教育

大学受験の補欠合格の仕組み!繰り上げ、追加合格の連絡はいつ?逃さないための準備も

大学入試の合否発表には「補欠合格」というものがあります。
ただし、その連絡の時期や手続きの期限は大学ごとに異なり、対応を誤るとせっかくのチャンスを逃すこともあります。

この記事では、補欠合格の仕組みから繰り上げ合格までの具体的な流れ、通知を受け取るときの注意点や他大学との併願との兼ね合いまで、徹底的に解説していきます。
繰り上げ連絡が来た際の対応、その準備についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

補欠合格とは?

補欠合格とは、合格発表の段階で定員を満たすほどの正規合格者を確保できなかったときや、正規合格者に辞退が出る可能性が高いと大学側が見込んだときに設けられる「合格の候補枠」のことです。

大学によっては「補欠合格」と明記する場合もあれば、発表そのものを行わず、のちに追加合格として繰り上げる仕組みを用いる場合があります。いずれにしても、補欠合格になった段階では、まだ入学手続きができるわけではありません。正規合格者から入学辞退者が出るかどうかによって、最終的に繰り上げ合格になるかが決まるのが特徴です。

多くの大学が補欠合格を設定する背景には、入学手続き率の予測が難しいという事情があります。受験生の多くが複数の大学を併願するため、第一志望に合格すれば第二志望の大学を辞退することもあるからです。大学側は定員割れを避けたい思いがありますが、近年は定員厳格化の影響もあって、過度に多くの合格者を最初から出せないという事情があります。その調整の一環として、補欠合格や繰り上げ合格という仕組みが活用されています。

補欠合格は厳しい状況のように感じるかもしれませんが、実は十分にチャンスが残っている状態ともいえます。大学の規模や志望度の高さによっては、辞退者が多く出ることもあるため、補欠合格者に順次繰り上げ合格の連絡がいくケースが存在します。

以下の早稲田大学のページのように、補欠合格者の扱いについて、各大学が説明をしているはずです。
受験する学校はすべて確認しておきましょう。
合格発表 – 早稲田大学 入学センター

繰り上げ合格の時期と通知方法

繰り上げ合格が通知される時期は大学や受験方式によって大きく異なります。多くの場合は正規合格者の入学金納入締め切り直後、あるいは国公立大の合格発表後に大きく動くことが多いです。
私立大学では国公立大の合格発表が終わってから、辞退者が確定したタイミングで繰り上げ合格を出すため、三月の中旬から下旬、さらには四月に入る直前に連絡が届くこともあります。

通知方法は、ウェブサイト上で公表する大学、電話連絡で意志確認を行ってから書類を送付する大学、郵送のみで一括通知する大学などがあります。最近はインターネット出願が普及してきたこともあって、合否確認や追加合格通知のページが用意される場合も珍しくありません。ただし、なかには電話で入学意思を直接確認するところもあります。三月下旬を過ぎると入学手続きの期限が差し迫るため、電話連絡で確定させる大学が増える傾向はあります。

繰り上げ合格の連絡に気づかず期限を過ぎてしまった場合は、せっかくの合格権利を失うことにつながります。非通知電話や大学名での着信を見落とさないようにするためにも、出願時に記入した電話番号を常に確認できる状態にしておくことが重要です。大学によっては不通が続くと次の候補者を探すケースがあります。後になってから、「気づかなかった」という理由では取り返しがつかないことがあるので、連絡先設定は早めに確認しておきましょう。

繰り上げ合格を逃さないために

補欠合格から繰り上げ合格に進むためには、大学からの連絡を確実に受け取ることと、連絡が来たときに即座に行動できる準備をしておくことが大事です。連絡を受け取れる体制を整えるためには、出願時に正確な電話番号とメールアドレスを記入する、非通知拒否設定を解除しておく、入試要項や大学の広報媒体から発表方法を調べておくなど、細かな点を丁寧に確認することが欠かせません。

また、繰り上げ合格を受けるか辞退するかの判断は、迅速に行わなくてはいけないことが多いです。特に三月下旬以降になると、大学側も早く定員を確定させたいという思いがあるため、すぐに入学するかどうか聞いてくる場合があります。そこで迷ってしまい、回答を保留するまま一日以上経過してしまうと、「入学する意思がない」と見なされ、次の受験生に合格枠を渡すケースもあるでしょう

事前の判断基準としては、第一志望校なら迷わず入学したいか、あるいはすでに納入した授業料を切り捨てる覚悟はあるかなど、家族とも話し合いを済ませておくことが理想です。
大学側にすぐに返答する必要がありますので、「繰り上がったら必ず入学するのか」「別の大学への進学をそのまま継続するのか」について方針を明確にしておくとよいでしょう。
そうすることで、急な連絡が来たとしても落ち着いて最適な行動を取ることができます。

国公立と私立での補欠合格の傾向は違う?

国公立大学の場合、正規合格の時点で第一志望として入学を決める受験生が多いことから、私立大学ほど多くの補欠合格や繰り上げ合格が出ない傾向があります。
そもそも国公立大学では「補欠合格」と呼ばず、辞退者が生じてから追加合格をまとめて発表する形をとることがあり、数自体も少ないです。
さらに、後期日程試験の合格発表が三月中旬から下旬にかけて行われることもあって、実際に繰り上げ合格が出る時期は入学直前になることさえあります。

一方、私立大学では複数の大学に併願している受験生が多く、第一志望の国公立大や他の難関私立大に合格した場合はそちらに進学し、結果的に辞退が発生しやすい傾向にあります。
私立大学は定員に大きな余剰を出すと補助金の減額などのペナルティがあるため、最初の段階では定員よりかなり少なめの正規合格しか出さないケースもあります。辞退者の数を見て、最終的に定員に届くまで繰り上げ合格を繰り返すわけです。

スケジュールを正確に把握しておこう

補欠合格から繰り上げ合格に至るまでのスケジュールは不透明な部分が多いです。大学が正規合格者の入学金締め切りを設定していても、そこですべて辞退者が確定するわけではありません。入学金だけ支払い、その後の学費納入を見送って辞退する受験生もいるからです。

特に国公立大学と私立大学を併願している場合、国公立の合格発表が遅めに行われることから、その合否を見て私立大を辞退する人が続出する時期があります。

そのため、補欠合格で通知が来るのは正規合格発表の数日後から一か月以上あとになったり、三月中旬を超えてからになったりすることも珍しくありません。そうした状況に備えて、他の大学の入学手続きやスケジュールをきちんと把握する必要があります。下記のような表を作成し、締め切りや発表の可能性がある日程を整理するとよいです。

大学名試験区分正規合格発表日入学金締切日補欠合格(繰り上げ合格)の通知時期入学手続き最終締切
A大学一般入試2/102/202/20~3/10頃3/15
B大学一般入試2/152/253/上旬~中旬3/25
C大学前期試験3/103/20辞退者数が確定してから随時3/31

このような表を参考にしながら、いつ頃に繰り上げ合格の連絡が来るか推測し、同時に他の大学の手続きをどうするか検討しておくと整理しやすくなります。

複数の大学に合格し、入学金を複数納めているケースでは金銭面の負担も大きくなりますが、その状態であっても第一志望の繰り上げ合格が出るならそちらに行くと決めている受験生も多いです。結果的に金銭的なダメージはあるかもしれませんが、志望校に行けるなら後悔は少ないという考え方をする人もいます。

納得できる大学選びのために考えるべきこと

第一志望としていた大学の補欠合格を得た場合は、連絡を受けた時点で大きく心を動かされることがあるかもしれません。
気持ちが高揚し、「絶対に行きたい」と思うかもしれませんが、すでに別の私立大学に入学金や前期学費を支払っている場合はその金額を放棄する覚悟が必要です。
金銭面を含めて家族ともよく話し合うことが大切です。

補欠合格を受け取ったとしても、最終的に入学するかどうかは各自の選択です。
別の大学で決心が固まっているなら、繰り上げ合格を辞退する選択肢もあり得ます。
あとから「やはりあの大学に行きたかった」と後悔することがないよう、保護者や学校の先生、予備校の講師などに相談しながら慎重に考えましょう。受験生本人が大学でどんな研究や活動を望んでいるか、どのような将来像を描いているかを改めて見つめ直すことがポイントです。

補欠合格の際の注意点

補欠合格から繰り上げ合格になった場合、入学金と同時に前期学費をまとめて短期間で納めるよう求められることがあります。
私立大学では約100万円程度になることもあるでしょう。

大学としては、繰り上げ合格を出すからには確実に入学してくれるかどうか早めに確定させたいという意図があります。特に三月下旬に連絡が来た場合は、入学式の準備やオリエンテーションなど、大学側のスケジュールが迫っているため、支払い期限を数日後に設定されることもあります。

このような状況を想定し、もし第一志望の大学から補欠合格をもらって繰り上げ連絡が来る可能性があるなら、一定の資金を準備しておくことが必要です。経済的に厳しい場合、急に大きな額を用意することが難しいこともありますので、早めに家族と相談しておきましょう。奨学金などを利用する場合も、通常の入学手続きのタイミングとは異なる時期だと、申請手続きに間に合わない恐れがあるため注意が必要です。

入試制度による違いにも注目する

同じ大学でも、一般入試、センター利用入試、総合型選抜(旧AO入試)など、複数の受験方式を実施している場合、補欠合格や繰り上げ合格の扱いが異なる可能性があります。総合型選抜などでは補欠合格という名称をあまり使わず、追加合格という形で後から合格者を出す場合があります。入試方式によって合格発表の時期もバラバラですし、合否通知方法に違いがあることも珍しくありません。

精神的な面のケアも大切

補欠合格という結果は、受験生にとって「合格か不合格か分からない宙ぶらりんの状態」であり、精神的に落ち着かない状況になりがちです。正規合格と比べてどうしても心配事が増えやすく、他の大学の手続きをどうしようか悩んでしまうため、モチベーションを保つのが難しいと感じる人もいます。

しかし、補欠合格になった以上、その後に繰り上げ合格が出る可能性は決して低くはありません。特に私立大学は併願率が高く、第一志望を国公立にする受験生も多く存在するため、正規合格者の辞退が連鎖的に起きる時期があります。落ち着いて待つことも大切ですが、同時にもし繰り上げ合格が来なかった場合にも備え、進学先をきちんと確保しておくことも重要です。

まとめ

繰り上げ合格は必ずしも出るとは限らず、また連絡がいつ来るのか、どれだけの人数が繰り上げ対象になるのか分からない状況に対する不安やリスクもあります。加えて、連絡を受け取った際には短期間でまとまった学費を納めなければならない場合があります。

受験生としては、補欠合格や追加合格の仕組みを正しく理解し、発表のタイミングや手続きの手順を見落とさないようにすることが重要です。そして、待っている間は他の大学の手続きをどうするか検討しながら、第一志望の大学への入学が叶わない場合も含めて、なるべく悔いのない選択を目指しましょう。

大学受験は長く厳しい道のりですが、結果が出る段階で補欠合格になっても決して諦めず、状況を冷静に分析する姿勢が必要です。今回紹介した日程管理のポイントや金銭面の注意点などを踏まえて、最後まで良い判断ができるよう取り組んでみてください。

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