勉強のコツ

【中学受験】計算ミスが減らない…親ができることは?

中学受験の算数で「計算ミス」が多発してしまい点数が伸びないとお悩みの受験生は多いのではないでしょうか。

お子さんも保護者も

「計算ミスか。しょうがない。理解はできてたから大丈夫!」

と軽く流してしまいがちですが、計算ミスは改善に向けてしっかりと対策を取らないと、受験本番まで直らないままです。

以下では「計算ミス」をなくす方法をご紹介していきます。

一朝一夕で直るものではありませんので、しっかりと原因を認識し、早期から対策を講じましょう。

「計算ミス」に見えるが、実は理解不足かも!

「計算ミス」と一口に言っても、様々な種類があります。
純粋な計算ミスだけでなく、勘違いなどのケアレスミスを含んだ広義の意味で使われていることもあるでしょう。

様々な計算ミスの中でも、以下のようなミスには注意が必要です。

  • 「+」「ー」を逆にしてしまった
  • 「×」「÷」を逆にしてしまった
  • 逆比にするのを忘れてしまった
  • 速さの問題でかけ算するものを間違えた(時速に分をかけてしまったなど)
  • 植木算的な発想において、ー1(もしくは+1)するのを忘れた
  • 対角線を使って正方形の面積を求める問題で÷2を忘れた

これらのようなミスは、単純なミスではなく、理解不十分な可能性が非常に高いです。

普段の勉強においても、理解できていない状況で、勘で「+」「ー」を選んでいたり、なんとなく勘で逆比にしているかもしれません。

その場合は、該当単元に立ち返り、復習する必要があります。

ミスが発覚したとき、それを本当に計算ミスとして認識してよいのか、それとも理解不足であるかは慎重に見極める必要があります。

お子さんに聞いたとしても、お子さんは「分かってる!大丈夫!」と言いがちですので、保護者や先生が冷静に判断しましょう。

算数の成績上位者も計算ミスを結構している

最難関校に合格するような受験生でさえ、計算ミスをすることはあります。

ただ、算数の成績上位者には、計算ミスをしても、自分で気づき、修正できるお子さんが多いです。また、計算ミスはどうしても起きてしまうものだと自覚していて、自分がよくしてしまう計算ミスの箇所では注意し、ミスをしないための工夫をしているお子さんも多いです。

それでも計算ミスによって失点してしまうことはありますから、一定程度の計算ミスはしょうがないものです。

計算ミスは一定程度発生するものだという認識を持ち、完璧になくすのではなく、減らしていくことを目指しましょう。

よくある計算ミスの事例と対策

次に、よくある計算ミスの事例と、それぞれの対策方法をご紹介します。

字が雑で見間違ってしまう

字が雑で、自分が書いた字を見間違ってしまうというのもよくあることです。

3と5の見間違い」「+が斜めになってしまって×だと思ってしまった」など、様々あります。

字は丁寧に、適切なサイズで書けるように日ごろから意識しなければなりません。

ただし、算数の試験は時間制限も厳しいですから、ゆっくりではなく、素早く丁寧に書けるようになる必要があります。

近年はタブレット学習も多く導入されており、紙に字を書く機会が減っている傾向を感じます。

入試本番は紙に解くことになりますので、できるだけ紙に文字を書くようにしたほうがよいでしょう。

暗算でミスをする

暗算はかっこいい」「式を書くのが面倒くさい」などの理由で、暗算をしたくなってしまうお子さんは多いです。

暗算が一切ダメなわけではありませんが、受験生を指導していると、やはり暗算は計算ミスの温床だと感じます。

そのため、基本的には、すべて計算式をちゃんと書かせるようにしたほうがよいでしょう。

10倍、もしくは1/10倍をした時に桁を間違える

10、100、1000倍、もしくは1/10、1/100、1/1000倍などをしたときに、何個0をつけるのか、小数点をいくつずらすのかを間違えてしまうお子さんも大変多いです。

これは意識するしかありませんので、こういったミスを保護者が発見したときは、次は間違えないよう、気を付けるように指摘しましょう。

また、問題によっては桁数がずれると、明らかに他の数字と整合が取れなくなり、違和感のある数字になっていることが多いため、そういった観点から自分で間違いに気づけるようになることも大切です。

問題文の読み間違い

分速60mなのに、時速60kmだと思ってしまった…」

A町からB町へ行くと書いてあるのにで考えてしまった…」

などなど、問題文に書かれている数字や単位、条件設定を読み間違えたり、勘違いしてしまうこともよくあります。

6年生になり、入試本番レベルの問題になると、問題文はかなりの長さになりますので、できるだけ早めに、問題文を正確に把握するように矯正しなければいけません。

こういったミスを減らすため、問題文の数字に〇をつけたり、重要な箇所には下線を引く習慣をつけましょう。

問題文を1度読んで、その後、問題文を一切読み返さずに解き進めるお子さんもいますが、これもミスに繋がります。必要に応じて問題文に立ち返り、自分が使っている数字、考えている設定が問題文どおりかを逐一確認しながら問題を解くようにしましょう。

お子さんの意識改革が最も重要

計算ミスを減らしていくためには、お子さんの意識を変えていくことも必要です。

計算ミスをしないように意識させる

先述した通り、成績上位者でも、計算ミスはするものですが、彼らは自分で計算ミスに気付いて修正したり、そもそも自分が計算ミスをしやすいところは丁寧に計算するなどの工夫をしています。

「計算ミスはしてしまうものだから、自分で気づけるように意識する」
「よく間違える計算は間違えないような工夫をする
「ミスしないよう、繰り上げ、小数点の位置などは丁寧に字を書く

など、お子さま自身が意識することが大切です。

自分自身で意識することはハードルが高いため、親、もしくは先生がしっかりと言葉にして伝えてあげる必要があります。

テストで少しでもいい点数を取りたいと思う

根本的に「テストでいい点数をとりたい!」と強く思っていないお子さんもいます。

テストでいい点数を取りたいと思えば、計算ミスをしていないか不安になったり、ミスをしないように丁寧に計算をするはずです。

テストでいい点数を取りたいと思ってもらうことはなかなか難しいことですが、志望校の文化祭に連れて行ったり、テストでいい点数をとったらご褒美をあげるなど、モチベーションを高めてもらうように仕向けましょう。

理解していても、点を取れなければ意味がない

大人が

「計算ミスか~。理解はできてたのね?しょうがない。」

というようなリアクションをとってしまうと、お子さんは「計算ミスは軽いもの。しょうがないもの。」なのだと認識してしまいます。

本当は完ぺきに納得できていないくても、惜しいところまで行っていれば、計算ミスという言い訳をして済ませてしまうこともあります。

計算ミスが軽いものだというようなリアクションを絶対に取らないようにしましょう。

むしろ、計算ミスで失点した場合は、悔しいようなリアクションをとったほうがいいでしょう。

計算ミスをなくすために親ができること

毎日の計算練習

出来るだけ毎日計算練習をするよう、ルーティーンを作りましょう。

計算問題や、1行問題がコンパクトに掲載された問題集が塾から配布されていることが多いと思いますので、そういった教材を使用しましょう。

コンスタントに毎日継続することが大切です。

その際、10分間で解くちゃんと計算式を書くなど、ルールを設けておくことも忘れないでください。

問題文に下線や丸をつけるように習慣化させる

問題文の読み間違いや読み飛ばし、数字の勘違いを頻繁にしてしまうお子さんは多くいらっしゃいます。

その場合は、必ず問題部の重要な箇所に下線や丸をつける習慣をつけましょう。

小6になるまでは、そこまで問題文が長い問題は出題されませんが、入試本番レベルになると、算数や国語だけでなく、理科や社会でもかなり長いリード文や問題文が登場します。

学年が上がれば上がるほど習慣化することは難しくなりますので、できるだけ早い段階から取り組むようにしましょう。

1つの計算ごとにサッと見直す(検算)

ある程度の計算ミスは誰もがしてしまうものであり、しょうがないものです。

しかし、計算ミスに自分で気づけるようにならなければなりません。
計算ミスによる失点が多いお子さんは、自分の計算結果に疑いを持たず、見直しや検算をしない傾向にあります。

一方で計算ミスの少ないお子さんは、ひとつ一つの計算に適度に不安になり、ちょこちょこ検算しながら解き進めています

計算ミスが気になる場合は、問題を解き進める様子を横に張り付いて確認し、逐一検算するように指摘しましょう。

答えを出すまで解いてから検算すると、面倒に感じてしまいますし、もし間違っていた場合に時間のロスが大きくなってしまいます。

「計算ミスならしょうがない」というリアクションをとらない

先述した通り、大人が

「計算ミスか~。理解はできてたのね?しょうがない。」

というようなリアクションをとると、お子さんは、計算ミスはしょうがないものなんだと認識してしまい、計算ミスをしないように努力しなくなってしまいます。

家庭学習において、親が計算ミスに気付いた時は、ちゃんと指摘するようにしましょう。

怒ることはよくありませんので、悔しがったり、もったいないというようなリアクションをとってあげるようにしてください。

字を丁寧に素早く書く練習をさせる

頻繁に計算ミスをしてしまうお子さんの中には、字が雑なお子さんが多いです。

硬筆のように丁寧に書く必要は全くありませんが、素早く、読み取りやすい字で筆記できるようにならなければなりません。

字を丁寧に書けるようになるために自分で意識し、改善できるお子さんは多くありませんので、粘り強く親が指摘し続けることが大切です。

計算欄・余白の適切な使い方を意識させる

模試や入試本番では、計算や図を書くためのスペースが用意されています。

しかし、この余白は使いきれないほど広いわけではありません。

また、見なおしをするためには、自分の思考過程をたどらなければなりません。

つまり、計算欄・余白には、適切な文字サイズで、読める文字で、思考過程を追うことができるように筆記していく必要があります。

これは、日々の勉強から意識して習慣化していかなければなりません。

ノート、もしくは問題所定の計算欄に、ちゃんと図を書いたり、順を追って計算式を書くよう、お子さんに働きかけましょう。

シャーペンを使わせる

まず、鉛筆を使い続けているお子さんは過度に筆圧が高いことが多い印象を受けます。

筆圧が高いこと自体は問題ありませんが、試験時間という限られた時間の中で、一気に広範囲を消しゴムで消さなければならない時もあると思いますが、その際、あまりに筆圧が高いと消えづらく、あとが残ってしまうでしょう。
シャーペンであれば過度な筆圧をかけると芯が折れてしまうため、適度な筆圧に矯正されます。

また、鉛筆は書けば書くほど字が太くなってしまいます。
芯先が太い状態で小さい文字を書くと、文字がつぶれてしまい、数字や文字を勘違いしてしまうリスクがあります。

小学校では鉛筆を使うことが指定されていて、シャープペンシルは禁止されていることも多いかもしれませんが、上記の観点から、受験勉強においてはシャーペンで素早く丁寧に字をかけるようにしていくことをおススメします。

どんなミスをしたのか、必ず言葉にする

「小数点の移動数を間違えた…」
「また逆比にするのを忘れた…」
「また分速と時速の変換を間違えた…」

お子さんによっては、こういったミスが起きた時は反省するものの、すぐに忘れてしまう子も多いです。

言葉にしてお子さんに伝えたりよくしてしまうミス一覧のような形で可視化することで、お子さんはしっかりと意識できるようになります。

計算ミスはすぐには直らない。長期的な目線で改善しよう

計算ミスは小手先のテクニックで、一朝一夕で直るものではありません。

上記のような取り組みを習慣化することで、長期的に改善することができます。

三日坊主にならないよう、長期的な目線で改善に取り組んでいきましょう。

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