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【中学受験】理科の苦手克服法を徹底解説!

算数、国語の成績が伸びないという悩みはよくあがりますが、理科の成績がどうしても上がらないという悩みもよくあります。

算数と国語の成績はよいが、理科と社会の成績が悪いというのはレアケースで、ほとんどの場合、算数と国語の成績も振るわないため、理社は一旦さておき、算数・国語に意識が向きがちです。

たしかに、そういった場合は算国に注力するのが正解だと思いますが、入試本番では4科目合否判定ですから、理科と社会の成績があまりに低すぎると不合格になってしまう可能性が高まります

算数、国語と比べれば、間違いなく理科は高得点を取りやすい科目ですから、最低限の成績は維持しましょう。

ぜひ本記事を参考にして、理科の苦手を克服し、得意科目にしてください

理科が苦手な子はどうして苦手なのか

理科が苦手なお子さんは、どうして理科を苦手としまうのでしょうか。

まずはその理由をしっかりと認識し、その上でお子さんの状況に合わせて対策を考えていきましょう。

①「覚える&理解する」勉強が不十分

理科は、どんな教材、どの単元においても、知識と仕組みの説明があります。

まずは、その知識をしっかりと暗記し、仕組みを理解する必要がありますが、この過程を雑にこなしてしまい、すぐに問題を解き始めてしまうお子さんが多いです。

問題で間違えた都度、説明をしっかり理解して、さらに問題を3周程度解くのであればその進め方でもよいですが、わからないものばかりの問題を解くことはストレスになり、集中が続かなくなってしまうこともあるでしょう。

勉強は基本的には「インプット⇒アウトプット」の順ですから、インプットが不十分なまま問題を解くことはおすすめしません。

②基本レベルの問題演習も不十分

「覚える&理解する」勉強が不十分であることにくわえ、基本レベルの問題演習が不十分なことも多いです。

どんな塾の教材も、まずは軽い知識チェック、基本問題、練習問題、応用問題と難易度が上がっていく構成であるはずです。

理科が得意なお子さんであれば、テキストを前から順にこなしていけば問題ありませんが、理科が苦手なお子さんは、知識チェックや基本問題を繰り返し解く必要があります。

本来は、そのレベルの問題を完璧にできるようになってから練習問題、応用問題に進むべきところ、知識チェック、基本問題が不完全な状態で難しいに取り組んでいるお子さんはテストでいい結果を出せない傾向にあります。

③ポイントがわかっていない

例えば、中和の計算問題やてこ・滑車、天体の問題などでは、問題文を読み、状況や条件を把握し、学んだルールを頭の中で参照しながら考える必要があります。

しかし、いざ問題文を読むと、状況が複雑で、条件もたくさんあり、考える出発点を見失っていることも多々あります。

「この問題は、どの状況説明とどの条件が影響するんだ?」という発想にそもそもなっていないということです。

こういった場合、かなりシンプルな計算問題などはできるものの、少し問題文が長くなったり、少しアレンジされると全く解けなくなってしまいます。

④問題を解いても解説をしっかり読んでいない

宿題で、問題を解き丸付けはするものの、解説を読まない、もしくは適当に読み流しているお子さんも理科の苦手から脱却できません。

これは理科に限った話ではありませんが、なぜこれだと不正解なのか、なぜこういう考えになるのか、ということを解説を読んで考え、理解する必要があります。

お子さんには、しっかりと解説を読んでもらい、少し時間をあけて、同じ問題の2回目にチャレンジしてもらいましょう。
その際に再びちんぷんかんぷんなのであれば、普段から解説を理解できていない可能性が高いです。

⑤知識や経験が少なく、想像できない

理科が苦手なお子さんは、自然に触れた経験、化学に関連するようなものに触れた経験や知識などが足りていないことも多いです。

生物においても、化学においても、テキストで説明されている用語のイメージが全く湧かなければ、それを踏まえて考えることはかなり大変ですよね。

塾のテキストは、用語すべての写真を網羅して掲載できてはいませんから、写真がないものについて、スマホで調べたり、実際に見たことがあったりするお子さんと、経験の差が大きく出てしまいます。

理科の苦手を克服するために意識したいこと5点!

①「覚える&理解する」にしっかり時間をかける

理科の勉強の順番は

  1. 知識を暗記
  2. 仕組みを理解する
  3. 知識チェック問題を解く
  4. 基本問題を解く
  5. 練習・応用レベルの問題にじっくり取り組む

です。

知識チェック問題や基本問題を解く中で、知識を定着させ、理解が進む側面も確かにありますが、まずは問題を解く前に、説明を読み、知識を暗記し、仕組みを十分理解できるような勉強をする必要があります。

まずは問題を解かず、テキストの説明ページだけで、暗記&仕組みを理解するようにしましょう。

その上で問題に取り組むことで、知識チェック問題や基本問題をサクサク進めることができるため、お子さんも楽しんで、ストレスなく勉強できます。

わからないものばかりの勉強は苦痛に感じてしまい、集中も続かなくなってしまいます。

わからない用語やなにが起こっているのか想像できないものについては、資料やインターネットで調べ、写真や動画を見るようにしましょう。

その上で例題を勉強するだけでかなり変わってきます。

②自分なりの暗記勉強法を確立する

本番入試レベルになると、シンプルな知識問題の割合は減ってきますが、理科は知識の暗記がベースにあり、知識を完璧にする必要があります。

しかし、普段の勉強では、算数の勉強に時間を多く取られ、理科にばかり時間をかけていられないはずです。

そのため、理科の勉強をスムーズに進めるためには、自分なりの暗記勉強方法を確立しておくことが重要になります。

成績が良いお子さんは、国語の漢字であれ、理科、社会の知識であれ、自分なりの覚え方があります。

こういった暗記勉強の型が決まっていると、

「これくらい勉強すれば、ほぼ完ぺきに覚えられたはず!」
「〇時間くらい暗記に時間がかかりそう」
「この辺は覚えづらいんだよなー。不安だからテスト前にもう1回みておこう」

ということが分かってきます。

暗記方法は決まりがなく、紙に書きまくる、暗記カードを使う、語呂合わせにする、親と口頭でチェックするなど、定着するのであれば、お子さんが取り組みやすい方法で構いません。

すぐに効率的な暗記方法が身につくことはありませんから、徐々に改善していきましょう。

これができるようになっておくと、中高一貫校に入学した後も、定期テストで安定した成績を取れるようになりますよ。

③「覚える&理解する」の後に基本問題をたくさん解く

「覚える&理解する」の後は、基本問題をたくさん解きましょう。

目安として、理科の偏差値が安定して60を超えているお子さんは、塾指定のテキストに一通り取り組むだけでもOKですが、60未満のお子さんは、基本レベルの問題の演習量が不足しています。

基本レベルの問題を2周、3周するか、もし答えを覚えてしまうような場合は、市販の参考書や、サブ教材として塾から配布されているものに取り組みましょう。

基本問題で苦戦するような状況であれば、知識がまだ定着していない、仕組みを理解できていないということですので、ひとつ前のステップに戻って学習しましょう。

そして、基本問題を余裕でサクサク解けるようになるまでは、決して応用問題に取り組んではいけません。

分からないというストレスだけが溜まり、なにも身につかず、時間が無駄になってしまいます。

④応用問題は余裕があったらでOK

基本問題をサクサク余裕で解けるにようになったら、応用問題に取り組みましょう。

理科の偏差値が60未満の場合、応用問題は思考力を養うものだと位置づけ、しっかり時間をかけて取り組んでください

つまり、その問題を解けるようにすることよりも、基本問題までで学んだことを活かし、時間をかけて応用問題を考えることを意識したほうがよいでしょう。

全ての応用問題に取り組めなくても、時間をかけて考えることで、長いリード文から状況を整理し、必要な条件を抽出する感覚や、そういった複雑な問題においてもポイントをおさえて考える感覚を身に着けることができるはずです。

近年の中学受験の理科ではシンプルな知識問題は減少傾向にあり、思考力が求められる傾向にあります。

つまり、算数や国語で求められるような力が理科でも求められます。
知識を完璧にしたうえで、その知識を使って論理的な思考や情報処理をしなければなりません。

ただ、逆に言えば細かな知識が問われることは減っていますので、捉え方を変えると、算数や国語で思考力を養っておけば、細かな知識がなくとも、最低限の知識と原理の理解さえあれば、本番入試では十分健闘できる可能性があります。

⑤塾の先生の板書をしっかりメモし、真似する

塾の授業では、先生の板書をきっちり丁寧にメモするうにしてもらいましょう。

一番のねらいは、先生が解く際の、整理の仕方や計算手順などを真似できるようにすることです。

中学受験では、真似できるお子さんは良い成績を取りやすい傾向にあります。

家で宿題に取り組む際は、メモを見返し、まずは先生の真似をして解いてみるとよいでしょう。

⑥苦手単元はあってもいい!1単元ずつ克服し、得意にしていこう。

理科は、物理・化学・生物・地学の4分野で構成されています。

最終的な理想論としては、4分野に苦手を作らないように勉強しようと言われますし、その通りです。

しかし、理科が苦手なお子さんに4分野ともバランスよく成績を伸ばしましょうというのは、現実的には難しい話になってしまうはずです。

理科の苦手を克服していくためには、1分野、もっといえば1単元ずつ自信を持てるほどに完璧にしていくほうがよいでしょう。

特に、シンプルな知識問題が少なく、思考力が求められる物理・化学については、できるだけ早い段階から苦手を克服しておくことで、塾の授業を有効活用できます。

物理・化学を苦手なまま放置してしまうと、塾の演習時間が無駄になってしまいますので、できるだけ克服に着手しましょう。

【単元別】勉強する際に意識したいこと

物理

物理は一度できるようになってしまえば、最もシンプルに感じるはずです。

知識問題はほとんどなく、原理を理解し、ルールに則って計算をします。

そのため、原理を理解し、ルールが腑に落ちていないと、できるようになりません。

まずは、テキストの例題をしっかりと理解するようにしてください。

その上で、基本問題に取り組み、間違えたものについては解説をちゃんと確認しましょう。

算数の勉強に近いですが、物理法則を理解する必要がありますので、「そもそもなんでそうなるの?」というような疑問が浮かぶ場合は、先生に質問したり、親が教えてあげたり、個別指導を利用するなどして解決しなければなりません。

一度できるようになると自信がつく分野ではありますが、軌道に乗せるのが大変な分野です。

優先的に苦手を克服しましょう。

化学

化学は計算問題がメインですが、一部、水溶液の種類や実験方法・器具についてなど知識問題があります。

計算問題がメインであり、一度理解してしまえば、物理同様、比較的簡単な算数に近いものに感じられるはずですので、算数が得意なお子さんは、化学に苦手意識を持つことはあまりないでしょう。

一方で、化学で苦戦するお子さんは、そもそもどんな反応が起きているのかを理解できていないことが多いです。

〇〇を▲g、□□を☆gと言われても、なにが一体どのように反応して、その結果どうなるのかというところまで想像できないため、計算に着手できなかったりします。

そのため、化学が苦手なお子さんは、いざ問題を解き始めるのではなく、なにとなにをどうすると、どんな反応が起きるのか、その結果、なにが減少してなにが増加するのか、というようなことを動画等を交えながら流れを頭に入れることが大切です。

化学も物理同様に、優先的に苦手を克服したい分野です。

生物

生物は暗記がメインになります。

例えば、各器官にどのような役割があるのか、なぜそのような役割があるのかなどの理解は必要ですが、言ってしまえばそれらも暗記になります。

入試本番においては思考力が試されるようになりますが、知識を前提として、実験の考察等に取り組むことになります。

普段の勉強においては、とにかく用語とその役割などをしっかり覚えるようにしてください。

また、テキストに掲載されている図や写真も同じくらい重要です。

植物の分類など、覚えづらいものもあると思いますので、必要に応じて語呂合わせも活用し、頭の中を整理しながら暗記していきましょう。

塾内のテストや外部模試などで、思考問題としての側面もありつつ、頻出なある種の知識問題のようなものもあります。

そういったものは覚えてしまったほうが受験には強くなりますので、生物に関しては間違いノートのようなものを作り、定期的に見返すようにしてもいいかもしれません。

生物は、暗記量が多いため手を抜くことはできませんが、最悪暗記すれば間に合います。
物理と化学を優先しましょう。

地学

地学は暗記量もそこそこありつつ、問題は思考力が求められるものが多いです。

天体に関しては、知識も求められ、3次元的なイメージをして考える必要があります。

地層の問題においては、少し推理的な側面があり苦手なお子さんはちんぷんかんぷんになってしまうこともあります。

とはいえ、すべての単元において、ポイントとなるルールや考え方がありますので、それを身に着けなければなりません。

まずは暗記を徹底しましょう。

その上で、練習問題、応用問題に悩んでしまう場合は、先生に質問したり、個別指導・家庭教師を利用するとよいでしょう。

地学の場合、解説が、立体を2次元で表現しているものだったり、もはや図解もなく、文章で解説されているものもあり、お子さんが自分で解説を理解するのはかなりハードルが高いものも多いです。

さらに、中学受験の地学の問題にぴったりとはまるような動画を探すことが難しいため、親が丁寧に説明する、個別指導塾や家庭教師を利用することをおすすめします。

理科の成績UPのために親ができること

イメージしづらいものは動画や写真をみつけてあげる

理科では様々な用語が出てきますが、テキストにすべての写真があるわけではなく、一体それがどんなものなのかイメージできていないことが多いです。

実験をするなどして実際に見て触れるのが一番ですが、現実的には難しいと思いますので、Youtubeなどで動画を探してみましょう。

勉強のサポートをしてあげる

動画や写真を見つけてあげることもサポートのうちのひとつとして、可能であれば勉強内容まで踏み込んでサポートしてあげてください

中学受験においては、理科に限らず、大人が思いもよらないところで勉強が行き詰っていることがあります。

解説を理解できない、問題文を読み落としている、テキストの説明をそもそも勘違いしている、ぼーっとしてしまって思考がストップしているなど、本当に様々です。

一緒に問題を解き、ヒントを出してあげたり、一緒に理解してあげることで、お子さんが積極的に取り組んでくれることもありますし、お母さん、お父さんと一緒にやったところだ!と印象に残ったりすることもあります。

個別指導塾・家庭教師を利用する

暗記がメインとなる単元では、個別指導塾や家庭教師の必要性はそこまで高くありません。

ただし、物理や化学の計算、実験考察系の問題、過去問では苦戦するお子さんも多く、その場合はポイントをおさえて解説してあげたほうがよいです。

また、自分で解説を読んで完璧に理解できるお子さんはかなり限られているため、単元によっては、自学自習では不安が残ってしまうこともあります。

お子さんが自分で解説を読んでできるようになるのはハードルが高いと感じられた場合は、個別指導塾や家庭教師の利用を検討しましょう。

まとめ

理科で苦戦する気持ちはわかりますが、算数や国語と比べればはるかに苦手を克服しやすい科目です。

現実的には、他の科目の勉強もあるし、週末にはテストがあるし、、、と時間がない中でどう苦手を克服していくかでお悩みの方が多いのではないかと思います。

どの時期にどの科目に注力するのかという舵取りが重要です。

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