難関中高一貫校でよく採択されているZ会出版の「ニュートレジャー」。
内容が濃く、大変すばらしい教材ですが、学校の定期テストで赤点をとってしまうような中高一貫校生にとっては、かなりハードルが高いテキストです。
当塾レフィーにお寄せいただくご相談の中でも
「学校でニュートレジャーを使っているが、英語が全然わからなくなってしまった。定期テストの点数がひどい…。」
というお悩みは最もよくいただくものの1つです。
今回は
■NEW TREASUREの特徴やメリット
■なぜ中高一貫校生がニュートレジャーで落ちこぼれてしまうのか
■NEW TREASUREのおすすめ勉強法
をご紹介していきます!
中高生用 英語教科書『NEW TREASURE』 – Z会の本
NEWTREASUREの特徴・メリット
良質な英文が各単元についている
ニュートレジャーには、英文法のルールとその演習問題がシンプルに掲載されているだけでなく、質の高い英文も多数掲載されています。
大学受験本番、特に難関大学の英語入試では、環境問題や経済についてなど、少し難しいテーマについて書かれた英文が出題されます。
これを踏まえ、ニュートレジャーには中学生の段階から、常識的な内容~そういったテーマの周辺知識に触れることができるよう、成長段階に応じた多彩なテーマやスタイルの英文が掲載されています。
会話表現や定型表現で適切な使用場面を学べる
十分な文法解説と暗唱にも適した例文が掲載されています。
加えて、「Grammar in Use」というセクションでは、学習する英文法が身近な場面でどのように使われるのかを知ることができるよう、会話文が掲載されています。
その会話文には、会話表現や定型表現も盛り込まれているため、実践的な知識が身に付きます。
語彙数が多い
ニュートレジャーはSTAGE1~5までにわかれており、学校によって差がありますが、中学生の段階ではSTAGE3までを学習することになります。
STAGE1では約1200語、STAGE2では約1100語、STAGE3では約800語が扱われており、公立の中学校で採用されている教科書の単語数は中学3年間で1600~1800語ほどであることを考えると、かなりの語彙数を学ぶことになります。
出所:New Treasure
大学入試で求められる英単語数が4000~5000程度と言われているため、ニュートレジャーをしっかりと身に着ければ、大学受験において、かなりのアドバンテージを取ることができると言えます。
なぜ中高一貫校生がニュートレジャーで落ちこぼれるの?
単語や熟語など暗記するものが多い&難しい
ニュートレジャーのSTAGE1,2,3では、合計約3000語の英単語が扱われます。
公立中学校の3年間で約1600~1800語を学ぶことを考えると、2倍程度のペースで英単語を学習することになりますので、単語の暗記が追い付かずに落ちこぼれてしまうこともあります。
また、「Grammar in Use」という英文法が実生活のどんな場面で扱われるかを学ぶことができるセクションでは、会話表現や定型表現もどんどん出てきます。
これらの会話表現や定型表現は、中学生の段階で覚えるにはハードルが高いと感じる方も多いでしょう。
つまり、各レッスン(章)でかなりの密度で登場する新規の単語や熟語、表現にキャッチアップできないと、ニュートレジャーの学習で苦戦してしまいます。
基本的な文法だけでなく、定型表現もでてくるので混乱する
会話表現や定型表現は、基本的な文法ルールに則って考えれば思いつくというわけではなく、暗記が求められるものも多くあります。
そのため、特定のセクションでまず基本的な文法ルールを学んだところで、定型表現や会話表現が登場し、混乱してしまうこともあります。
大事なのは文章?文法?なにをすればいいの?
ニュートレジャーは文法テーマごとにレッスン(章)が分かれており、その中に、
- 学習する文法の実際の使用シーンを学べる会話文
- 文法説明&例文
- 英文
が掲載されています。
演習用の文法問題は「文法問題集」「Workbook」として別冊に収録されているため、本体には問題があまりありません。
そのため、テキストをさらっと読んで復習を終えてしまっている中学生も多いようです。
「Grammar in Use」で紹介されている定型表現や会話表現、英文内に登場する英単語、KeyPoint(文法の例文と解説)で紹介されている表現などもしっかり身に着ける必要があります。
問題としては用意されていないものもしっかりと覚えることが求められますので、問題を解いて終わりとしてしまう中学生は定期テストで点数を取れない傾向にあります。
苦戦の仕方は学校によって異なる!
ニュートレジャーを使用している学校の生徒の定期テストの結果を見てみると、学校によって苦戦の仕方が違う印象を受けます。
特に最難関校の定期テストは特徴を踏まえて対策しないと、塾や家庭教師をつけて対策しても結果に繋がらない可能性があります。
【最難関校】熟語や定型表現の定着が甘い
ニュートレジャーは確かに難しいテキストだと言われますが、扱われている基本的な文法だけを見れば、そこまで難しいものではなく、標準的です。
最難関校では、基本的な文法ルールを習得しているかだけを判別するような定期テストを作ってしまうと、多くの生徒が満点近くを取ってしまうと考えられます。
そのため、最難関校では、ニュートレジャー本体で扱われている単語、熟語、表現をくまなく覚えたうえで、それらを文章に合わせて適切に活用することができるかが問われるような問題が多く見受けられます。
数学のように「ルールを覚えて問題集を解けるようにしておけばいい」というような発想で勉強に取り組んでしまうと、定期テストでは良い結果を残せないでしょう。
【最難関校】英語長文をちゃんと消化していない
上で述べた通り、ニュートレジャーで扱われている文法そのものは、そこまで難しいものではありません。
難しいポイントは、単語、熟語、表現、そして、英文です。
各レッスン(章)の最後にある英文は、該当の文法が使われたものになっていますが、文法解説(Key Point)にあるシンプルな例文よりも、少し難しいと感じられるかもしれません。
過去に学習した英文法と、その単元のメインの英文法が組み合わされていたり、構造が少し複雑なものもあり、こういった文を完璧に理解しておく必要があります。
英文全体の概要を把握して満足してしまう中高一貫校生が多いですが、高得点を狙うためには、1文1文しっかりと理解しなければいけません。
【共通】定期テストの出題範囲をしっかり網羅していない
ニュートレジャーを使用している中高一貫校の生徒だけに限りませんが、定期テストで苦戦している中高生にありがちなのは、そもそもテスト範囲を網羅的に勉強しきれていないことです。
定期テスト約1週間前に、先生から定期テストの範囲が通知されることが多いと思いますので、しっかりと範囲を確認し、満遍なく勉強するだけでも点数は伸びます。
さらに、同じ先生のテストを受けるのであれば、先生がどこからどのような問題を出しているのかもある程度つかめるはずです。
傾向を掴み、どこに時間を割くのかも工夫することで、より高得点を目指すことができます。
【共通】テキストの文章や例文の身に着け方が甘い
こちらもニュートレジャーを使用している中高一貫校に限りませんが、定期テストには、授業で使用しているテキストや指定されている文法問題集に記載されている例文、問題の文がそのまま、もしくは少しアレンジされて出題されることが多くあります。
ニュートレジャーを使用している学校においては
- Grammar in Use
- Key Point
- Read
の1文1文を丁寧に理解し、重要度の高い文に限っては暗唱できる程に覚えておくことで高得点を狙うことができます。
【共通】英文法が演習不足で定着していない
定期テストでは、制限時間内に素早く正確に問題を解かなければなりません。
しかし、ニュートレジャー本体には、文法の解説、使用例、そして英文が掲載されており、文法問題はほとんどありませんので、本体とは別の文法問題集にしっかり取り組む必要があります。
ニュートレジャー本体の解説を見て分かった気になり、問題集を1周ざっと解いただけでは、定期テストでは十分な点数を取ることはできません。
文法問題の演習量が足りていないことも、中高一貫校生が定期テストで十分な点数を取れない原因です。
少なくとも2周はするようにしましょう。
NEWTREASUREのおすすめ勉強方法!
①【本体】Key Point
まずはレッスン(章)で扱われている文法を理解するため、KeyPointの学習が最優先です。
以下の手順で勉強に取り組んでみましょう。
- KeyPointの例文や文法説明を読み、ルールを理解する
- ノートにKeyPointの例文と日本語訳を書く
- 「例文⇒和訳」「和訳⇒例文」をスラスラと変換できるまで練習する
3番を繰り返すことで文法が定着します。
定期テストでは、KeyPointの例文がそのまま、もしくは少しアレンジされて出題されることもあると思いますので、暗唱できるほどにしておくと高得点を狙えます。
②【本体】Grammar in Use
KeyPoint(右ページ)を理解したら、左ページのGrammar in Use(会話文)に取り組みましょう。
- わからない単語や文法を調べながら、会話文を1文1文しっかりと理解する
- ノートに全文を写し、和訳を書く
- 右ページのKeyPointで扱われている文法が使われている文を中心に、しっかりと理解する
Grammar in Useでは、KeyPoint(右ページ)で扱われている文法以外にも、会話表現も登場しますので、それもしっかりと覚えることが大切です。
③【本体】Read
KeyPointとGrammar in Useをある程度勉強したら、各レッスン(章)の最後にあるRead(英文)に取り組みましょう。
これはGrammar in Useと同じく以下の手順で勉強しましょう。
- わからない単語や文法を調べながら、会話文を1文1文しっかりと理解する
- ノートに全文を写し、和訳を書く
③文法問題集
ニュートレジャー本体に対応した文法問題集には、それぞれのKeyPointに対応した形で、改めて文法が解説されていますので、文法を勉強しなおしておきましょう。
ニュートレジャー本体のKeyPointの例文だけでなく、文法問題集の解説ページの例文から定期テストが作られる可能性もありますので、余裕があればこちらの例文もある程度覚えてしまうことをおすすめします。
解説ページのあとには
- Basic(KeyPointに対応)
- Standard(KeyPointに対応)
- Exercise
のレベルに分かれて問題があります。
BasicとStandardは少なくとも2周しておきましょう。
④Workbook
Workbookはニュートレジャー本体準拠の問題集です。
Workbookは主に「Grammar in Use」の例文と本文の理解力が試されますので、本体と文法問題集をひととおり勉強したあとに取り組みましょう。
中には、ニュートレジャー本体は学校で使っているが”文法問題集”と”Workbook”は使っておらず、他の問題集が配布されている方もいるかもしれません。
その場合は定期テストがどこから出題される傾向にあるのかをしっかり把握して、学習計画を立ててください。
⑤定期テスト前対策
定期テストの数日前からは以下に取り組みましょう。
- KeyPointの例文を「英語⇒和訳」「和訳⇒英語」にできるかチェック
- Grammar in Useの全文を理解できているかチェック
- Readの全文を理解できているかチェック
- 文法問題集のまちがえたところをもう一度解く
定期テストでいい点数が取れない中高一貫校生のほとんどは、文法が身についていないこともありますが、そもそも単語や熟語、表現の意味を忘れていたり、スペルミスが目立ちます。
本体の各ページの下部や端に新出単語がまとめられていますので、それらを完璧に覚えておきましょう。
上の4点や単語を覚える際は眺めてOKではなく、ちゃんと文字を書きながら丁寧に取り組んでください。
ニュートレジャーを使って塾や家庭教師を利用するなら・・・
まず大前提、ニュートレジャー以外でもそうですが、学校の定期テストの成績UPを狙うのであれば、基本的には個別指導塾一択です。
もしくは家庭教師を利用しましょう。
個別指導塾や家庭教師を利用する場合、以下のような定期テストで失点する原因を考えたうえで、それに応じて利用方法を考えましょう。
- 基本的な文法の理解不足、演習不足
- 単語、熟語などの暗記が足りない
- スペルミス
- そもそも定期テスト範囲を網羅的に勉強できてない
- 過去に学習したはずの英文法が定着してない
実はある程度文法は学校の授業で理解できていて、定期テストでは単語・熟語、テキストの会話文や長文の読み込み不足で失点しているのだとすれば、文法の解説をされたり、文法問題をひたすら解いてもあまり意味がありません。
なにをすると定期テストの点数が伸びると考えられるのかをある程度明確にしたうえで、そのために時間を使ってもらいましょう。
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