「個別指導塾は意味がない」
「個別指導塾に通ってるのに成績が上がらない…」
「個別指導は費用が高いのに効果がない気がする」
せっかくお金を出して個別指導塾に通っているのにお子さんの成績が上がらず、このようなお悩みを抱える方は多いです。
手厚く個別に教えてもらっているはずなのに、なぜ個別指導塾で成績が上がらないのでしょうか。
個別指導塾経営者が塾側の問題点も含めて本音で理由をご紹介していきたいと思います。
個別指導塾に通ってるのに成績が上がらない理由6点
①お子さんにやる気がない・集中力がない
そもそもお子さんに勉強のやる気がなく、塾に通うことに抵抗がある場合、個別指導だとしても相応の効果を得ることができないでしょう。
特に小学生、中学生は、勉強慣れしておらず、集中が続かないお子さんも多く、講師側も授業を進めることに苦戦・試行錯誤していることがあります。
このようなお子さんは、自宅学習や学校、集団塾の授業でも集中できていないことが多く、個別指導の時間の方が有意義だとは言えますが、とはいえ成績を伸ばすには苦労することがあります。
②自宅学習の時間が足りない、非効率的な勉強をしている
個別指導塾に限らず、集団授業の塾でも言えることですが、塾に通っているということで安心してしまい、自宅学習が疎かになっていることがあります。
また、自宅学習や自習室での勉強時間は確保しているように見えても、非効率的な勉強をしていたり、親の目を盗んでスマホやゲームに夢中になっていることもあります。
勉強の基本は「理解し、定着させる」ですから、自学自習が不十分だと個別指導塾に通ったとしても成績は上がりません。
個別指導塾では丁寧に教えてもらうことで「理解する」ことはできますが、「定着させる」ことができるかどうかはお子さん次第です。
③既習範囲の抜けが多すぎて結果に表れるのに時間がかかる
個別指導塾に通う事情は様々あると思いますが、
- 学校の授業についていけないから追いつきたい
- 逆転合格を目指したい
といったように、現状の学力が十分ではないお子さんが多いことは事実です。
中学受験、高校受験、大学受験を目指す小4、中1、高1であれば周囲と同じレベルからスタートしているはずですので、成績を伸ばすことが比較的容易だと言えますが、すでに1,2年分の大きな差がついてる場合は、その穴埋めが必要になります。
特に算数、国語、数学、英語は積み重ねによって新単元の理解度に大きな差が生まれてしまいますから、一朝一夕で成績を伸ばすことは難しいと認識しておきましょう。
④扱っている教材がお子さんに合っていない
扱う教材、問題はお子さんの現在の学力に適したものでなければいけません。
しかし中には、簡単すぎるもの、難しすぎるものを扱ってしまっている場合があります。
「簡単すぎるな」「難しすぎる…」と感じても、教えてくれている先生に自ら物申せるお子さんは多くはありません。
教室長、先生の知識と経験、そして保護者とのコミュニケーションが重要になります。
信頼できる教室長、先生がいる個別指導塾を選び、どんな教材を使うかしっかりと相談するようにしましょう。
⑤講師の力量不足
純粋に講師の力量不足が原因で成績が上がらないこともあるでしょう。
大学生のアルバイト講師では、以下のような弱点があるでしょう。
- 教える知識があやふや、足りない
- 生徒の質問にわかりやすく的確に答えられない
- 授業で教えるポイントを整理できていない
- 授業と雑談の緩急コントロールが未熟
一方で、一般的に言われる社会人プロ講師は上記を含めたスキルが十分かと言うと、そんなことはなく、プロ講師には認定資格のようなものがあるわけではありませんので、上記に該当してしまうような方も多数います。
さらには、社会人講師の場合
- 年齢差により、生徒が心を十分開けず、上手くコミュニケーションを取れない
- 説明は上手いが、子供の考えを十分にヒアリングできず、講義形式の授業になってしまう
- 知識は豊富だが、高齢のため、大学生講師よりも質疑応答時のレスポンス速度が遅く、生徒の不満になる
といったこともあります。
ただし、社会人プロ講師の中には明らかにアルバイト大学生では到底及ばないようなソフトスキルと知識、経験を持った先生が存在することは事実です。
しかし、指導力の高い社会人プロ講師は集団塾の講師をしていたり、個別指導塾や家庭教師だと比較的高額な授業料になってしまいがちです。
また、お子さんの学力レベルやタイプによっては、授業の内容面の充実さ以前に、まずは勉強時間の確保が必要な場合もあります。
その場合は費用の高い社会人プロ講師ではなく、十分な学歴・学力・知識を備えた大学生講師に長い時間見てもらうほうが成績UPにつながると考えられます。
授業料、お子さんとの相性、講師の質のバランスをみて個別指導塾を選びましょう。
⑥講師と生徒の相性が合わない
講師と生徒という関係性も、人対人ですので、どうしても「合う」「合わない」があります。
特に個別指導の場合、先生との距離が近く、コミュニケーションを頻繁に取りますので、相性が重要になります。
「指摘の仕方が気になる…」
「会話のテンポが合わない…なんか怖いと感じる。」
「疑問点を質問しづらい。」
など、授業の内容に集中できなくなってしまうことも考えられます。
逆に言えば、
「この先生の説明はなんかスッと頭に入ってくる」
「宿題を頑張ってやろうって思える!」
「分からないことをすぐに質問できる!」
というほど相性の良い先生もいるはずですから、そういった先生に巡り合えるのが理想です。
個別指導塾でずっと成績が上がらない時は教室長に相談!
まずは教室長や担当の先生に「なぜ成績が上がらないのか」「どうしたら成績が伸びる可能性があるのか」を聞き、成績が伸び悩んでいる理由を明確にしましょう。
先述したとおり、成績が伸びない理由は、塾側の問題の可能性もありますが、
- お子さんにやる気がない・集中力がない
- 自宅学習の時間が足りない、非効率的な勉強をしている
- 既習範囲の抜けが多すぎて結果に表れるのに時間がかかる
とお子さんに改善点がある可能性も十分あります。
教室長との面談を通じて、塾側に改善点があると思われる場合は、講師の交代、授業内容・テキストの変更、転塾を相談、検討しましょう。
お子さんの状況によって伸び悩んでいると思われる場合は、親のサポートも必要か、子供にどんな働きかけをすればよいか等々も相談、実践しましょう。
転塾の際、個別指導塾の選び方は以下を参考にしてみてください。
個別指導塾を利用するときの親の心構え・注意点
目的に応じて適切な個別指導塾を選ぶ
- 中学受験専門
- 高校受験専門
- 大学受験専門
- 中高一貫校生専門
と、個別指導塾にも様々なタイプがあります。
お子さんの目的に合った塾を選ぶようにしましょう。
個別指導塾の場合、どれでも指導可能としている塾もありますが、その場合は授業担当の先生の経歴を聞きましょう。
特に中学受験や難関私立高校、最難関大の受験指導をできる先生はかなり限られていますので、大学生講師であれば難関校合格者なのか、社会人プロ講師であれば〇〇受験の指導経験があるのかを聞きましょう。
個別指導塾に全任せしない!
集団塾に通う場合、「集団塾の多くの生徒の中の1生徒である。塾をどう活用していくか。」といった意識を持たれることが多いと思います。
一方で、個別指導塾に通う場合は、学校や集団塾の授業についていけなくなった方も多いことから、「個別指導塾に全面的に面倒を見てもらおう」という意識になっている方が多いように思われます。
しかし実態を見てみると、個別指導塾で成績がちゃんと伸びているご家庭は、「個別指導塾はあくまで個別に勉強を教えてくれる場所で、その場をどう活用するのか」といったように、冷静に捉えていらっしゃることが多いように思われます。
例えば以下のような点を個別指導塾に全て依存するような考えは避けたほうがよいでしょう。
- 毎日自習室に通うので宿題や学習計画の進捗をチェックして欲しい
- 将来の夢、志望校に向けてやる気を出すように話をして欲しい
- 学校の小テストや宿題の実施状況をチェックして欲しい
もちろん、どの個別指導塾、先生も出来る限りサポートしますし、これを望むことがダメだというわけではありません。
あまりに自己管理ができなさすぎる、両親が共働きで全くサポートできないなど、仕方のない事情がある場合もあるでしょう。
しかし、このようにメンタルや日々の管理まで全面的に面倒を見てほしいという気持ちからスタートしてしまうと、親にも、お子さんにも主体性、当事者意識が生まれず、親のサポートも不十分になってしまったり、お子さんも授業に身が入らないケースが多いように思われます。
最終的にどこまでサポートしてもらうかはさておき、入塾の段階では、できる限りお子さんが自律的に勉強に取り組むことを想定した学習計画、サイクルを想定し、その中でどのように個別指導塾を活かすかを考えておくことが大切です。
講師の質・レベルは幅広い。お子さんに合った講師を選ぶ
個別指導塾には1対1~1対4人以上の個別指導まであります。
また、最近ではコーチング系の塾も増えてきており、中学受験・高校受験・大学受験という切り口とは異なるジャンルの塾もあります。
講師には社会人プロ講師、大学生のアルバイト講師が存在し、社会人講師では経験年数、指導歴、指導力が、大学生においては学歴に大きな違いがあります。
当然、社会人講師は経験豊富であればあるほど、大学生であれば学歴が高いほど費用は高くなります。
そして、社会人講師のほうが大学生講師よりも高確率で成績を安定して伸ばすことができることは間違いないでしょう。
ただし、社会人講師の全員がハイレベルな指導が可能な経験豊富な先生ではありませんから、高学歴で多少経験を積んだ大学生のほうが成績を伸ばす力がある場合もあります。
難関校向けの指導まで可能で、かつお子さんのやる気を出せるようなハイレベルな社会人講師はひっぱりだこですから、費用も高くならざるをえません。
お子さんの目指すレベル、現状、費用面から最適な個別指導を選ぶようにしましょう。
信頼できると感じたら、細かな指導内容は先生に任せる
教室長や担当の先生を信頼することができると感じる場合、使用する教材、授業の進め方、進度等は全て任せてしまったほうが効果が上がるかもしれません。
「この単元はもう一度やらないとだめだな…。来週授業冒頭にチェックしよう」
「今日の授業はこれに時間を使って理解してもらって、残りは来週に回したほうがいいな」
といったように、お子さんの理解度、定着度に合わせて指導をできるのが個別指導の利点で、こういった細かな指導をしていると、集団塾のようにきっちりと予定通りカリキュラムが進まない回が頻繁に発生します。
また、
「この教材はこの子には難しすぎる。もっと基礎問題が充実しているテキストで段階に学んだ方が成績が伸びる」
「過去問をやるには実力が足りない。ぎりぎりまで基礎を固めよう。」
と、柔軟に教材や問題を変更することができる点も個別指導塾のメリットです。
とはいえ、保護者の方から「こうして欲しい!」と強く希望されれば、基本的にはその指示に従うことになります。
教材や進め方がカッチリ決まっている授業では、どうしても
「今日の授業ではここまでやらないといけないのか…。間に合わないからサラッと解説するしかないか…。」
「あと何回かこのレベルの問題を反復して欲しいけど、次の問題はこんなに難しいのか…。基本をちゃんと理解してくれているか不安だな…。」
講師がこのように感じてしまうシーンが出てきます。
そのようなケースでは、信頼できる講師に全面的にお任せするほうが効果的なこともあるので、注意しましょう。
■関連記事
【中学受験】集団塾と個別指導塾の併用・掛け持ちはあり?
【中学受験】個別指導塾だけで合格できる!?集団塾との違い・比較も
中高一貫校と公立高校、どちらが大学受験で有利?