「あんなに勉強したのになんでこんなミスするの…」
「解き方はあってるのに計算ミス…もったいない」
「また問題文をちゃんと読んでない!」
計算ミス、問題文をよく読まない、逆比にし忘れた、自分の字が雑で読み間違えたなど、ケアレスミスによる失点が多すぎることでお悩みの中学受験生は大変多いと思います。
今回はケアレスミスを減らすための勉強方法・取り組みをご紹介していきます。
ケアレスミスは悪習慣のようなもので一朝一夕では改善されませんので、早い時期から意識するようにしてください。

そもそもケアレスミスなのか?慎重に判断すべき
気軽に「ケアレスミス」と言ってしまいがちですが、本当にケアレスミスとして済ませてよいのか、それとも理解面の問題なのかは慎重に判断する必要があります。
例えば、以下のようなシンプルな問題を考えます。
問題:A君とB君が学校から図書館まで歩きました。A君とB君の速さの比は4:5です。B君は学校から図書館まで20分かかりました。A君は何分かかりましたか?
よくあるミスは、A君とB君の速さの比が4:5なので、学校から図書館まで歩いた時間の比も4:5としてしまい、A君のかかった時間を
20÷5×4=16分
としてしまうというものです。
速さの比と、同じ距離を進む時間の比は逆にしなければなりませんから、正しくは
20÷4×5=25分
ですね。
テストでこのようなミスをしてしまった時、
「あ!逆比にし忘れた!!」
とお子さんが言った時、それを安易に「ケアレスミスなのね。」と捉えてしまうのは危険です。
そもそも、「なぜ、同じ距離を進むのにかかる時間の比は、速さの比の逆比になるのか」を腑に落ちるほど理解できていない可能性があります。
機械的に「同じ距離を進むのにかかる時間は、速さの比の逆比」と覚えるのは、まるで呪文のような表現ですから、忘れたり勘違いしたりしてしまうのは仕方ないですよね。
こういったシンプルなミスは、先生や保護者も「(理解はしているけど)ケアレスミスをしたのね」とだまされてしまいがちです。
こういった基礎の理解の脆弱さが後々の大きな差につながってしまいますので、決して見逃さないようにしなければいけません。
ケアレスミスという言葉は使わないほうが良いかも
お母さん、お父さんが
「これはケアレスミスだから仕方ないね。」
「またケアレスミスじゃん!わかってるんだからもったいない。ミスしないで~」
というような雰囲気でお子さんに伝えてしまうと、ケアレスミスはそこまでダメじゃないミスなんだ、という認識に繋がってしまいます。
むしろ、理解しているってことは認めてくれるんだ!という部分を強く認識してしまい、ケアレスミスではない問題においても、まるでケアレスミスかのような言い訳をし始めることがあります。
あえてケアレスミスという言葉を使わず、しっかりどんなミスなのかを言葉で表現するようにしたほうが良いかもしれません。
ケアレスミスとして捉えてよいミスは?具体例!
では、本当にケアレスミスとして認識してよいものにはどのようなものがあるのでしょうか。
計算ミス(全てがケアレスミスじゃない!)
計算ミスのすべてがケアレスミスではないということに注意しておきましょう。
むしろ、計算ミスの多くがケアレスミスではなく、計算力不足だと認識したほうが良いでしょう。
ケアレスミスと計算力不足の定義があるわけではありませんので、線引きが難しいのですが、例えば
- 234×182
- 12934+4567
というような、シンプルなものの、数字が大きかったり、数字の大きな分数の計算における繰り上がり、仮分数⇒帯分数へのミスはケアレスミスとして捉えてよいでしょう。
しかし、
- 逆算、還元算(穴抜けの□を求める問題)で+、ー、×、÷の逆算でのミス
- 3.14の計算におけるミス
- 計算の工夫が必要な計算問題でのミス
- 逆比にし忘れるミス
これらのミスは、ケアレスミスではなく、計算力不足、実力不足と捉えるべきです。
こういったミスを改善するためには、注意不足や検算の徹底も効果はありますが、それよりも、計算練習が必要です。
毎週新しい単元の学習に追われると、こういった基礎的な実力をつけることをなおざりにしがちですが、算数すべての単元のベースになるため、非常に大きな差につながってしまいます。
計算力が弱いと、いくら単元学習を頑張っても成績が全然伸びないという事態にも陥ってしまいます。
問題文の軽微な読み間違い
問題文の読み間違いのうち、次ような軽微なものはケアレスミスとして捉えても良いでしょう。
- 問題で聞かれていること、答えることを間違えた(Aの速さを聞かれているが、Bの速さを答えてしまったなど)
- 問題文に書いてある文字を読み間違えた(6を8だと思った、辺ADを辺ABだと思ってしまったなど)
ただし、次のようなものはケアレスミスとして捉えてはいけません。
- そもそも題意を誤認していた(規則性の問題での規則・ルールの指示を大きく勘違いした、聞かれていることを勘違いし、手も足も出なかったなど)
- グラフの意味を読み取れなかった
まず前者の題意の誤認の場合、問題を解いている途中で、「なんだこれ…。解けなくない?」となるはずで、その段階で問題文を読み直す必要があるからです。
先ほどの問題で考えると
問題:A君とB君が学校から図書館まで歩きました。A君とB君の速さの比は4:5です。B君は学校から図書館まで20分かかりました。A君は何分かかりましたか?
Aのはやさを聞かれていると勘違いしたとしましょう。
距離の数字は1回も登場していないため、速さを求めることができないのは明らかですから、「あれ?本当に速さをだせるのか?」と疑問に思うはずです。
これは極端な例ですが、このように、自分が十分理解し健闘できるレベルの問題では、題意をしっかり読み取ることができ、途中で修正も出来るはずです。
自分の字が雑で読み間違えた
字の雑さはケアレスミスですね。
また、不意に暗算したせいでどこから数字が出てきたのか分からない、自分が書いた数字が一体何を示しているのかわからないといったこともあります。
丁寧に式を書くことを普段から徹底する必要があります。
ケアレスミスを減らすためにできること
常にプレッシャーを感じてもらいながら勉強させる

ケアレスミスを減らすために最も効果的なのは、普段の勉強時に、常に適度なプレッシャー、緊張感を感じながら勉強してもらうことです。
- 普段からケアレスミスが多いからその延長でテストの時もミスしてしまう
- 普段は少ないが、緊張感でミスしてしまう
が考えられますが、どちらの場合も、普段の勉強時にプレッシャー、緊張感を感じてもらうことが、テストでのケアレスミス減少につながります。
また、
「制限時間内に解けないと得点にならない…!」
「塾の先生、お母さん、お父さんに褒められたい!」
「ミスしたことを指摘されたくない!」
「友達にテストの点数で負けたくない!」
というような思いを普段からどの程度感じるかは、お子さんによってかなり大きく異なります。
これに伴い、ケアレスミスへの抵抗感もお子さんによって大きく異なります。
ケアレスミスが多いお子さんはケアレスミスへの抵抗感が希薄だと考えられますので、普段からケアレスミスをしてはいけないプレッシャーを感じながら勉強してもらうようにしましょう。
具体的には
- 勉強するときはなんでも必ず制限時間を設ける
- 正答、得点を必ずつける
ようにしましょう。
そして、お母さん、お父さんが制限時間内に解けたかどうか、正答数、得点はどうだったかをちゃんと気にしてあげてください。
さらに、次のポイントを合わせて意識しましょう。
ケアレスミスを親が肯定しない

「ケアレスミスは仕方ないもの!」という意識が強くなってしまう理由としては、友達、塾の先生、お母さん、お父さんから「ケアレスミスは仕方ないもの。理解しているならOK!」という雰囲気を感じ取っていることが原因として考えられます。
そのため、少なくともお母さん、お父さんはこういったケアレスミスを肯定、容認する姿勢を感じとられないように努めましょう。
結局、実力を伸ばさないとケアレスミスは減らない
上記の取り組みで、ケアレスミスは多少なり改善に向かうと考えられますが、そもそもケアレスミスは、自分のレベル相応、もしくは少し背伸びした問題を解いた際に発生しやすいです。
極端な例えですが、大人が1+2や100÷2を間違うことはあまりないでしょう。
つまり、お子さんにとってかなり簡単な問題であれば、ミスの頻度は減るはずで、ケアレスミスが多いということは、そもそもまだ実力が足りていないということになります。
ケアレスミスさえなければかなりいい点数になるお子さんも稀にいらっしゃいますが、多くの場合、そうではありません。
ケアレスミスの改善だけに取り組むのではなく、長期的な目線で実力を伸ばしていくことを意識してください。
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LEFYでは、完全1対1の個別指導の中で、ただ問題を解説するだけでなく、ケアレスミス改善に向けた取り組みや「式を書くこと」「図を書くこと」なども身に着けていただけるように指導をしています。
このような習慣はすぐに改善されるものではなく、時間がかかりますが、長期的に1対1で指摘、アドバイスされることで改善に向かいます。
小6になって相対的に伸びてくる子はこのような基本動作を丁寧に身に着けていますので、早い時期から地道に取り組みましょう。
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