成績が落ちこぼれてしまっている中高一貫校生の多くは、数学と英語でつまずいているはずです。
この2つの科目は、理解、習得を積み重ねていくことで成績を伸ばすことができます。
言い換えれば、どこかのタイミングでさぼってしまい、一度落ちこぼれてしまうと、その後に成績を伸ばすためには、目の前の勉強だけでなく、復習も必要になってしまうと言えます。
今回は、英語で落ちこぼれてしまった中高一貫校生が、英語の成績で挽回するためのコツをご紹介していきます!
中高一貫校に通っていると、高校受験がないため、友達も高校2年生の夏ごろまでは受験モードにならず、気づいた時にはとんでもない状態に陥ってしまっていることが多いです。
お子さまご自身の自主性も大切ですが、そういった環境であるということも踏まえて、ぜひ保護者の方からも働きかけてあげてください!
取り組みやすい市販の参考書もご紹介しておきますので、ぜひきっかけにしてみてください。
中高一貫校の英語で落ちこぼれてしまう理由
中高一貫校生が英語で落ちこぼれてしまう主な理由は次の4点でしょう。
①学校の授業進度が早く、追いつけなくなってしまった
中高一貫校の授業は進みが速いことが多く、そのペースについていけないことで落ちこぼれてしまうパターンです。
特に中学1年~中3頃までの時期は、毎回の授業を理解することは前提として、単語や文法ルールを丸暗記することも一定程度必要になってきます。
そういった暗記や問題演習を十分にこなす前に次の単元に進んでしまうことが繰り返された結果、気づいた時には授業についていけず、成績が低迷しているパターンです。
②暗記をさぼっている
先述した通り、序盤の英語学習において、暗記は必須になります。
英語で苦戦してしまった中高一貫校生の多くが、基本的な英単語や活用変化、文法ルールの暗記が曖昧です。
英語力が十分ついてくれば、暗記学習的な側面はそこまで気にならなくなっていきますが、序盤は暗記学習が必須だということは意識しておいたほうがよいでしょう。
③文法の演習量が足りていない
暗記をさぼることに加えて、文法の問題演習量が足りていないことも英語の成績低迷のよくある原因です。
後述しますが、英語はどのように勉強すればよいかわかっていない中高生が多くいます。
そういった中高生は、文法は理解さえすればよいと考えていることが多く、その後の十分な問題演習を確保できていないことがあります。
④英語の勉強の仕方(要領)をつかめていない
英語の勉強の仕方の要領とは、ざっくりと言えば、これまで述べてきたようなことです。
中1~中3、高1ごろまでの英語学習では、理解はもちろん必要ですが、結局は暗記することが必要になります。
暗記した上で問題を解いていくことで、身につき、頭の中が整理され、体系的に習得していくことができます。
(多読的な学習方法もありますが、本記事では触れません)
暗記や反復演習の重要性に気づかずに勉強してしまうと、時間は結構かけたつもりなのに成績が伸びず、苦手意識が芽生えてしまいます。
【中1~中3】英語で挽回するコツ!
一旦、目の前の勉強に真剣に取り組もう
程度にもよりますが、中1~中3の時期であれば、目の前の学習内容に、既習範囲がそこまで大きく影響しないでしょう。既習範囲が影響するとしても、さらっと思い出せば問題ないようなものが多いはずです。
そのため、英語の成績が落ちこぼれてしまっている中高一貫校の中1~中3生は、まずは、直近の学習範囲にしっかりと取り組むことが最優先です。
その際、もし既習範囲でわからない内容が出てきたらしっかりと調べ、また、暗記と反復演習を怠らないようにしてください。
試しに英語と文法、英文を丸暗記してみよう!
暗記や文法問題の反復演習をさぼっている人の中には、「これを丸々覚えてなんの意味があるのかわからないし、しっくりこないから」というような理由で毛嫌いしている人もいるかもしれません。
その気持ちも理解できます。
しかし、英語学習の序盤はそれを乗り越える必要があります。
一度試しに、学校の授業で扱われた文法問題の例文や、英文を丸暗記する勢いで勉強してみましょう。
そうすると、違った感覚で英語を捉えられるようになるかもしれません。
【高1~高3】英語で挽回するコツ!
既習範囲をしっかり学びなおそう
高校1年生以降で落ちこぼれてしまっている場合、目の前の勉強だけに取り組んでいても効率が悪い可能性が高いです。
それは、「既習範囲の内容が身についておらず、吸収できないから」という理由もありますし、仮にひとつひとつ不足している内容を調べて身に着けるような勉強をしたとすると、かなり億劫な勉強になってしまうから、という理由もあります。
そして、本来であれば、ひとつひとつ調べた既習範囲の内容も反復練習する必要があるため、教材が複数にわたり、特定の教材を進めればよいというシンプルな勉強の進め方にならないというデメリットもあります。
高校生で英語で挽回を狙う場合、やはり、一度過去に学習した範囲に立ち返って、一から丁寧に学びなおすべきだと考えられます。
単語と文法演習が最優先
そして、さらにわかりやすく注力する分野をあげるとすれば、「単語」と「文法演習」です。
ややこしい構造の文を解釈する練習や、長文への取り組みは一旦忘れましょう。
基本レベルの単語帳と文法問題集を完璧にすることを最優先に考えましょう。
個別指導か家庭教師を利用しよう
高1~高3は、大学受験まで残り時間が限られています。
我流で取り組んだ場合に、教材や取り組む方法を間違えてしまうと大変です。
そのため、できれば個別指導塾、もしくは家庭教師を利用したほうが無難です。
また、もしそれまで本当に勉強をさぼってしまっただけなのであれば、コーチング系の塾も効果的かもしれません。
特に高2夏以降で受験が差し迫っている時期であれば、特定の科目だけでなく、複数科目のロードマップを引いてもらう必要があるはずです。
一方で、勉強をかなりさぼったというわけではない場合、根本的な勉強の仕方に問題があったり、理解の側面に課題があるはずです。
そういった場合は、しっかりと内容面について説明してもらえる1対1の個別指導、もしくは家庭教師が望ましいと言えます。
いずれにしても…この3点を意識しよう!
多くの中高一貫校生の場合、中学受験で合格してその中高に入学しているはずです。
つまり、同学年の友達と、極端に大きな学力差があるわけではありません。
個別に課題や対策をあげれば、きりがありませんが、次の3点は共通していることが多いため、ぜひ意識してみてください。
①勉強時間・量の確保!
一度落ちこぼれてしまったために、結果を出すのに時間がかかってしまうこともあるでしょう。
しかし、諦めずに、十分な勉強時間と量を確保し続けなければいけません。
成績が落ちこぼれてしまっている中高一貫校生は、勉強時間や量が圧倒的に不足している自覚がないこともあります。
勉強時間・量の確保が最優先です。
②学校の授業を有効活用できるように!
成績が落ちこぼれてしまっている中高一貫校生は、毎日の学校の授業が辛いはずです。
これまでの学習内容が抜けていて、授業で扱われている内容をその場では完璧に消化できないため、しょうがないことです。
しかし、どこかのタイミングで、学校の授業を有効活用できる状態になることを目指しましょう。
同学年の友達は、学校の授業を有効に吸収しているわけですから、その時間を無駄にすることなく、同じように有効に吸収していかなければ、ライバルとの差を埋め、逆転することはできません。
「これから挽回するぞ!」と意気込んだ時点で、「〇月ごろには、この科目は学校の授業についていけるようにする」と目安を決めておくようにしましょう。
中には、学校の授業中に内職をしようと考える方もいるかもしれませんが、それはあまりおすすめしません。
③勉強の仕方を反省・改善してみる!
勉強の仕方を反省・改善することができるというのは、勉強が得意な人の特徴です。
成績が低迷してしまっている中高一貫校生は、これまでの勉強量が不足していることが多く、非効率的な勉強をしているケースが散見されます。
勉強の仕方を反省・改善する努力もしなければなりません。
もちろん、
「単語はどの教材を使って、どう覚えるべき」
「文法はこの教材を使って、こういう風に勉強して、〇月までに〇周しよう」
というような目標やアクションは、学校の先生、塾の先生から教えてもらえるでしょう。
しかし、いざ勉強しているときの時間の使い方、頭の使い方(頭のなかでどんなことを考えているか)は、本人しかわかりません。
この点を意識して日々の勉強に取り組むだけでもかなり大きな効果があるはずです。
中高一貫校生の中1~高2は個別指導がおすすめ
いざ大学受験となる高2後半~高3生であれば、集団授業の予備校に通うことでも効果があると思います。
しかし、同学年比で成績が低迷してしまっている中高一貫校生は、まずは標準的なレベルまで学力を引き上げなければなりません。
そうなると、塾に通う場合は、個別指導になるはずです。
当然のことですが、成績が低迷している状態を放置し、学年が上がれば上がるほど、挽回するのに必要な労力は大きくなってしまいますので、できるだけ早い段階で改善に取り組みましょう!
英語で落ちこぼれてしまった中高一貫校生にオススメの参考書
英語で落ちこぼれてしまった中高一貫校生におすすめの教材をご紹介します。
英語の成績を着実に挽回する方法は、シンプルでわかりやすいものを確実にスピーディーに習得していくことですので、とっつきやすい参考書をご紹介しています。
ターゲット1900
ド定番ですが、単語が不足している中高生はここから始めましょう。
中3、高1生以上が対象です。
中1、中2生は学校の授業で扱われる単語を確実に習得していきましょう。
Z会中学英文法Fine
中高一貫校では、英語の授業で扱っている教材が、長文メインになっていて、文法事項だけをとりまとめてくれていないケースがあります。
一方、本教材には中学生が身に着けるべき文法事項がまとまっています。
スピーディーに、網羅的に文法を学習したい中高一貫校生におすすめです。
ただし、問題演習という面では物足りませんので、問題集は別途準備しましょう。
英文法レベル別問題集 1超基礎編 改訂版
本書はかなり基本的なレベルから学習することができます。
より難しいレベルのシリーズもありますので、自分に合うレベルからトライしてみてください。
Next Stage 英文法・語法問題
文法、イディオム、慣用表現、重要単語などが1問1問コンパクトにまとまっています。
本書を完璧にすれば、かなりのレベルにまで到達できます。
高校生が対象です。
ただし、こちらの教材は、レベルが高いというわけではありませんが、少しハードルが高いと感じるかもしれません。
可能な範囲でコツコツ取り組むことをおすすめします。
英文法・語法 Vintage 3rd Edition
こちらも高校生が対象で、人によっては負担が大きいと感じるかもしれません。
ただし、やはり本書を完璧にすればかなりの力が付きます。
また、本書に対応したトレーニングプリント、動画を利用できます。
チャート式シリーズ 中学英語
先述したとおり、中学生の段階では、できるだけ学校の授業、教材で追いつけるように勉強することをおすすめしますが、とはいえ、わかりやすい教材で振り返りたいということもあるでしょう。
そういった際に、基礎がわかりやすくまとめられているので最適です。
▼チャート式シリーズ 中学英語 1年
▼チャート式シリーズ 中学英語 2年
▼チャート式シリーズ 中学英語 3年
中2英語をひとつひとつわかりやすく。改訂版
タイトル通り、かなりわかりやすく解説されており、ザーッと復習することができるはずです。
英語に不安がある場合は、本書と合わせて問題集をこなすとよいでしょう。
▼中1英語をひとつひとつわかりやすく。改訂版
中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる本
英文法がコンパクトに、イラストも多用しつつ大変わかりやすくまとまっています。
英語の成績が落ちこぼれてしまい、ここから挽回を目指す中3生、高1生にオススメです。
高校基礎 英文法パターンドリル
本書は、タイトル通り、ドリル形式の英文法問題集です。
中学で習う基本的な文法から、高校で習う内容まで網羅されています。
ドリル形式のため、文法事項の説明は掲載されていません。
文法事項の解説が非常にわかりやすい参考書は、問題数が少し物足りないことが多いため、理解するようの参考書と本書を合わせて学習を進めるようにしましょう。
ひととおり勉強してきたものの、定着が甘く点数につながらない高2生は本書を完璧にするとかなり力がつくでしょう。
塾で配布、購入できる教材がいいかも!
市販の参考書は、その参考書を読むことで、掲載されている事項を十分理解できるようになることが求められます。加えて、説明がわかりやすいことが評価されます。
そのため、イラストや図表による説明は素晴らしいものが多い一方で、演習用の問題量が不足することがあります。
塾で配布されたり、購入できる教材は、授業での説明も想定されているため、自学自習でその内容を習得できるよう、十分な問題量が掲載されており、演習用には最適です。
塾や学校で配布される教材は市販されていないものも多いですが、ぜひ探してみてください。
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