反抗期は、子どもが成長し自立へ向かう過程のなかで、多くの親子が直面するテーマです。
幼少期の「イヤイヤ期」や思春期に入ってからの第二次反抗期では、子どもの態度や言動が一変し、親が驚いたり戸惑ったりすることもあります。
この記事では、反抗期がいつまで続くのかや、乗り切るためのポイントについて解説します。
子どもの気持ちを理解し、適度な距離感を保ちながら接することで、親子関係を円滑に保ちやすくなる可能性があります。ぜひ参考にしてみてください。
そもそも「反抗期」とは?時期と特徴
反抗期とは、子どもが親や周囲の大人の指示に強く反発する時期のことで、第一次反抗期(1~3歳頃)、中間反抗期(5~10歳頃)、そして第二次反抗期(11~17歳頃)の3つに大きく分けられます。
時期・年齢 | 主な特徴 | |
第一次反抗期 | 1歳半から3歳ごろ | イヤイヤ期 |
中間反抗期 | 5歳~10歳からスタートし、中学生まで続く | 自分で行動したがる 干渉を嫌い始める 家庭外ではいい子と言われることも |
第二次反抗期 | 小学校から高校生まで | 親や周囲の大人の考え、価値観に反発する 社会的な制度、権威に反抗的になる |
第一次反抗期
第一次反抗期とは、いわゆる「イヤイヤ期」の事です。
3歳ごろまで続くとされており、自分で歩き、動けるようになったことで自分でなにかをしたいという欲求が高まります。
しかし、まだ言葉で自分の欲求を上手く表現できないため、「イヤ」という表現になります。
中間反抗期
中間反抗期は5歳から10歳ごろ、小学生の低学年頃に起こるとされています。
小学校への入学など、環境の変化もあり、心がデリケートになります。
なんでも自分でやりたがり、親からの干渉を嫌うようになり、また、学校の友達との関係性を重視するようになります。
一般的には、中間反抗期のこういった反発は家庭内で多く見られ、学校や習い事の場など、家庭外の環境では見られないことも多いとされています。
家庭内では大変なものの、学校の先生からはすごく素直で良い子だと言われ、驚くことも多いかもしれません。
第二次反抗期
第二次反抗期とは、成長して大人に近づく過程で発生する反抗期で、11才から17歳ごろ、小学校高学年から高校生ごろまで続くとされています。
第二次反抗期では
- 親を無視する
- 物にあたる
- 目を合わせようとしない
- 親、大人の考えを否定する
- 社会的な権威や制度などに反抗的な態度を取る
などが見られます。
思春期を迎える第二次反抗期は親としても対応が難しく、子ども自身も心身の変化に戸惑いやストレスを感じやすいといわれます。
反抗期がおこる理由には、子どもが大人の支配から独立しようとする心理的変化や、自分の主張を確立しようとする成長の欲求が大きく関係しています。
反抗的な態度と自立心の芽生え
反抗的な態度は一見ネガティブに感じられますが、子どもが「自分の考えを持ちたい」という欲求を外に出しているサインでもあります。
特に思春期の子どもは、家族以外のコミュニティやSNSなど、さまざまな情報源から考え方を吸収し、独自の意見を持つようになります。
親から見ると、扱いづらい態度に映ることもありますが、それは自立に向かう過程で避けて通れないプロセスです。
あらかじめ基本的な特徴を知っておくと、子どもの態度を必要以上に否定せず、落ち着いて見守りやすくなります。
「反抗期はいつまで?」一般的な期間と個人差
一般的な期間
第二次反抗期の目安は、早い子では小学校高学年から始まり、17歳頃まで続く場合があるといわれます。
思春期の始まりと終わりに個人差があるように、反抗期のスタートや収束時期も人それぞれです。
環境の変化が多いと、反抗期が始まるのが早まったり、逆に中学や高校に進学してから強く出るケースもあります。
そのため、「同年代の子より反抗期が長い」と感じても、必ずしも問題とは限りません。
反抗期が短い・ほとんど見られない子どももいる
反抗期が激しく表れる子どもがいる一方、ほとんど目立たない子もいます。
性格や生育環境、家庭内のコミュニケーションなどの要素によって、反抗期の度合いは異なります。
親子の関係が良好で、子どもが自分の意見を日頃から言いやすい環境だと、強くぶつかるタイミングが生じにくい可能性があります。
反抗期が短い子は、幼い頃に十分に自己主張できていたり、友人や信頼できる大人に悩みを相談して解消する術を早期に身につけている場合もあると考えられます。
反抗期の子どもによく見られるサインと態度
乱暴な言葉遣いや無視
反抗期の子どもには、言葉遣いが急に荒くなる、親の呼びかけに対して無視をするなどの行動がよく見られます。
口答えが増えたり、ちょっとした指摘に対して極端にイライラする態度を取る子もいます。
このような変化は「干渉されたくない」「自分を子ども扱いしないでほしい」という子どもの切実な訴えの表れでもあります。
ものにあたる・勉強や部活への意欲低下
感情を言葉で表現しきれない場合、ものにあたったり、ドアを強く閉めたりする行動が出やすくなる傾向があります。
さらに、勉強や部活動、習い事などに対して意欲を失ってしまう子も見られます。
急激な身体の成長やホルモンバランスの乱れで体調が不安定になりやすい時期なので、無理に叱るのではなく、なぜ意欲が落ちているのか背景を探る姿勢が大切です。
時には、「子どもの疲れやストレスが原因かもしれない」と考え、スケジュールを見直す余裕を持つと状況が改善するかもしれません。
男の子・女の子で違う?性別による反抗期の傾向
男の子は行動や暴言に出やすい傾向
一般的に、男の子は感情を言葉で表現するのが難しく、衝動的に外へ発散しやすいといわれます。
例えば、言葉遣いが悪くなったり、暴言を吐いたり、壁や机を叩いて怒りをぶつけたりする行動が見られることがあります。
男の子は自分の趣味や好きなものに熱中しやすく、そこを否定されたと感じたときに急激に反発を強める場合が多いです。
例えば、勉強よりゲームに没頭してしまい、親がやめさせようとすると、強く怒りをあらわにすることがあります。
また、全体的な傾向として、男の子のほうが女の子よりも第二次反抗期の時期が遅い(=遅く始まり、遅く終わる)とも言われています。
女の子は言葉による反発や無視が増加
女の子は男の子ほど外に対して衝動的な行動をしない反面、口調がきつくなったり無視したりする形で反抗が表面化しやすいといわれます。
思春期特有の繊細な悩みを抱えやすくなり、親のちょっとした言葉にも過敏に反応するケースがあります。
友だち関係のいざこざを家庭に持ち込み、イライラした態度を取ることも少なくありません。
あまりしつこく干渉すると逆効果になりがちなので、「一歩引いて見守る」姿勢が重要です。
反抗期の乗り切り方
冷静な姿勢を保つ
反抗期の子どもが暴言を吐いたり、きつい態度を取ったりしてきた場合に、親も感情的になってしまうと悪循環に陥ってしまいます。
親も人ですから、イライラしてしまうこともあると思いますが、そういったときは一旦その場を離れたり、頭の中で数を数えたりするなど、自分の感情をコントロールするための工夫が有効です。
落ち着きを保ち、子どもの気持ちに耳を傾ける余裕を持ちましょう。
子どもの主張を真っ向から否定しない姿勢
反抗期の子どもは、何かを否定されたり制限されると、反抗を強める傾向があります。
勉強や生活リズムに関して説得したい場面があるかもしれませんが、頭ごなしに「やめなさい」「ダメ」と言わないようにしましょう。
子どもの主張を一度聞き取り、「そう思うんだね」「気持ちは分かったよ」と受け止めたうえで、守るべきルールを話し合う流れを作ると話を聞いてもらえるかもしれません。
子どもが「自分の考えを尊重してもらえた」と感じると、落ち着きを取り戻しやすくなります。
過干渉をさけ、適度な距離感を保つ
反抗期の子どもは、親からの口出しを「干渉」と感じて強く拒絶することがあります。
過干渉は避けましょう。
一方で、まったく放任すると、困ったときに助けを求めづらいと感じるかもしれません。
挨拶や何気ない声かけは怠らずに、「必要なときはいつでも相談していい」というメッセージを伝えることが重要です。
子どもが話してきたときには集中して耳を傾け、意見を押しつけるのではなく、共感する姿勢を示すと、安心感を得やすくなります。
学校や塾、自治体の相談窓口を活用する
子どもとどうしても衝突が多くなったり、学習意欲の低下などが見られる場合は、第三者の力を借りることも大切です。
親の言葉は受け入れづらい時期でも、信頼できる塾の先生やスクールカウンセラーであれば、案外素直に話を聞ける子もいます。
自治体の教育相談室や青少年センターなど、無料で利用できる公的機関も存在します。
人に相談することにためらいを感じることもあるかもしれませんが、状況が悪化する前に相談窓口を利用すると、親も子どもも気持ちが軽くなる可能性があります。
親が持つべき心構え
反抗期は親子の関係が試される時期ともいえますが、そこを乗り越えた先では、子どもが大人の一員として自分で考え、自分の道を切り開こうとする姿を見ることができるかもしれません。
子どもが冷静に相談してくれたり、一緒に買い物へ出かけて近況を話してくれたりする機会が増えれば、関係が変化している証拠です。
ただし、反抗期が終わりに近づいたからといって、安心しきって干渉しすぎると再び衝突が起きる可能性があります。
適度な距離を保ちつつ、子どもを一人の人間として尊重する心構えを持つことが大切です。
反抗期が終わるサイン
反抗期の終わりは「ある日ぱたっと終わる」というより、徐々に態度が柔らかくなる形で訪れます。
以前は無視が多かったのに、少しずつ普通に会話ができるようになったり、親の言葉に反発することが減ってきたりすると、反抗期が落ち着き始めた可能性があります。
変化が緩やかなため、気づいたら「あれほど激しかった反抗がいつの間にか和らいでいた」と感じることが多いです。
まとめ
反抗的な態度は「自分の意見を認めてほしい」という子どものサインともいえます。
頭ごなしに否定せず、必要に応じて塾や相談機関など第三者の力を借りると、状況が改善されやすいでしょう。
子どもの態度が徐々に柔らかくなったり会話が増えたら終わりのサインです。
苦しいときは一人で抱え込まず、周囲からサポートを得ながら、子どもの成長を見守りましょう。
反抗期も相俟って、中学受験、高校受験、大学受験の勉強が上手くいかないようであれば当塾LEFYにご相談ください。
東大をはじめとした最難関大学の大学生・大学院生、また、プロの講師が第三者として接することで、学習がスムーズに進むことがあります。
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