受験

早稲田は難しすぎ!?偏差値や難易度、難しい理由を合格者が解説

早稲田大学は、慶應義塾大学と並んで、私立の最難関大学です。

まだ過去問を解く前の受験生は、

「早稲田ってどれくらい難しいんだろう…」
「東大よりはさすがに簡単?MARCHよりは全然難しいのかな…」

と疑問に思うこともあるでしょう。

すでに過去問を解いたことがある受験生の中には

「ちょっとまって…むずすぎる…やばいかも…」

と感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は、早稲田大学の難しさについて詳しくみていきましょう!

早稲田の学部と入試方式

学部一覧

早稲田大学には以下の13の学部があります。

学部学科(入学定員)
文 (660)
教育教育-教育学 (60)
教育-生涯教育学 (60)
教育-教育心理学 (60)
教育-初等教育学 (30)
国語国文 (135)
英語英文 (135)
社会-地理歴史 (128)
社会-公共市民学 (127)
理-生物学 (40)
理-地球科学 (40)
数学 (75)
複合文化 (70)
国際教養国際教養 (600)
文化構想文化構想 (860)
社会科学社会科学 (630)
  (740)
政治経済政治 (300)
経済 (400)
国際政治経済 (200)
  (900)
基幹理工数学 (55)
応用数理 (70)
情報理工 (95)
機械科学・航空宇宙 (140)
電子物理システム (80)
表現工 (60)
情報通信 (95)
創造理工建築 (160)
総合機械工 (160)
経営システム工 (120)
社会環境工 (90)
環境資源工 (65)
先進理工物理 (50)
応用物理 (90)
化学・生命化学 (60)
応用化学 (135)
生命医科学 (60)
電気・情報生命工 (145)
スポーツ科学スポーツ科学 (400)
人間科学人間環境科学 (200)
健康福祉科学 (200)
人間情報科学 (160)
Kei-Net 大学検索システム 河合塾

同等の難易度として比較される慶應義塾大学には医学部がありますが、早稲田大学には医学部はありません。

入試制度

慶應の一般選抜では共通テストや、英語の外部試験(英検、TOEICなど)の結果を利用することができず(2023年度時点)、慶應独自の試験の結果のみで合否判定が行われます。
※2025年度より文学部のみCSEスコア利用が可能となる見込み

一方、早稲田大学の一般選抜は多様です。
一般選抜以外の入試制度も含めて主なものを以下に記載します。

入試分類
(方式)
概要
一般選抜
大学独自試験のみ
大学独自の試験結果のみで合否判定
一般選抜
英語4技能試験利用
英検等の試験結果と大学独自の試験結果を組み合わせて合否判定
一般選抜
共通テストを
組み合わせる
共通テストの試験結果と大学独自の試験結果を組み合わせて合否判定
共通テスト利用共通テストの結果のみ、あるいは書類選考も考慮で合否判定。大学独自の試験の受験は不要。
総合型選抜選考は書類審査、筆記審査、面接審査など
学校推薦型選抜学校長からの推薦が必要
地域探究・貢献入試総合型のひとつで、全ての都道府県からの受け入れを目標。
選考は書類審査、総合試験、共通テスト

入試方式と対象学部

入試分類
(方式)
対象学部
一般選抜
大学独自試験のみ
全学部
一般選抜
英語4技能試験利用
全学部
一般選抜
共通テストを
組み合わせる
全学部
共通テスト利用政治経済学部
法学部
社会科学部
人間科学部
スポーツ科学部
総合型選抜社会科学部
創造理工学部
(一部学科)
先進理工学部
(一部学科)
人間科学部
スポーツ科学部
学校推薦型選抜政治経済学部
法学部
教育学部
商学部
国際教養学部
文化構想学部
文学部
基幹理工学部
創造理工学部
先進理工学部
人間科学部
地域探究・貢献入試法学部
教育学部
文化構想学部
文学部
人間科学部
スポーツ科学部

早稲田の難しさをチェック

倍率は?

河合塾の以下のページを参考に倍率を見てみます。

Kei-Net 河合塾の大学入試情報サイト

学部や、共通テストを併用するか否かによってかなり幅がありますが、最低でも3倍、高いところでは10倍前後の倍率となっています。

以下の記事を参考にすると、慶應の倍率は3~5倍前後ですから、早稲田の倍率は慶應よりもはるかに高くなっています。

慶應は難しすぎ!?偏差値や難易度、難しい理由を合格者が解説

倍率10倍であれば10人に1人しか合格しないということですから、かなり難易度が高いことが分かります。

私立最難関とされる慶應と倍率に大きな差がある理由として以下が考えられます。

①MARCHや関関同立等の併願先と入試日程が被っていない学部が多いため、受験者数が多い
②慶應は数学が求められたり、国語に代わって小論文があるが、早稲田はMARCHと変わらず私立文系学部の典型的な「英・社・国」3科目で受験可能なため、受験者数が多い

このように、倍率はとてつもない高さですが、できるだけ正確に難易度を確認するためには、倍率だけでなく、母集団の学力レベルも考慮しないといけません。

倍率とは、受験者数と合格者数から算出しただけの数値ですので、比較する際には注意が必要です。
例えば、
「東京大学が倍率3倍」、「MARCHが倍率5倍」だからといって、MARCHに合格するほうが厳しい戦いになるとは言えません。

倍率自体は重要な指標ですが、どのような受験者層なのかも考慮して捉えることが大切です。

偏差値は?

河合塾の偏差値を参考にします。

入試難易予想ランキング表

早稲田大学の偏差値は65-70程度となっており、慶応義塾大学とほぼ同等です。

MARCH・SMARTの大学の学部の偏差値がおおよそ60前後ですので、比較すると難しいことが分かります。

なお、偏差値についても倍率同様、特に模試の結果から算出される自分の偏差値は、偏差値を算出した母集団のレベルによって捉え方がことなりますので注意してください。

入試問題の難しさ【英語】

スポーツ科学部は英語の試験がありませんが、その他学部の一般選抜では共通して英語試験が課されすので、英語試験の難しさを見てみます。

学部によって出題形式や難易度が大きく異なりますが、全体的な傾向としては、慶応義塾大学と同じく、「文の構造が複雑であること」「文章のテーマがわかりづらい・難しい」「設問が難しい」の3点が挙げられます。

特に社会科学部の英語試験では、サイエンスやガーディアンズといった英語圏の科学雑誌から出題されますので、テーマ・内容が難しい上に文構造も捉えづらく、かなりハードルが高い試験です。

また、理工学部の英語試験では、理系知識に関連した論説文等が出題されるために、そもそも内容を把握するのが難しい上に、設問もすべて英語で、早慶の中ではトップレベルに難しい試験です。

学部によって問題文のテーマや傾向、英作文の有無など出題傾向等、細かな点を見れば違いがありますが、早稲田の英語試験は慶應と同程度の難易度だと言えます。

早稲田の合格しやすい学部

先述した通り、倍率や偏差値は母集団の学力レベルが考慮されたものではないので、倍率や偏差値の数字だけを見て合格しやすさ、難易度を推測するのは危険です。

多くの受験生が気になるのは、「自分の学力が低くても合格しうる大学・学部」の事だと思いますので、いくら倍率が低くても、受験科目や試験日の関係から東大受験者がこぞって受験するような学部は対象外としなければなりません。

こういった観点から、最終的に求められる学力レベルが比較的易しいと言えるであろう学部を選びました。

スポーツ科学部

スポーツ科学部は、その名の通りスポーツ分野に関心の高い学生が受験することが多いでしょう。

スポーツ科学に含まれる幅広い学問領域のうち、自然科学系領域を学ぶためのコースである。スポーツ医学、スポーツ生理学、スポーツ生化学、スポーツバイオメカニクス、スポーツ心理学、栄養学、トレーニング科学などの基幹分野の理論的学習を礎に、それらに関連した測定法、科学的トレーニング法、適切な心身の使い方を学ぶ。また、これらの理論を踏まえた上で、スポーツ・運動時の生体応答や生体適応ならびに生体における合目的的な運動発現のメカニズムを解明するための研究技法を教授する。

スポーツ医科学コース

また、所沢キャンパスにあるため、アクセス面から、もし十分な学力があるとすれば、法学部、政治経済学部などと比較すると第1志望学部にはならない可能性も高いです。
こういった側面から、受験者の学力レベルは他の学部と比較するとやや低い可能性があり、倍率も3倍程度となっています。

また、共通テストの得点率は、他の学部が85~90%前後である一方、スポーツ科学部は77%~86%と、低めです。

引用:早稲田大学|過去問・偏差値など|大学受験パスナビ:旺文社

小論文の受験が必須で、スポーツに関連するテーマが頻出ですので、必ず対策が必要になりますが、しっかりと対策をすれば、早稲田の中で合格しやすい学部と言えそうです。

人間科学部

人間科学部もスポーツ科学部と同じく所沢キャンパスの学部です。

法学部、政治経済学部、商学部といった学部は、高校生でも職業をイメージしやすい学部名ですが、人間科学部という学部名は、どのようなことを学ぶのか、それを学んだ先にどういった職業につくのか、想像するのが難しいでしょう。

早稲田大学に限らず、同じ大学でも都心から離れたキャンパスだったりとアクセス面で難がある学部や、どういった内容を学ぶのか想像しづらい学部は多少難易度が下がる傾向にあるように思います。

教育学部

教育学部も、学部名のとおり、教育分野に関心の高い受験生が多く受験します。

就職先を見れば、かなり多くの卒業生が一般的な民間企業に就職しているため、必ずしも教育分野の仕事に就くわけではないことが分かりますが、教育分野に関心がなく、「一般的な民間企業に就職したいから早稲田大学のどこかの学部に合格できればよい」という考えの受験生はあえて教育学部を受験しないこともあるはずです。

【早稲田の英語対策】おすすめの参考書

単語帳

『システム英単語』

約2200語の単語が掲載されている、基礎~中級向けの単語帳です。
入試頻出度順に並んでおり、1,2章が共通テストレベル、3章がMARCHレベル、4章が早慶レベル、5章が多義語という構成になっています。
この1冊をやりこむことで共通テストレベルから難関大の基礎部分までの単語を網羅することができます。

『リンダメタリカ』

早慶や東大などの難関大学を目指す人向けのハイレベルな単語帳です。11個のテーマごとに単語が収録されており、背景知識や専門的な英単語を学ぶことが出来ます
自分が受ける学部によく出てくるテーマだけ勉強するという使い方も可能です。
ある程度基礎が固まっている状態での2冊目の単語帳としておすすめです。

『速読英単語』

レベル別に入門、必修、上級編に分かれています。入門編は英語を1からやり直したい人に、必修編はMARCHレベルの大学、上級編は早慶レベルの難関大学を受験する人に向いています。

「長文の中で単語を覚える」というコンセプトの単語帳で、英単語が実際にどう使われているのかを理解することが出来ます。また、ただ単語を覚えるだけでなく、速読の力を身につけることにも役立ちます。

英文法

『Next Stage英文法・語法問題』

文法、語法、イディオム、会話表現など大学入試に出てくる問題を網羅的に掲載した問題集です。とにかく問題量が豊富で、この一冊をやり込むことでほとんどの大学入試の英文法問題に対応できる英語力が身につきます。

基礎固めからやりたい人におすすめです。

『全解説頻出英文法・語法問題1000』

『Next Stage』と同じ著者による問題集で、約1000問のハイレベルな文法問題で構成されています。難易度が高いため、ある程度英文法の知識がついてきた人におすすめです。

不正解の選択肢にも説明があるなど解説が非常に詳しく、しっかり理解しながら学ぶことが出来ます。

長文

『やっておきたい英語長文』

300・500・700・1000と、語数、レベル順に分かれています。300は共通テスト、500はMARCHレベル、700,1000は早慶レベルとなっています。ひたすら長文を解いて慣れることが可能です。

少なくとも700、余裕があれば1000まで挑戦しましょう。

基礎英文解釈の技術100』

入試基礎レベルから難関大レベルの英文を読解するためのテクニックが100個記述されている参考書です。早慶レベルの難関大志望者で、基礎を固めたい人におすすめです。

長文読解に必要な文法がほとんど網羅されており、問題数も多いため、この1冊を完璧にすることで文章をかなりスムーズに読めるようになります。

『ポレポレ英文読解プロセス50』

英文読解のプロセスを50に分けて説明している参考書で、英文解釈に必要なプロセスが身につきます。レベルが高く、『基礎英文解釈の技術100』で対応できない内容も、この参考書でカバーすることが出来ます。

内容は比較的難しいため、ある程度基礎が身についてきた人向けとなっています。これをクリアできれば早慶レベルの英文もある程度読めるようになるでしょう。

英作文

『竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本』

英文法の学習が一通り終わり、実践問題で英作文を演習した人向けの1冊です。英作文問題でよく問われる表現が60個の原則にまとめられています

それぞれの原則に1問例題がついており、典型的な誤答例とその解説が丁寧に書かれています。これを読み込んで理解することで、英作文のミスを減らすことが出来ます。

『ドラゴン・イングリッシュ基本英文100』

厳選された100の例文が乗っている英作文の力を伸ばすための参考書です。英作文を作る手順やフレーズの解説が丁寧に記載されています。

例文を暗記することで重要構文、表現パターンを覚えることで、英作文の本質を少しずつ理解できるでしょう。

他の難関大学を比較すると・・・

東大と比較

早稲田の英語では非常に難しい英単語が登場する、社会科目では非常にマイナーな驚くような知識問題が問われる、というようなことがよく言われます。

それ自体は事実ですので、「知識の難しさ(誰も知らないような細かな知識)」「英文の難しさ(テーマや文章の複雑さ)」というような観点においては、早稲田大学のほうが難しいと言えることもあると思います。

しかし、東京大学に合格するためには、早稲田大学で求められる科目数よりもはるかに多く勉強しなければいけませんし、試験では、時間制限、思考の深さ、情報処理の正確さ速さ、記述が求められるなど性質の異なる難しさがあります。

また、多くの東大受験者が早稲田大学も併願し、合格していることを踏まえると、東京大学と早稲田大学には大きな難易度の差があると言えるでしょう。

慶應と比較

慶應と早稲田の難易度に大きな差はありません。

できるだけどちらも併願して受験することをおすすめします。

MARCHと比較

MARCHと早稲田大学の難易度を比較すると、どの学部を見ても基本的には早稲田のほうがはるかに難しいですが、偏差値や倍率だけを見ると、一部の学部においては、拮抗していると捉えることができるかもしれません。

ただし、一般選抜、総合型選抜、推薦など、様々な方式の入試があるため一概に比較することは難しいです。

受験大学・学部を検討する際は、早稲田とMARCHという括りで難易度を評価するのではなく、学部、入試方式、求められる科目まで考慮して判断するようにしましょう。

早稲田に合格するために

学部や受験勉強をスタートする時期にもよりますが、早稲田大学の問題は、しっかりと努力すれば合格点を取ることが可能なレベルです。

いちはやく受験勉強をスタートし、志望学部合格に向かって効率的に勉強を進めましょう。

また、どの入試方式を取るにしても、英語が出来て損はありませんので、英語を最優先に勉強してください。

慶應は難しすぎ!?偏差値や難易度、難しい理由を合格者が解説