「北の空の星は時計回り?反時計回り?でいつも迷う」
「“1時間で15度”と“1か月で30度”がごちゃごちゃになる」
「星座の形や色、見える方角まで覚えきれない」
中学受験の理科で、星の動きは月の満ち欠けとならぶ頻出単元です。覚えることが多そうに見えますが、原因は「地球が動いているから、星が動いて見える」という1つだけ。これさえつかめば、日周運動も年周運動も同じ理屈で説明できます。
本記事は、星が動く理由 → 4方位の動き方 → 北極星と季節の星座 → 年周運動 → 計算問題までを順に整理します。星座や星の動きは平面の図だと混乱しがちなので、本物の星空をそのまま動かせる無料の3Dツールの画面も使いながら、立体的に理解できるようにしました。
- 星が動いて見えるしくみ(地球の自転・公転)と、1時間で約15°動くこと
- 東・南・西・北、4方位それぞれの星の動き方
- 北の空が北極星を中心に「反時計回り」になる理由
- 北極星の見つけ方(北斗七星・カシオペヤ座)と、北極星の高度=その土地の緯度
- 季節の星座・主な1等星(春の大曲線/夏・冬の大三角)と、星の色と温度
- 年周運動(同じ時刻に1か月で約30°西へ)と、星座早見盤の使い方
- 入試で出る角度・時刻の計算問題と、確認クイズ
この記事を書いた人
服部貴哉
受験アドバイザー
神奈川大学附属中高→慶応義塾大学法学部→総合商社→LEFYにて中学受験および中高一貫校生をサポート。サピックス・グノーブルをはじめ大手塾の指導経験が豊富で、理科の天体分野でお子さんがつまずきやすいポイントを保護者目線で分かりやすく解説しています。
星はなぜ動いて見えるの?
夜空の星は時間がたつと位置を変えますが、星そのものが動いているわけではありません。動いているのは地球です。電車に乗ると景色が後ろへ流れて見えるのと同じで、動いているのは自分(地球)なのに、止まっている星が動いて見えるのです。
- 日周運動…地球が1日1回自転するために、星が1日かけて空を回って見える動き。
- 年周運動…地球が1年かけて太陽のまわりを公転するために、同じ時刻に見える星座が少しずつずれていく動き。
日周運動:星は1時間に約15°、東から西へ
地球は西から東へ自転しています。だから太陽と同じように、星も東からのぼって西へしずむように見えます。地球は24時間で360°回るので、星は1時間に約15°動きます。
東・南・西・北、4方位の動き方
同じ「東から西へ」でも、向く方角によって星の動き方は変わって見えます。これが入試の超定番。図でまとめて覚えましょう。
4方位の星の動き方(北半球)
北の空は北極星を中心に「反時計回り」
北の空の星は北極星を中心に反時計回りに回り、回る速さはやはり1時間に約15°。星の光を長く写すと、北極星を中心とした同心円の弧になります。
北の空の星の動き(北極星中心・反時計回り)
北極星だけがほとんど動かないのは、地球の自転の軸(地軸)をそのまま空までのばした先に北極星があるから。コマの軸の真上の一点が回らないのと同じで、軸の延長上にある北極星は回転の中心になり、動きません。
3Dで見る本物の夜空(北極星・大三角・色つきの星)
平面の図では「どの星座がどこに、どんな色で」までは覚えにくいものです。下図は、観測者を中心に本物の星空を再現した無料の3Dツール「星の動き」の画面です。1枚に、覚えるべき星座・星がぎゅっと入っています。
ぜひ利用して、イメージがわくようにしておきましょう。
観測者から見た夜空(北極星・北斗七星・カシオペヤ・大三角・1等星)
北極星の見つけ方(北斗七星・カシオペヤ座)
北極星は2等星で、それほど明るくありません。となりの目立つならびから探します。
- 北斗七星から…ひしゃくの先の2つの星を結び、その間かくを約5倍のばすと北極星にとどく。
- カシオペヤ座から…北極星をはさんで北斗七星の反対側にあるW字。北斗七星が見えにくい季節はこちらで探す。
北極星の高さ=その土地の緯度
入試でねらわれる発展事項。北極星の地平線からの高さ(高度)は、その土地の緯度と同じになります。東京(北緯約35°)なら、北極星は北の空の高さ約35°に見えます。
北極星の高度=観測地の緯度(東京・北緯35°)
季節の星座と主な1等星
季節ごとに「夜の主役」になる星座と、目印になる明るい星(1等星)をまとめます。とくに大三角・大曲線は頻出です(上の3D画面で形と位置を確認しましょう)。
| 季節 | 目印のならび | 主な星座・1等星 |
|---|---|---|
| 春 | 春の大曲線 | 北斗七星 → うしかい座アルクトゥルス → おとめ座スピカ |
| 夏 | 夏の大三角 | こと座ベガ・わし座アルタイル・はくちょう座デネブ/さそり座アンタレス(赤) |
| 秋 | 秋の四辺形 | ペガスス座の大四辺形(明るい1等星が少ない季節) |
| 冬 | 冬の大三角 | オリオン座ベテルギウス(赤)・おおいぬ座シリウス・こいぬ座プロキオン/オリオン座リゲル(青白) |
シリウス(おおいぬ座)は太陽をのぞいて全天でいちばん明るい恒星。オリオン座は赤いベテルギウスと青白いリゲルを持ち、色のちがいを比べる問題によく登場します。
星の色と温度(赤いほど低温・青白いほど高温)
星の色は表面温度で決まります。赤い星ほど低温、青白い星ほど高温。鉄を熱したとき、最初は赤く、もっと熱すると白っぽく光るのと同じイメージです。
星の色と表面温度(赤=低温 〜 青白=高温)
| 色 | 表面温度のめやす | 代表的な星 |
|---|---|---|
| 赤 | 約3000℃(低い) | ベテルギウス(オリオン座)・アンタレス(さそり座) |
| 黄 | 約6000℃ | 太陽 |
| 白 | 約10000℃ | シリウス(おおいぬ座) |
| 青白 | 約12000℃以上(高い) | リゲル(オリオン座)・スピカ(おとめ座) |
年周運動:同じ時刻に1か月で約30°西へ
地球は太陽のまわりを1年(約365日)で1周(360°)公転します。すると、毎日同じ時刻に空を見ても、星座の位置が少しずつ西へずれていきます。これが年周運動です。なぜ季節で星座が変わるのか、まず公転の図でつかみましょう。
なぜ季節で星座が変わる?(地球の公転と真夜中に見える星座)
同じ時刻でも、星座は1か月ごとに西へずれる(年周運動)
年周運動の角度・時刻(暗記の核)
- 同じ時刻に見える星座は 1か月で約30°西へ(360°÷12か月。1日では約1°)。
- 同じ星座が同じ位置に来る時刻は、1か月で約2時間早くなる(30°÷15°=2時間)。
星座早見盤の使い方
星座早見盤は、日付の目盛りと時刻の目盛りを合わせると、その瞬間に見える星空が窓に現れる道具です。使うときのコツは2つ。
- 見たい方角を下にして持つ(南の空を見るなら「南」を下に)。頭の上にかざすイメージ。
- 早見盤は東西が地図と逆になっている。空を見上げる向きに合わせてあるためで、ここが定番のひっかけ。
星座早見盤のしくみ(方角は東西が地図と逆)
入試で出る計算問題
例題1:日周運動(角度→時刻)
- ある星が、北極星を中心に45°動いて見えました。何時間たちましたか。
- 日周運動は1時間に15°。45 ÷ 15 = 3時間。
例題2:年周運動(同じ位置に来る時刻)
- ある星座が今夜21時に真南に見えました。2か月後、この星座が真南に来るのは何時ごろですか。
- 同じ位置に来る時刻は1か月で約2時間早くなる。2か月で4時間早いので、17時ごろです。
例題3:日周+年周の合わせ技
- 今夜20時にある位置に見えた星は、1か月後の同じ20時には、どちらへ約何度ずれていますか。
- 年周運動で西へ約30°ずれています(同じ時刻なら、1か月で約30°西)。
理解度チェック!確認クイズ
北の空の星は、北極星を中心にどちら回り?
A. 反時計回り。1時間に約15°回って見えます。
星が1時間に動く角度は約何度?
A. 約15°(360°÷24時間)。日周運動の基本です。
同じ時刻に見える星座は、1か月でどちらへ約何度ずれる?
A. 西へ約30°(360°÷12か月)。地球の公転による年周運動です。
北極星がほとんど動かないのはなぜ?
A. 地軸(自転の軸)を延長した先にあるから。回転の中心になるので動きません。
東京(北緯35°)で、北極星は北の空のどのくらいの高さに見える?
A. 約35°。北極星の高度=その土地の緯度です。
赤い星と青白い星、表面温度が高いのはどっち?
A. 青白い星。赤い星ほど低温、青白い星ほど高温です。
冬の大三角をつくる3つの星は?
A. ベテルギウス・シリウス・プロキオン(オリオン座・おおいぬ座・こいぬ座)。
星の動きの覚え方・つまずき対策
- 15°と30°の区別:15°=1時間(日周)、30°=1か月(年周)。「時間は15、月は30」とセットで覚える。
- 北の空は反時計回り(時計と逆)。南の空は左(東)から右(西)=太陽と同じ動き。
- 星座と1等星は形・色・季節をセットで。3D画面で位置関係ごと覚えると忘れにくい。
- 原因はすべて地球の動き(自転=日周、公転=年周)。丸暗記より「なぜ動くか」を先に理解。
まとめ
- 星が動いて見える原因は地球の動き。自転=日周運動、公転=年周運動。
- 日周運動は1時間に約15°、東から西へ。北の空は北極星を中心に反時計回り。
- 北極星が動かないのは地軸の延長線上にあるから。北極星の高度=その土地の緯度。
- 年周運動は同じ時刻に1か月で約30°西へ。同じ位置に来る時刻は1か月で約2時間早くなる。
- 星の色は赤=低温/青白=高温。シリウスは太陽をのぞいて全天一明るい。大三角・大曲線は形と季節をセットで。
星の動きは「覚える」より「地球の動きから導く」と応用問題に強くなります。星の動きの3Dシミュレーターで本物の夜空を回しながら、得点源にしていきましょう。
よくある質問
北の空の星はなぜ反時計回りに見えるのですか?
地球が西から東へ自転しているため、北の空では星が北極星を中心に反時計回りに回って見えます。回る速さは1時間に約15°(24時間で360°)です。北極星は地軸の延長線上にあるので、回転の中心になりほとんど動きません。
日周運動と年周運動のちがいは何ですか?
日周運動は地球の自転による1日の動きで、星は1時間に約15°東から西へ動きます。年周運動は地球の公転による1年の動きで、同じ時刻に見える星座が1か月で約30°西へずれます。原因(自転か公転か)と角度(15°か30°か)で区別しましょう。
北極星の高さ(高度)は場所によって変わりますか?
変わります。北極星の高度=その土地の緯度です。東京(北緯約35°)では約35°、赤道(緯度0°)では地平線すれすれ、北極(緯度90°)では真上(天頂)に見えます。
星の色のちがいは何で決まりますか?
星の表面温度で決まります。赤い星ほど低温(約3000℃)、青白い星ほど高温(約1万℃以上)です。たとえばオリオン座では、赤いベテルギウスより青白いリゲルのほうが高温です。
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