くなり、その1問ができるかどうかで大きな差がついてしまいます。

3点目は、「各大問の小問は、前の小問で正解できていることが前提となっている」場合が多いということです。
1-2行の問題が複数問あるケースは例外ですが、基本的には、大問ごとにテーマや条件が設定され、それに従って(1)(2)・・・と解いていくことになります。

途中で誤答してしまうと、その後の問題もすべてバツになってしまいますから、この側面からも大きな得点差がつきやすくなっています。

小5後半~小6頭に急に成績が下がる

小5の後半から小6頭頃に、急に算数の偏差値が落ち始め、苦手意識をもってしまうお子さんが多くいらっしゃいます。

小4~小5の途中までの算数は、習う内容がかなりシンプルであるため、しっかりと理解していなくても、習った通りルールをミスなく適用することができれば、点数が安定します。

しかし、小5の途中ごろから、学習内容が難しくなってきますので、しっかりと理解すること、応用することが求められ始め、偏差値が落ちてしまうことがあります。

一方で、それまで、算数に比較的苦手意識を持っていたものの、徐々に偏差値が伸び始めるお子さんもいることも事実です。

算数で求められる能力

中学受験の算数では、大きく①計算力②イメージ・想像する力③効率やわかりやすさを意識する力が求められます。

以下の記事で詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。

プロが解説【中学受験】算数偏差値を伸ばす勉強方法と求められる能力。

また、算数には、平方数や3.14の計算など、暗記しておきたいことがいくつかあります。

計算が速くなり、ミスも減りますので、ぜひ暗記するようにしましょう。

【中学受験】算数の絶対暗記事項13選。難関校を目指すなら必須。

算数が苦手な子の特徴

算数が苦手なお子さんの特徴を6点ご紹介します。

漠然と苦手だと思うのではなく、具体的にどうようなところに課題・苦手があるのかを認識しておくことが大切です。

計算が遅い・よく計算ミスをする

まずは、計算が遅く、頻繁に計算ミスをすることが挙げられます。

学年が上がるにつれ、扱う数字が大きくなったり、分数・小数・整数を自在に扱う必要があったりと、計算力が求められるようになります。

また、計算が遅く、ミスが多発すると、その問題や単元の本質的なところの理解や考えにたどり着く前に、計算でつまずいてしまいますので、日々の勉強もスムーズにいきません。

数字を量・大きさとして捉えられていない

数字は量・大きさとして捉えるべきですが、そういったイメージがなく、記号として認識してしまっているお子さんが多いです。

例えば、「1/2と1/100では1/100のほうがはるかに小さい」「秒速30メートルは早すぎる!」「3:7ってことは2倍とちょっとか」というような感覚です。

こういった感覚がないと、分数・小数や比に苦手意識を感じ、また、計算ミスに気づきづらくなってしまいます。

答えが合うことだけに興味がある

仕組みや理由には興味がなく、答えを出せるかだけに興味があるお子さんも大変多いです。

解き方や考え方が間違っていても、答えがあっていれば満足してしまうため、算数が苦手なお子さんの傾向の中でもっとも危険な傾向かもしれません。

仕組みではなく、解き方を知りたい

仕組みや納得感に関心がなく、解き方だけに興味がある場合もあります。

たしかに中学受験の算数は難しいので仕方ないと考えることもできますが、解き方だけに興味がある場合、なぜその解き方で答えがでるのかを全く理解していない可能性が高いです。

問題を解いているときも、その問題をしっかり理解して解いているわけではなく、それっぽい数字を選び、知っている解き方にあてはめ、ルール通りに計算しているだけになっているため、少し応用問題になると手も足も出なくなったり、とんちんかんな計算をしたりします。

図や絵を書かない

中学受験の算数には、線分図、面積図、図形問題であれば補助線、軌跡、数字の書き込みなど、計算式以外に書かなければならないことがたくさんあります。

しかし、かなり多くの小学生はこれらを面倒くさがり、書きません。

図や絵などをかかないと大人でも苦戦するような問題がたくさんありますから、小学生がそれを書かずに解けるわけがありません。

そのため、こういった作業を面倒くさがって省略してしまうお子さんは算数が苦手な傾向にあります。

イメージが苦手

頭の中にイメージすることが苦手なお子さんは算数が苦手な傾向にあります。

良く上げられる問題として、さいころの裏側を想像したり、立体を切った時に切り口がどういった面になるかをイメージするような問題があります。

こういった問題も、イメージだけに頼らずに解くことができる考え方や手順がありますが、全くイメージすることなく、そういった手順だけに頼ってしまうと、ある程度のレベル以上の問題を解くことは難しいでしょう。

算数の苦手克服方法

算数の苦手を克服するための勉強方法、意識したいことをご紹介します。

毎日計算問題を解く

計算問題は毎日欠かさずに解くようにしましょう。

計算で重要なのは、素早い処理と正確性ですから、時間制限を設けて、正答率をしっかり意識することは必須です。

5-10分程度の問題量で構いません。

お通いの塾から計算問題集のようなものが配布されている方も多いのではないかと思いますので、それに取り組みましょう。

数字や図形に関連するものに触れておく

数字に関連するものに触れ、数字と具体的なイメージを結びつけるようにしてあげましょう。

例えば、お金、車の速さ、トランプ、積み木、さいころなどがあります。

もっと幅広くいうと、カードゲームやゲームのコイン、磁力のある立体玩具などもあります。

なにが正解とは言えませんが、とにかくお子さまが楽しく、数字を量・大きさとして意識し、図形の形状を捉えようとする可能性がある機会を設けてあげましょう。

しっかり考える時間を取ってあげる

特に新しく習った単元の学習については、しっかりと考える時間を取ってあげることが大切です。

大人がそばで見ていると
「今やったばかりでしょ!なにに悩んでいるの!早く解いて!」
と言ってしまいたくなりますが、お子さまは言語化できないながらも、考え悩んでいることがあります。

その考える時間が定着やしっかりとした理解につながりますので、焦らず、お子さまのペースに合わせて進めてあげましょう。

しかし、面倒くさくてぼーっとしているだけという場合もありますので、そこは注意して見分ける必要があります。

図や絵、計算過程を必ず書くようにさせる

算数が苦手なお子さんであれば、必ず図や絵、計算過程を書くようにしましょう。理解できずになんとなく数字を選んで計算して答えを出せてしまうことがありますが、これらをしっかり書くようにすることで、先生、親が状況をしっかり把握できるようになります。

また、当初はいまいち理解できなかったとしても、ちゃんと図や絵、計算過程を書き続けることで、徐々に理解できるようになっていきます。

親が意識したほうがよいこと

理科・社会で点数を稼がない

特に小4ごろの早期から、お父さんお母さんがテストの偏差値や順位を気にするあまり、理科・社会の詰め込み勉強をさせてしまうケースがあります。

理科・社会は勉強した分だけ点数に繋がりやすく、理科・社会でいい点数を取って親から褒められる経験をしてしまうと、理科・社会を好きになり、算数や国語への苦手意識が芽生えてしまう可能性もあります。

理科・社会を頑張らないほうがよいというわけではなく、算数に注力するというバランスを崩さないように意識しましょう。

答えの正誤だけでプレッシャーをかけないように

お母さん、お父さんが、お子さまが算数を勉強する様子を見るのは、塾の宿題をしている時だと思います。

その際、出した答えが間違っていることで叱るのはやめましょう。

答えが間違っていることでお母さん・お父さんから叱られると認識してしまうと、答えをこっそり見たり、理解をせずとも適当に計算して答えを出す癖がついてしまいます。答えをこっそり見ることを防止することは簡単ですが、後者については、大変大きな影響を及ぼしてしまいます。

指摘するのであれば、考え方を聞いてみて、それに対して言及するようにしましょう。

難しい問題は、簡単な問題ができてから

「しっかりと理解し、簡単な問題が解けたから、難しい問題にもチャレンジできる」ということを忘れがちです。

例えば、①②③④⑤⑥という順に難易度が上がっていく宿題が出るとします。

「①はできた。②は解いて間違えたけど解説を読んで理解した。③も解いて間違えたけど解説を読んで理解した。」

という場合、次に取り組むべきは④ではありません。

その前に、②③の類題や同等レベルの問題を解けることを確認する必要があります。

多くの受験生、保護者が、難易度を認識しているにも関わらず、着実にステップを踏んでいくことができていない状況にありますので、意識してみてください。

背伸びせず、着実に伸ばすことが大切

現実を見てみると、なにか新しい取り組みをしたからといって、算数の偏差値が急激に伸びることは非常に稀です。

基本的には、地道な努力を重ね、徐々に偏差値が伸びていきます。
つまり、できるだけ早い段階から、適切な勉強法で、ひとつひとつ丁寧に理解していくしかありません。
いち早く課題を認識し、その課題を乗り越えるための取り組みをスタートしましょう。
LEFYでは、学習カウンセリングと体験授業を通じて、お子さまの課題を見つけ、それを踏まえてその後の指導を進めています。
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