「国語の漢字、理科、社会は覚えるだけなのに、すぐに忘れてしまって点数が取れない…なんでなの…」
とお悩みの保護者は多いのではないでしょうか。
中学受験では、お子さんがまだまだ幼いため、自分で勉強法を模索しながら学習を進めることはハードルが高く、親がフォローしてあげることになると思います。
今回は、中学受験における暗記のコツをご紹介します。
暗記が上手になるだけで偏差値は大きく上がるはずです。
一朝一夕でできるようになるわけではありませんので、できるだけ早く上手な暗記ができるよう、取り組みましょう。
中学受験における暗記の重要性
入試では暗記(知識)はそれほど重視されないが、当然とされる
大学受験では、大学によっては細かな知識を問われることもありますが、比較すると、中学受験では、細かな知識の有無はあまり重視されていません。
もちろん、難関校になれば、覚えていて当然な知識のレベルが上がりますが、それでも、知識単体を問われるよりは、標準的な知識をベースに思考力を問われるような問題が多く出題されます。
むしろ、難関校ほど、知識がなくても、常識と推理で解けるような問題が出題される傾向にあります。
つまり、中学受験においては、知識を暗記していること自体は重視されていませんが、作問者が思考力を問うにあたって身に着けておいて欲しい水準はクリアしておく必要があります。
効率的な暗記ができれば算数の勉強時間を捻出できる
中学受験では、算数が合否に最も影響するというのはよく言われることで、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
その中でよくある悩みが
「算数に力をいれないといけないのはわかったが、その他の科目を勉強する時間がない!算数の時間を確保できない!」
というものです。
国語の漢字、理科の知識、社会は全般的に、暗記がメインです。
こういった勉強にかなり時間を使ってしまい、算数の勉強時間を確保できないという悩みを抱えているご家庭はたくさんいらっしゃいます。
つまり、短時間で効率的に暗記できるようになれば、算数の勉強時間を確保することができます。
また、成績上位者の多くは「このくらい勉強すればたぶん満点を取れる」というような自分なりの暗記法が確立しています。
どれだけ効率的に覚えられるかはお子さんによって差が出てしまうのは仕方のないことですが、自分なりの暗記勉強方法を見つけ、それを徐々に改善していくことで、効率が上がり、4科目トータルの成績UPに繋がります。
暗記勉強の型が決まると、勉強のハードルが下がる
算数や国語の文章読解を除けば、基本的には中学受験の勉強は暗記からスタートします。
その度に
「どうやったら覚えられるかな?」
「とりあえず読んで問題を解いたけど覚えられない~」
「今回は覚えること少なそうだし、とりあえず問題とけばいいのかな」
というように、勉強のアクション、順番が決まっていないと、勉強に着手するのが億劫になってしまいます。
まずは暗記に取り掛かり、その暗記勉強の方法が決まっていれば、作業的に勉強に取りかかれますので、心理的なハードルが下がります。
まだまだ幼い小学生にとっては、勉強のハードルを下げてあげること、集中が続くようにしてあげることが大変重要です。
テストで良い成績を取れるので、モチベーションが上がる
暗記が得意になると、毎週の塾の小テストや毎月のテストの漢字、理社で高得点を取れるようになってきます。
算数や国語の文章読解で高得点を取るよりもはるかにハードルが低いはずです。
また、一旦いい成績を取れると、嬉しくなり、また頑張ろうと思えるでしょう。
この循環が高成績に繋がります。
以下の記事ではより詳しく解説していますので参考にしてみてください。
▼【中学受験】やる気にさせたいなら、まずは成績を伸ばそう!
https://lefy.jp/magazine/5806/
暗記が得意な子の特徴
すでに安定した知識があり、連想できる
暗記が得意な子は、新しく学んだ知識を、すでに知っている知識と関連付けていることがあります。
社会で習った人物の名前が知っている人物と似ている、写真の顔が〇〇に似ているというような軽いものから、理科で学んだ植物をどこかでみたことがある、国語の漢字をゲームや本で見たことがあるなど、直接的なものもあります。
全ての知識を関連付けられているわけではありませんし、その関連付けが内容面で適切と言えないこともあると思いますが、関連付けると記憶に定着しやすくなります。
内容に着目している
水溶液の性質、植物の分類、社会の用語などについて、それらの実験結果、写真、実物、そうなっている理由、原因、流れなどに着目していることも暗記が得意なお子さんの特徴です。
暗記が苦手なお子さんは、こういった内容面はあとで覚えよう(もしくは最悪覚えなくていいや)、用語だけ覚えておこう、と考えがちです。
一見、このほうが覚える量が少なくて簡単そうに見えますが、関連する情報がなく、インパクトもないため、無意味な記号を無理やり暗記しようとすることに近くなってしまい、むしろ覚えられなかったり、すぐに忘れてしまいます。
音感、リズム感、視覚で覚えている
これは気合で覚えるしかない..というものもたくさんあります。
そういったものは、声にだしたり、紙に書いたり、語呂合わせを作ったりして、何度も繰り返して覚える努力が必要です。
その際、声に出せば、リズムで体が覚えてくれますし、紙にかけば、
「たしかこの分類は4個で、こっちは8個だったな。で、こっちは奇数で3か5だった。ここはナから始まる言葉で…」
といったように、視覚も暗記を助けてくれます。
暗記が苦手な子の特徴
キーワードやポイントをおさえられず、説明文に圧倒されている
暗記に苦手意識があるお子さんは、テキストの説明文に圧倒されてしまっていることがあります。
説明文を読んで「何言ってるのかわからない…つまらない….眠い…」となってしまっているお子さんは多いのではないでしょうか。
テキストは、説明文に加えて、表や図も掲載してくれていますし、説明文は文章ですが、覚える必要のあるキーワードやポイントに絞ると、かなりスリムになります。
しかし、そういった捉え方ができずに文章として受け取ってしまうと、非常に情報量が多く、複雑に感じてしまう気持ちもわかります。
効率的に暗記するためには、表や図に着目し、説明文に書かれているキーワードやポイントを補足していくほうが簡単です。
表や図がない場合は、説明文を箇条書きにしてポイントを抽出することで、なにを覚えればいいのかを可視化しやすくなります。
用語のイメージがわかなくても放置してしまう
用語がなにを指しているのかちんぷんかんぷんな状態で、無理やり覚えようとしているお子さんも大変多いです。
いったい何のことなのかわからない、つまり自分がなにを覚えようとしているのかパッとしない状態ですから、覚えられないでしょう。
用語がなにを指しているのか、十分に理解し、イメージできるようになってから、用語そのものを暗記しようとするべきです。
「一旦覚えた」という感覚がわからずに問題を解いている
中学受験生の毎週の基本的な流れは、塾の授業を受け、その該当範囲の宿題を翌週の授業までにこなす動きだと思います。
宿題に取り組む際は、塾の授業内容を見返し、理社においては説明文を再度読み、簡単な問題から取り組んでいくのではないでしょうか。
この説明文を読むステップにおいて「一旦覚えた」という感覚がわかっていないお子さんも多いです。
理想的には、説明文を読み、ある程度暗記できた状態で問題に取り組まなければいけませんが、全く暗記できていない状態で問題にとりかかり、全然できず、やる気をなくし、ダラダラと勉強してしまっているお子さんが大変多いです。
まずは問題を解かずに、覚えるべきことをある程度覚えられるような勉強法を身に着ける必要があります。
おすすめ暗記法7つ
暗記するときに実践してみてほしいことをご紹介します。
全て取り組む必要はありませんが、もし暗記に苦手意識があるのであれば、お子さんに合う方法をトライしてみてください。
①音読する&紙に書く
声に出しながら紙に書くのは、シンプルですが効果的です。
勉強は疲れてくると、文章を読んでいるようで目で眺めているだけになりがちですが、声に出すと、内容が頭に入りやすくなりますし、紙に書くことで体でも覚えることができます。
音読だけ、紙に書くだけでなく、どちらも同時に実践してみましょう。
②整理用ノート&よく忘れるものノートを作る
新しく学んだことを整理するための整理用ノート、よく忘れて間違えてしまうものをまとめるノートを用意することも効果的です。
整理用ノートには、新しく学んだもののうち、表形式、年表、箇条書きなどで視覚的にコンパクトにできそうなものをまとめるとよいでしょう。
そのまとめたものを、なにも見ずに書けるようにしましょう。
よく忘れて間違えてしまうものをまとめたノートには、宿題、小テスト、模試などでよく間違てしまうものをメモしておきましょう。
いずれも丁寧に時間をかけすぎてはいけません。
「これは〇〇ノートにまとめた!」という記憶さえあれば、もし間違えてしまったとしても、次は間違えづらくなります。
③無理やり語呂合わせを作る
有名な語呂合わせはいくつかありますが、既存の有名な語呂合わせがないとしても、自分が覚えられないのであれば、無理やり作ってしまいましょう。
歌のようにして覚えている方もいます。
とにかく覚えられればなんでも構いません。
④数と頭文字に着目する
理科の植物など、分類とその分類に所属するものを覚えなければいけない状況は多いです。
そういった場合は、分類名と、その分類に所属するものの数、そしてその頭文字を意識すると暗記しやすいです。
また、それを紙に書いて覚えることで、視覚的に数も把握できますし、頭文字も思い出しやすいでしょう。
⑤親とクイズ形式で勉強する
お母さん、お父さんに余裕があれば、お子さんにクイズ形式で問題を出してあげましょう。
逆に問題を出したがるお子さんも多くいますが、それも大変効果的です。
⑥動画や写真を見てから暗記する
用語のイメージが出来ていない状態で、無理やり暗記しようとしてしまうお子さんが多いことをご紹介しました。
その場合、なかなか定着しませんし、計算問題や対照実験問題、推理を要す社会の問題など思考力が求められる問題に出会った時、応用がきかなくなってしまいます。
用語の暗記に取り掛かる前に、動画や写真でイメージを持ってもらうようにしましょう。
⑦ひたすら問題を解く
上でご紹介したような取り組みをしたら、とにかく知識チェック、基本レベルの問題を解きまくりましょう。
何度も何度も解くのが一番記憶に残ります。
必ず、説明文だけでまずは暗記に取り組み、その後に問題を解くようにしてくださいね。
わからないものだらけの問題を解く勉強は億劫になってしまい、集中が切れたり勉強が嫌いになってしまいます。
極端にやる気がない&暗記が苦手なお子さんは・・・
先に説明文だけで暗記をし、その後に問題を解くようにしたほうが効果的ですが、どうしても難しい場合もあります。
極端に勉強のやる気がなかったり、説明を読むのが苦手すぎたり、保護者様が忙しいため全く勉強のサポートをできない場合です。
そういった場合は、とにかく問題を解きまくるという選択肢もあります。
最悪答えを覚えてしまっても仕方ありません。
少しは問題文を読んでいるはずですから、「この言葉が問題文にあるときは答えはこれだ」と、すこし短絡的な覚え方になってしまう可能性もありますが、類題を解いていく中で、お子さんの頭の中で勝手に知識が体系化されていくこともあります。
LEFYでは、細かく全体状況を把握した上で指導を受けられます
LEFYに通塾されている中学受験生の大多数が算数を受講されていますが、算数以外の状況についてもアドバイスをさせていただきます。
算数に注力することは大変重要ですが、最終的には4科目で合否が決まるため、バランスを見ながら進めなければいけません。
大手集団塾にお通いの場合は、集団塾から出される毎週の宿題の量・難易度、お子さんの性格などを踏まえ、LEFYの授業で扱う教材、宿題の有無・量を調整しています。
総合的に適切な判断をして、志望校合格を目指しましょう。
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